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2003年 9月議会 高村議員の一般質問(9/30)

* 記事はすべて、共産党県議団事務局のテープおこしによるものです。

  1. 小泉首相の所信表明演説に対する所感ついて
  2. 県内の企業動向について
  3. 企業の社会的責任について
  4. 「保健・医療・福祉サービス等検討会」について
  5. 道路公社の有料道路料金の見直しについて



1.小泉首相の所信表明演説に対する所感ついて

 日本共産党県議団、高村京子でございます。
 臨時国会初日の小泉首相の所信演説を聞き、私は、地域経済への影響を省みずに強引に推し進めてきた、「構造改革」の成果を自画自賛し、いま国民を襲っている生活不安、リストラで雇用を奪われる痛み、押しつぶされる中小零細企業の苦しみについてはまったく触れていないと思えてなりません。本日発表の失業率が5.1%、年間3万人もの方々が自ら命を絶つなど、苦しい生活実感にある国民に、更に痛みを求める政策を推進しようとしています。
 まず最初に、小泉首相の所信表明演説について、知事の所感をお伺いいたします。


      【答弁
       田中知事】
       今手許にこの所信表明演説の全文がございますが、ずいぶんと短い文書だなというのが最初の感想でありまして、それと郵政民営化あるいは道路関係の事業に関しましてもですね具体的な方策という事に関してはおっしゃられるようになってからすでに2年経つわけでございますが、とりたてては具体的に述べておられないという点を大変に懸念するところでございます。
       また、民間にできるところは民間にということがこれは一見、大変に聞こえがよいわけでございますけれども、これはまさにアメリカ的な市場原理主義経済のような形になることは私たちはですね、望んでいないわけでございまして、むしろ私たちはアジアの一員でございますし、またこれはですねアメリカとともにイラクに参戦したイギリスとてですね、それはある意味では市場原理主義の経済ではない第三の道を歩むことによってよりよき国を目指したわけでございます。このあたりもですね、民間にできることは民間にというのは結局のところは責任を回避して丸投げするというような意味でございます。
       もう一点感じますのは、住んでよし、訪れてよしの国づくりと、これもまた私常々思いますのは、先般フランスのバカロレアという大学入学試験の問題というのが新聞に載っていました。大変感銘を受けましたのはですね、大変に弁証法的なことを問う質問でございました。三つございましたが、確か一つ覚えておりますのが、これは高校生に出す質問でございまして、自己というものを意識することは自分に対しても他者となりうることであるかとこれに関して考えを述べよということがございました。住んでよし、訪れてよしの国づくりというのはある意味では自分たちを弁証法として手鏡を持って見ていないお話でございまして、思考が停止している形でございます。併せて申し上げれば道路の問題が小泉さんの大きな改革の柱だとおっしゃっていますが、石原伸晃大臣は高速道路は予定したものはすべて造るとおっしゃっているわけでございまして、これは長野県出身の猪瀬直樹氏の分割民営化という途上にあります改革のところにすら至っていないと、つまり残された二百数十キロは民営道路会社ではなくて税金を使って造ると言ったわけでございまして、とどのつまりはすべては造ると確か金子さんという大臣が行政改革等の構造改革等の大臣でございましたが、この方は高速道路の建設の推進議員の確か事務局長というようなことをお努めでございますから、まさに、この所信表明演説のみならず小泉さんが本気で取り組むとおっしゃった点に関しては、麻生太郎総務大臣も郵政に関しては未ださまざまなお考えをお持ちのようでございますし、その意味ではですね果たして具体的な公約となりうるのかなという感想を持ったとこでございます。



2.県内の企業動向と社会的責任について

 次の質問に進まさせていただきます。長野県は、今補正予算総額26億円余を計上し、「産業活性化・雇用創出関係」において、スリーバイスリーによる新たな産業づくり、福祉・医療、環境、教育関連施策の充実、総合的な創業支援、厳しい雇用情勢に対応した臨時的な雇用機会の創出、生活密着の公的な施設修繕などの事業に重点をおいています。県行政が何とか長野県地域経済を支え、職を求める人々の支援に力を入れるべく、新たな発想や細やかな事業に取り組む姿勢を高く評価させていただきます。
 さてここ数年の県内の事業所・企業動向を見てみたいと思います。
 1996年から2001年の5年間に、県内企業は事業内容が不詳のものをのぞいて13万3597企業から12万8969企業となり、4628、3.5%の企業が減少しました。また従業者数は同じ5年間に110万7235人から107万7961人となり、2万9274人、2.9%減少しています。
 県内の有効求人倍率を8月で見てみますと平成13年は0.80倍、14年は0.67倍とかなり落ち込み、今年8月は0.68倍と言う状況です。
 そこで特に求人倍率が低くなった平成14年、2002年度の企業閉鎖と従業員の状況はどのようなものだったのでしょうか、産業活性化・雇用創出推進局長に企業数や従業員数の変化と原因をどう見ておられるか伺いたいと思います。


      【答弁 丸山産業活性化・雇用創出推進局長】
       ご質問に対しまして、雇用の観点から少しデータを引っ張ってきましたのでご紹介いたします。平成14年の就業構造基本調査によりますと長野県の有業者つまり、仕事に就いておられる方が、111万9000人となっております。5年前の平成9年と較べてみますと、これは5万3000人と減少しておりまして、これは4.3%となっております。このことは国の3%を上回っております。また雇用効果につきましては、受注や販売の不安定さが増しておりまして正規雇用が減少し、パート・アルバイトが増える傾向にあります。また、県内の主な基幹産業でございます製造業の就労でございます。工業統計調査によりますと平成14年度の速報値で見てみますと5年前と比較しまして、事業所数で約2千の減少となっておりまして、従業者数では約4万2千人の減少となっております。原因でございますが、景気の落ち込みに加えまして、県内の電機電子といった主力産業の海外進出が著しかったこと、また新規の県内への企業立地が低迷したことによると思っております。これに伴いまして人員整理の状況でございますが、事業所都合によります解雇の状況は13年が2万人、14年が1万8千人という高い数字になります。また1件10人以上と大規模なものでございますが、人員整理の状況は5年前は合計で2千人台で推移してきておりましたが、先ほど申し上げました電機を中心とした県内製造業がIT不況等の影響を受けまして、受注減少・販売不振などに伴いまして大量解雇が発生し、平成13年度から一気に7千人台と増えております。なお、平成15年8月末現在の10人以上の人員整理件数は62件、1123人となっておりまして、前年同期あるいは前々月等に較べまして若干減っておりますが、17件整理人員で1210人減少しております。これは大規模なリストラが一段落したということと、一部デジタルカメラあるいは携帯電話部品の受注増の動きが見られるということでありますが、これは一時的な雇用だけでなくて常用的な雇用につながればと期待しております。以上が県内の雇用からみました企業動向でございます。


3.企業の社会的責任について

 特に平成14年度以前厳しい整理解雇の状況等があったということでございます。
 そこで私は、地域経済にとっての企業の背負っている社会的役割を確認したいと思うのです。大企業・中堅企業の身勝手な企業閉鎖は、従業員の働く権利をないがしろにし、家族を含めた生活を不安に落としいれ、企業自身がそれまで地域ではぐくまれ、作り上げてきた経済循環を破壊に導き、地域の不況をさらに悪化させるものであります。
 ヨーロッパでは企業には、株主だけでなく、従業員、取引先、環境、人権など対する責任があり、それらを果たしてこそ企業も、まともに発展できるという社会的責任重視の流れが常識となってきております。EUの産業空洞化対策は「企業の社会的責任が競争力ある健全な経済を作る」として労働組合やNGOが連携して政策作りが行われています。
 また、日本におきまして経済同友会は今年3月、第15回企業白書「市場の進化と社会的責任経営 企業の信頼構築と持続可能な価値創造に向けて」を発表しました。昨今の企業不祥事の頻発を背景に、「企業の社会的責任」を問う声が高まっており、一年にわたる調査研究をもとに、市場の評価が極端に経済偏重に陥ると企業第一主義や株主利益至上主義を招き社会の価値観との間に著しい乖離をもたらす事に警鐘を鳴らしています。企業が人々の価値感や生き方にますます大きな影響を持つ社会的存在であることを改めて認識し、企業と社会との相互信頼をより確かなものにしてゆく必要があるとして、経営者の自覚を喚起しています。
 また、地域経済・環境・社会のあらゆる側面において企業がその責任を果たすことが、その企業の持続的な発展を促し、日本経済・社会の活力再生につながるものとして、積極的に位置づけるものであると述べています。
 今、企業の社会的責任を果たすために、立ち上がった人々がいます。
 上田市にある旧信州ハーネス工場には約100人が働いてきました。この9月末で工場を岩手に移し、岩手に転勤できない人は退職を強要されています。この工場は、資本金3000万円100%住友電装の子会社として26年間上田の地で工場経営行を行い今日まで借金のない超優良企業です。東信地域の4ヶ所の関連企業がすでに閉鎖をし、関わる約400人の従業員が職場を失いつつあります。
 昨年9月に通告を受けた一人の女性は、悶々と悩み、「大企業が、勝手に工場を閉鎖し、東北の岩手に工場を移し、まるでコマをまわすように弱い立場の従業員には、岩手への転勤を迫り、行かれなければ退職を強要する。この様な一方的で理不尽な労働者いじめがまかり通ってよいのだろうか」とあらゆるところに相談をし、たどり着いた県労連傘下の日本金属情報機器労働者組合に加盟、この4月に「JMIU東北住電装信州支部」を旗揚げし、現在26名の従業員が工場の存続と雇用の確保を求めて活動し、ありとあらゆるところに相談し支援を求めています。
 長野地労委への斡旋申請や、長野地裁上田支部へ地位保全の仮処分の申請をし、上田市議会では工場閉鎖反対の趣旨採択、上田市長が東北住電装への働きかけをされるなど、また住友本社への要請行動、国会では日本共産党の木島日出夫衆議院議員と小池晃参議院議員が本社住友電装に工場存続を要請されました。
 8月8日には当事者のみなさんが田中知事に事情をお話しに伺いました。「皆さんのお気持ちは良くわかります」と知事が何度もおっしゃってくださった事がその後の活動のエネルギーになっておられます。最近経済産業省も住友電装本社が従業員と納得の行く話し合いを持つように指導をしています。9月15日には「信州ハーネスの従業員を激励し、雇用と地域経済を守る総決起集会」が上田で行われ、県内県外からの支援者500人余があつまり、大企業の社会的責任を求めて、雇用と地域経済を守ろうと誓い合いました。
 そこで知事にお伺いいたします。
 大企業の横暴が野放しの日本の現状の中で、働くものの暮らしと権利を求めて立ち上がった人々、企業の社会的責任を求めて立ち上がった人々に長野県は具体的な、支援の手をさしのべるべきではありませんか?
 大資本・大企業の前には従業員は弱い存在です。人間として当然の叫びを支援することでリストラや過労死などに象徴される異常な労働環境に悩む、多くの働く人々を励ますことができるのではないでしょうか。具体的には親会社の住友電装に、工場の存続に力を尽くすこと、最後の1人までの仕事、雇用を確保するまで、雇い主としての責任を果たすことを要請していただきたいのです。
 自民党政治が大企業から政治献金を受け身勝手な企業再編、リストラを奨励する中で、長野県政が県民の暮らしと雇用・地域経済を守る防波堤の役割を担っていただくことを強く求めたいと思います。
知事のご所見を伺います。


      【答弁 田中知事】 
       只今ご質問がありました、上田にあります企業に関しては、議員もおっしゃられましたように過日知事室のほうでお目にかかっております。他方で1年前から、議員もおっしゃられたように約1年前からですね企業側がそのような方針というものを社員の方々に提示をされて来られていると、組合がその企業に無かったということもあるいはそうした社員の方々の対企業に対しての対応が結果としてですね立ち上がりが遅れたというような面もあろうかとは思います。1年前からその企業が述べてきていると、またある意味では個別の企業の私どもは基本的には自由主義経済という中に立脚しているわけでございまして、長野県はそうした点に個別に深く介入するということはいささか私はむずかしかろうということは先般述べたところでございます。
       しかしながら、長野県はまさに多くの雇用を創出をするということを掲げているわけでございまして、先般私どもの職員が上田のハローワーク、ここには大変にすばらしい所長がおられまして、私どもの産業活性化・雇用創出推進局長の丸山康幸もですね、大変に信服をしている、心酔している人物の方でありまして、このハローワーク、また長野労働局に私どもの職員が実際に出向といいますかですね、出ましてここで生の実情をですねより局長の丸山の元へとダイレクトに伝わるという形をいたしております。皆様にもすでにご予算を承認していただく形でさまざまな雇用、いわゆる転職を望まれる方々への職業訓練等あるいは緊急雇用の予算等をですね試行いたしております。ただこれもまたともすれば国の厚生労働省側もですね、全国一律に実情踏まえず、計画としてお作りになるというきらいが無きにしも非ずでありますのでその意味でもその私ども職員が上田のハローワークでですね学ばせていただきそこからですねより必要な施策というものをきちんと見出してまいりたいと思っています。
       ご存知であろうと思いますが、土木建設業の方々の産業構造転換に関しては、十の地域に関しまして地方事務所長またその従来総務課長や次長を務めていたもの自らが陣頭指揮をしてですね、ご相談に乗るという形をとっているところであります。
       失礼いたしました、ただ先ほど自由主義経済に立脚すると申し上げましたが、ある意味では日本は現在ハゲタカファンドという言葉に象徴されるようなですね、まさに本来の私たちが歩むべき社会の経済再生という形とはいささか異なる、アメリカ経済にとって大変に都合のよい形を竹中さんと小泉さんのコンビは推進されているというふうにも見受けられるわけでございましてこれは、とどのつまりはハワイに次ぐ日本が51番目の州になるかのごとき経済状況であります。しかしながら他方でこうしたハゲタカファンドによる日本の企業のアメリカ企業買収家というものも含めたうえで多くの日本の多くの国民はその施策を支持しているということも新聞紙上の調査の上では出ているわけでございまして、これはやはり一人ひとり自立的な国民市民の方のご判断をさらに待つところだと思います。



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4.「保健・医療・福祉サービス等検討会」について

 次に、やはり小泉政権が医療費の値上げ・年金の削減・介護保険料の年金からの天引きと値上げ、障害者支援費制度でのサービスの不足など、高齢者や病気・障害をお持ちの方々が、必要な医療・介護・福祉制度を受けられない深刻な実態が増えています。リストラや解雇など地域経済の落ち込みの中で家計の収入も少なくなり、命と健康が守れない状況が、ますます深刻になっております。
 全国保険医団体連合会の調査では、高齢者の医療費窓口負担が大幅に増やされた、昨年の10月からこの7月までに、在宅酸素療法を「経済的理由」で中断した患者が19県だけで1916人に上っている事がわかりました。
 また長野県民医連ソーシャルワーク委員会は、この8月、病院でさまざまな相談に乗ってきた中での、医療受療権が侵害されている187事例をまとめました。
 この中から2事例をご紹介します。
 老人医療の方で在宅酸素療法の患者さんの負担が大幅に増加、月年金7万円、自己負担が1600円から17000円に。
 糖尿病で解雇され無職、病院に30万円ほどの未払いがあり、受診を手控えていて病状が悪化、再入院の医療費が払えない状況。などさまざまな理由により医療費の支払いが困難になる患者さんが増えています。
 日本国憲法25条において、「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」「国はすべての生活部面において、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上に努めなければならない」と謳っています。
 そこで、県がこのたび取り組んでいただいている「保健・医療・福祉サービス等検討会」の調査及び実態調査はどのような内容で行われ、その結果はどうだったのでしょうか。
 生活保護申請での自家用車を認める方向など早速、医療福祉の充実にむけて検討を進めていただいていると思いますが、今回の実態調査を今後の県政にどう生かしてゆくのでしょうか、また制度の大元を担っている国に対してもこの調査から得られた県民の皆さまの声をもとにして是非提言をしていただきたいと思います。担当した社会部及び衛生部長にお伺いいたします。在宅酸素療法患者への支援策もお答えいただければと思います。
  
 社会部、衛生部あるいは部局横断的に県民の皆様の医療や福祉介護の現状に寄り添った調査をしていただいたと思っとります。この調査をひき続き県政に生かしていただくようにお願いをしたいと思います。
 長野県は2002年3月に「障害者プラン」を作成し、障害者が自らの能力を最大限に発揮し、その人らしく自立した生活を送るとともに、障害のある方も無い方も社会の一員としてあらゆる活動に参画できるようリハビリテーション・ノーマライゼーションの理念のもと、ともに地域で支え合い、県民誰もが自らの生き方を自分らしく実現できる社会を作ることを基本理念に掲げました。自立支援に向けて、本格的な支援体制の強化の事業が始まりました。特に西駒郷基本構想では、ご本人の希望を尊重した地域生活相談支援や受け入れのベースとなるグループホームなど施設作りの支援が始まっています。障害者の皆さんの人権を尊重し、ともに地域で暮らす長野県を目指して、具体的施策を進めていただいている長野県。私は、誇りを感じます。今回の保健医療福祉の実態調査が障害者の方々とともに高齢者や病気の方、低所得者の人権を守り、日本国憲法25条の精神が生かされるように、さらに長野モデルの福祉医療の充実を発信していただくよう期待しております。


      【答弁 堀内社会部長】
       お答えいたします。日常生活に支障を要するにも関わらず国における制度が存在しないかぎりこれまで県・市町村の医療福祉施策では十分なサービスが行き届いていないということが生じております。制度の狭間にある方々が救われるような支援策を検討するために今年4月に社会部、衛生部等関係部局からなる「保健医療福祉サービス等検討会」を設置いたしました。これまで当検討委会を7回開催いたしまして、狭間となっている項目を整理する中で、福祉医療現場の実態調査、関係団体からの意見聴取などを行なってきたところでございます。
       現在、はざま10項目について、はざま項目について調査結果等をもとにすぐに実施できる支援策、平成16年度当初予算で対応検討する支援策、それから国へ要望・政策提言するものなどに分類の上、支援策を検討しているところでございます。
       おたずねの酸素療法の関係でございます。在宅酸素療法を受けているにも関わらず、支援が受けられない方の実態を把握するために、今年5月から7月におよそ146の公的医療機関および全市町村にアンケート調査を実施しました。それから、一部患者本人への訪問面接調査も実施いたしました。調査結果の概要を申し上げますと、公的医療機関だけでも月におよそ1600人の方々が在宅酸素療法を受けておりました。呼吸機能障害の身体障害者手帳をお持ちの方で公的医療費、つまり福祉医療の助成を受けていない方は、身体障害者手帳3級の方が15人、4級の方が40人の計55名でした。3級の15人のうち、12人は所得制限によるものでしたが、福祉医療制度を知らずに助成を受けていない方も2人おいでになりましたので、市町村に対して制度の周知徹底をお願いし、福祉医療制度の適応をお願いしたところでございます。もう一人の方につきましては、村に制度が無かったために助成されなかったものがこの7月の改正によりまして助成対象となっております。
       4級の方につきましては、4級の手帳をお持ちで在宅酸素療法を受けている方々の中には高齢化等によって、障害が進行するなど現在の障害を状態によっては3級に該当し、医療費助成の対象となる方もいるのではないかと思われますので障害者手帳3級への認定替えの申請について専門医の医師に相談されることをすすめているところです。
       いずれにいたしましても、在宅酸素療法によって生命を維持している方々の実態から在宅酸素療法を人工透析と同様に身体障害者福祉法上の制度である、厚生医療の対象となるよう8月27日に国に要望したところでございます。以上です。


      【答弁 菅谷衛生部長】
       衛生部関係におきましては、公費負担医療の対象とならない難病患者のみなさんのおられることなどをはじめ精神保健、小児慢性疾患等のそれぞれの   において検討しているところでございます。
       難病対策につきましては、難病とされる118疾患のうち45疾患につきましては、国庫補助制度として特定疾患治療研究事業で医療費の公費負担を行なっておりますが、45疾患以外の難病につきましては診断基準が確立されていないというような理由で医療費の公費負担の対象になっておりません。従いまして、このような難病患者につきましても特定疾患治療研究事業の対象疾患として医療費の公費負担対象とするようひき続き国へ提言してまいりたいと思っとります。また、社会的ひきこもりの方々の支援につきましても、相談体制の整備、社会と家庭との中間的な居場所の確保、就労の場の提供などにつきまして支援の方向をさらに一層検討していく必要があるなと考えております。
       精神障害者対策につきましては身体障害者や知的障害者と同様の支援を精神障害者に対しても検討していく必要があると考えています。例えばグループホーム等施設整備への助成、JR等公共交通機関の運賃割引制度の創設、その他公営公団住居の単身入居等いろいろございますがこれらの項目につきましても国への提言をはじめ支援の方向を検討してまいることとなっております。
       また、小児慢性疾患対策につきましてでございますが、これまで対象年齢は18歳まででございますが、一部の疾患群のみにしか20歳まで延長されておりません。従いましてほとんどの疾患につきましては対象の年齢を超えた場合、ひき続き公費負担を受ける制度がございません。この点につきましては全国衛生部長会を通し制度の見直しを行なうようすでに国に働きかけております。県におきましても国に対し同様の提言を近日中に行なうこととしております。以上でございます。


5.道路公社の有料道路料金の見直しについて

 次に、長野県道路公社による、有料道路の料金と償還期間との問題について質問を致します。
 三才山トンネルは1976年に供用開始となり、毎年計画以上の交通量一日8400台が利用しており、平成14年度には16億円のトンネル収入があります。当初の償還終了はH17年の3月の予定でした。償還残金はあと1億3千万円程ですので、今年末には償還が終了できそうです。しかし昨年、トンネル料金収入のうち三才山の償還に当てているのはたったの7千万円です。0.4%を償還にあてているだけです。
 そして驚いた事に、三才山トンネルと松本トンネルは一体のものとして、三才山トンネルの通行料金徴収期間を、45年間2021年間まで先延ばしする計画をたてています。さらに、当初の計画の45%1285台しか交通量がない松本トンネルの料金を当初300円から現在一率100円に下げています。三才山トンネルの普通車の通行料は500円などのままです。どうしてこのような料金体系になるのか、土木部長にお伺いしたいと思います。
 
 同じように、新和田トンネルもほぼ計画どおりの通行量と料金収入があり当初2003年に償還が終わるはずが、新和田トンネル延伸建設に伴い無料化を2024年まで先延ばしをしています。長野県道路公社の責任者でもある知事にお伺いします。
 このトンネルと道路建設は田中知事前の県政の計画でありますが、すでに三才山トンネルと新和田トンネルは生活道路として機能しており、立派に料金収入での償還を果たしていると判断します。
 県道路公社の管理する他の有料道路を見ると1994年から1995年の間に供用開始した志賀中野、白馬長野、長野五輪についてはどれも償還期間をほぼ20年として料金徴収期間と一致させています。年間通行料金総計約40億円の約7割以上の収入を上げている三才山と新和田トンネルの料金を先延ばしして45年間も、料金徴収をすることを知事はいかがお考えでしょうか。
 丸子町が昨年平井寺トンネル料金を無料にするよう県に要望を出されておられます。三才山トンネルでいえば松本トンネルと平井寺トンネルも含めて松本や丸子、上田の関係の皆さんの要望にも配慮していただき、料金体系の見直しと維持管理体制を検討していただきたくあわせて要望をいたします。


      【答弁 小市土木部長】
       三才山トンネルと松本トンネルの有料道路についての件につきましてお答えいたします。
       三才山トンネルにつきましては、今お話がございましたように昭和51年に供用いたしました。道路公社での初の有料道路でございます。これは中信地区と東信地区を結ぶですね、そういう県の基盤作りの一貫で整備をしたわけでございますが、これにつきまして今お話がございましたように計画を上回る交通の状況になってございます。
       次、松本トンネルでございますが、三才山トンネル開通いたしまして8000台近い交通がそこを通過するわけでございますが、その交通が松本市内を通過してですね、19号とか高速道路に向かうというような特に  物流の交通が増えてきている状況がでてきたわけでございまして、そういう松本市内での慢性的な交通渋滞等を解消するにつけても、その松本トンネルの整備が必要だという考えのもとにですね63年から事業化いたしまして平成6年に完成いたしました。そのときに松本トンネルと三才山トンネルとプール、一体化としての有料道路として国の認可を得たわけでございますが、当初の計画では三才山トンネルを通過する交通のうち25%が松本トンネルを通過するというそういう交通量を想定いたしまして、そのもとに新たなプールとしての償還計画、これは基本的には30年で有料につきましては償還することになっておりますが、三才山トンネルと松本トンネルを合体をしていわゆる償還計画を立てたわけでございます。その結果、その時点では全交通量をもとに三才山は従来の500円、松本は300円、こういう普通車でございますが、料金を決めまして33年後の償還計画を立てまして、松本トンネルと三才山の合体の有料道路事業がスタートしたとこでございます。ところが、松本トンネルの交通量が予想に反しまして、現在もお話にございましたように45%という状況でございます。この交通量予測の違いにつきましては当時計画した、私もその一人でございますが、当時は経済の右肩上がりと言いますか、そういう状況がございました。さらに交通といいますか車両も増えておるという総合的な指数をもとにしまして交通量推計があがったわけでございますが、現状を踏まえますと当時の推計が非常に甘かったという非常に大きな反省  今後につきましては、この見込み違いがですね、非常に現状、有料道路事業に対して大きな負担になっていることは事実でございます。特に松本トンネルの料金を下げるということにつきましては、松本トンネル自身はせっかく造ったものについて利用していただくというのが一つございます。造ったトンネルが利用されないで松本市街地に相変わらず流れているという、その解消のために料金を下げるということが必要でございます。もう一つは、三才山トンネルというのは計画を14年度現在におきますと、交通量におきまして計画に対しまして109.9%約1割のアップで交通が流れております。松本は45.3%でございますが、三才山の交通量の料金収入等の併せまして三才山・松本プールにいたしまして現在交通量で92.4%いう状況でございます。三才山のおかげで事業全体としてこういう状況になっているわけでございますが、私どもの見込みでは、確かに三才山の単独だった場合の 年限に対しまして合体しましたことによりまして有料期間が延びたわけでございますが現状で行きますと計画に対しまして今のような交通が伸びるというようなことがございますと数年は早くですね無料化ができるかなという見通しを持っておりますが、いずれにいたしましても松本トンネルの料金を下げることによって全体の交通量が増加につながるとこういうこともありまして、いま社会実験を通じていろいろと早期無料化できるようなことも含めて検討しているところでございますのでご理解のほどをお願いいたします。


      【答弁 田中知事】
       いまご質問の中にもありましたように白馬、また五輪大橋、また中野に関しましてはですねそれぞれ料金を下げるというようなかたち、あるいは夜間の無料というようなかたちを行なっております。これは残念ながら必ずしもここは採算がとれていないかたちでございます。それに対しまして三才山単独で考えたり、あるいは新和田単独で考えますと通行料もございますので、採算が取れていると言い切れることはできないかも知れませんが、非常に良い状況でございます。一般のご商売で考えますとですね、なかなか売れない商品というのは逆にバーゲンするわけでございますし、大変にお客様からご好評いただいているものはですねその価格は市場において決められていくと思うんでございます。もちろん道路という公共物でございますので、いま申し上げました例えがそのまま適応されるわけではなかろうと思います。ただすでに議員もご承知のように有料道路の料金体系というのも、その他のハコモノの起債と同様にですね国の許可を得た償還計画というものがあって行なうわけでございまして、これを仮に茅野の道路の場合は茅野市の大変深いご理解をいただいて早めに無料化したわけでございますが、こうした場合にもですねやはりそのようなご意志があられる自治体のご負担も頂くかたちで行なってきていると、このあたりが民間と異なる厄介なとこでございます。三才山に関しましては、私どもの予測を常に数パーセント上回る交通量でございますので、このまま参りますと松本トンネルと一体化するという形の中で進めてはきてはおりますが、計画よりは数年早くですね無料化時期が到来するかというふうには思ってはおります。同時にこの道路公社というものを良い意味でですね、これはリストラと言うような言葉ではなくてきちんとした利用者の方に還元できるコストカットというようなことは維持事業も含めて十分行なっていかなくてはならないところでございます。従来はいささか不透明な、地域へのお酒の支出等のですね、皆様からご指弾をいただいたような点もございましたが、これは道路公社も悔い改めているところでございます。また、あわせて小倉昌男さんを座長とする外郭団体の見直しの委員会というものが方向性を出してくるところもございますので、このあたりも踏まえていずれにしても地域の方々かたそうしたご要望が強いということは十分承知いたしております。しかしながら、先ほど申し上げました三道路がですね、あるいは松本トンネルもですね無料あるいは大幅に減額をいたしましても必ずしも私ども土木部や道路公社が想定していたほどには台数が増えずですね、100円という区間であっても従来の無料の市街地をですね、渋滞等があってもご利用になられる方も多くなっております。ですからこのあたりもなかなか私ども地域還元したいという気持ちで努力はいたしておりますがさらにこうしたトライアルの期間の状況も踏まえて考えねばならないと思っております。


 上田市民が松本に行く場合には、平井寺で200円、三才山トンネルで500円、普通乗用車ですけど、そして、19号のほうに抜けて松本トンネル利用しますと100円かかります。片道800円、合わせて1600円。上田・松本については非常に日常的な生活基幹道路ということになっておりましてやはり松本トンネルを通らない、三才山トンネルだけの方もおりますし、松本トンネルを造ったときの松本地域の皆様のお気持ちもございます。また、上田・丸子住民の気持ちもございます。そこら辺を是非ですね、住民要求を生かしていただいて再検討を強く要望するものでございます。よろしくお願いいたします。
 縷々ご質問に対して、ご答弁を頂いて参りました。私はいまこの本当に大変な不況の中にあって長野県が本当に地域のみなさんの、県民のみなさんの当事者のところへ行って共に悩み、考え、そして行動をするこういう県の職員のみなさんや部局のみなさんまた地方事務所等でご活躍の県の職員のみなさんが本当にそういう視点に立って県民の生活や医療・福祉・雇用を守っていくそういうところに本当に力を尽くしていただいている姿に感謝をするわけです。しかし、まだまだ困難な生活が厳しい中でももっと突っ込んでの、もっと共に企業への責任も求めながら、もっと共に私ども県民の生活向上に向けて福祉の向上に向けてひき続きのご努力を求めまして私の質問を終わらせていただきます。


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