初めに、30人規模学級の拡大の意向がある自治体に対し県が負担を求めることについてどのように対応するのかというお尋ねでございます。
 本来、義務教育は市町村が主体的であるべきものであると考えております。ただ、財政力によりまして一定の教育水準を確保できない市町村があってはならないという趣旨で、全国一律の40人学級という、いわば義務標準法で規定する範囲においては、現在、県が教員を配置するという仕組みになっておるところでございます。
 30人規模学級は、この全国一律の40人学級の範囲を超えて教員を配置する地方独自の上乗せの部分でございます。
 議員御指摘のように、国の財源措置によりまして30人規模学級ができれば結構なことでありますけれども、今日の地方分権の大きな流れの中で、子供たちによりよい教育環境を提供することを目指して、40人学級を上回る地域独自の取り組みが全国各地で展開されております。
 これは、上からの教育の機会均等、全国一律という従来の発想を超え、みずからの地域の教育のあり方はみずから考え、みずから行うという市町村がふえてきた結果であります。
 小学校高学年への拡大につきましては、一気に6年生まで拡大したいとする市町村がある一方、段階的に拡大したいとする市町村もあります。そもそも、30人規模学級がみずからの市町村に本当に必要なのかという点もございます。これらを主体的に判断していただき、県がその市町村を支援するという形で検討をしていきたいと考えております。
 具体的な支援の方法でありますが、構造改革特区の活用による教員への支援を考えております。特区によった場合には市町村独自で教員を採用することになり、その人件費は市町村の負担となります。また、市町村独自で採用が困難な場合も想定されますので、現在、構造改革特区に新たな提案を県として行っております。
 いずれにいたしましても、県は、市町村が負担するこれらの費用に対しまして一定の支援を行ってまいりたいと考えております。
 この方法につきましては、市町村とともに工夫、解決しながら、拡大の意向のある市町村が30人規模学級を達成できるよう、今後、十分協議し、理解を得られるよう努めながら進めてまいりたいと考えております。
 なお、財政改革期間中についての考え方でありますが、県は、財政改革期間中という厳しい状況にありながら、何とか財源を捻出し、30人規模学級を3年生まで拡大してきました。
 小学校高学年への拡大に当たりましては市町村に主体的に判断していただくこととし、財政改革期間中における単なる財源措置として検討するのではなく、市町村に対する恒久的な支援策として検討しているところでございます。
 次に、比較的財政力のある市において拡大の対象が多いと思われるが、県下全小学校で実施に向けさらに協議すべきではないかとのお尋ねでございます。
 小学校4年生以上の高学年につきましては、本年5月1日の学校基本調査により単純推計いたしますと、仮に全市町村におきまして6年生まで拡大した場合、さらに221人の教員が必要となります。このうち、17の市におきましては 148名が必要で、全体の約7割を占めることになります。
 拡大する学級数が少なくても財政的に非常に厳しい市町村もありますし、逆に財政が比較的豊かであっても拡大学級数が多く、多額の費用を要する市町村もあります。市町村によってさまざまな事情がありますが、拡大の意欲がある市町村において30人規模学級が実現することが望ましく、市町村と県が協力して進めてまいりたいと考えております。
 次に、常勤の教師で対応できるようにしてほしいと思うがいかがかというお尋ねでございます。
 30人規模学級に配置する教員は担任となることから、非常勤の教員ではなく、常勤の教員を配置することになります。
 次に、教室が不足すると答えている自治体について、国の補助金による前倒しの見通しについてのお尋ねでございますが、さきに行った30人規模学級の小学校高学年への拡大についての意向調査によりますと、教室の増築が必要と答えた市町村は19市町村、26校47教室でございました。
 国の補助対象となる施設整備につきましては、おおむね3年後の児童数を見通して、国の標準とされる40人学級の場合に必要な面積が補助対象とされます。
 施設整備に対する国庫補助につきましては、国の予算確保の状況から、ここ数年、年度の途中で追加配分があり、県内でも、これを活用し、前倒しで整備計画を実施しているケースがありますので、教室不足ができるだけネックにならないように追加配分を国に対して強力に働きかけてまいりたいと考えております。

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