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2004年 6月議会 石坂議員の一般質問(6/22)

* 記事はすべて、共産党県議団事務局のテープおこしによるものです。

  1. 治水・利水対策ついて
  2. 公共事業について
  3. 信号機設置について
  4. 捜査報償費の監査について
  5. 県警の会計文書の破棄について
  6. 政務調査費について
  7. SO(スペシャルオリンピックス)への財政支援について


1.治水・利水対策について

 私はまず最初に、ダム中止後の治水・利水対策についてお伺いしますが、具体的ないくつかの点をお伺いする前に、先日視察いたしました奈良県の大滝ダムの現状について触れさせていただきます。
奈良県川上村に建設された大滝ダムは、昭和34年の伊勢湾台風で大きな被害が出たことを契機に、紀ノ川沿川の洪水調節、水道用水・工業用水の供給、発電を目的とした国土交通省直轄の多目的ダムです。
 このダムについては、早くから、地元住民の間から、地すべり地へのダム建設に対する不安の声が出され、すでに30年前に住民の依頼を受けて調査に入った2人の学者が「大滝ダム建設によって、地すべりが拡大することは必至であり、現在までの科学と技術では、それを防止することができない。」と警告していました。
 しかし、当時の奈良県が行なった専門家6名による奈良県ダム地質調査委員会は、たとえ地すべり地であっても、ダム建設に支障をきたすようなものではなく、現在の土木技術では充分に可能であるとして、ダム建設をすすめたのです。
 大滝ダムはダム堤の長さ315m、高さ100m、有効貯水容量7,600万立米の日本でも有数の巨大重力式コンクリートダムで、各種の最新式工法で施工され、昨年3月に完成しました。ところが、3月17日から試験湛水をはじめ、50%ほど水を溜めた4月25日、心配していたとおりダムサイト上流の白屋地区に亀裂が発生し、5月11日には水位上昇を中断せざるを得なくなり、「大滝ダム亀裂現象対策検討委員会」を設置。広がるばかりの亀裂に、ついに白屋地区住民が廃校になった小学校の校庭に建てた仮設住宅に移転したのが昨年7月。8月には検討委員会が亀裂はダムの湛水による地すべりが原因であると断定し、ダムにためた水を抜く作業が開始され、10月末からは常用洪水吐を全開にした放流方式に変更、つまり、流しっぱなしの状態になっています。
 私たちは、区長さん、副区長さんたちのご案内で、今は誰も住んでいない白屋地区を見せていただき、公民館でお話をお聞きしてきました。伊勢湾台風のときにも、ここだけは村の中で被害がまったくなかったと言う800年の歴史のある白屋地区は、きれいに積み重ねられた石垣の上に、1軒1軒階段を上り、特産の杉の格子戸を開けると玄関先の植え込みの奥に風情のある住宅が並んでいました。ダムに水をため始めたら、その石垣や道路に亀裂が入り始め、夜中になるとミシミシ、パキパキと亀裂の広がる音がして怖くて寝られなかったそうです。今は、玄関はゆがみ、地面から浮き上がり、あげた畳の下の地面は、亀裂がぱっくりと口を開けて幅20センチほどにも開き、今でも少しずつ広がっているという無残な姿です。
 これ以上、被害を広げないために、270億円の地滑り対策予算が追加されることになり、度重なる交渉の結果、とても安心して住むことができない白屋地区37戸の全戸移転に50億円が保障されることになりました。37戸の移転に50億円です。しかし、平均年齢70歳以上と言う白屋地区住民が37戸全戸そろって移転できる場所は川上村の中には確保できず、高齢の方々が見知らぬ土地への移転を余儀なくされるのは、本当に残酷です。「お金はいらない。白屋を返してくれ。」これが区長さんの言葉ですが、その願いは二度とかなわぬこととなりました。国は、3,520億円の巨額な税金を使って、白屋地区の37戸の人たちを住み慣れた土地から追い出し、800年の歴史を終わらせたのです。もちろん、このダムは、もう、使えない可能性も大きく、いったい、何のためのダム建設だったのか、その責任が問われることになるでしょう。
 かつて長野県でも、地すべり地への浅川ダム建設を心配する住民と、その依頼に応えて深い地すべりの可能性を指摘した京都大学の奥西教授の意見に対し、「浅川ダム地すべり等技術検討委員会」は、「地すべりはあるが、県の対策はおおむね妥当である。」という多数意見を答申し、「安全性が保障できるのか。」と迫る住民に対して、当時の土木部長は、「ダムを造っても、安全性が確認されなければ、水をためなければいい。」と答えました。今考えても、本当に恐ろしい、まず、ダム建設先にありき、の無責任な態度です。浅川ダムを造らなくて、本当によかった、第2の大滝ダムになっていたかもしれないと、私は改めて痛感しています。

 さてそこで、ダム中止後の治水・利水対策についてお伺いします。
 マスコミを含めて、多くの人たちが、ダムを中止した河川での治水・利水対策について、ダム代替案、代替案と言う言い方をしますが、私は、この言い方は、問題を本質からそらし、また、限定された小さなものにしてしまうと考えています。ダム代替案と言う言い方から、どうしてもダム建設計画で想定した基本高水のみにとらわれ、基本高水の数値をいかにクリアーしようかと数字あわせに躍起になります。確かに、基本高水は重要な指標のひとつです。しかし、貯留関数法の計算式に当てはめて計算し、その結果の一番大きな数字を採用したから大丈夫、と実は錯覚しているのかもしれません。
 大切なのは机上の数字合わせではなく、治水安全度を一歩一歩高めていく努力です。どうか、本腰をいれて新しい挑戦に、全力で取り組んでいただきたいと思いますが、知事の決意をお伺いします。

 そこで、森林の果たす役割についてですが、このことについて質問すると、これまで決まって返ってくるのは、日本学術会議の「森林の果たす役割は重要であるが、有効貯留量は数値化、定量化できない。」という見解で、結局、数字にできないほど、あまり効果はないのだという印象を与える答が繰り返されるだけでした。
 確かに、一般論としても、森林だけにあまり過大な期待をかけることはできませんし、洪水時における森林の貯留効果は限られたものです。しかし、森林の整備の状況の違い、つまり、手入れの行き届いた森林とそうでない森林、木の種類や森林の生育状況の違いなどで貯留量に差が出ることも事実であり、一定の条件のもとでの有効貯留量を数値化することや、その効果を検証すること、それを治水・利水対策の中にそれなりに位置づけることは、時間を掛けて具体的に検証すれば、不可能ではないはずです。
 私は、5月14日に長野市のもんぜんぷら座で県会議員有志の皆さんが開いた「緑のダム」検証学習会に参加しました。そこでは、吉野川可動堰に反対してきた住民運動団体から委嘱され、徳島市からも補助金を受けて調査・研究を進めてきた広島大学の中根教授から、吉野川流域での「緑のダム」の機能調査についての報告をお聞きしました。
 長野県でも、薄川流域での「森と水のプロジェクト」のとりくみや、砥川流域での森林の有効貯留量の検証が取り組まれているにもかかわらず、県民には、なかなか具体的に見えていません。具体的な研究の成果や基本的な考え方が、もっと林務部や県当局から、県民に向けて発信されるべきではないでしょうか。少なくとも、今後日本学術会議の見解を、鸚鵡返しにとなえていることだけは、もう、やめていただきたいと思います。林務部長の見解をお伺いします。

 いずれにしましても、2度の県知事選を通じて多くの県民は、県政の改革をこそ支持し、「脱ダム」に期待し、検討委員会の検討を経て、9流域に計画されていたダムは基本的に中止になりました。ダムによらない治水・利水対策と言う新しい挑戦に向かって、舵は大きくきられたのです。今回、従来の流域対策班、河川改修班が土木部長を責任者とする治水班に一元化されることを歓迎し、県当局に望みたいのは、改めて現場にこまめに足を運んでいただき、本庁の職員でも、現地機関の職員でも、「脱ダム宣言」や新河川法について確信をもって語り、住民への説明にも統一的に対応していただきたいことです。そのためにも職員が共通認識を深めることができる集団的な検討や研修の機会を、是非増やしていただきたいと思いますが、知事の見解をお伺いします。

 治水・利水対策の最後に、長野市長沼地区の新幹線車両基地に関する確約書見直しについてお伺いします。浅川ダム流域では、県と長野市、地元地区との間に、ダム建設を前提としたさまざまな確約書が結ばれています。しかし、ダムは建設しないのですから、ダム建設を前提とした当時の確約書の内容は、新たな位置づけのもとに見直さなければならないのは当然のことです。浅川最下流の長沼地区の最も低い場所に新幹線の車両基地が計画され、地元の合意が得られなかったとき、上流にダムを造って水をつかなくさせると言う条件を盛り込んだのが長沼地区と結んだ確約書です。この確約書を一日も早く白紙に戻し、都市型水害や内水対策など地元の要望に積極的にこたえていかなければなりません。県として、長野市、および地元長沼地区に、どのようなはたらきかけをされているのか、その見通しはいかがでしょうか。

      【答弁 田中知事
       ただいま改めて大変に深い哲学、また目指すべき社会を見据えてのご見解およびご質問を大変感銘深くお聴きしたところであります。まさに今申し上げましたように、大変に深い哲学、目指すべき社会というものをですね住民の方々の少なからぬ方々もおそらくは同じ認識にあられようかと思っております。私ども総合的な流出解析の途中経過というものに関してまさに多くの方々がご参加なさり、より高い認識のもとでの意見のベクトルの方向性というものがほぼ集約されつつある流域協議会で更にご審議いただくということでございます。そうした中で皆様のお考えというものを住民のご意見というものをお聞きして、まさに目指すべき社会が浅川の場所におきましても実現するということを私ども考えております。
       もう1点、共通認識をいだくべき研修ということでございます。これはすでに石坂議員におかれてはご存知かと思いますが治水利水対策推進のチームリーダーを努めております鎌田でもですね、当初はダムの建設というものに携わる部署にいたわけでございます。しかしながら、彼のみならず土木部の職員、最もある意味では私たちのなかで様々な悩みを乗り越えて大きな意識変換をしておりますし、そのことが地域の方々にもですねかつてダムをお望みであった方々にも広い  でご理解をいただけているところに着実に近づいているのではないかと思っております。今お話にありましたような点はむしろ「脱ダム宣言」というのは午前中にも申し上げましたが、ダムを造る造らないというだけではなく、本県から発信をする21世紀の新しい日本の社会の「混迷」を「光明」へと変えていく基本的な理念であると、現実化すべき理念、そこにはお金の使い方も物事の決め方、目指すべき社会のあり様いうものも含めてすべて私は含まれているのではないかと思っております。そのことを改めてすべての職員が深く実践的な仕事を通じて認識していける、これは同時にまさにコモンズから始める信州ルネッサンス革命というものと機をいつにしていると思っております。
       林務部長のほうにお問い合わせがありました、おそらく北大、北海道大学の若き研究者の方のご発言であったのではないかと思います。先般も3月まで土木部長を務めておりました小市正英がその方の引用をしたときに私はそうした考えに本県は立つものではないということは申し上げたところでございます。この薄川、あるいは砥川というものにおける上流域、流域を含めた森林の整備こうしたもの関しては、くしくも7月に私も出席させていただくかたちで田口哲男県議をはじめとする方々によって松本の地でそうした森林の価値と河川のあり方というシンポジウムがございますので、是非そのときにはわかりやすい視覚的なものを使って本県の行う河川流域における森林の整備またそのあり様というものをきちんと発表し、のみならずそれは県の多くの広報においても行うようにしたいとこのように考えております。以上です。


      【答弁 鷹野林務部長】
       お答え申し上げます。森林が雨水流出抑制機能や土壌、土砂崩壊を  ということは歴史的にも経験則的にも一般的に認められているところでございます。しかし洪水機能の数値化はそれぞれの流域の地域・地形・傾斜・土壌・森林の状況などが複雑に関係して、短期的に算定することは難しく、継続的な調査が必要であるところでございます。
       先ほど、知事ご指摘のとおり、私ども松本市の薄川流域で「森と水のプロジェクト」いうふうな取組み、その他、下諏訪町の砥川流域におきまして「緑のダム森林保全調査」というふうなかたちをとらせていただきましてその中で森林整備前後の保水力の検証を実施し森林の洪水防止機能の数値化に向けて現在努力を続けているところでございます。取組みを発信すべきというご指摘でございまして、私どもこれまでこうした研究成果につきましては、例えば1例報告「森と水プロジェクト」の関係でございますと報告にかんしましては平成13年5月にやっていますが、その際には県のホームページで公表をさせていただいておりますし、関係機関に対して冊子を配布させていただいたところでございます。
       また「緑のダム森林保全調査」につきましても、平成15年度から始めましたので初年度の取組みについてはホームページでただいま公表させていただいているところでございます。ただ議員ご指摘の通りですが、もっともっとこの内容発信すべきだということはご指摘のとおりでございまして、今後とも様々な機会、媒体を使いまして多くの方々に私どもの取組みがご理解いただけるように努力を進めてまいりたいとこのように思っております。以上でございます。


      【答弁 青山出納長】
       長沼地区の長野新幹線の建設に伴う確約書、その中に浅川ダムの建設促進というのが入っていまして、その関係でご質問だとこういうことだと思います。
       実は結論から申し上げますと、私どもダムが中止になりまして、当然その確約書の中に浅川ダムについてのっていますから、それについて今後ですね地元の皆さんと話し合いをしなくちゃいけないということにつきましては、手をこまねいているわけでなくて私どもの方から地元の皆さんの方へ是非話し合いを持ってくれというお話を申し上げてきております。しかし、地元のほうの地区の皆さんが話し合いを持つにもうちょっと時間ほしいという状況でまだ具体的なお話に入っていないと言う状況でございます。
       それではなぜ、その確約書の中に浅川ダムの建設というのが盛り込まれたかということですが、今議員さんご指摘ありましたけども、長沼地区につきましてはご存知のとおり水害に何回もあっている地域でございます。そしてその水害を何とか解決したいというのが地元の皆さんの長年の要望でございます。そして当時、水害の解決策として浅川ダムを造れば水害がなくなるという、こういう説明を県がやってきた経過がございます。当然そういう説明を受ければ地元の皆さんが早くダムを造ってほしいというこういう要望があって確約書の中に盛り込まれてきたんではないか、こう思います。しかし、「脱ダム宣言」がなされてダム等検討委員会開かれる中でご存知の通り、ダムを造っただけで果たして長沼地区の水害というのは防止になるかという激論がされまして、決してそれでは長沼地区の水害は防止にならないというのはあそこの水害の大部分の大きな水害というのは千曲川の水位上昇したバックウォーターによる水害今までおこってきているわけです。従って千曲川の河川の河川改修というものが解決しない限りなかなか長沼地区の問題点というのは解決しないだろうとこういうような議論がされましてダムあればすべて解決するというもんじゃないということが明らかになってきたわけです。従って私どもとすればそういう内容を審議の内容含めて具体的に地域の皆さんにご説明をしてしからばこれからどういう対応をしていったらいいかということで意見を伺いながら県としてもできるだけ対応を考えていこうというこういう姿勢でございますので、地元の皆さんが話し合いというものOKと言えば私ども即座に話しをして問題の解決に進めていきたいというこういう姿勢でおりますので、これからもその姿勢を崩さず積極的な対応をしていきたいと思います。以上でございます。


 浅川に関した確約書は他の地区にもたくさんあると思います。今のお話で働きかけ接触はやっていただいているということなんですけど、引き続き誠意を持って是非解決にあたっていただきたいということを要望しておきたいと思います。



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2.公共事業について

 次に、公共事業の見直しについてお伺いします。
 公共事業の見直しが社会の要請であることは、当事者の建設業者の皆さんが一番知っていることです。
 先日、日本共産党県議団は、長野県と同様に、建設業のソフトランディング、新分野進出支援に取り組んでいる北海道の調査に行ってまいりました。これは、その時いただいてきた報告書ですが、北海道当局と北海道建設業協会の両者連名で出していると、ここが大事だと思うんです。
 報告書の内容については、北海道当局と建設業協会が共催で行なっている「建設業の新分野進出ゼミナール」の事例紹介、建設業協会のアンケート調査結果そして県の支援策の紹介が資料としてそれぞれ掲載されています。
 北海道の「建設業の新分野進出ゼミナール」もこれも、北海道当局と建設業協会の共催で実施しています。事例集には、環境ビジネスへの進出や無農薬ハーブの生産をはじめここに多くの実例が紹介されています。会社のお名前入りです。
 長野県においても、よりいっそう、建設業協会などとの連携や協力を強めていくことが必要だと思いますので、取り組みの現状と今後の方向について土木部長にお伺いします。


      【答弁 島田土木部長】
       建設業の構造改革ということで建設投資の減少によりまして建設産業の大きな  緩和、緩衝するということで新分野の進出などの構造改革を進め意欲と熱意ある建設産業自体が自立していくための仕組みづくりに務めることは重要でありまして、県でもいろいろな施策を進めているところでございます。平成15年度を初年度としまして、構造改革の支援の取組みでございますけれども、意欲と熱意ある県内の建設産業の自立を支援することを目的として、昨年6月に構造改革支援プログラムを策定をいたしまして部局横断の本庁支援チーム、そして各地域の地方事務所長を先頭に組織をする現地の支援チームに支援体制の整備をして支援をしてまいりました。
       昨年度の事業の実施状況につきまして申し上げますと、建設相談の件数につきましては全体で2,032件でございます。その主な内容は経営多角化、新分野進出、それから経営基盤強化等でありまして、所長を筆頭とする現地支援チームの企業訪問は延べで2,037回でございます。また、企業の新分野の進出に取り組む経費の一部を支援する制度として、昨年度新設をしました新分野進出費の補助事業でございますが、多くの企業から要望が出されまして平成15年度中には38件の3,167万8千円の事業の採択をしたところでございます。   されました事業の主なものは産業廃棄物、環境関連分野、それら13件。農林分野これが8件。食品製造分野6件などでございます。またこれらの事業におきまして試行段階から5月までの雇用の効果でございますけれども、建設従業員の雇用の維持で87名、新規の雇用創出が79名ということで合計166人となっております。この他に直接支援事業に着手する企業に支援するために商工部の方で所管をしております新たな融資枠を設定した建設業、新分野進出の支援資金につきましては18件で4億7千万余りが利用されております。こうした状況に総括しますと各所に配置をしました専門担当制の効果は高く、相談件数も2千件を超えていますが、実際に動いた企業は全体の1割程度でございます。また、合併や連携の相談は23件と少ない状況でございます。新分野進出の相談は数多くありますけれども実行した企業は補助事業の実施数を見ても38グループとまだ少ない状況にございます。
       平成16年度の今年度の構造改革支援事業につきましては、15年度に実施をした事業の分析をふまえまして、まず相談企業の割合が全体の1割強であることからも、残る9割の企業に向けた働きかけが必要であると考えております。今回新たにこれまでの支援策に加えまして、経営者の構造改革に向けた意欲を高めるための地域の段階で行う建設企業向けの小規模な研修会を開催を支援してまいります。また構造改革に向けて先進的な取組みをしております企業を表彰する事業。あるいは優秀な技術や技能者を育成している企業を表彰する制度を創設しまして、努力をしている企業のエンセンティブと他社へのPRを図ってまいりたいと考えております。
       第二には、建設市場の縮小に対応できるように合併や連携がスムーズにいくための環境を整えていく必要もございます。企業の合併連携への取組みを支援する施策といたしまして、研究経費を助成する事業を実施するほかに先ほど説明を申し上げました小規模で実施をする研修会のテーマの一つとして実施をしてまいります。
       第三に経営の多角化、新分野展開に取り組む企業の支援策としましては、資金・人材・ノウハウなどの確保に向けまして新分野進出費の補助事業、そして建設業新分野進出支援資金を実施してまいります。建設業の新分野進出先である各分野で受け入れ支援策を実施してまいりたいと考えております。
       現在、建設産業が大変厳しい状況にございますが、自立に向けまして熱意と意欲ある取組みを行う企業に対しては個々の企業ニーズに応じまして支援するように専門の構造改革支援幹、支援コーディネーターをはじめ県の行政機関が一体となって支援をいたしまして、本県の建設産業構造改革を支援するようにしてまいりたいと考えております。
       先ほど北海道の事例をお聞きいたしましたけれども、長野県は個々の企業に対して個人個人での指導しているという体制をとっておりますので、もちろん金融政策等もありますので建設業界とも一体的になりながら構造改革のその事業については進めてまいりたいと考えております。



 公共事業の見直しの問題は、長野県としても特に新分野への進出はじめいろいろ手立てをとっていただいていることは土木部長のご答弁でわかった面も多いわけなんですけど、私が申し上げたいのは県民の目から見まして建設業の皆さんと県がトラブっていると言いますか、対立しているかのような状況は非常に不幸なことだと思います。力を合わせてやはり新しい方向を切り開き生き残りも図ると応援もするということを一緒に進めるということが今まで以上にできないでしょうかということを聞いておりますので、先ほどご紹介しました北海道の取組みもあまり長野県と違っていない部分とすれば新分野進出ゼミナールというのは小規模の新分野に進出してがんばっている2つの企業を講師に10企業が参加をして10人の参加の小さい規模のゼミナールで実際に現場へ現地調査をし、それから帰ってきて2企業が説明をし、質疑をし、具体的な相談にも乗っていくというゼミナールなんです。だからきめ細かくやっているわけでその点はあまり変わらないと思うんです。それを一緒に力を合わせてというところを今まで以上にお願いしたいと思っているわけで、その辺の重点についていかがでしょうか。改めて土木部長にお伺いをしたいと思います。



      【答弁 島田土木部長】
       業者の人となかなか仲良くやっていないんじゃないかとこんお話もございました。いろいろ今入札改革ありまして、そういうような一面もあることも事実ではありますけども、現在今の話とちょっと変わりますけども、15の建設事務所ごとに懇談会を開いておりまして、いろんな意見お聞きをしてその中に今の構造改革のお話もでてまいりまして、いろんな形の中で皆さん相談に乗っていこうとこういうことでございます。
       それから先ほどのお話の北海道との話なんですけども、県の方としましてはマンツーマンでやっているとこういう会社ごとやっているほかに今年は小さい研修会といいますか、仲間の研修会みたいなテーマを絞った中でお互いの勉強ができるような研修会等も開いていくというようなこと考えておりますので、いずれにしましてもいろんな団体、あるいは関係の建設の団体等も含めまして一生懸命に進めて参りたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
       それから信号機の件でございますが、よく公安委員会の方に私どもお願いをいたしまして調整を図ってなかなか今土木の方で信号機一体にやるという制度になっていないもんですから一緒にできるようにがんばってまいります。お願いをしてまいります。



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3.信号機設置について

 次に信号機の設置についてお伺いします。
 県民からの信号機設置を求める切実な要望はあとを絶ちませんが、年間設置できる信号機の予算には限りがあり、要望しても順番待ちで、すぐに設置されないのが当たり前のようになっています。
 私も県民の皆さんといくつかの信号機の設置を直接県警本部に要望してきました。例えば、今年の5月に開通した中野市の若宮バイパスでは、開通前から、すでに小中学生の通学路が横断することが明らかになっており、事故がおこってからでは遅いと地元の区長会、老人クラブ、PTAの皆さんなどから、バイパス開通と同時に信号機を設置してほしいと言う要望が繰り返しされたところです。しかし、結局開通時には間に合わず、新学期を迎えて、PTAの保護者の皆さんが登校時に横断歩道に交代で立たざるを得ませんでした。また、すぐ近くの既設の道路との交差点も、どちらが優先か一瞬の判断に迷う状況で、開通日から事故がおこっています。幸い、今年8月までには信号機が設置されることとはなりましたが、それまでに事故がおこらないように、子供たちの安全を願うしかありません。
 また、長野市の北部幹線も今年の春開通しましたが、片側2車線、全部で4車線の広い道路に、信号がほとんどありません。歩行者が横断する際、歩いて信号のあるところまで行くのには距離があまりにもありすぎて、また老人クラブの皆さんがゲートボールを楽しむのにも、公民館に集まるのにも、信号のない横断歩道を命がけで渡らなければなりません。この場所にも8月頃までには信号機の設置を検討するとのことでしたが、道路が次々に開通するのに、信号機はつかず、歩行者の安全が心配な状況です。
 このような、安全対策上必要な信号機の設置が足りなすぎる現状を解決するために、信号機設置の予算の大幅な増額を図るべきだと思いますが、県警本部長の見解をお伺いします。
 このような現状を見るに付け、多くの関係者から出される疑問は、新しい道路ができるのは大変うれしいが、その道路に当然必要な安全施設である信号機が、道路建設とセットで計画されないのはおかしいのではないか、ということです。道路建設は土木部、信号機の設置は警察本部と言う担当部署の違いはあっても、数億円単位で建設される道路の事業費の中で、信号機設置の予算を必要経費として計上できないものでしょうか。
 今後、少なくとも新設の道路建設にあたっては、最低限必要な信号機の設置を、必要不可欠な安全対策として、警察本部との調整をはかりながら建設時の計画に盛り込むべきではないでしょうか。土木部長の見解をお伺いします。


      【答弁 島田土木部長】
       それから、信号設置の件について若干県警さんより先になりますけれどもお答えをいたします。信号機につきましては交差点において安全で円滑な交通を図るために交通管理者である公安委員会が設置するものでございまして、道路建設等における信号機の新設・増設についても公安委員会が現在行っているのが現状でございます。
       そこで交通安全施設を一体的に取り組んだ道路の建設はいかがとこういうお尋ねでございますけれども、新設の道路は既存道路の信号機の設置の適否、それから必要性等につきましては国県市町村それぞれ管理する道路に関わる一つの信号ではなくて全体的に交通管理者である公安委員会の方で総合的に判断を行って設置をしているという状況でございます。またこの信号機、これにつきましても公安委員会でも施行や管理につきまして専門的な技術を持っていることからも予算措置によっては公安委員会において計上した方が適当であると、従って現状では難しいんじゃないかとこんなふうに考えております。尚ですね道路建設の計画時におきましては、交差点の形状あるいは信号機設置等につきましてはそれぞれの道路管理者が公安委員会の方と事前に充分協議を行って道路の供用時にまた竣工に支障をきたさないように調整を図っているところでございますが、先ほど  今後も一層連携を密にしまして交通安全確保に努めてまいりたいと考えております。以上です。


      【答弁 岡警察本部長】
       信号機についてのお尋ねございました。信号機につきましては議員ご指摘のとおり、現在でも道路の新規供用だとか道路改良等がなされております関係でそれに伴いまして多数の信号機が必要になってきております。また住民の皆さんからも議員ご指摘のようにたくさんの要望が寄せられております。ただこのような厳しい財政状況のもとでありますので非常に心苦しい状況ではありますけれどもこの信号機、県民の安全に直結するものでございますだけに、我々も財政上許される限り設置するよう関係方面に強く働きかけてまいりたいと考えておりますので是非後押しの方お願い申し上げます。
       それから先ほど道路を造る際には必ず信号機をというお話ございましたけども、当然のことでございまして、私どもも道路が新しく供用される場合には事前に当然わかりますので、道路管理者の方とよく相談をしながら必要な十分とは言えないかもしれませんけども最低必要限度のものについては設置するようしておるところでございます。当初予算になくても例えば去年岡谷市内の20号バイパスが新たに供用開始された折には9月議会におきまして補正予算をお願いするような形で設置するよう務めておるとことでございまして、今後ともしっかり努力してまいりたいというふうに考えております。



 それから信号機の問題は私はあえてこだわりたいと思っているんですけども、改めて県警本部長にお伺いしますが、私が今までいろいろお願いしてきた中でも、それから先ほどは時間が無くて2つのことしか紹介しませんでしたが、多分この議場においでの議員の皆さんも地元の皆さんから山ほど切実なご要望いただいてお願いに来ていると思うんですね、でも予算の関係でなかなか順番待ちというのは現実だと思います。たぶん年間30・40箇所ぐらいしか設置の予定はないというような予算の枠が数年間ほとんど増えないそんな現状だと思うんですけど、県警本部長改めて改めて今長野県のここ数年間の、これ通告はしてないんですけど、信号機の予算の増額の質問しておりますので大体何箇所ぐらいずつ設置をしているのか、その設置箇所数は増えているのか、要望はもう急上昇だと思うんです。そして1箇所あたりの設置の予算平均的にいくらかかるのか、これは本部長にはお伺いをしたいというふうに思います。
 あわせて、土木部長に、先ほど私お願いしましたのは土木部がそうはいっても厳しい県財政の中ではありますけれども、まだまだ年間2千億円弱というお金動かしていると思います。道路建設には億単位のお金を使うことができる、そういう部局ですから調整というよりむしろ積極的に道路建設の計画当初から安全対策としての信号機の設置が必要じゃないか、先ほどご紹介しました中野の若宮バイパスも場所はもう建設事務所で確保したわけです。でも信号機の設置は県警の管轄で予算はそちらだからということで結局道路予算の中には計上されないわけです。そこのところを土木部からも県警の予算の増額に一押ししていただいて、力を合わせてこれもですね抜本的な安全対策の向上を是非信号機の設置と道路建設セットでこれは縦割り行政の弊害を乗り越えて図っていただきたいというお願いですので、そのへんの私の提起はどう受けとめていただけるでしょうか。改めて土木部長に、今後の方向についての決意もお伺いをしたいと思います。



      【答弁 島田土木部長】
       それから信号機の件でございますが、よく公安委員会の方に私どもお願いをいたしまして調整を図ってなかなか今土木の方で信号機一体にやるという制度になっていないもんですから一緒にできるようにがんばってまいります。お願いをしてまいります。


      【答弁 岡警察本部長】
       手元に過去5年間ほどの信号機の設置数の数字がございますのでお答えいたします。平成12年度は41基、13年度は35基、14年度は51基、15年度は42基、今年度は予算上でこれから設置するわけですけど36基を予定いたしております。本年度の予算は2億3574万でございます。1基あたりの信号機の額でございますけども、簡単なものから複雑なものまでございます。大体300万から1千万ぐらいの幅で平均いたしますと600万から700万の間ぐらいになろうかと思います。




 信号機なんですけど、入札差金の範囲でというやじも飛びましたけど、本当にそう思うんですよ、是非柔軟に部局横断的に積極的に取り組んでいただきたいと要望しまして質問のずべてを終わらせていただきます。



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4.捜査報償費の監査について

 次に、県警の会計処理の問題についてお伺いします。
 北海道、静岡、愛知、島根、福岡などの道県で、あいついで警察の捜査費、捜査報償費などをはじめとする不正経理や裏金作り、カラ出張などの実態が警察内部の当事者の証言などを通じて明らかになり、全国に衝撃を与えました。
 先の2月県議会で、高村京子議員の質問に対し、丸山代表監査委員は、県警への監査は、「詳細書のチェックにとどまり、捜査上の都合等から領収書等の証拠書は確認できない状況」と答弁されました。その後の警察委員会で、捜査に支障をきたさない範囲で、監査の際に領収書を公開するべきではないかとの私の質問に対し、県警本部長は、「監査委員から求めがあれば検討する。」と答弁されました。
 北海道をはじめとして全国的に不正経理が発覚したところでは、捜査報償費などの領収書の受取人である情報提供者が、実は架空の人物であったり、勝手に名前を使われたりしたニセ領収書の存在が明らかになっています。県警への信頼を得ていくためにも、最低限の証拠書類の確認、本人確認は必要だと考えます。
 監査委員は、従来よりも踏み込んだ県警への監査として、領収書監査と裏付け確認を検討されているのでしょうか。代表監査委員にお伺いします。


      【答弁 丸山監査委員】
       先の2月定例会県議会における高村議員の質問にお答えいたしましたとおり、昨年度までの定期監査におきましては捜査報償費も監査の対象としておりましたが捜査や取締り等の警察活動に支障が予想される等の理由から支出に関わる領収書等の証拠書類は調査することができませんでした。しかしながら、捜査報償費といえども県民の税金から支出されているものでありまして、その使い道が適正であるかどうかをチェックすることは監査委員に課せられた大きな責務の一つであり、県民が望むことであると考えております。住民本位の監査の視点からも本年度は捜査報償費にかかる証拠書について調査の対象としたいと考えております。現在事務局を通して証拠書類の調査ができるよう協議中でありますが県警本部においても前向きに対応していただけると聞いております。



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5.県警の会計文書の破棄について

 次に県警本部長にお伺いします。
 マスコミ報道によれば、長野県警では、いずれも1998年度の本部少年課、機動捜査隊、塩尻署の3部署の旅費関係書類や捜査費関係書類が、今年3月末の保存期限前の昨年末から今年2月の間に、保管していた各部署の担当者が保存期間を誤って廃棄してしまったと言うことです。事実であるとすれば、廃棄の時期は、全国的に警察の不正経理問題が大きくクローズアップされ、北海道議会などで元道警幹部の参考人質疑などが行なわれていたちょうどその時期でもあり、しかも、問題にされている旅費や捜査費の関係書類が廃棄されたと言うのですから、ずさんな管理と言う範囲を通り越しています。
 いったい県民は何を信頼したらいいでしょう。
 長野県の警察官一人あたりが担当しなければならない県民の数が全国的に見てもきわめて多く、負担の大きいなかでの警察官の皆さんのご苦労には心から感謝していますし、県議会でも繰り返し、全会一致で警察官の増員も求めてきたところですが、それだけに、今回の事態は、残念でたまりません。
県警としての責任のとり方と、再発防止のための今後の対応について、県警本部長にお伺いします。



      【答弁 岡警察本部長】
       それからもう一つは全くお恥ずかしい話で恐縮でございますけれども議員ご指摘のように県下3所属におきまして平成12年度の旅費、捜査費にかんしまして会計文書の一部が保存期限が満了する本年3月末を待たずに昨年12月から本年2月にかけて誤って廃棄したということがございました。本県警察におきましては多くの文書を暦年で保存しておりますけども、2所属におきましては12月末で保存期限の切れた暦年保存文書と廃棄する際に間違って一緒に廃棄してしまいました。一所属におきましては12年度の会計一部を誤って旧年度の文書箱に保存していりました関係で旧年度の文書の廃棄の際に一緒に廃棄してしまったものでございます。いずれも担当職員の初歩的かつ単純な間違いでございまして、誠に遺憾に存じて恥ずかしい限りでございます。関係職員につきましてはおってその責めに応じた処分をすることといたしております。こうした誤った文書廃棄が判明いたしましたことから取り急ぎ会計課監査室におきまして会計関係文書の保管管理について点検確認を行いますとともに保管管理担当者に対しまして再発防止の個別指導を行ったところであります。また、今後につきましては捜査費関係文書の保管管理は所属長自らが行うようにするとともに、文書廃棄の際の決済手続きをより厳格にするなど会計関係より一層適正に保管管理してまいりたいというふうに考えております。



 お伺いしたいことたくさんあるんですけども、県警本部長もう一つお伺いしたいと思います。
 会計帳簿の期限前廃棄の問題で先ほどお答えいただきまして、お詫びもいただきました。私本当に反省していただいているのであれば、先ほど代表監査委員も必要な証拠書類を今年は定期監査で求めていきたいということですので、もちろんプライバシーとか捜査に支障をきたすそういうものをお願いしているわけではありません。県民がやはり長野県警は全国的な不祥事がある中でも会計処理は適正であったと、そういう信頼勝ち取るために積極的に監査委員の求めに対し協力をしていただきたいと、それが本当の反省と県警の信頼回復につながるんではないかと思いますので、そのへんのご決意もお伺いをしたいと思います。



      【答弁 岡警察本部長】
       それから、ご指摘のありました監査の際の対応でございますけども、私どもも国民の信頼を得るために、県民の信頼得るために李下に冠を正さないということが求められておるというふうに認識いたしております。監査委員のご指導の下捜査活動へのご配慮もいただきつつ適切に対応してまいりたいというふうに考えております。



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6.政務調査費について

 次に、平成15年度包括外部監査報告書で、広田外部監査人は、「平成13年度の県政会における政務調査費の支出の中には、一部、不適切な支出が行なわれた可能性があるので、知事は、・・・調査を行ない・・・当該政務調査費の返還を命令すべきである。」と指摘しています。
現在、過去の一部会派の不適切な支出が理由になっていると思われる議会側の改善努力を求めて、今年度の政務調査費が4ヶ月、3ヶ月と細切れに予算計上されていますが、本来、県民要望実現や県政のチェックのための調査、政策研究活動と、そのために必要な会派職員の雇用や身分保障にかかわる予算が、このような計上の仕方をされるのは、極めて不正常なことだと思います。
 日本共産党県議団としては、過去において、公共事業の大手ゼネコン発注と地元業者への発注比率の試算や、公共事業と社会保障の地元経済や雇用に与える投資効果の試算、ダム建設に疑問を持つ住民の運動を進めるための専門家による調査、30人学級や障害児教育、同和行政などをはじめとする先進地調査等々に政務調査費を充分役立ててきたと確信をしています。
 5月28日、日本共産党県議団として古田議長に不適切な支出の返還を議長としても求めてほしいと申し入れを行なった際、議長からは、旧県政会の関係者は、すでに指摘されたもの以外でも飲食費などにかかわる支出を精査して返還の用意はあるが、会派がすでに解散しているため、返還すれば寄付行為にあたるため返還できずにいる、知事から返還命令を出してもらえれば返還できるとの報告を受けました。外部監査人も返還命令の必要性を報告書で指摘しており、関係者も返還の用意があるのですから、知事は貴重な県民の税金を返還するよう、返還命令を出すべきではないでしょうか。


      【答弁 田中知事
       本年度の当初予算に関しましては、政務調査費に関する包括外部監査が実施中でありました。報告書を受け再度政務調査費に関する取り扱いに関するご議論をいただきたいという趣旨で4月から7月までの4ヶ月分を計上しております。6月の補正予算に関しましては議会運営委員会の検討会議で包括外部監査報告を踏まえた使途基準の明確化について検討中ということでございましたので、これに関する議会全体としての考え方を早期にまとめてご提示いただけるようにお伝えし、引き続き議員活動に支障が生じないよう8月から10月までの3ヶ月分を計上したところでございます。本日昼間、本来でしたら長野県議会議長古田芙士様宛てに文書による回答を求める紹介状をお出しする予定でございましたが、議会の質疑の状況が変則的に当初の予定とは異なったものでありましのでこれは明日の朝にお渡しする予定でございますが、これはすなわち議長のみならず議会全体の方々へのご紹介文でございますので、一般的に申し上げますと県民への透明性を高めるためにどのように対応されるのか具体的にお示しいただきたいという点と、包括外部監査結果報告の中で支出の一部に不適切な支出がおこなわれていた可能性があると指摘されている点に関してどのように具体的に対応されるのかお示しいただきたいという2点を議長宛にお出しするところでございます。今の石坂議員のご指摘の中においては私どもはあくまでも議会の方がたは独立した機関でございますし、議会の方々が自立的に自助作用を行われると言うことをお待ちしているわけでございますが、今ご質問の中においては知事の側から返還請求があればそれに応じるというようなご趣旨がございました。ただ支出の一部に不適切な支出が行われた可能性があるという形に包括外部監査報告では留まっておりますので、一部不適切という範疇をどのように捉えるのかということがございます。その意味におきましては、これは願わくばこれは私はやはり独立した機関であります議会の方々が自らですね支出の一部に不適切支出が行われていた可能性があるという包括外部監査結果をお認めになられるならばそれを具体的にお示しをいただくということが私はやはり議会の自主性という点から望ましいかろうと考えてはおります。



 それから、政務調査費の件につきまして、知事は議会の皆さんは独立した機関だから自主的にとおっしゃいますけど、先ほど私お話したつもりなんですけども、旧県政会はすでに会派として存在していません。しかし、関係者は外部監査人が指摘している以上のものを精査してお返しをする用意はあると、法的に寄付行為になるから監査人が指摘しているとおり知事から返還命令出してもらいたいとおっしゃっているわけですから、必要な議会の意思を確認した上で返還命令は検討していただけるんですねということを改めてお伺いしたいと思います。



      【答弁 田中知事
       先ほど申し上げましたように古田芙士議長宛に先ほど申し上げました内容の文面の紹介状をお渡しするというところであります。それを踏まえて、石坂議員のほうから具体的に旧県政会というお名前もございましたので、議長の采配の下でそのような具体的なお話があれば、またどなたとその点を具体的に詰めればよいのかということも議長からご示唆をいただいて行えればというふうには考えております。



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7.SO(スペシャルオリンピックス)への財政支援について

 スペシャル・オリンピックスへの県の財政支援についてお伺いしようと思いましたが、先ほど田中議員のご質問がありましたので私は、大会成功のために必要な支援を惜しまない、という点で、当然、財政支援の可能性はありうるわけですが、当初実行委員会の財政支援は必要ない、県もしない、としていた方針から、財政支援もすると方針を変えた理由について、知事にご説明をお願いしたいと思います。

      【答弁 田中知事
       スペシャルオリンピックスに関してでございます。これは先ほど田中清一議員のご質問にもお答えをしたところでございますが、今先ほど石坂議員もご指摘にありましたように当初は民間の方々によって行われるというお話でございました。その後、東京のホテルにおきまして、当時の小林実議長がご出席になり、小坂憲次代議士をはじめとする自由民主党の代議士の方々から国としても当時は確定はいたしておりませんでしたが、支援をするという方向を考えたいので県としてもそれに対して様々な支援を考えてほしいというご要請はあったところでございます。ただ、私どもとしては、当初民間主体でおこなわれるというお話でございましたので、見守らせていただきながら人的な派遣ということは求めに応じて行ってきたところでございます。今回国会の場におきましてある意味では超党派の形でですねスペシャルオリンピックスを国の基金を崩す形でご支援いただくという法案が上程されているということに鑑みてこの法案の行方を見定めた上で開催地であります本県においてもこうした金銭的な支援というものを行うべきではないかというところに至っているわけでございます。



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