2004年 6月議会
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議第8号 年金制度の充実・強化を求める意見書(案)について日本共産党県議団を代表しまして賛成の討論をさせていただきます。 年金制度改革については先の国会においては政府は「掛け金の上限を固定とか、もらう年金は現役世代の50%を確保する」と説明してまいりましたが、国会の日本共産党の追及によって明らかになったように、上限のない保険料の引き上げと、際限のない給付水準の引き下げというまさに歴史的な大改悪であります。政府のいいますモデル世帯で厚生年金は現在の月額23万3千円というものは27年後には16万円に、また国民年金は平均月額4万6千円が3万3千円に、すべての年金を3割以上も目減りさせるものです。モデル世帯でも40年間働いて老後に受け取る年金は実質一人8万円です。ここから国民健康保険料やあるいは介護保険料などを引かれると、現在の劣悪な生活保護基準をも下回る金額となってしまいます。そして掛け金は現在の13300円から16900円とはいかず、2万円から3万円にもなることが厚生労働大臣の答弁から明らかになりました。また給付金は現役世代の50%というのは65歳の支給時のみであり、あとは先ほどの説明にもありました40%にまで下がることも明らかになりました。こうした中、各種新聞の世論調査で70から80%もの国民が年金法案に対して反対、あるいは国民的な理解が得られていないと今国会では通すべきものではないというものでした。 しかし、参議院本会議におきましても、野党の質問が残っているのにもかかわらず、与党自民党、公明党がこれを封殺し強行採決がおこなわれました。これは民主主義を根本から踏みにじるものであり断じて許されるものではありません。 国民年金の保険料の納付率はいまでさえ6割です。この改悪で保険料があがるのに政府の計画では納付率が5年後に8割にあがるとされています。保険料を上げてどうして納付率があがるのでしょうか。 また政府は法律が成立したあとに出生率1.29という改悪法の前提条件を崩す数字を発表しました。後出しジャンケンといわれていますが、ますます低くなる出生率は青年が未来に希望を持てない社会になっていることを示し、この制度の根幹がまったく揺らいでいることが明確となりました。 現在、国民年金だけを受給して生活している高齢者のみなさんは2001年の数字では約900万人で、決して一握りと言える者ではありません。こうした人々の国民年金受給額の平均は月4万6千円です。月額4万円未満が408万人、そして月額3万円未満が114万人です。 とりわけ高齢の女性の場合は2万円や3万円という超低額の方が非常にたくさんいらっしゃるわけです。先日もある県民から月2万円の年金がまだ下がるのか、ここから介護保険料も支払わなければならない、天引きされるわけですけども、これがさらに年金の受給が下げられれば暮らしていくことができない。こういったことも寄せられています。これに加えて問題なのは保険料の空洞化問題です。37.2%ほぼ4割という膨大な数の未納者がいることです。このような低年金、無年金や空洞化の問題に対し改悪法は何ら解決策を示していません。憲法25条で保障された生存権を保障する、最低生活を保障するという点が全く省みられていない、国の責任を全く放棄するものであります。 私達日本共産党は、2004年までに基礎年金に対する国庫負担率を現行の1/3から1/2にまで引き上げるという99年の国会決議に基づいて一刻も早くこれを実施し、国の税金の使い方を社会保障など国民生活重点に据え、欧米諸国に比べ優遇されている大企業の税金の負担を欧米並みにすること、そして毎年5兆円もかけている軍事費を半分にするなどして財源の確保をする。このことで消費税の増税によるあらたな国民負担にたよることなく当面最低保障額5万円とし、そのうえにそれぞれの掛け金に応じて給付を上乗せする「最低保障年金制度」の提案をさせていただいています。 日々の暮らしもままならない低額年金者や無年金者の現状を打開することは待ったなしです。しかし政府は将来の生活の保障の年金を生活ができないような中身にし、来年には介護保険の利用料を現在の1割を2割、3割へと引きあげて、利用制限を強化しようとし、また医療分野におきましては、再来年には所得が少なく健保家族として保険料を払っていない65歳以上の高齢者からも新たな保険料の徴収など、介護保険料と合わせてこのような年金から新たに1万円を超える保険料を徴収することを準備しています。 このままでは国民の生活を破壊することは目に見えています。よって今国会で決議された国民不在の年金制度を改めて誰もが安心できる制度にするために本意見書に議員のみなさんのご賛同を心から訴え可決されることを切に願いながら賛成討論といたします。 |