2.消費者保護対策について
次に、消費者保護対策についてお伺いいたします。
このところの悪徳商法による被害の増大は目に余るものがあり、県下の消費生活センターへの相談も急増しています。
とりわけ顕著な松本消費生活センターでは、昨年度の相談件数は月500件を越え、前年度比で約1.6倍、今年度は更に増えて4~6月の三ヶ月間の件数が3年前の一年分の件数に匹敵しているのが現状です。
特に激増しているのがヤミ金や携帯の有料サイト料金の不当請求など情報サービスを利用した悪徳商法です。
県はこの現状に対し、相談員を増員するなど相談体制の強化をはじめ、知事が提案説明でも述べましたように、昨年12月に開設したヤミ金110番での相談体制、金融機関に働きかけてのヤミ金口座の凍結、廃止など、全国に先駆けた取り組みをされてきました。
この時宣にあった積極的な取り組みを評価し、相談活動、啓発活動を通じて県民の暮らしを守るために各地で力を尽くしていただいている消費生活センターの尚一層の充実を願うものでございます。
さて、その上で被害を未然に防ぐ手立てとしてもう一歩踏み込んだ対応が必要ではないかという声が上がっていますが、私も先日その思いを強くいたしました。
私は先日訪問販売でシロアリ対策として床下換気扇の取り付けを進められ、法外な工事費を請求された方からのご相談でその悪質な手口を目の当たりにいたしました。通気口への虫除けの網取り付けに始まり、掃除をしてやるといって床下に入り、シロアリがいたとシロアリを見せ、今なら間に合うと床下に換気扇を取り付けさせる。請求額は正常の工事費の四倍近くでした。それも専門家に再度床下の点検をしてもらうと全くシロアリは発生していないとのことでした。被害者は消費生活センターのアドバイスもあり、クーリング・オフ制度を利用することができたのですが、その際業者からやくざまがいの怒声で脅されたとのことでした。換気扇を取り外しに来てもらうのに怖いので、警察に立ち合ってもらえないかとお願いしましたが、あっさりことわられたとのことで、相談にこられたのですが、この業者は他でも同じような対応をしていることがわかりました。まじめにシロアリ駆除に取り組んでいる事業者からも一部の悪質業者のおかげで私たちまで同じように見られてしまい、心外です。こういう悪質な業者は氏名を公表してほしいという要望もあるように、被害の拡大を防ぐためにも公表など厳しい措置が必要であります。
そこで次の二点について生活環境部長に伺います。
県として悪質業者への対応はどうされているのか。
特定商取引法など罰則を伴う国の法律や、訪問販売等トラブル情報提供要綱、長野県消費者保護対策要綱など県設置の要綱は活用されているのか以上二点お伺いをいたします。
藤沢議員
それぞれ対応はしていただいていることに対しては敬意を申し上げたいと思うわけですけども、私はですね、この特定商取引法という国の法律というのは、非常に発動までにはハードルが高いと、ですからいまの生環部長さんのご答弁でもこれに伴う指導というものは1件もなかったというふうにおっしゃっているわけです。
それから要綱というのはあくまで県としての取り扱いの基準でありますから県民のものにはなっていない、県民にはきちんとした形で知られていないというのが実態ではないかというふうに思います。
例えば、静岡県や東京都などでは条例を作ってこれを業者の指導に積極的に活用をしたり、また県民参加で消費者保護対策をすすめているというこういう実績もございます。その意味、私はですね、いまの現状をもう一歩踏み込んで対応するには、やはり全国都道府県で唯一条例のないこの長野県におきまして消費者保護、消費者生活条例でもよろしいわけですけれども、この条例設定をしていくべきと考えますが、知事のご見解を伺います。
藤沢議員
私は条例を提案させていただいたのは、現状ではやはり補完のできない部分があるということで、条例ということで申し上げたわけですし、県民的にこれを共にすすめていく中で消費保護対策いわゆる消費生活に関する県民の意識改革も進められていくのではないかという立場で質問をいたしましたが、質問をきっかけに前向きにご検討をいただくよう求めていきます。
3.高校の施設整備について
次に、高校の施設整備について伺います。
今、9月県議会に提案された補正予算の中に県民生活に密接に関連した公共施設等の修繕等として、高等学校校舎等緊急維持、修繕事業費が計上されています。校舎、体育館の床改修、電気設備の改修など64校96箇所の改修計画です。
これは通常の学校施設維持管理費に加え、とりわけ緊急を要するものに対しての抜本的な取り組みということですが、教育現場からの強い要望に応え、地元の建設業への仕事起こしにもつながる身近な公共事業への取り組みとして大いに歓迎、評価をするものであります。
中信地域の高校には教室の壁が薄くて、授業中に隣の教室で話している先生の声が聞こえてしまうなど教育環境上も早急な改善を求められる学校があるように毎年、各学校からは切実な数多くの改修の希望があがっています。
しかし、一校当たり平均400万円程度の通常の維持補修費では到底対応できないのが現状です。
そこで、この取り組みは、借金を作らずに県民要望に応える身近な公共事業として、一過性のものに終わらせずに、新年度予算でも引き続きモデル事業としての対応を求めるものですが、教育長の答弁を求めます。
藤沢議員
通常の中での対応の範囲に留まった答弁かなというふうに思うわけですが、高校の施設整備のような学校現場や県民からも喜ばれる身近な公共投資は合わせて小規模事業者へのお仕事を作り出す。これは借金もする必要はございませんし、事業費も少なくて済むという点では、不況と、財政建て直しの長野県においておおいに取り組む施策ではないかと思います。
砂防ダム事業を私はすべて先送りをしろというわけではございませんが、3億円の砂防ダム事業にかかわる事業者は今は単体発注ということでございますから一社ということになります。下請けを入れても数社です。
今回の高校施設整備は約2億円の予算で、64校の96箇所工事が実施されるわけですので、少なくても64社はかかわれるわけです。
長野県の事業所統計によると建設業の総数は16193社ということですが、1人~4人規模の事業所は9526社で58.8%と約6割を占めています。今一番大変だといわれるこの規模の事業者にシフトを移した小規模事業を積極的に進めていくことが必要ではないでしょうか。知事のご見解を伺います。
藤沢議員
知事からは大変前向きなご答弁いただきました。公共事業は生活密着型に、これは田中県政の基本姿勢と受け止めております。厳しいこの財政の中での、県民とそして建設事業者への暖かい配慮であろうかと思います。積極的な取り組みを求めておきます。
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