2007年度 奮戦情報

福祉灯油支援についての申し入れ(2008/1/30)

 日本共産党県議団は1月30日、県独自の福祉灯油支援を求めて、社会部長に申し入れを行いました。
 社会部長は「市町村が行う支援対象者の申請漏れが無いよう指導する。知事・副知事に今日の申入れについて必ずお伝えします」と答えました。

2008年1月30日

長野県知事 村井 仁 様
長野県社会部長 藤巻 益夫 様 

日本共産党長野県議団
団長 石坂 千穂 

県独自の福祉灯油支援についての申し入れ

 

 原油価格の高騰の影響により、低所得世帯等の暖房費支出が日々の生活に深刻な状態となっているなかで、県内の市町村では福祉灯油を実施し支援しています。
 福祉灯油への県の独自支援については、12月県議会の備前光正議員の一般質問に対する答弁で、藤巻社会部長は「市町村の対応なども見ながら(支援を)検討して参りたい。」と述べました。
 また、12月17日に日本共産党県議団と日本共産党長野県委員会が行った村井仁知事への緊急の申入れの際にも、知事は「県としてお手伝いする立場で考えたい」と答えられ、この答弁が市町村での福祉灯油実現のはずみになりました。
 厚生労働省も、全国の自治体が福祉灯油を導入する動きの広がるなかで、月額8千円以内であれば生活保護世帯の収入認定に含めないとの通知をだしています。
 しかしながら、依然として長野県が独自支援の具体的な表明がされないため、改めて福祉灯油への県独自支援の早急な実施を強く申入れいたします。              

浅川の治水対策に関して申入れ(2008/1/17)

 日本共産党長野県議団と長野市議団は1月17日、浅川の治水対策に関して、長沼地区北陸新幹線対策委員会と長野県、長野市、鉄道・運輸機構との間で1月19日に「確認書」を取り交わすとされていることについて、「北陸新幹線の用地確保と引き換えに浅川穴あきダム建設を強行することはあってはならず、十分な調査、検証、検討を行なうこと」と申入れしました。
 これに対して原悟志土木部長は「ダムと新幹線を引き換えということはない。浅川ダムと内水対策とは別で、内水対策は行っていく」としましたが、石坂県議団長の「穴あきダムを10年以内につくるという約束はしないでほしい」という要請に対しては「早期に着工したものは早期に完成を目指す。前の計画も10年だった」と答弁。石坂団長は「穴あきダム建設に納得できない人も多い中では、このような確認書によって、県ががんじがらめに縛られないように。地域の人の願いは、水害をなくしてほしいということです」と、再度要請しました。

2008年1月17日

長野県
土木部長 原 悟志 様

                        日本共産党長野県議団
                              団長 石坂 千穂
日本共産党長野市議団
                              団長 原田 誠之

申  入  書

 県民福祉向上へのご尽力に感謝申し上げます。
 昨年暮れ、浅川の治水対策にも関連して、長沼地区北陸新幹線対策委員会(徳永純和委員長)は長野県、長野市、鉄道・運輸機構それぞれに合意条件を盛った「同意書」を提出し、1月中旬には「確認書」を取り交わすという報道がされました。
 この報道によれば、合意条件の中には県が浅川に計画している治水専用「穴あきダム」を10年以内に完成させるという内容も含まれているとのことです。
 ご承知のとおり、浅川流域住民はいまだ危険な地滑り地帯、活断層の存在など浅川穴あきダムの安全性に大きな危惧をもっており、ダム建設を中心とした浅川の治水対策については同意しておりません。
 ひとたび事故が起きれば多大な犠牲がもたらされることは火を見るよりも明らかであり、慎重な対応を多くの住民が心から願っています。
 専門家も、穴の詰まる可能性は否定できず、また洪水後、通常のダムよりダム湖の水位は急激に下降するため、山腹崩壊などの危険が高いと指摘しています。
 さらに穴あきダムはまだ国内で一例しか建設されておらず、検証も充分行われてはおりません。
 よって下記について申し入れます。

 北陸新幹線の用地確保、開通と引き換えに浅川穴あきダム建設を強行することはあってはならず、充分な調査、検証、検討を行うこと。

以上

原油高対策緊急申入れ(12/17)

日本共産党県議団と県委員会は17日、村井知事に対し、「原油価格高騰に関する対応策についての緊急申入れ」を行いました。村井知事は、県下の市町村が低所得世帯を対象に、「福祉灯油」制度を実施した場合には手だてを考えたいと述べました。

2007年12月17日

長野県知事 村井 仁 様

日本共産党長野県委員会
委員長 今井 誠
日本共産党長野県議団
団長 石坂 千穂

原油価格高騰に関する対応策についての緊急申し入れ

 オイルマネーなどの異常な流入で、原油価格の先物取引価格は1バレル99ドルを超える事態となり、ガソリン、灯油、ナフサや重油などが異常に高騰し、県民生活や関係業界に重大で深刻な影響を与えています。
 なかでも生活困窮者や社会的弱者への影響は深刻です。特に高齢者、障がい者施設など福祉の現場では、「いくら補正予算を見込んでおけばよいか困った」などの悲鳴があがり、一刻も早い対応が求められています。
 産業への影響も深刻です。施設園芸農家や機械金属業者、運輸関係やクリーニング等のサービス業、飲食業者など全ての産業に大きな否定的影響を与えています。
 中小零細企業は原油高騰に伴い、親企業に原材料や燃料費の高騰分の引き上げ工賃の改定要請をしても、価格転嫁もままならず、しかも従業員の仕事確保のために無理をして赤字覚悟でも仕事をせざるを得ない事業者も現れています。
 このままでは、県内の地域経済や雇用に及ぼす影響も大きく、早急な対応が求められています。そのために以下の点を早急に実施されるよう申し入れるものです。

  1. 原油高騰から県民生活を守るため、中小企業支援緊急連絡会議にとどまらず、県民生活全体を視野にいれた「緊急対策本部」を早急に設置するとともに、中小零細企業や福祉施設などへの緊急実態調査を実施し、全庁的な総合対策を講ずること。
     また、各市町村とも協力して、県民が気軽に相談できる窓口を設置すること。

  2. 県立病院、県立学校等での原油急騰による暖房費の不足分は、ただちに追加支給するとともに必要量を確保すること。

  3. 低所得世帯への「福祉灯油」の実現、県民税減税、「免税軽油」制度の周知・徹底、生活福祉資金等の拡充と弾力的運用、融資制度の拡充など緊急の対策をとること。

  4. 中小企業や、農林業者の要望をよく聞き、実情に合った対応を行なうこと。

  5. 政府に対し、緊急対策のすみやかな実施を要請し、便乗値上げの監視強化や、原油高騰の要因である国際的な投機マネー抑制のルール確立を要望すること。

生活保護基準の引き下げ中止を求める意見書(案)を提出、採決(12/14)

12月14日の県議会で、日本共産党県議団の和田あき子県議が提案した「生活保護基準の引き下げ中止を求める意見書案は、投票採決の結果、賛成22票、自民党県議団、創志会、県民クラブ・公明の各派の反対34票のため、残念ながら否決となりました。

議 第 4 号

生活保護基準の引き下げ中止を求める意見書(案)

2007年  月  日

 衆議院議長
 参議院議長
 内閣総理大臣   あて
 厚生労働大臣

 議 長 名

地方自治法第99条の規定により、下記のとおり意見書を提出します。
 
 記

 生活保護制度は、憲法第25条に規定される国民の健康で文化的な最低限度の生活」を保障し、国民の生活水準の土台をなすものである。
 厚生労働省は、「生活扶助基準に関する検討会」からの報告を受け、生活保護費算定の基準となる最低生活費のうち食費・光熱水費等に当たる生活扶助基準額や6段階の級地制度を見直し、全体として基準を引き下げる方針を固めた。
 生活保護の基準は、国民年金保険料等の減免基準、住民税等の課税基準等とも連動しており、報告に沿った形での一般低所得世帯の消費実態との比較に基づく基準の見直しが行われれば大幅な引き下げとなることから、国民生活が一層深刻になることが予想される。
 よって、国においては、生活扶助基準額や級地制度の見直しによる基準の引き下げは行わないよう強く要請する。


以下は賛成した県議(敬称略)

生活と健康を守る連絡会の県政要望(2007/11/30)

 長野県生活と健康を守る連絡会(大坪勇会長)の県政要望が30日にあり、県議団から石坂、藤沢、もうり、和田県議が同席しました。
 要望した内容は、国民健康保険の資格証明証・短期保険証の発行や滞納による財産差押えの中止をはじめ、県営住宅に子どもが住み続けられない問題、生活保護申請での対応問題等でした。
 長野市の生活保護申請の対応で、申請した日から生活保護の対象とすべきところ、そのことが守られていない例を紹介し見解を求めました。県の担当者は、原則申請のあった日が生活保護の開始日であること、また、緊急性のある場合は、日をさかのぼって適用されると述べました。

2008年度予算要望を提出(2007/11/28)

村井知事に予算要望書を提出し、懇談しました。

2008年度予算要望書は、こちらへ

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森林税に関する声明



2007年11月21日

日本共産党県議団
 団長 石坂 千穂

森林づくり県民税の導入に反対の声明

県は12日、「有識者懇話会」の答申に基づいた「森林づくり県民税」(以下、森林税)を来年4月より導入すると発表しました。
 いま県民のなかからは、「県よ、お前も増税か」という声があがっています。
 日本共産党県議団は、この間、県議会の場でも、国の各種控除の廃止、定率減税の廃止などで増税がつづくなか慎重な対応を求めてきました。
 正式な導入が発表されたもとで、以下の理由から「森林税」の導入に反対の立場を明らかにし、県民のみなさんや県議会の各派のみなさんとも共同して、導入をさせない取り組みをよびかけます。

  1. 増税が続くこの時期の導入は適切ではない
     今回提案された「森林税」は、個人県民税に500円、法人県民税に5%を一律に増税するというものです。特に個人県民税の均等割だけを納めている方は、現在13万8000人いますが、税額は1000円で、そこに500円の増税というのでは1.5倍になります。これでは低所得者に負担が増える逆累進税となります。
     そのうえガソリン、灯油、食料品まで高騰するなかでは、県民生活に深刻な影響を与えることになります。
     国が増税を続ける中で、県までが低所得者への配慮もなく、県民に広く増税を求める、この時期の「森林税」は認められません。

  2.  いま森林整備でやるべきことは他にある
     今回の「森林税」の導入で県には6億8000万円の収入となりますが、約8500億円の県予算のなかで0.08%です。この額が税に頼らなければつくりだせない予算でしょうか。
     しかも、県民合意のない無駄で危険な本体だけでも100億円の浅川ダムは見直しもせず推進しようとしています。
     そもそも里山の森林荒廃を放置してきたのは国が外材輸入に依存しながら、予算を削り、担い手の育成や生活できる収入を保障しないできた結果です。
     いま里山の整備をすすめるためには、「先に新税導入」ではなく、困難になっている境界の確定など所有者への理解、適切な人材配置や担い手が生活できる収入確保、間伐材の利用促進、将来を見越した林業の振興計画などをきちんとした上で、財源を検討するべきではないでしょうか。

  3.  あまりに拙速で県民的議論に欠ける
     9月県議会で一定の論議がされ、県での説明会も10ヶ所で行われましたが、一般県民にはなぜいま森林税なのか、長野県の森林整備の現状はどうなっているのか、十分周知されているとはいえません。そのような状況のなかで、12月県議会に提出し、来年4月から実施というのはあまりに拙速です。県民的な議論の時間がもっと必要と考えます。

 日本共産党県議団は、森林整備そのものや、森林が環境に果たしている役割を積極的に評価するものです。そのための財源の一部を税に頼ることを全面的に否定するものでもありません。
 森林は国民みんなが恩恵を受けるものであることから、国がもっと補助金や交付税などの間伐予算を増額すべきであり、県もその立場で強く要求することを要望します。
 日本共産党県議団は、この間も、間伐予算の増額や県産材・間伐材の活用を求め、学校の机、椅子への普及、地球温暖化対策としてペレット・ストーブ、ボイラーの公共施設や県民への普及をはかることなどを提案し、実現してきました。
 森林づくりは長い年月を要する事業です。「増税先にありき」ではなく、県行政はその前にまず必要な仕組みづくりや、行うべきことを実施し、そのうえで増税の必要性を検討するべきです。
 この際、「森林税」の導入を一旦とどまって、県民的納得と合意を得られるよう考え直すべきであると考えます。

「沖縄戦に関する教科書検定意見の撤回を求める意見書採択についての陳情」が継続審査となったことに関する声明

2007年10月15日

「高校歴史教科書検定での沖縄戦『集団自決』に関する検定意見の撤回を求める意見書採択についての陳情」が継続審査となったことに関する声明

日本共産党県議団 団長 石坂 千穂
                  トライアル信州  代表 島田 基正

 文部科学省は平成20年度から使用される高校教科書の検定結果を公表しましたが、その中で5社7冊の日本史教科書で沖縄戦における「集団自決」の記述について「誤解の恐れがある表現である」として日本軍による命令・強制・誘導などの表現を修正・削除させました。
 これに対して沖縄県議会では検定意見の撤回を求める意見書を2度にわたって全会一致で採択し、沖縄県内の全41市町村議会も同様の意見書を採択しています。
 9月29日には宜野湾市で「教科書検定撤回を求める県民大会」が開催され党派を超えて沖縄県民の1割に相当する11万6千人もの人々が参加し、検定意見の撤回を求め、決議文を採択しています。
 要請を受けた政府は「県民の思いを重く受け止める」「真摯に対応する」と述べており、教科書出版会社からの訂正申請にも柔軟に応じる姿勢を示しています。
 沖縄、京都、奈良、高知、福岡など5府県を始め全国各地の議会でも次々と撤回を求める意見書を採択しており、沖縄戦での集団自決の実相をゆがめることなく伝えることが重要であることを国に求めています。
 このような情勢のなかで、長野県議会文教委員会では表記の陳情が、賛成少数で継続審査となってしまいました。平和を求め史実をきちんと引継ぎ、2度と戦争を起こさない社会にすることは沖縄県民のみならず国民共通の思いですが、長野県議会の良識を示せなかったことは大変残念です。
 私達は子供達に沖縄戦の真実を伝え、再び戦争を起こさないために平和の大切さを訴えながら検定意見の撤回を求め、引き続いてがんばる決意を表明し、ここに声明を発表するものです。

9月県議会 もうり栄子議員の一般質問

 もうり栄子議員は5日の一般質問で、産科医師不足問題、助産師の活用、県が検討している森林税(仮称)、岡谷技術専門校の自動車整備科廃止問題の見直しをとりあげました。
 産科医師不足のなかで助産師活用の必要性を繰り返しとりあげてきましたが、地域医療対策協議会に助産師が加わっていないことを指摘。渡辺衛生部長は、「看護協会の代表が参加している」として答弁。再度の追及に、ようやく「検討させていただきたい」と約束しました。
 また、県立須坂病院の産科休止問題では、県が医師確保に全力をあげつつ、助産師の能力を発揮した院内助産所を開設するよう提案。村井知事は、「医師が確保できれば、開設は可能」と前向きな答弁をしました。
 森林税については、予想される案として所得に関係なく県民税に一律500円上乗せすることは、低所得者に配慮を欠くものであり、収益を多くあげている企業も小企業も一律5%では逆累進性となるなど、導入には慎重な検討が必要と求めました。村井知事は、「(県民の)議論を待ちたい」としつつも、「薄く広く負担をいただく」として、額などは示しませんが一律課税を容認する姿勢でした。

9月県議会 和田あき子議員の一般質問

 和田あき子議員は5日の一般質問で、子どもの医療費の対象年齢引き上げと病院の窓口での無料化実現や、浅川ダム予定地の地質再調査、白馬・長野有料トンネルの早期無料化などをとりあげました。
 子どもの医療費問題では、山梨県が来年4月から窓口無料化を実施することになった経緯や、東京都の中学生まで医療費に1割助成が実現した経験などを紹介し、県内自治体の多くが対象年齢を県の対象以上に引き上げているなどの努力に応え、県として小学校卒業までの引き上げと窓口無料の早期実現を迫りました。
 村井知事は、「現行制度を当分の間維持したい」として、背を向けた答弁でした。
 浅川ダム周辺の地質調査の質問にも、村井知事は「再調査は必要ない」と、はねつけた答弁でした。

9月県議会 小林伸陽県議の一般質問

 小林伸陽県議は3日、知事の政治姿勢や、上伊那農業高校定時制の廃止問題、障害者希望の旅事業の継続などについて一般質問に立ちました。
 村井知事は9月県議会前の党県議団の申入れの際に、県民の県政政策決定への参加について、「それは議会の仕事であり、決定権は県民にはない」と発言しました。この考えの真意をただす質問に、知事は「県民参加は大切」としながら、「(政策決定は)首長と議会が担うもの」との立場を繰り返しました。
 在校生や卒業生、同窓会などが反対している上伊那農業高校定時制(伊那市)の来年4月廃止問題について、小林県議は、先の伊那市議会で「存続を求める意見書」が採択された新たな事態も踏まえ、地元合意は得られていないとして存続を求めました。山口教育長は、「(反対の)気持ちは充分承知している」が、「予定通り4月に募集停止する」との冷たい答弁でした。
 県は障害者自立支援法の制定に伴い、従来補助をしてきた障害者「希望の旅」事業は市町村が担うものとして、来年度から補助を打ち切る対象としている問題をとりあげました。小林県議は関係者から継続を求める声が強く望まれており、村井知事に継続への決意を迫りました。村井知事は、「様々な意見が寄せられており、新年度予算編成に向け検討する」と述べ、継続への可能性に言及しました。

百条委員会の「告発」に対し、長野地検が田中前知事を不起訴に

 長野地方検察局は3日、長野県議会の百条委員会において「偽証」(うその証言)したとして、田中康夫前県知事や県職員を、議会の多数が告発したことに対し、「嫌疑なし」として不起訴にしました。
 この問題は、2005年1月に田中前知事の後援会元幹部による「働きかけ」を記録した文書を、前知事が破棄を指示し、県職員(当時の経営戦略局参事)が実行したとの証言が発端でした。
 同年7月には、県議会に「事実を解明する」として、地方自治法百条に基づく調査特別委員会(百条委員会)の設置を多数で可決しました。
 06年2月県議会では、百条委が前知事の「(破棄を)指示していない」との証言は「偽証」と賛成多数で認定しました。この認定をもとに、県議会が告発していましたが、一年半を経て長野地検が「指示がなかったのは明らか」と判断しました。
 

 石坂ちほ団長のコメント
 一職員の「証言」に端を発し、前知事のイメージダウンを狙った県議たちが「政争の具」として利用した結果であり、今回の司法の判断は適切なものです。百条委員会などに長い時間と多額の税金を使ったことも含め、告発した県議は反省すべきです。
 日本共産党県議団は一貫して百条委の設置も、「偽証」の認定や、「告発」にも反対してきましたが、県職員のメールの扱いや情報公開のあり方など未解決の問題については、今後も透明性を高めるよう改善していきます。

知事への9月県議会に関する申入れ(2007/09/03)

2007年9月3日

長野県知事
 村井 仁 様

 日本共産党県議団
 団長 石坂 千穂

9月県議会に関する申入れ

 9月県議会の開催にあたり次の項目について検討し、施策に反映されますよう申し入れいたします。

  1. 中期総合計画について
     別紙のとおりです。

  2. 浅川の河川整備計画が国の認可を得ましたが、安全性の調査もせず、流域住民は治水専用穴あきダムの計画に対する安全性と治水効果に不安と疑問を持っています。また、地方交付税の算定基準に河川整備が含まれなくなるなど、ますます厳しい県の財政状況のもとで、全県的な公共事業や河川整備のバランスからみても、この計画は再検討を求めます。

  3. 消費生活条例(仮称)については、消費者の権利尊重を基本に、県民参加と協力のもと、不当な取引行為の禁止や基本計画の策定など実効性が担保される内容にして下さい。

  4. 廃棄物条例の制定にあたっては、県民は施設設置に対して従来の要綱にある地元同意や、前条例案の排出抑制などが削除されることへの不安が強く、条例に盛り込むよう要望します。また、要綱案には環境先進県にチャレンジする県にふさわしく県民意見を反映した内容として下さい。

  5. 県下のお産を扱う病院の閉鎖が相次ぎ、県立須坂病院の産科休止も表明されているように、身近な地域で安心してお産ができない事態を一日も早く解消するため、国の緊急医師派遣事業もつかい医師確保に全力で取り組んで下さい。

  6.  家畜用飼料や燃料代などの高騰により生産者や消費者にも影響を与えており、県として実態調査に取り組むとともに、国への提言や県独自の対策を行なって下さい。

  7. 森林税(仮称)について、一律に県民税に上乗せすることには意見がわかれるところであり、県民意見をよく聞き慎重な対応をして下さい。

長野県中期総合計画(仮称)の策定に関する申し入れ(第一次)

日本共産党長野県議団

  1. 現状分析と今後の見通しについて
     長野県総合計画審議会の答申素案では、長野県の今後の人口推計、財政見通し、県民所得や経済状況についての現状分析と今後の見通しが述べられているが、これらの指標は、あくまでも自然現象でも、確定的な動かしがたいものでもなく、むしろ、今回策定する中期総合計画などによる長野県としての能動的、意識的な政策目標の設定と、その目標達成に向けての取り組みによって前向きに変えていくべきものではないでしょうか。
     また、財源確保や経済状況打開のためには、真の地方分権の確立と、国政の果たす役割も一層重要になっており、長野県としての努力とともに、政府の地方自治体に対する積極的な政策転換を求めていくことも欠かせない課題である。例えば、地方交付税が毎年大幅削減される事態が続くなかでの財源確保はますます困難となり、大手企業の海外進出による国内産業の空洞化に社会的責任を求めていくことや、「ワーキング・プア」と言われる深刻な現状の打開は国家的課題であり、少子化問題では、男女の賃金差別を是正し、児童手当などを手厚くしているフランスなどの出生率が増えていることなどにも着目するべきである。このような中で、県民が希望をもてる、長野県らしい知恵と発想を盛り込んだ総合計画の策定を求めるものである。

  2. 計画に盛り込むべき具体策について
      1. 非正規雇用を解消し、正規雇用率を高めること。
      2. 第一次産業への支援について具体化をはかること。
      3. 中山間地の多い長野県では、小規模・家族農業が発展するよう農業政策の柱にすえること。
      4. 県内農産物の自給率を高め、地産地消を拡大すること。また、主要農産物の価格保障制度を確立すること。
      5. 中山間地が多く高齢化社会がすすむなかでも地域が持続的に維持できるよう「地域発元気づくり支援金」の充実など支援策を発展させること。
      6. 地域医療の充実をめざし、医療の集約化はしないこと。
      7. 医師不足の解消をめざし、産科医師の確保と助産師のいっそうの活用、医師と助産師の連携強化を支援すること。
      8. 人材育成の立場から、県立短大の4年生移行に道筋をつけること。
      9. 県都・長野市に勤労者福祉施設の設置を検討すること。

2007年度6月補正予算案に対する修正動議を提出(2007/07/05)

左から、北山県議、島田県議、石坂県議、右端が服部議長です。
 石坂ちほ日本共産党長野県議団長、島田基正トライアル信州代表、「あおぞら」の北山早苗県議は7月5日、2007年度6月補正予算(長野県一般会計予算第1号)案に対する減額修正動議書を服部宏昭議長宛に提出しました。
 今回の補正予算額9億9,921万9千円から浅川ダム関連予算1億6,700万円を削除するというもので、住民合意のない浅川ダムの概略設計、模型実験等の予算を、国の認可前に県単独予算として計上することは認められないためです。
 石坂ちほ県議が提出者となり、共産党県議団6名、トライアル信州3名(今井正子議員は入院中)、「あおぞら」1名の賛同者により提出しました。7月9日の最終日の本会議で採択が行なわれます。

国民監視の中止を求める意見書を提案(2007/07/02)

 6月県議会開会中の2日、一般質問が終了してから議員提案の意見書の採択がありました。日本共産党県議団は、自衛隊の国民監視活動の中止を求める意見書を提案。しかし、賛成19名で否決になりました。本会議では、もうり栄子県議が提案説明をしました。説明では、国民の自由と民主主義とっても重大な蹂躙を行っている自衛隊情報保全隊の活動の全容を明らかにするとともに、違法ないきすぎた監視活動を直ちに中止することを求めています。(提案説明全文は議会質問に掲載)
 また、日本共産党も共同提案した原因究明と誰一人として不利益を被ることがないよう対策を要請した「年金記録不備問題に対する抜本的な対策を求める意見書」など 9件の意見書が採択され、国に提出されます。

国民監視活動の中止を求めた意見書に賛成県議

議第7号

自衛隊の国民監視活動の中止を求める意見書(案)

年 月 日

 衆議院議長
 参議院議長
 内閣総理大臣   あて
 防衛大臣

 議 長 名

地方自治法第99条の規定により、下記のとおり意見書を提出します。

 記

  陸上自衛隊の情報保全隊が国民のあらゆる活動を系統的に監視し記録していた実態が内部文書によって明らかになった。
 情報保全隊本部が作成した「イラク自衛隊派遣に対する国内勢力の反対動向」と題した文書には、イラクへの自衛隊派遣に反対する運動について、地方議会の動向も含め詳細に記録されており、さらに、関係団体、内容、勢力等や個人名まで記載され、監視・収集した国民の活動は団体別・政党別に区分されている。
 このように、国民の活動を監視下に置く情報保全隊の国民監視活動は、憲法が国民に保障している集会・結社・言論・出版等の表現の自由を著しく侵害するものにほかならない。
 よって、国においては、情報保全隊の活動の全容を国民に明らかにするとともに、このような憲法違反の行為である国民監視活動を直ちに中止するよう強く要請する。

計画変更の公聴会を再度開くべきと要求(2007/07/02)

 日本共産党の石坂ちほ県議は2日、浅川河川整備計画問題、県立短大の四年制化の実現について一般質問を行ないました。
 浅川(長野市)の河川整備計画は、ダムを復活した案が提案され、県民が意見を述べる公聴会では、ダム河床部に1.1平方メートルの常用洪水吐き(穴)が一門と説明されていました。ところが公聴会が終了してから、長野市議会で建設部長が、党市議の質問に対し、「予備の穴をもうひとつ検討している」と従来の説明にはないことを答弁しました。また、現在、開会中の県議会でも公明党県議からも、ダムの安全性を不安視し、「穴をもうひとつ検討してはどうか」と質問がされ、県土木部長も否定しませんでした。このような重要な構造の変更に関して説明責任を果たさないまま、県は国に認可申請を急いでいることから、石坂県議は、計画に変更があれば、その計画で公聴会を再度行い、国への認可申請はその後にするよう迫りました。
 村井仁知事は、「大きな修正を加える場合は、再度、開くことがありうる。」といいつつ、「基本部分の修正は加えないので、再度は開かない」とつっぱねました。
 また、県立短大の四年制化の早期実現を求め、知事に直接、短大を訪ねて関係者の意見を聞くよう提案しましたが、村井知事は、「意見は大切にしたい」と述べるだけで、明言はさけました。

「排除は不適正」 訪問介護の一律打ち切り問題(2007/06/29)

 日本共産党の藤沢のり子県議は6月29日、訪問介護サービス問題を六月県議会の一般質問でとりあげました。
 この問題では、訪問介護の調理、洗濯、掃除などの生活援助は、原則として一人暮らしか、同居家族がいる場合でも家族が病気などやむを得ない事情があれば受けられますが、現場からは同居家族がいるからという理由で、自治体がサービスを一律に打ち切りするケースが生まれているとの指摘がされています。利用者と家族にとって本当に必要な家事援助は提供されるとする介護保険法の趣旨を逸脱するのではないかと、県の見解を求めました。
 藤巻社会部長は、「一律に規制はされない。ケースバイケースで対応すべきで、排除するのは不適正。改善をはかるよう助言する」とし、「ていねいで血の通ったサービスが提供できるようにしたい。」と明確なを答弁しました。
 藤沢県議は、このような対応をしている市町村の実態調査を行い、指導を徹底すべきと提案。県も実態調査を約束しました。
 村井知事には、介護保険の給付増加に対し、国に十分な財政負担を要望せよと質問しましたが、知事は、来年度は第四期計画に向け制度の見直しが予定されているので、「動向を注視しながら、必要に応じて提言する」との答弁でした。

助産師支援検討会の設置具体化される(2007/06/28)

 日本共産党の高村京子県議は28日、安心なお産、後期高齢者医療制度問題について一般質問に立ちました。
 産科の医師不足や診療閉鎖が相次ぎ、地域で安心なお産ができなくなっている問題では、上田市産院が助産師を増やして、より安全で自然なお産への援助に努めていることを紹介し、さらに助産師の開業支援で長野県が全国の先進となるよう提案しました。
 渡辺衛生部長は、「7月から新たに助産師支援検討会を設置して対応する」と答弁し、この間、共産党県議団が繰り返し提案してきた助産師活動支援が具体的に動き出すことになりました。
 来年4月から75歳以上の高齢者を切り離して、後期高齢者医療制度が始まります。国の試算では保険料が平均月6200円で、年金から天引され、介護保険料と併せれば1万円以上にも負担が増大します。高村県議は、地域の医療体制が悪化しているなかで、このような高齢者を苦しめる制度をどのように認識しているのかと村井知事に質問しました。村井知事は、「やむを得ない選択」と負担増を容認する答弁でした。高村県議は、この制度の中止や改善を国に求めるよう強く要請しました。

コムスン問題で「誠に遺憾」と村井知事答弁(2007/06/28)

 28日の長野県議会一般質問で、日本共産党のもうり栄子県議は、コムスン問題、産廃処理業者への指導などについて追及しました。
 コムスン問題の本質について、介護の公的責任を放棄し、営利企業任せにしてきたことではないかと村井仁知事に見解を質しました。村井知事は、「不正行為であり、誠に遺憾」と述べ、今後とも事業者に適切な指導をおこなっていくと答弁しました。もうり県議は、県が総合的な相談窓口を設置することを提案しました。
 下諏訪町の国道142号線ぞいで営業している産廃業者が度重なる焼却停止処分などを受けている問題について、県の技術指導とチェック体制が適切に行われたのかと指摘し、今後も監視強化と優良業者の育成を求めました。
 白井生活環境部長は、操業再開にあたって、月1度のダイオキシン調査の義務づけなど監視・指導を続けると答弁しました。

アスベスト患者の健診病院の指定増加国へ働きかけると知事答弁(2007/06/27)

 日本共産党のびぜん光正県議(塩尻市)は27日の県議会一般質問で、アスベスト対策、地球温暖化対策、高校統廃合問題について、県政を質しました。
 アスベスト(石綿)患者は現在、県内での健康手帳交付者が約百名います。ところが無料の健康診断が受けられるにも関わらず、健診指定医療機関が県内に四ヶ所しかなく、地域的にも偏っているため、有料で身近な病院に通院している人がいます。びぜん県議は、できる限り多くの医療機関での受診ができるよう指定病院の増加を国に働きかけるべきと質問しました。村井仁知事は、「受けやすい体制を整えるのは大事。増加を働きかける。」と前向きに答弁しました。
 高校統廃合問題では、地域合意も得られず強引にいっせい実施を強行しようとした「統廃合計画」を白紙撤回したことは評価しつつ、定時制・通信制高校の統廃合は見直しをしない問題をとりあげ、「白紙撤回」を迫りました。答弁に立った山口利幸教育長は、「適正配置を考えていきたい。」として、予定通りすすめる態度でした。

和田あき子県議初質問 (2007/06/27)

遊水地の検討を開始したいと答弁ひきだす

 日本共産党の和田あき子県議は27日、開会中の長野県議会一般質問に初登壇しました。
 和田県議は、選挙中の公約に基づき子ども医療費の年齢引き上げと窓口無料化の実現、子育て支援センターや病後児保育への支援、強引に国に認可申請を行おうとしている浅川ダム建設の中止を求める質問をしました。
 現在、長野県では就学前までの医療費が通院・入院とも所得制限なしに無料化となっていますが、この間、長野市で日本共産党が独自に実施している市民アンケートによれば、対象年齢の引き上げと窓口無料化への要望は強いものがあります。この世論を背景にして村井仁知事に質問しました。知事は、「(県の基準より高いところを除いた)36市町村は県と同一基準である」ことを盾に、年齢は「現状維持」、窓口無料は、国の国保交付金減額調整(ペナルティ)などを理由に、「実施は非常に難しい」との冷たい答弁でした。
 また、ダム建設に賛否両論があっても、浅川沿川住民や県民の強い要望として、浅川・千曲川の合流点の内水被害を防ぐための遊水地設置と千曲川の抜本的改修は共通した思いであることから、国への河川整備計画に遊水地設置を盛り込むよう迫る質問をしました。原悟志土木部長は、「遊水地の検討を開始したい」と答弁しました。しかし、村井知事は、「長野市長、小布施町長から計画案への同意をいただいたので、国からも認可が得られると判断している。」と、ダム建設を何が何でも推進する姿勢を示しました。

補正予算にウイルス肝炎医療費支援策盛られる(2007/06/16)

 長野県は、15日に発表した6月補正予算案のなかで、昨年10月からウイルス肝炎医療費助成制度を原則入院のみに限定したことを見直し、高額なインターフェロン投与の患者の一部等に通院治療費補助(約6000万円)を決めました。
 日本共産党県議団は、患者の声を無視して田中前知事時代に決定されたウイルス肝炎医療費助成制度の「改悪」に反対し、村井知事就任時の昨年9月1日には緊急要望として、高齢者や低所得者への通院補助の継続を訴えてきました。
 辰野町在住の有坂登日本肝臓病患者団体協議会代表幹事は、「ようやく患者の声を受けとめた決定を歓迎します。しかし、他都道県の自己負担額と比べ高いことや、インターフェロンを使わないB型肝炎患者は対象外となるなどの課題もあります。国と製薬会社の責任が明確な問題なので国での救済制度が必要です。」と述べています。

石坂ちほ日本共産党長野県議団長の談話
 田中前知事時代に予算節約が理由で、全国的にも優れたウイルス肝炎医療費助成制度が改悪されようとしたときに、患者のみなさんとともに反対運動を行い、県議会でも従来の制度を継続させる決議をあげさせるためがんばり実現しました。ようやく、この声に応えた施策が一部前進したことを評価し、改悪前の制度の全面復活をめざし全力をあげます。

6月県議会に関する知事への申入れ(2007/06/06)

2007年6月6日

長野県知事
 村井 仁 様

日本共産党長野県議団
 団長 石坂ちほ

6月県議会に関する申入れ

 6月県議会の開催にあたり次の項目について検討し、施策に反映されますよう申し入れいたします

  1.  浅川河川整備計画の策定にあたっては、圧倒的多数の住民が願っている遊水地の設置、千曲川の抜本改修などを優先的に具体化して下さい。また、国への認可申請にもこれらの住民意見を反映して下さい。
  2.  消費生活条例(仮称)の制定にあたっては、県民や消費生活相談等に精通している専門家、職員の意見をよく聞き、審議過程の情報公開を徹底して下さい。
  3.  人権施策は、あらゆる人権問題に対応することとし、同和問題だけを特別視しないで下さい。
  4.  青年層のなかに非正規雇用が増えているため、県が実施する雇用実態調査では「ネットカフェ難民」といわれるような劣悪な状態が正確に把握できるような調査にして下さい。
  5.  県自身が正規雇用や障害者雇用の拡大のため率先して実行して下さい。
  6.  梅雨シーズンとなるため災害対策には万全を期して下さい。
  7.  県内の医師不足は深刻な事態となっており、国の「集約化」方針に対し、地域医療を守るための施策を積極的に提言して下さい。

教育委員会に対する2つの申入れ(2007/06/06)

2007年6月6日

長野県教育委員会
教育長 山口 利幸 様

日本共産党長野県議団
 団長 石坂ちほ

申 し 入 れ

 日頃、教育行政の先頭に立たれ、ご尽力されていることに敬意を表します。  今後の教育行政をすすめるにあたり、次のことを申し入れしますので、ご検討下さい。

  1. 高校再編の新たな方針・基準づくりにあたっては、県民意見を尊重し、地域合意に基づいた対応をして下さい。
  2. 青年層の正規雇用の拡大という面から、県教育委員会自身が率先して正規採用教員を増やして下さい。
  3. 2006年6月1現在の県教育委員会の障害者実雇用率は1.64%であり、法定雇用率2.0%を早期に突破するようひき続き努力して下さい。

2007年6月6日

長野県教育委員会
教育長 山口 利幸 様

「浅川の河川整備計画」(原案)に対する石坂千穂県議の公聴会の公述(2007/05/19)

「浅川の河川整備計画」(原案)に対する公聴会の公述

石坂千穂

 私は、たとえ穴あきダムであっても、浅川へのダム建設は安全性が不安です。今回の原案では、ダム建設地周辺には地滑り防止区域があるが、ダム貯水池は地滑り地ではないから安全だとしています。本当にそうでしょうか。
 私は、昨日、改めて、奈良県川上村の大滝ダムへ調査に行ってきました。平成15年3月に完成した大滝ダムは、試験湛水から1ヵ月後の4月、ダムサイトから4キロ上流の白屋地区に地割れや亀裂が発生し、調査の結果、ダムを造って水をためたことが原因であることが明らかになり、現在、白屋地区約50戸は全戸移転、ほとんどの家屋が解体されている最中でした。このための地滑り対策費用は約250億円、ダムは4年たった現在もゲートは全開、自然放流でダムとして使用されていません。
 国土交通省近畿地方整備局河川部建設専門官とダム管理事務所副所長さんのご説明によれば、白屋地区は地滑り指定地でも、地滑り防止区域でもなく、事前の調査では確認された地滑り対策は充分にしたとのことです。従来の常識では、過去に滑った形跡のある地盤に起こるはずの地滑りが、この地区では、事前に予想できないところで滑ったのだそうです。このため、大滝ダムでは、平成23年までかけて、他の2つの地区でも新たに160億円、合計410億円の地滑り対策工事を行ないます。地滑り地を周辺に抱える場所へのダム建設は、次から次へと際限なく対策工事と税金を使い続ける可能性があり、しかも安全性の保障は無いと言うことがあきらかです。国の担当者は、「こんなことになるとは思わなかったが、今さら造ってしまったダムを壊すわけにもいかない。」と言っていました。
 私は、古くは論電が谷池の決壊、22年前の地附山地滑りの被害を経験している浅川流域で、同じようなことが繰り返されないように、当面20年間で目指す浅川の治水対策から、ダム建設ははずしていただくことを提案します。

 私たちが基本高水450トンの問題を、当面、議論の中心にしないのは、判断する材料のひとつの流量調査が終了していないため充分な検証ができないこと、また、たとえ浅川の治水計画の基準が100年確率450トンであっても、下諏訪ダムや蓼科ダムが計画されていた諏訪圏域の河川や、浅川との関係が深い千曲川や、日本中の圧倒的多数の河川で、20年間の計画の中ですぐに100%基本高水の水準を達成するとしているところはほとんど無く、どこでも実現可能な対策から実施しているからです。現在の浅川の基本高水は、流量調査も行なわないまま、降雨パターンのいくつかを計算式に当てはめて計算した結果のひとつにすぎず、絶対的なものではありません。県は、流量調査の期間が5年で短くて充分な検証が出来ないのなら10年でも20年でも調査し、流域住民の命と安全に責任を負える検討をしてください。

 この間の議論の中で、ダム建設に賛成の人も、反対の人も、みんなが一致できる浅川の治水に必要な対策は、下流部の内水災害緩和のための遊水地の設置と排水機場の強化、浅川の水害の最大の原因となっている千曲川の抜本的な改修促進です。
 今回の原案では、遊水地の具体化がされていませんが、遊水地を先送りして排水機場だけ強力にしても、千曲川の改修が進まない現状では、かえって排水ポンプを動かせる時間が短くなるだけで、せっかくの排水ポンプの効果も半減し、内水災害も緩和されません。
 住民みんなが一致でき、浅川で現実に起こる災害に効果のあることから優先する計画の策定を強く要望します。

「浅川河川整備計画(原案)」公開質問状への回答に対するコメント(2007/05/15)

「浅川河川整備計画(原案)」に対する公開質問状への回答に対する
石坂ちほ団長のコメント

公開質問状への回答で、残念ながら、浅川への穴あきダム建設の安全性と必要性、住民の意見を反映するための民主主義的な手続きへの疑問がますます深まったと言わざるを得ません。
 安全性の問題では、地すべり地に建設した奈良県の大滝ダムが試験湛水で地割れを起こした事例もあり、その点について質したところ「満水の状態で、常時、地震時ともに安全性を検討し、最適な構造とします。」との回答ですが、具体的でなく、安全性の証明はありません。また、上流の土石流はダムサイトまで到達せず、土砂もダムサイトの1キロ以上上流しか堆積しない、岩石も動いた形跡が無いので1.1メートル四方のダムの穴はふさがらないという回答ですが、昨年7月の豪雨時の浅川の現実を見ている住民には信じがたいものです。
 必要性の問題では、「経済性、効率性、確実性の観点から」「環境への配慮」もした方法が穴あきダムだと回答していますが、これも具体的な内容は無く、県自身が浅川の水害解決のために重要だとして今回の河川整備計画に位置づけている「下流域における内水対策として、もっとも効果がある浅川排水機場の整備」については、数値目標もありません。
 民主主義的手続きの問題でも、「『脱ダム宣言』以降、住民説明会を30回以上」行なってきたのに比べれば、2月8日の穴亡あきダム方針の発表以後2回、今回の河川整備計画(原案)発表以降2回の説明会だけで公聴会に持ち込んでしまうやり方は、大変乱暴なものです。

長野県議会 議長選挙行われる(2007/05/08)

立候補者所信説明会で質疑する毛利議員(写真上)、小林議員(写真下)
 臨時県議会開会中の長野県議会で8日、議長選出の投票が行われ、服部宏昭氏(自民党県議団)が35票(投票総数58票)を獲得。寺島義幸氏(改革・緑新)を破り、議長に当選しました。
 副議長には、ただ一人立候補した宮沢敏文氏(県民クラブ・公明)が47票を獲得し、就任しました。
 日本共産党県議団は、今回の議長選挙に独自候補は擁立せず、「議長になりたいがために自民党県議団に加入」したなどの批判が県民からあることや、議会の民主的運営を基準にして、立候補者の所信表明会での発言、質疑を通じて、寺島・宮沢両氏に投票しました。

石坂ちほ県議団長の談話
 所信表明で、候補のひとりは、海外視察の「凍結」を見直す発言がありましたが、県民生活の実態に照らしても問題です。県議会での政務調査費の領収書添付など情報公開が全国トップの「議会改革」を後退させず、新正副議長には民主的運営に力を尽すことを求めていきます。

土木部長に浅川河川整備計画原案に対する公開質問状を提出(2007/05/01)

 日本共産党県議団、長野市議団は5月1日に別紙の浅川河川整備計画原案に対する公開質問状を原悟志長野県土木部長に提出しました。
 今回、公開質問状という形式で文書回答を求めた理由を「県が原案として23日からの住民説明会で示した方針について、わからない点などを正確な文書回答で理解したいから」と石坂県議が説明を始めると、原土木部長は、「すでにこたえている内容なのに、なぜ文章で回答しなければならないのか」とか、「わざわざ文書にすることはないのでは」と、文書回答に否定的な態度にでました。
 やりとりが続いたあと、ようやく原部長は、「文書回答はするが、簡潔に書かせてもらう」と最後まで横柄な態度でした。

2007年5月1日

長野県土木部長
 原 悟志 様

日本共産党長野県議団
 団長 石坂ちほ
日本共産党長野市議団
 団長 原田誠之

公 開 質 問 状

 去る4月23日浅川流域協議会に信濃川水系長野圏域河川整備計画(浅川)原案が発表されました。残念ながら、流域協議会で、この原案がしめされるまでの過去13回にわたって議論し総意となっていた遊水池の設置や千曲川対策については、いっさい言及されてはいません。示された内容は(1)外水対策として河川改修と治水専用ダムの設置、(2)内水対策として排水機場の整備というもので、住民が求めてきた総合治水対策とはなっておらず問題点が山積しています。
 また、専門家や多くの流域住民から地滑り地帯へのダム建設に対する危険性について、指摘がされてきましたが、住民が納得できるダムの安全性に対する、明確な説明もないまま治水専用穴あきダムが盛り込まれました。
 さらに流域協議会に正式な原案が示されてから、充分な検討、審議をする時間もなく、大きな方針転換があったにもかかわらず、住民説明会は、浅川及び豊野公民館だけの開催です。このような住民無視のやり方の中で、公聴会の設定を始め、スケジュールがしめされたことは、住民参加の治水対策を再び大きく後退させたものといわざるをえません。
 旧吉村県政時代にアカウンタビリティ(説明責任)が果たされなかったことが大問題となりましたが、再び同じように、ダム建設先にありきで強行されることは、許されません。
 よって下記について申し入れるとともに、質問事項への明確な文書回答を5月11日までに求めます。

  1. 住民説明会を浅川流域全域でこまめに行うこと。
  2. 国土交通省への認可申請については、流域協議会で充分な協議を保障し、協議会での協議内容を可能な限り反映した計画を作成した上で行うこと。
  3. 河川整備計画原案にある「計画対象期間」が、国のマニュアルではなく「一連の効果を発現するまでの期間として今後20年間」としたのはどういうことか。
  4. 「穴あきダム」の場合、国土交通省の説明でも流木対策と土砂対策については別途必要としているが、ダム上流には流木対策のみの施設が建設される予定になっている。土砂対策はどうするのか。
  5. 約1平方メートルで66メートルの洪水吐となっているが、石、土砂などが詰まることが大変危惧される。その心配はないのか。上流において、石が動いた形跡がないという説明をされたが、いつからいつの期間を調べたのか。
  6. 浅川は土石流危険渓流にも指定されているが、土石流が起きる危険性がある地帯は飯綱山直下でのみであり、ダムまで達しないので心配ないという説明がされているが、何を根拠にこの様に結論づけているのか。県側からも過去繰り返し土石流の危険性について説明があった。長野県各地で多くの県民の命を奪ってきた土石流の危険性についてこの様な方向転換がなぜ簡単に行われるのか。
  7. そもそも多目的ダムを治水専用穴あきダムに方向転換した理由はなぜか。
  8. 試験たん水及び洪水時の穴あきダムの安全性は保障されるのか。
  9. ダムで100m3/sをカットすることによって、下流で83センチ外水を低くすることが出来るという説明をされたが、千曲川との合流点での基本高水は検証中であり、下流で問題になる外水被害は千曲川の堤防決壊が最大の問題である。机上の計算だけでは、現実の災害に対応できる対策になっていないのではないか。
  10. 河川整備計画は概ね20〜30年間で行う事業を明確にするというものであって、この間に基本高水をクリアーしなければならないというものではない。100年確率450m3/sを理由にダム建設を行うための河川整備計画を策定するのではなく、浅川の現実に繰り返される災害に真に役立ち、住民の生命、財産、安全な暮らしを守ることの出来る課題を優先する河川整備計画を作成するべきではないか。

以上  

浅川に「穴あきダム」の河川整備計画原案発表(2007/04/18)

 長野県は18日、長野市の浅川に県民から反対が強い治水専用ダム(「穴あきダム」)建設を盛り込んだ河川整備計画原案を発表しました。
 原案では、「穴あきダム」の堤体の高さが53mで、長さは165mということ以外の詳細は明らかにされていません。また、河川改修が完了した中流部を除く区間の改修の促進と、「内水」対策として千曲川との合流部の排水機場の整備があげられていますが、排水機場の能力アップを具体的数値で示していません。
 日本共産党県議団は、県議選挙直後の十一日に、浅川に限らないで長野圏域全体の計画とすることや、下流部での遊水地設置などを申し入れしましたが、今回の原案では、浅川のみに限定し、総合的な対策は認めず、「穴あきダム」の建設を優先した計画といわざるをえません。

石坂ちほ県議団長の談話
 今回示された浅川河川整備計画原案は、あまりにも抽象的な中身であり、ダムを急いでつくるための計画といえます。県民参加の位置づけも不十分で、新河川法の精神からも後退したものです。今後、県の計画の矛盾点をただし、住民合意に基づいた浅川の河川整備のあり方を提案していきたいと思います。

浅川「穴あきダム」の中止を申入れ(2007/04/11)

 11日、県議選挙の公約実現を果たすため、浅川の「穴あきダム」の中止、浅川河川整備計画原案の住民説明の徹底などを求めて土木部長に申入れ(全文は別記)をしました。7人の県議全員が参加しました。

2007年4月11日

長野県知事
 村井 仁 様

日本共産党県議団
団長 石坂 千穂

浅川河川整備計画に関する申入れ

 浅川の河川整備計画策定に関して、看過できない問題があるため次の点について申入れます。

  1. 浅川河川整備計画の策定にあたっては、浅川に限って策定することはやめ、長野圏域全体のなかで検討すること。
  2. 浅川に危険で無駄な治水専用ダム(穴あきダム)を建設することは中止し、河川改修の促進、都市型水害対策や下流に遊水地や二線堤を設置するなどの総合治水対策を実施すること。
  3. 沿川住民の意見を無視し、県民参加の後戻りを心配する声があるが、築いてきた住民参加のあり方を発展させること。また、行政手続き上の民主主義を尊重すること。