中小企業振興公社等が実施をいたしております経営実態調査、あるいは私どもが直接企業にお伺いいたしましてお話をお聞きするという中におきまして、依然として多くの企業が受注量の減少あるいは単価の引き下げ、こういった面で厳しい状況の中で苦しんでおられるということを実感をしております。
この発注企業と受注企業の取引条件、こういうものにつきましては、お話のように、下請代金支払遅延等防止法によりまして、受注企業が発注企業から不利な条件を押しつけられないように規定をされているものでございます。
また、下請振興法によりまして発注企業と受注企業との取引適正化の基準が定められておりまして、取引に関する苦情及び紛争についての相談窓口を県の中小企業振興公社の中に置いております。ここにおいて中小企業の皆さん方から御相談があって紛争が解決できない場合、この場合には中小企業庁や公正取引委員会に報告をいたしまして、連携して解決に当たると、こういうふうになっております。
今年度についてみますと、全県でこれまで6件の相談がございまして、その相談の内容というのは下請代金の支払い遅延の苦情などが中心でございます。これにつきまして、振興公社の職員が対応いたしまして、これまで解決がつかないで中小企業庁などに報告したという事例には至ってございません。
それから、取引ルールを発注企業に徹底するため、県では、発注企業に対しまして取引適正化の要請を行っております。また、国との協力のもとに、取引適正化や取引条件の改善のための講習会を開催をするということをやっておるわけであります。
これらにつきまして、今後とも、中小企業の実態把握に努めまして、中小企業庁や公正取引委員会との連携を密にいたしまして、下請代金支払遅延等防止法、それから下請企業振興法の遵守徹底を図って取引の適正化に一層努めてまいりたいと思っております。
それから、雇用関係の助成金の周知についてでございます。
雇用関係の助成金につきましては、ハローワークや雇用・能力開発機構長野センター、こういうところが窓口になっておりまして、事業主や企業の相談に応じております。これらの助成金には、雇用調整助成金のほかに、地域雇用受け皿事業特別奨励金や、諏訪地域が指定されている地域高度技能人材確保助成金など、数多くの助成制度が用意されておるわけであります。
それぞれの機関のホームページやパンフレットで周知が行われておるわけでありますけれども、大変数多くのメニューがございますので、目的や対象、助成内容等をわかりやすく整理をいたしまして、県のホームページを通じてごらんいただけるようにしてまいりたいと考えております。
また、市町村や商工会議所、商工会などの支援機関のホームページからもごらんいただけるようにリンクをしてまいるということで、事業主や企業の皆様方の目にとまるようにしてまいりたいなというふうに考えております。
それからまた、内需型産業支援強化による地域経済の活性化ということでございますけれども、産業活性化・雇用創出プランにおきまして、福祉・医療・環境・教育分野の産業はこれから大きな雇用吸収力を持った内需関連産業ということで位置づけられておるわけであります。また、高い成長可能性を持つことから、地域経済活性化にとっても重要なものだというふうに認識をしているわけであります。
このため、今年度は、長野モデル創造枠というものを活用いたしまして、スリー・バイ・スリー産業コンソーシアム研究開発事業、それから地域はつらつ産業創出プロジェクト支援事業、それから小規模ケア施設、いわゆる宅幼老所支援事業でございますが、こうした施策を充実してきたところでございます。
今後も、これらの分野での創業や新規展開に挑戦する皆様方に対しまして、経営全般に関する相談支援、あるいは新技術や資金面での支援、新規分野に対応する人材育成を支援するなど、総合的な創業支援を実施をするというようなことによりまして雇用の創出と地域経済の活性化を図ってまいりたいと考えております。