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2003年 12月議会 石坂議員の一般質問(12/12)

* 記事はすべて、共産党県議団事務局のテープおこしによるものです。

  1. 公共事業の見直しについて
  2. 入札制度の改善について
  3. 治水対策について
  4. 事務事業の見直しについて
  5. 子育て支援について
  6. 養護学校の充実について


1.公共事業の見直しについて

 まず最初に、公共事業の見直しについて知事ならびに土木部長にお伺いします。
 第一点は、ローカル・ルールの充実ですが、私は昨年9月議会で、身の丈にあった公共事業、長野県企画の公共事業について提案させていただき、今年の2月県議会の代表質問では、ロ―カル・ルールの具体的な実施と促進について質問をさせていただきました。
 今年度までのとりくみとして、1.5車線道路の実施や県産カラ松材などの利用による自然や環境に配慮した工法の実施や長野県としてのマニュアル作り、土地改良事業などへの住民参加などが前進し始めていることを評価し、今後いっそうのローカル・ルールの充実、促進をはかっていくべきだと考えるものですが、今後の具体的な取り組みについて土木部長にお伺いします。
 また、日本共産党県議団として、長野県の社会資本整備の中では、まだまだ遅れている生活道路の整備促進について、従来型の発想や整備手法を変えて、土木部がイニシアチブをとりながら部局横断的な生活道路整備の抜本的な検討体制について繰り返し要望してきたところですが、この点に関連し、2つお伺いします。
 ひとつは、2月県議会の代表質問で、私は都市部での自転車道の整備促進の検討をお願いし、土木部長からは、環境にやさしく、渋滞対策としても効果のある自転車を都市部の有効な交通手段とするための自転車道の整備については、駐車スペースの確保や、他の交通手段との組み合わせも必要であり、総合的な都市内交通のあり方について、市町村とも連携を図って検討していきたいとの答弁をいただきました。その後の検討はいかがでしょうか。改めて土木部長にお伺いします。

 2つ目は、林道栄線として整備が進められてきました豪雪地帯栄村の、特に極野(にての)――五宝木地区をつなぐ冬期間の生活道路、村内交通手段確保の問題です。
 秋山郷から五宝木、極野へと続く生活道路は、冬にはなだれ常習地帯となり、春まで通行不能となってしまいます。お隣の新潟県津南町を約1時間走ってやっと栄村へ戻る道路も決して安全とは言えず、冬になれば該当地区の村民の皆さんは村営住宅へ移住したり、雪上車で生活物資を手に入れたり、中学生が下宿せざるを得なかったり、と、村内交通が遮断されてしまいます。
 一般質問初日に、小林伸陽県議が、上水内北部広域農道整備の全体計画見直しについて提案いたしましたが、来年度一杯で開通、供用開始になる予定の蟹沢トンネル先線の信濃幹線にしましても、既設の国道、県道、今整備中の広域農道が合流するわけで、冬になれば村内交通そのものを絶たれてしまう、生活道路がなくなってしまう栄村から見れば、まさに、道があふれている、という状態です。私は、決して、農道は要らない、といっているのではありません。しかし、たとえば、上水内広域農道を、今後さらに70億円もかけてJRの線路の上を高架で走り、りんご畑を横断して荒瀬原線につなげる立派な道路を農業予算でつくることと、栄村の村民の皆さんが、雪が降っても村の中を行き来が出来、自分の家に住んでいられるための道路の確保と、どちらが緊急、優先の課題かを考えていただきたいのです。栄村の五宝木――極野地区をつなぐ冬期の生活道路確保の問題をどのように解決していくのか、また、今後の長野県の生活道路整備のための部局横断的な検討体制をどうしていくのか、知事および土木部長の見解をお伺いします。

      【答弁 小市土木部長】
       順次お答えいたします。最初にローカル・ルールについてのお尋ねでごいますが、昨今公共事業におきましても、従来から進めております画一的整備ではなくてですね、地域の実情にあったローカル・ルールといいますか、そういう整備が求められています。それらの事業につきましては順次各種事業でも取り入れられておりますが、今お話のございましたように特に道路におきましては1.5車線道路、従来から2車線でずっと整備してきたものをですね、地域にあわせましてやはり効果的効率的に整備には1.5車線道路というものを活用してやっていこうということで、その整備につきましてはすでに取り入れてやっているところでございます。その他、ローカル・ルールといいますか、例えばガードレール、信州型木製ガードレールもそのひとつだというふうに思っておりますし、また、有料道路のいわゆる料金値下げ環境ロードプライシ、これも独自で始めた社会実験でございますし、その他河川におきましてもいわゆる流域対策、これは岡谷の大川におきましては河川改修だけではなくて調整池であるとか、いわゆるいろんなものを組み合わせてやるということですでに調査をしスタートをきっております。いろんな観点から今後もこれは地域にあったローカル・ルールというものをきちんとした視点によりまして進めていきたいと思っております。
      次に自転車道というお話でございますが、前回もそういうお話ききましたが、確かに自転車を活用するということは特に都市部におきましても非常に有効だというふうに思っております。家から長野市の中心に向かっての自動車道、自転車道の整備等は有効でございますが、あわせて駐輪場といいますか、そういうものもあわせて整備をしないと総合的な対策が必要なわけでございますが、これにつきましては県だけではなく、特に市町村といいますか、そういう人たちとの協力というのが不可欠でございます。今長野市におきましては、長野都市圏交通計画調査というのをやっております。この中でもいろんな街づくりとか、いろんな観点の中からそういう自転車道というものの活用も視野に入れながら検討したいと思っておりますが、これは即そんな目に見えて云々というようなかたちになりませんけれども、今ある状況がどういう状況にあるのかというようなこともきちんと調査する中でですね、そういうものが有効に活用されるようなソフト対策と言いますか、そういうものも必要だなと思っております。せっかく自転車道あるんですけどなかなか使っていただけないというのもありますのでそいうことにつきましても、市町村と連携とって具体的に検討していきたいというふうに思っております。
      栄村の件につきましては、確かに林務部で五宝木トンネルを開設いたしました。その先栄村の方におきましては、県の代行事業で道路整備しておりまして屋敷温泉までかなり整備進んでおります。残されたのは五宝木トンネルから手前のいわゆる栄村中心部区間でございますが、現在の道路があるわけでございますが、特に冬季間ぜひ通れるようにしてほしいと、要は長野県の中で栄村に行きたいという従来からの願望あるわけでございますが、かなり以前の林務部の調査の長いトンネルとかですねそういうようなものをいわゆる計画の中に織り込まないとなかなかできないというような状況がありまして、かなり長いトンネルでございます。非常に多額の事業費がかかるということで、もう少しコスト的に安くなるような工法がないのかということで、いろいろ私も何回も現地見たところでございますが、何しろ雪の深いところでございますので、ある程度トンネルとかそういうものを駆使しないとなかなかつながらないような状況ございますが、今後ひき続きいろんな知識を出して、少しお時間を借りて研究をしたいと思っております。

      【答弁 田中知事】
       重複するかと思いますが、自転車道というところ、従来、自転車道は安曇野に造りましたものをですね、途中で中断をするかたちをやむなきになっておりますが、議員がおっしゃられたようなこと、あるいは以前から北山議員がおっしゃっているような真の意味で社会が大量消費、アメリカ型の社会でないということの一つの象徴があの自転車に街に乗ると、デンマークもそうでございますし、他の都市もそうでございます。そうした観点で、まさにコモンズの再生という観点から自転車道を設けるということではなくてですね、何かおそらくあれもですね、形から入って自動車道路を造ることには批判があるので、自転車道ならば良いんじゃないかと言うふるさと創生的な形で出たので地域の方がご利用にならないような形でですね、自転車道ができて無用の長物と申せば利用されている方もいらっしゃるでしょうが、ちょっと宝の持ち腐れになっているわけでございます。小市が申し上げましたのとは違う意味で私たちが今回自転車で通勤する職員に対してですね、通勤手当というものを良い意味でインセンティブを与えたということからもわかるようにこれは中期的にみればこのことを整えていかなければならないと思っております。自転車道を整えることが目的ではなくて、そのような形で人々がコモンズと、商店にも立ち寄っていけるような生活形態をとり戻すという観点から考えねばならないと思っております。私はすでにしなの鉄道や松本電鉄の方にはお話をしておりますが、例えば自転車を乗せられる車両というものを連結できないかということを申しております。これはすなわち例えば波田町から通う子どもが波田の駅前に自転車を置いて松本の駅前にまた自転車を置いてあって学校へ通うという形ではなくてできる形、そのために停車時間が1分延びるということを逆に豊かさだと思うような私たちの大きな意識変革をもたらすことがコモンズからの変革でございます。こうした観点で自転車ということを捉えていきたいと思っておりますし、そのことが自転車道という考え方ではなく、まさにバリアフリーで昆住するわけですから自転車が通れる道ということを考えねばならないと思っております。この点は是非私たちだけでなくて、道路の交通法規を司られる県警本部の方々にもこうした私たちのコモンズの考え方をご理解いただけるように機会を設けたいとも思っております。
      もう一点は先ほども申し上げましたが、コモンズということで言うと1.5車線道路というこの一つの言葉でけでなくて、私たちの予算を公共事業に留まらず、公共投資も福祉もすべてコモンズの観点から大きく予算構造を変えねばならないということであります。20〜30度変わるものでなくて、これは大きく変わるものです。従いまして例えば公共の治山に関しましても砂防に関しましても私たちはこれにきちんと単に反対するのでなくて、その予算というものを本当にみなさんから、都会部に住んでいる方々や環境に配慮しようと言っていた方々からもご理解いただけるような真の森林整備の治山であったり、居住地域の安全であったり、そのための移転であったりに用いられるように私たちは様々な補助金の制約を良い意味で掻い潜り設けねばと思っております。島々谷川の6号砂防ダムの予定というところも私訪れましたが、あのような形ということが長野県においてですね、一方で牛伏川に関しましてですね土木部が努力をしてですね行なっている新しい砂防のあり方、治水のあり方がある中で私は計画がそのまま進められるということはなかなか住民の理解は得られないと思っております。そのことをまだ気づかぬ方々に伝えていく中で私たちの真の1.5車線道路あるいは公共事業の改革に留まらない新しいすべてのコモンズ再生の予算構造にしていかねばと思っております。
      上水内のご指摘の農道というところも、これは昨年度、また今年の途中まで公共事業の改革を担当しておりました高橋徹が繰り返しこの事業に関しては大変に疑念があるということを強く申してたものであります。この点もですね、途中までと、経済効果があるまでという発想で今まで来ておりますけども、やはりこれも今一度、長野県は見直さねばならないと思っておりますし、   国からもらえるものはもらいなさいというご指導も議会から出ておりますから、これらの地域は合併特例債という形も期待できる地域とも聞いておりますから、もし地元要望があるならばどのようにするのかということはやはり地元が自律的にお考えいただくことも合併行なっても尚自律というものは存在しうるという証しになろうかという気もいたします。
      栄村の部分に関しましてはこれはトンネルを客観的に言って隧道を設けねば冬季の雪崩崩落ということの危険性を回避できないわけでございます。これには数十億円というお金がかかるわけでございまして、私も端的に申し上げればそれらの地域にもっとまさにふるさと農道等が多く全国に造られた頃にですね、むしろこうした場所にそれをですね採択するというようなことが何故できなかったのかなあという大変に思いはございます。今小市の方からもご説明いたしましたように、極野(にての)あるいは五宝木の様々な改良を今行なっておりますので、また秋山郷地区のところはとりわけ改良を行なっておりますので、またそうしたことを踏まえたうえで将来的にはですね、やはり林道ではなく県道というようなかたちにいたしましてですね、さらに地域の住民の利便性を図るということを行なわねばという気がいたしております。
      考えまするともう少し潤沢にお金があったような頃に私がこうした決裁権者であったならばなあという無いものねだりを思ったりもするわけでございます。しかし、こういう時期だからこそ逆にコモンズからの再生ということが議員の方も含めて多くの方にご理解いただけ、ご支持いただける時代なのかもしれませんから、こうした中でまさに小市のみならず、多くの心ある土木部の職員あるいは公共事業担当の職員とですね見直しを行なえることをですね喜びと思っております。以上でございます。



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2.入札制度の改善について


 続いて、入札制度の改善についてお伺いします。
 この間、私たち日本共産党県議団も、県下各地の建設業者、若手経営者や建設業協会役員の皆さんとの懇談の機会があり、業者の実態や生の声を聞いてきました。心ある多くの建設業者の皆さんは、時代の変化の中での一定の事業量の減少や公共事業をとりまく環境が従来型から改革されなければならないことには共通して理解を示してくれています。また、入札制度の改革にあたっては、透明性、公平性、競争性が必要であることにも賛同しています。この間の長野県での入札制度の改革が、談合防止などに効果を上げている点を評価しつつ、今後、より適正な改革になることを、私も心から願っています。
 そのためには、何よりも、入札制度適正化委員会や発注技術検討委員会等のさまざまな検討結果は県自身が主体的に生かす立場で、この間残念ながら一部で起こっている異常な低価格入札に終止符を打ち、ダンピングが阻止できる適正基準をつくることが必要だと思いますが、副知事にお伺いします。


      【答弁 阿部副知事】
       入札制度の改善改革についてのお尋ねにお答えいたします。基本的な考え方につきましては公共工事入札等適正化委員会の提言をふまえまして透明性・競争性・客観性・公平性が満たせる入札制度、良い仕事をする業者が報われる制度、それから私ども公務員の意識改革を促す入札制度ということで進めておりまして、意欲あるいは技術力がある業者の方々が地域で自律できる入札制度の確立ということを目指しているわけでありまして、いたずらに建設業者の方に厳しい制度を目指しているということではないということはまずご理解いただきたいというふうに思います。低価格入札についてでございますけども、私どもといたしまして低入札価格が続いているということに対応しまして適正な見積もりを行わない業者等がいるんではないかというようなご指摘をふまえて予定価格の事後公表というものは9月1日から施行させていただいているとこでございます。また、低入札価格調査制度をやっているわけでございますけども、これにつきまして低価格でこれまで落札された工事等のコスト調査、それらの分析、さらに建設業者の皆様方に対するアンケートというものをやっております。こうしたものをふまえて現実にかかっている必要なコスト、どの程度であるかというようなことを分析いたしまして、その結果ふまえまして12月の10日の公告分から低入札調査価格制度の見直しを行なったところでございます。12月10日の公告分から改革をしたわけでありまして、その結果がどういうかたちになるかというのはこれからということにはなるわけはありますけれども、私どもとしては必要な経費をしっかり把握した上での改革というふうに考えておりますので、その試行の状況をですねしっかり見ていきたいというふうにおもっておりますし、また私たち入札制度の改革に関連いたしまして、例えば私、請負人選定委員会という内部での会議の座長もさせていただいておりますけれども、そこの場においても一つは県民の皆様方に対しては競争性の確保ということは必要でありますが、それと同時にですね県内で一生懸命、真剣に建設業を営まれている方に対しての気持ちといいますか、配慮というものもしっかりしていかなければいけないということで、今、制度といたしましては受注希望型の競争入札というような形も行なっているわけでありますし、失礼いたしました、参加型指名競争入札ということで取り組んできているわけでありまして、例えば従前の長野県の工事であれば直接なかなか工事に参加できなかったいわゆるB・Eランクということで称されていた方々に対しましても広く受注の機会を開いて来ているわけでありまして、今年度10月までの実績では平成13年この制度開始したとき31件しかなかったわけですが、175件まで増えておりますし、金額もですねかなり増加してきているとこでありまして、その他にも県内県外業者が参入できる事業の仕分けの見直し等行ないましてできる限り競争性を確保しつつもしっかりと意欲のある業者の方に公共工事をいていただくというようなかたちの改革を進めておりますのでご理解いただければというふうに思います。以上でございます。

 おおむね前向きな答弁をいただと受け止めましたけれども、入札制度以外の問題は2月県議会で基本的には検討を答弁していただいている問題ですので、ぜひ積極的な検討と実施をお願いしておきたいと思います。
 入札制度の件ですけれども、私は、9月県議会の総務委員会で、ある工事の落札業者が、県の積算額にたいし一般管理費がたった2%と、これで落としたという資料の説明を聞いて驚きました。小さな工事だから管理費は低く抑えられるとか、この工事で多少の無理をしても他の工事でやりくりが出来れば、と、簡単に片付けていい問題とは思えません。会計局検査室のそのときのご説明では、業者は出来ると答えていると、工事完了まで県が責任を持ってチェックする、とのことでしたが、責任ある業者なら、技術者の育成、職員の身分保障、機械設備の維持などをはじめとする日常的な最低限の経費というのは必要であるわけです。
 ですから、県の予定価格の積算が適正なものであれば、ダンピングを阻止するためには固定性の最低制限価格、ご要望強いんですけど、この設定は有効ではないでしょうか。私たちが懇談した建設業者の皆さんは、県が責任ある予定価格を積算して、説明責任を果たしてもらえるのであれば、予定価格は事後公表でよいという意見でした。昨日、一昨日の答弁で、固定性の最低制限価格を設定すると、その付近に入札が集中して、くじ引きになるから適当ではないと言うことでしたが、電子入札や予定価格の事後公表などでそれは歯止めがかかるのではないでしょうか。是非、ご検討をお願いしたいと思いますので、もう一度副知事にご答弁お願いします。

 入札制度の改革で注意しなければならないのは、競争性や透明性と引き換えに、「安かろう、悪かろう」の不良、不適格業者の参入を許すことだと思います。私たちに寄せられた情報では、長野県内にも、いわゆる多重債務者を労務者としてプールして抱えて、低価格で仕事をする悪質業者もいるということです。その一方で、除雪の仕事ひとつとっても、朝暗いうちから起きて、どこにガードレールがあり、どこに側溝があるかなど知り尽くした地元の道路を、一般の人たちが起きる前に除雪してくれるという建設業者のありがたさはお金にはかえられないものです。長野市の地附山地すべり災害のときにも、土砂でつぶされた老人ホーム松寿荘に真っ先に重機を持って掘り起こしに駆けつけたのも、また警察官とともに湯谷団地の倒壊家屋に駆けつけて家財の運び出しを行なったのも、地元の建設業の皆さんでした。平成7年の災害時には、市町村役場から建設業協会事務所へ直接の電話を受けて、建設業者が倒木や土砂の除去に組織的に動いたと言われています。地域との信頼関係のうえに成り立っているこれらの建設業者の地元貢献をもっと評価して、技術者や資格者の養成に努め、ISO認証所得などもしている優良業者もあるわけですから、それを育成し、支援することが県として重要な仕事ではないでしょうか。県としての位置づけ、支援策はどうなっているのか、土木部長にお伺いします。
 
 埋蔵文化財の調査の入札改善については、教育長にお伺いします。
 埋蔵文化財の調査が出来る業者は、残念ながら全国でも数少ないということですが、最近、他県の業者からのお訴えがありました。長野県では、埋蔵文化財の調査の仕事の入札に現地まで、つまり長野県まで来なければならず、他県からわざわざ来て入札しても、必ずしも仕事が取れると言うわけではなく、大変不合理だと言うのです。時代にふさわしく、電子入札か郵便入札に改善することは可能ではないかと思いますが、改善できないのかどうか、教育長にお伺いします。

      【答弁 阿部副知事】
       最低制限価格の導入についてのお尋ねにお答え申し上げます。昨日土木部長の方からもお答え申し上げているかと思いますけども、最低制限価格制度をストレートに導入することについては幾つか課題があるのではないかと思っております。例えばあらかじめ設けた制限価格を1円でも下回れば自動的に失格になる制度といことで必ずしも入札される方の意向を反映しにくい部分があるのではないかというふうに思います。また、最低制限価格を設定しますと実態としてその価格帯に集中してくるような傾向がうかがわれるということで良い意味での競争性であるとか、企業努力が反映されない懸念があるんではないかというふうにも思います。また、国においては国の法律上最低制限価格は採用できないということありますので、低価格入札調査制度のみを採用しているということはご承知のとおりかと思いますし、また公共工事入札および契約の適正化を図るための措置に関する指針、平成13年の閣議決定でございますが、国が決めることが全て良いわけでは必ずしもないとは思っておりますけれども、最低制限価格制度から低入札価格調査制度への移行といったような流れ、方向が示されているとこでありまして、そういった点を勘案しますと慎重に考える必要があるんではないかというふうに思っております。先ほど申し上げましたように低入札価格調査制度の施行をしておりますのでその動向について注視してまいりたいと言うふうに考えております。以上です。

      【答弁 小市土木部長】
       お答えいたします。私ども土木をはじめ公共事業これらの事業はすべて建設産業のみなさんにやっていただくわけでございまして、まさに車の両輪でございます。そういう意味では県内の建設産業のみなさん方が健全に会社が成り立っていくということが一番望ましいわけでございまして、それが良い仕事につながるわけでございます。今新しい入札制度の改革を行なっておりますが、先日申し上げましたが新しい改革と同時に意欲のある技術力のある社が生き残るといいますか、伸びていくといいますかそういうことを私   重要な視点としてやっているわけでございます。そういう中で災害・除雪等たしかにそういうことが発生いたしますといち早くその地元のみなさん方駆けつけていただいてそういう対応していただく、本当に私ども感謝しておりますし、そういう常日頃の絆と言いますかそういうものを大事にしていかなければと思っております。ここにきまして新しい入札制度等さらに事業費がすこし少なくなるというようなこともありまして、かなりみなさん方大変ではございますけれども、常日頃そうような接点を持ちまして私どもも技術力向上をお互いですね高めるべく努力をしていきたいと思います。現場技術セミナー等も毎年行なっておりますし、このところ若干仕事の関わりを持った時だけしか接点がないというような話を聞きますけれども、そうではなくてですねやはりそういう意味での技術交流しながらですね技術力高めることにつなげていきたいと思っております。
      入札制度につきまして言いますと最低制限価格ということにつきまして、阿部副知事の方から申し上げましたが先般私申し上げましたが、今回の改定によりましてかなり技術力が評価されるようなチェックになっております。     対する率、さらには間接的な経費の一つ一つの項目についてきちんと積算してあるかどうかということをチェックしてですね、その上で判断することになっておりますので、そういうことがやはりきちんとした実力のある社の応札にまた入札・落札につながると思っておりますので是非温かい目で見守っていただきたいというふうに思っています。

      【答弁 瀬良教育長】
       お答えいたします。埋蔵文化財センターの工事の入札の関係でございますけれども、議員ご指摘のとおりの状況だと現在思います。これは長野県文化振興事業団財務規定に基づきまして入札を行なっているわけでございますけれども、早急に実態を調査し、必要と認められれば改善をするよう、改善を検討するよう指導してまいりたいと考えております。

 入札制度のことですけど、先ほど提案もいたしましたけど、低価格調査制度、事後公表、電子入札様々な有効的な組み合わせで長野モデル、本当に納得のいく適正な入札制度を是非責任もって検討していただきたいなということで強く要望しておきたいと思います。


3.治水対策について

次に、ダム中止後の治水対策についてお伺いします。
 今長野県では、中止になった浅川ダム・下諏訪ダムの治水対策を、基本高水の8割を河川改修、2割を流域対策で行なう「枠組み」案により、住民参加の流域協議会の意見を尊重し、河川整備計画を変更する取り組みを進めています。
 全国で計画されてきたダムは、96年以降、89箇所で建設中止が決定し、今月の8日には埼玉県が、事業中の戸倉ダムからの撤退を表明しました。
 全国のダム中止となった河川の河川整備計画の策定状況はどうなっているのでしょうか。土木部長にお伺いします。

       【答弁 小市土木部長】
        お答えいたします。中止になった河川での河川整備計画の状況ということですが、詳しくは承知をしておりません。先般石坂議員さんから連合審査会でお話ありました岡山県のダムにつきましては承知をいたしましたが、まだ整備計画も策定について検討という段階というふうに聞いておりまして、それ以外につきましてもすこし詳しくは承知しておりません。ただ河川整備計画というのは新しい河川法の中で位置付けされまして、今後の事業につきましては河川整備計画を策定してやるというようなことで、その河川整備計画を各県・ブロックごとに作成するというふうになっておりまして、長野県の場合は12ブロックになっております。そういうことで各県の整備計画の状況、新しい制度なもんですからまだそんなに多くですね整備計画策定されてその下にというような状況にはないように把握をしておりますが、ダムに替わる件につきましては承知をしておりませんのでよろしくお願いします。

       

  今土木部長からお答えいただいたとおりなんですけどね、100近いダムが中止になっていますけれども、ダムによる治水利水対策から違う方法でやると決定したところで河川整備計画を変更してこういうふうに作りましたということころは無いんですよ、国が中止したところもすべてそうです。岡山県の、長野県で浅川と下諏訪がダムを中止しますと決めたときに一緒に中止を表明した去年6月議会ですよね、中止した大原川ダムここもまだ河川整備計画はなにもいじってないし、検討にも入っていないというお話なんですね。長野県、いまの議論の中で河川改修の予算を獲得していくためには河川整備計画を全面的に切り替えなければならない、しかもさまざまな幅があって取るモデルによって数字が大きく変動するその基本高水をビタ1文まけてはいけないと、もう5トンの水田貯留があるかないかで大騒ぎと、私はこの長野県の議論というのは異常だと思うんですね、実は今月の8日の日に淀川水系の流域協議会が国土交通省の近畿地方整備局の河川整備計画に対する検討の取りまとめをしまして、意見書を出しました。基本的には淀川水系の5つのダムはもう造らない、利水目的の新たな水源開発も中止をするそういう中味の答申なんですけど、この近畿地方整備局がつくった河川整備計画、ここにあります。近畿地方整備局、国がつくった河川整備計画です。この分厚い河川整備計画を最初から全部見ましても、基本高水何トンとか、どうするとかっていうのは書いてないです。むしろ新しい河川法の精神に沿って環境をどう大事にするか、川とどう付き合うのか、護岸整備をどうするかこういうところに重点を置いた事細かな検討を国自身の河川整備計画で示して、これでやっていきましょうと、しかも第1ページにはこう書いてあるんです。20年から30年のスタンスで少しずつ追加、補充をしていけば河川整備計画はいいんだと、こういう河川整備計画そのものの基本的な考え方の上に立って住民が安心できる治水安全度を高めるという取り組みを私は具体的にお願いしていきたいなと思っております。
 従って質問ですが、浅川の河川改修についてですが、新しい河川整備計画の変更はそれはそれとして頑張ってすすめながら、それが完全に出来上がらなくては何も出来ないと、河川改修の予算も1円もつけないと言う考え方ではなく、これは国にも言っているんですけど、ある意味では河川整備計画の策定とは切り離して、当面すぐに出来る浚渫や護岸整備をはじめとした現実的な対応で、出来ることから取り組みを進め、少しでも治水安全度を高めていくことが必要ではないでしょうか。土木部長の見解をお伺いします。
 またあわせて、ある意味では100年確率の洪水被害以上に、日常的な都市型水害や内水被害に見舞われる可能性の高い浅川流域では、きめ細かな流域対策こそ、県の支援が必要だと思います。
 長野市では、急激な市街化の進展による流出量の増大と近年の異常気象に伴う局地的な水害、いわゆる都市型水害の対策のひとつとして、貯留や浸透による流出抑制は有効な手法であると位置づけ、歩道や駐車場等可能な箇所についての透水性舗装を実施し、開発行為等においても指導を進めてきています。
 さらに、長野市では新たな事業として、雨水貯留タンクや浸透施設を公共施設に設置する計画も検討中です。また、不要になった合併浄化槽を雨水貯留施設に転用するための費用に対する市の助成制度も計画中です。昨年10月から実施されてきた個人住宅などへの雨水貯留施設助成制度の利用は、平成14年度申請が84件で98基、15年度は8月末現在で申請が224件257基の利用になっています。
 これらの雨水貯留等への県の補助制度はありません。しかし、国の下水道施策の中に良好な水循環の維持・回復、などを目的とした「新世代下水道支援事業」が平成13年度に制度化されたて、長野市の雨水貯留施設助成制度をこの支援事業の対象とするように県を通じて国に働きかけたところ、16年度に水循環創造事業として新規採択されることになりまして、この12月17日には長野市が国土交通省での認定式に出席する運びになったということが、開会中の長野市議会で、日本共産党の永井みえ子市会議員への長野市の中山建設部長の答弁を通じて明らかになりました。長野市では、今後、国のこの支援制度を積極的に活用して流出抑制策に取り組んでいく方針です。
 さらに、平成5年度に貯留量6000立米で第1期工事が完成した運動公園地下の雨水調整池についても上下流の雨水幹線排水路の未整備区間の整備に合わせて段階的に貯留量の拡大を計画していきたいと表明しています。また、学校の敷地内に降った雨水による下流部での浸水等を防ぐため、昭和59年からはじめた校庭貯留の建設で、現在までに39校に設置済み総貯留量は14200立米となっているわけですが、今後も新設校あるいは他の公的機関が所管するグランド等に設置を進めていく方針です。
 これらのとりくみにの県の具体的な支援策は必要だと思いますけれども、企画局長の考えをお伺いします。

      【答弁 小市土木部長】
       
      お答えいたします。河川整備計画の現状につきましては今石坂議員さんお聞きをいたしまして、そういう状況なのかというふうに思ったところでございますが、とはいえ私ども新しい浅川の治水対策というものを基本的な方向付けをいたしまして、国と協議を開始したところでございますが、国の見解につきましては連合審査でもお示ししましたように、今回のそれぞれの対策につきましてですね、それぞれの施設がどれだけの負担をしてどういうかたちでいわゆる基本高水というものに対して対応するのかということがきちんと位置付けされた河川整備計画を作成してほしいと、その上でその事業とこういうような見解でございます。そういうことからしましてもですね、私どもはそれに向けまして鋭意努力をしているわけでございまして、メニューにつきましてはそれぞれ申し上げていますようにそれぞれの鋭意検討の中で位置付けをするべく検討を進めております。国の整備計画等の紹介もございましたが、先ほど言いましたように河川整備計画自身がそういう状況にございまして、画一的にこういうものであるというようなのができてないというような状況、そういった意味で相談に行った経過もあるわけですけども、とはいえやはり内容としてはそういうものをきちんとですね位置付けたものを作って、それが認可になるんだということでございますので、まずはそれをですね定めた上で協議を重ねて整備計画を認可を取って、まず河川改修からの事業につなげたいというふうに努力をしているとこでございます。


      【答弁 田山企画局長】
       
      お答えいたします。流域対策についてのお尋ねでございます。流域対策、私ども入り口ちょっと話ししたいんですけども、企画局では中長期ビジョンの中間答申出たわけでありますけども、その中で非常に壮大な歴史観・社会哲学のもとにこの流域対策そのものがきちっと位置付けられたんじゃないかなとそういうような私は認識を持っておりまして、この事業というのは非常に「長野モデル」として極めて大事なものではなかろうかと、さらには新たな見地から位置付けをされたんじゃないかなそういう認識を持っております。そういう意味からしますと、流域対策というのは従来の枠を超えて水を川を治める処方を考えていかないけないということで、様々なメニューを用意をして現在進めようとしているところでありますけども、議員のご指摘のようにやはり長野・浅川の場合にはその市街地を管理している浅川でありますので、都市から来る水の量、非常に大きなものがありまして現実に私ども作った原案の中でも貯留浸透についてのいくつかのメニューが用意されております。ややもすれば基本高水の対応にどうだこうだっていう議論に関心が集中しがちでありますけども、私の方は常に絶えず言っているわけですけども、あの原案に掲げられた森林整備をはじめとしてこれは何らいささかも系統の差の無い大事な施策であると位置付けておりまして、議員のご指摘のようないわゆる公的な施設、あるいは個人の貯留施設につきましてもやはりこれから施策と大きな課題ではなかろうかとそのような思いを強くしておるところでありまして、いまのようなお話指摘受けて更に具体的な施策について努力をしていきたいと思っているわけであります。ちょうどこの間の連合審査会でも議員の方からご指摘ありまして、長野市内に公的ないわゆる貯留施設、調整的な機能を持つものが36ヶ所、16万トンの容量を持っておるわけでありますから、これにつきましても議員の方からご指摘いただきましてこれについては再度点検チェックをしながら新たな可能性あるかどうか、さらに再度検討していきたいと思っておりますし、さらにはこの流域内に県営施設がいくつかございます。それにつきましても雨水タンクの設置の可能性の可否につきましてすでに住宅部の方で検討をしておりますので、そういう意味で溜池とか水田とかそれに加えて都市そのものの中における様々な施策について内実を   検討していきたいと思っておりますので、これからもご支援ご協力をお願いしたいと思います。以上です。

 検討していただいていることは承知していますし、是非頑張っていただきたいですが、質問いたしましたのは先ほどいろいろメニューありまして、いずれにいたしましても長野市も実際に助成制度を独自に作ったり、この制度も利用したりして流域対策、流出抑制で頑張っているわけです、というような取り組みに県が具体的な支援を検討してくださるんですかとお聞きしましたのでお答えをお願いします。企画局長。

      【答弁 田山企画局長】
       
      単なる言葉のみの検討じゃなくて具体的に検討の中で実施に向けての具体的な検討・研究を進めていきたいと思っております。

 検討の中味として支援することもあるんですねということなんですけど、あとからまたお願いします。

      【答弁 田山企画局長】
      先ほどの件につきましてお答えいたします。浅川流域対策の原案の中に、今の議員のご指摘の事項につきましてはきちっと位置付けられておりまして、この貯留浸透施設の設置における流出抑制としまして、特に具体的には都市下水・雨水の環境の整備が記載されておりますけども長野・豊野いずれもまだ完璧な状態ではありませんので、この事業を中心にしながら物事を進めてまいりたいと、さらには個人の貯留施設につきましてはかなり制度的には整備が必要とされてきているわけですけども、長野市が県下で一番ある意味では個人貯留施設の普及率高いですが、しかし、数字を見ますとまだ84ということで非常に少ない状況でありますから、制度の導入と同時にやはり普及啓発にも力を入れていかなければいけないんじゃないかと、そういう視点からもやはり施策を進めてまいりたいとこのように考えておりますのでよろしくお願いします


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4.事務事業の見直しについて

 事務事業の見直しについて、副知事にお伺いします。
 事務事業の見直しについては、昨年度見直しに折込済みのものが約10億円、今年度分新たに5億円の削減予定とのご説明を受けました。長野県の厳しい財政状況のもとで、県民の目線での節約は当然です。しかし、予算規模で億単位があたりまえの公共事業に比べて、数十万円から数百万円、数千万円と言う規模のものが多い事務事業の見直し、廃止は、削減目標を達成すること自体なかなか困難ですし、関係者には痛みをともなうものもあるだけに、先に削減ありきのつじつまあわせであってはならないと思います。見直しにあたっての基本的な考え方について副知事にお伺いしたいと思います。
 また、16年度の見直し対象となっているウイルス肝炎医療費給付事業についてですが、昨年度の検討の結果、国の助成が打ち切られる中でも、長野県では全国的にも数少ないB型、C型肝炎患者の医療費公費負担を実施してきたわけです。今回は、国が難病患者を対象とした事業に所得に応じた段階的な一部負担制度を導入したことから、難病患者との負担の均衡を図るため、平成16年度10月から所得に応じた段階的な一部負担制度を導入する方針とされています。
 見直しにあたっては、肝炎患者の生活実態や関係者の要望からも対象とする所得は家族全員の合計とするのではなく。生計生活中心者を患者本人とするべきだと思いますが、いかがでしょうか。

      【答弁 阿部副知事】
      事務事業の見直しに関するお尋ねにお答えいたしたいと思います。
      事務事業の見直しに関しましてはこれはすでに策定しております。財政改革推進プログラムの基本的な考え方を踏まえまして、社会経済情勢の変化、あるいは県の役割分担等を踏まえましておこなっているとこでございます。例えば当初の目的が達成されたあるいは終わったようなものでありますとか、あるいは県と市町村の役割分担上、本来市町村において全面的に財源負担をしていただいてやっていただくようなもの、そういったものについては県の事業としては見直していくということで進めているとこでございます。
      具体的にお話ございましたウィルス肝炎に関係したしましては、これはご質問の中にもございましたが、県単独事業ということで昭和56年から難病対策の一環として事業を進めてまいっているとこでございます。これにつきましては現在の見直しの対象ということで鋭意検討をしているとこでございますけども、現在のパブリックコメント、10月24日から11月21日にかけましてパブリックコメント等をいたしまして県民の皆様からもご意見いただいておりますのでそうしたことふまえて今後具体的な方針を決定してまいりたいというふうに思っていますが、現時点での考え方といたしましては他の難病患者の方々との公平性ということを勘案いたしますと特定疾患治療研究事業と同様なかたちをとってはどうかと言う封には考えています。この検討にあたりましてはこの事業、長野県の他4都県のみで実施されているという状況でありまして、現時点では長野県が最も手厚い制度とも言っていいのではないかというふうに考えていますが、そういった現状でありますとか、今後の受給者の見込みの数、かなり急激に増加していくのではないかというふうに読まれていますがそうした点あるいはこうした医療対策、難病対策本来的には一次的には国において対応していくべきものではなかと私は考えておりますけども、そうした点総合的に勘案しながら対応を決めてまいりたいというふうに考えております。以上でございます。


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5.子育て支援について

 子育て支援のいくつかの課題については、知事にお伺いします。
 1点目は、児童相談所の問題です。
 虐待などを受けた子供を一時保護できる児童相談所で、土・日の対応も含めた通年保護が、長い間の要望がようやく実って長野県でも実現したことは、私も大変うれしく思っています。しかし、逆にこれまで土・日の対応は民間の児童養護施設にまわしていた状態から児童相談所で通年対応することによって、新たな問題が生じています。たとえば、長野市のビッグ・ハットの向かい側にある社会福祉総合センターの大きなビルの中にある中央児童相談所は、ビルの一角と言う環境で、残念ながら職員の献身的な努力にもかかわらず、物理的には周囲の立地条件も含めておよそ家庭的な雰囲気にはかけ、窓もない相談室など、精神的に傷ついた子供たちの保護の場所、生活の場所としては不適当な環境です。他県では体育館やこども達が走り回れる庭、お花畑もある児童相談所も珍しくなく、私は、長野県のセンター的役割も持つ中央児童相談所なのですから、今の場所からの移転を含めての改修と機能充実をはかるべきだと考えています。知事の見解をお伺いします。
 
 2点目は、児童虐待が増えることに伴って入所者が急増している児童養護施設へ、心理相談員の配置の充実などの支援が急がれていることです。長野県児童福祉施設連盟によれば、現在県内15施設の入所率は97・5%で、入所定員690人に対して入所している子供たちは2歳から18歳までの673人。入所理由は「虐待」が全体の31%でトップ、1995年の14人に対して219人と急増し、ついで「不登校」「親の育児に対する不安」、長引く不況による経済困難や離婚で養育困難のケースとなっています。
 国は99年4月から被虐待児が10人以上いる施設に対して子供たちの精神的ケアにあたる心理療法指導員の配置を進めています。現在、県内の15施設すべてに10人以上の被虐待児がいますが、心理指導員が配置されているのは8施設だけで、ほとんどが週に2、3日の非常勤です。県内でも、心理指導員のていねいなカウンセリングを重ねる中で、精神的な落ち着きを取り戻す子供や、初めておとなに甘えることをおぼえ始めたこどもの実例などの効果が報告されていますが、非常勤職員としての心理指導員の勤務実態は、たとえば1ヶ月に14日間の勤務で、一人で15人もの子供を抱え、一人につき毎月2回、約1時間ずつのカウンセリングを実施するのが精一杯という状態です。その指導員さえ、15施設中7施設には配置されていないのですから、配置を充実させるための県の支援を検討できないでしょうか。
 
 3点目は、自閉症・発達障害児の支援についてです。
 最近の複雑な社会状況を反映して、全国的にも不適応行動、パニック症状を示す子供や、自閉症をはじめさまざまな発達障害のこどもが増えています。長野県の場合、自閉症対策は、社会福祉総合センターにある県の精神保健福祉センターが対応し、センターでの診断・療育とともに、飯田、松本、大北、木曽、佐久地区などで巡回療育を実施し、早期発見、適正療育のために保健師、保育士などの研修を行なっています。スタッフは自閉症の専任3名、兼務2名、非常勤の医師1名です。
 先日、日本共産党県議団は、昨年12月に発足した熊本県自閉症・発達障害支援センターを視察しました。このセンターの建物は新設ではなく、既存の施設を約40万円かけて改修したものです。職員は4名で、社会福祉士、介護士、保育士などの資格を持っています。自閉症、LD、ADHD、アスペルガ―症候群をはじめ、診断名がない発達障害の子供たちの相談にものっています。月平均130件、1日あたり5件の相談にのり、療育支援では、学校の先生や施設の職員の研修を行ない、地域の核となる全県的センター機能が発揮できるようにつとめているということです。
 自閉症支援センターは、全国で2002年に12カ所、2003年に7カ所設置されていますが、国からの人件費補助があります。
 長野県の職員の中には、自閉症に詳しかったり、情熱をもってかかわってきた職員も多いと聞いていますので、長野県の現状をふまえた上で、支援策を充実していただきたいと思いますが、自閉症・発達障害児の支援のための県のセンター機能の充実をどのように進めていくのかお伺いしたいと思います。

      【答弁 田中知事】
      児童相談所、あるいは心理指導員、また自閉症の問題ということであります。いずれも大変大事な問題でございます。中央児童相談所の設置場所の問題ということも私たち諏訪湖健康学園に関してもですね、現在の場所にかならずしもこだわらずですね、良い環境でということを言っております。中央とついております児童相談所でありますから県内の良い意味で統括するわけでございまして、良い環境に移したいという意向は持っております。またこの指導員の配置増というようなことも鋭意考えるところでありますが、同時にそのスタッフ働き易いのみならず良いスタッフであることが大事であろうと思っております。こうした者の研修とか、研究会へ参加するというようなことも全国的には行なわれているわけでございまして、このあたりも考えねばとも思います。熊本の例も是非早急に把握をいたして、これらが県内いずれの場所にお住まいの方にとっても機能するようなかたちにしてまいりたいと、とりわけ社会部、衛生部関わるところでございます。社会部と衛生部を良い意味でどのように組み合わせるかということも内部で検討しておりますから、この中でより良いかたちにいたしたいと思っております。

知事からは大変前向きな答弁いただいたと受け止めまして、私申し上げたいのも、何億円という立派な建物を揃えてほしいということは一切申し上げておりません。中央児童相談所の移転も含めまして、やはりお金は優れた人材の育成にかけてほしいと、そういうかたちで子育て支援が障害のある子どもたち、児童相談所、虐待、自閉症の子どもたちの支援を抜本的に強めてほしいという思いですので是非お願いをしたいと思います。


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6.養護学校の充実について

 最後に、障害を持った子供たちの教育環境が年々充実して、新たに高等部のなかった若槻養護学校にも高等部設置の見通しということですので、関係者とともに、大変うれしく思っています。このような中で、かねてから要望し続けてきた養護学校高等部の入学資格を20歳未満としている人権侵害とも言える年齢制限は、一日も早く撤廃していただきたいと、改めて強く願うものですが、ご検討いただけるのかどうか、教育長にお伺いします。

      【答弁 瀬良教育長】
      お答え申し上げます。議員のご質問は養護学校の高等部の入学についての年齢制限はないのに、訪問教育受ける年齢制限あるのは著しく人権侵害ではないかというお尋ねであろうかと思います。高等部の訪問教育開始は平成9年からということで7年ほど経っておりまして、当初、開始時点ですね高等部の訪問教育を受けられなかった者が500名ほどございました。今年の4月1日の調査ではそれは458名  はじめは前年度中学校卒業生に限っていたところを平成10年から年齢制限を20歳まで引上げたところでございます。全国の状況ではですね、約半分くらいが中学校卒業見込み者に限っておる、一方、10県が年齢制限撤廃しております。学齢期を過ぎた重複障害者の方々の約65%は社会福祉施設に入所されておられまして、指導法のノーハウとか医療福祉分野についてはそのような現状の中で対応しておるところでございます。今後につきましてはですね、まず現在どのような方が758名おられますけども、どのような生活されているのか、現在の福祉医療教育にどのように期待されているのか等の事態をですね早急に調査して、その分析のもとに今後の訪問教育のあり方について検討・研究してまいりたいと考えております。


 最後、教育長のご答弁なんですけど、私はずっと不思議に思っていますのは何故20歳未満と年齢制限をつけなければならないのかいうことは今のご答弁聞きましても非常に納得できません。教育委員会の側で探し出して、あなたは年齢に関わらず是非受けてくださいと、やさがしをして長野県中の重度重複の子どもさんに高等部の訪問教育受けさせなさいということではなくて、教育を受けたいと希望する人であれば年齢に関わらず健康な子どもと同じように受け入れるというあたりまえのことが何故、重複の重い障害だと受け入れられないのかと、このまったく素朴な疑問です。児童の権利条約でも特別支援を必要とする子ども、つまり、障害のある子ども、重い子どもにはとりわけ普通の子ども以上の支援をしなさいと言っているんですから、そういう子どもだけに20歳未満じゃなければだめですよと、これは逆差別ていいますか、これね、年齢制限取り払ったからって長野県中から何十人、何百人の子どもさんが私は25歳だけど受けたいとか、30歳だから受けたいとか、50歳だから受けたいとかそんなことはありません。それはご家族やご本人が自分が先ほどお話があった福祉、療育の場所が適当か、教育の場所が適当かと自分で選ぶわけですよ、そのとき、教育の場所を選んだ人を差別をしないで受け入れてほしい、こんな当たりまえなことは簡単にできると思うんですけど、もう一度教育長のお考えお伺いしたいと思います。

      【答弁 瀬良教育長】
      今の石坂議員のお話含めてですね、総合しながら前向きに研究してまいります。

 是非前向きなご検討を、撤廃ということでね、お願いをしたいと思いますので、よろしくお願いします。それから、企画局長にはっきり言っていただかなくてちょっと残念なんですけど、検討の中身として支援するってことでお願いしたいと思います。以上で質問を終わらせていただきます。

                                   以上   


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