最初に、定時制高校の現代的役割などについてのお尋ねでございますが、定時制高校の役割とそのあり方につきましては、かつては勤労青年の勉学を支えるものとして重要な存在であった定時制は、近年では、勤労青年のみならず多様な生活歴や学習歴を持った入学者が勉学するところとなっておるところでございます。
このような内容につきましては、定時制・通信制課程検討委員会において取りまとめられました平成7年の「高等学校における定時制・通信制教育のあり方について」、それから長野県高校教育改革検討委員会におきまして取りまとめられました平成10年の「高校教育の改善充実について」でも報告されております。また、御指摘のこのほど提出されました多部制・単位制高校検討委員会の報告書においても触れられており、県教育委員会といたしましても、これらの趣旨を踏まえ、高校教育全般のあり方の中で検討しているところでございます。
次に、岡谷工業高校と須坂高校の守る会や存続を願う会についてのお尋ねでございます。
これらの二つの会は、生徒たちが通う定時制が募集停止になれば、今在籍している生徒はどうなるか、また、不登校経験の中学生たちの進路はどうなるのかという御心配などから設立されたものと考えております。
まず、今在籍しておられる生徒は、もちろん現在通っている学校で卒業まで引き続き勉学することになります。また、定時制は、不登校経験者のほかにも、勤労の傍ら大学進学を目指したい方、社会に出た後再び学びたい方など、多様な目的を持った方々が勉強しているところでございます。
しかしながら、生徒数が少人数の定時制高校におきましては、生徒のさまざまなニーズを満たすための習熟度別の講座であるとか多様な選択科目の設置ということができないという面がございます。
これらのことも十分勘案するとともに、今後とも関係者の方々からよくお話をお聞きするとともに、両校の学校長の意見をお聞きしながら、総合的に判断してまいりたいと考えております。
最後に、多部制・単位制高校検討委員会の報告書と今後の取り組みについてのお尋ねでございます。
このほど、多部制・単位制高校検討委員会の報告書が提出されました。報告書の内容は、長野県にふさわしい多部制単位制高校の姿が、各委員の豊富で実践的な経験から、新規かつ多面的な提言として盛り込まれておりまして、それを十分に尊重して今後取り組んでまいりたいと考えております。
また、その中でも不登校経験者や中途退学者等の多様な生徒への対応について触れられており、今年度から始まる高校改革プラン検討事業に反映させながら、定時制の適正配置を含め、多部制単位制高校の設置を検討していきたいと考えております。