4. 医療福祉について
次に医療福祉について伺います。
ちょうど一年前私は、医療費の負担が大きくなった在宅酸素療法の患者様の実状などを訴え、県としての調査検討を求めました。
昨年4月から県は「保健・医療・福祉サービス等検討会」を立ち上げ、医療福祉の実態調査、関係団体から意見聴取を行い、「保健・医療・福祉施策に関する提言13項目」にまとめ、12月5日に厚生労働省に出向き、国に改善を提案されたとうかがっています。
そこで検討会の取り組みについて、社会部長に伺います。
この検討会設置の経過、調査の対象や方法など、そしてまとめられた提言の内容をご紹介下さい。また、それを受けて国が来年度新しい施策として反映したものはあるのでしょうか。お願いいたします。
このような保健・医療・福祉の全分野にわたっての調査と医療福祉制度の狭間で苦しむ当事者皆さんの声を、真正面から受け止めた改善策をまとめた提言への取組みは、長野県が全国で初めてのことではないでしょうか。この調査まとめに先頭に立たれたご堀内社会部長、前衛生部長であられた菅谷昭さんはじめ、ご努力をされた県職員の皆様に敬意を申し上げたいと思います。いま国の方で具体的な施策に結びついていないということですが、医療や福祉の充実に国はしっかりとこの提言を受け止めてもらいたいものです。
さて、このような膨大な調査の中から長野県独自の施策として、来年度予算に具体化したものは、どのようなものがありますか。また財政難の中で、ゼロ予算でも取り組もうとするものはどのようなものがありますでしょうか。それぞれ社会部長・衛生部長にお尋ねします。
生活の場を無くされたホームレスのみなさんにも思いを込める、地域の視点からの社会保障制度の充実を求めるということで取組んでいただいております。大変ありがたく思います。
さらに貴重な調査を生かしまして、制度の見直しや取り組みの強化をひき続きお願いをいたします。
私は3点について伺い、更なる制度の充実を求めます。
まず1点目は、昨年7月から導入された、福祉医療費の自動給付方式によって、医療機関・薬局での手数料一回300円の患者負担をなくすよう検討していただきたい点です。
昨年9月に藤沢県議も訴え、知事に再検討を求めました。重度身体障害者18歳の娘さんを自宅で常時介護するお母さんは、「市役所まで手続きに行くことが困難だったので、福祉医療費の手続きができずにいたことからすれば、すべて補填されるのでありがたいが、1ヶ月に6箇所の医療機関にかかり、薬局も2箇所から処方を受けており、合わせて3000円もの手数料は、24時間介護のために一切働けない私にとって重い負担です」と言われています。
障害者や乳幼児の医療費窓口無料化が、県民の願いです。そこで知事にうかがいますが、福祉医療費の患者負担金の実態調査を実施されておられるでしょうか。
また、無料化にむけての検討はどうされるのでしょうか。検討委員会の提言では「おおむね3年ごとをめどに、制度の見直しを行う」としていますので、早急に検討委員会を立ち上げ、委員には福祉医療給付の当事者の方など関係者の参加を保障すべきと考えますが併せてお伺いします。
2点目は、いわゆる難病医療費とウイルス肝炎の医療費の問題です。
昨年10月より「特定疾患治療研究事業」が新しい制度に代わり、所得によるランクづけの自己負担制度が導入されました。
福祉医療のあり方検討委員会の提言では、「国の難病対策が確立した段階で福祉医療給付の対象とするか検討する」としています。検討すべき時期にきていると思いますがいかがでしょうか。
来年度の県予算では、県単独事業として取り組んでいる「ウイルス肝炎医療費給付事業」にも所得に応じた自己負担を導入しようとしています。しかし、難病患者や肝炎患者は、常勤的な仕事に就きにくく、家族に少なからず負担をかけざるを得ない状況です。「特定疾患治療研究事業」と「ウイルス肝炎医療費給付事業」の所得認定には、「生計中心者」ではなく「患者本人」とするよう日本共産党として12月議会でも、予算要望でも再三提案しております。早急な検討をすべきと考えます。この点につきましては衛生部長のご決意を伺いたいと思います。
3点目は、高額医療費の医療機関窓口での、受療委任制度の取組みを強めていただきたいことです。
高齢者は外来で、1割ないし2割の負担となり、国の決めていた1ヶ月8000円ないし1万2千円以上は手続きの後に償還払いとして補填されるとしています。
しかし、8日の参議院決算特別委員会で、全国で120万件、68億円が払い戻しされていないことが明らかにされました。この間県は、市町村に償還払い手続きの働きかけを強めるなど呼びかけされてきましたが、県内の未償還の状況をどのように把握されておられるでしょうか。社会部長にお伺いします。長野県は、昭和53年に社会部から「高額医療費は償還払いとする医療保健の原則を逸脱するものであるが、低所得者などやむを得ない事情があると認められ、関係医療機関及び、医師会の協力が得られる場合は今後その実施を認めてゆく」と、受領委任払いを奨励しています。現在、受領委任制度を導入している市町村はどのくらいあるのでしょうか。お伺いします。以上3点お願いします。
長野県は自律した一人ひとりを支援していく、それが私究極のコモンズの精神ではないかなこう思うわけです。今国によるいろんな制度改悪の中で本当に生活が大変な実態になっていると思うわけです。深刻な不況やリストラなどによる生活不安が広がる中、高齢者および医療保険本人の医療費の値上げ、介護保険料の年金からの天引きと値上げ、年金額の引下げなどにより、憲法25条に保障された健康で文化的な生活が守れない状況が広がっているのではないでしょうか。長野県は先ほど、社会部長また副知事からお話ありましたように、県民のみなさんの視点に立って福祉や制度見直していくこういう今情況にあります。是非これをもう一歩進めて当事者の皆さんの声に寄り添いながら制度の充実を求めたく思います。
受領委任制度は、窓口での患者負担が軽減され、行政には特別な財源の負担もありません。医療機関にとっても未収金がなくなります。誰にとっても喜ばれるものです。国が決めたこの高額医療費の全額ご本人さんに届くように県のご支援を求めて時間になりましたので私の質問を終わらせていただきます。 |