地域の金融機関が長野県経済の活性化のために果たすべき役割は、非常に重要であります。このため、長野県は、厳しい景気情勢のもとで苦しんでおられる中小企業が円滑に資金を調達できるよう、長野県の制度資金を中心とした中小企業金融施策の充実に加えて、金融機関に対しても、中小企業の実情をきめ細かく勘案した資金供給が図られるよう、私自身、6月16日に長野県銀行協会会長の八十二銀行頭取、6月19日には長野県信用金庫協会会長の諏訪信用金庫理事長、さらに6月26日には商工部長の井上忠恵と産業活性化・雇用創出推進局長の丸山康幸が長野銀行頭取、長野県信用組合会長にも直接お願いをいたしました。また、他の金融機関に関しましても文書で改めてのお願いをしております。
さらに、現在設置しております貸付110番などの金融相談において貸し渋り、貸しはがしの実態が多数確認された金融機関等に対しましては私みずからが直接申し入れを行うなど、長野県としてのルールともいえますものを確立し、中小企業の金融円滑化に向けて最大限の努力をいたしております。
地域金融機関の今後のあり方についても、金融庁において、書類審査のみでなく、企業に出向いて実態を把握することなどにより長期的に情報を蓄積し、この情報をもとに融資などの金融サービスの提供を行うリレーションシップバンキングの機能強化に関するアクションプログラムが平成15年3月策定されたところです。このプログラムは、平成15年度から16年度の2年間を集中改善期間とし、地域金融機関における中小企業金融機能の強化を確実に図っていくこととしております。
地域金融機関は、このプログラムに基づき、8月末までに機能強化計画を策定し、要約版に関しては全金融機関が公表するように求められております。
この計画では、地域貢献に関する情報開示を初め、取引先企業に対する経営相談、支援機能の強化、担保などに過度に依存しない現金収支を重視した融資などの新しい中小企業金融への取り組み強化を定めるよう求められておりまして、このような金融庁における施策のほか、経済団体等が新しいルールづくりに向けた取り組みを見せておりますので、これらの動きを注視してまいるところであります。
なお、直接の御質問にはならないかとは思いますが、あわせて私どもはやみ金融というものを廃絶するためにヤミ金110番を全国に先駆け設けたものでありまして、これは、やみ金融問題に取り組まれている弁護士等から高く評価をいただけているところであります。