2.大型店対策について
生活スタイルの変化というようなことがご答弁あったわけですども、県内商店街ですけれども、平成2年の433商店街から12年たった平成14年では、325商店街となり、この12年間になんと108もの商店街、25%の商店街が共同経済活動をやめざるを得なくなりました。大規模小売店の届出は、平成12年から今年まで47店舗増えています。1000平米以上の大規模店です。地域の商店街が衰退し、大型店が栄える状況は、地域にさまざまな不安と混乱を巻き起こしています。
上田の常田に、今までのジャスコから、イオンと名前を変え、売り場面積が今までの2倍23078平米、駐車台数も1480台など、その巨艦の姿をあらわしています。一階売り場は24時間、2階部分は23時までの営業を標榜して、間もなく開店となります。地域からは、深夜24時間営業での地域社会環境への大きな変化や、周辺の交通渋滞、近隣の商店の営業破壊、青少年の健全育成上の問題、環境問題など多くの心配や不安なご意見が寄せられています。
県として、どのように対応していただいているのか、地域住民や小規模小売店の苦しみは、軽減されるのか商工部長にうかがいます。
平成10年に、今までの大店法が、日本共産党以外の政党の賛成で廃止され、平成12年より、大店立地法が施行されました。先ほどから商工部長からもお話がありましたがあらためてこの点についても含めてご答弁をお願いいたします。
巨大店舗の規制緩和は、商店街や地域経済の問題にとどまらず、地域「まち」そのもものあり方や住民の暮らしに深刻な影響を及ぼしています。
地域文化の交差点である中心商店街や住民に身近な商店がつぶされて、町そのものが破壊される、深刻な事態が全国各地で起こっています。郊外の優良農地や美しい自然・景観・町並みが壊され、昼間から灯かりの消えた商店街が増える一方で、こうこうと照明をつけ深夜営業をする大規模店。女性を含む深夜労働長時間労働が蔓延し、家庭の団欒を奪われ、青少年の非行や犯罪の増加、車の渋滞や騒音、ごみ環境問題など、多大な問題を家庭・地域・市町村が抱える事になります。
4万平米の巨大なイオンの進出に苦しむ、北海道苫小牧日商連理事長の木村寿治朗氏は、苫小牧の自民党市議を6期努められた方ですが「たった一軒の巨大なイオンの出現が、苫小牧の町の機能を破壊するんです。町というものは、50年100年かけてできてきた、これを3年ほどで壊してしまう、儲からないとなればさっさと出てゆくような大型店は地域に必要じゃない」と言われています。
一方、福島県伊達町では、イオンの出店計画が出されて5年間出店を阻止しています。イオン側は「私たちが新しい町を作る」と豪語し、地域の住民に協力を求めましたが、地権者や地域住民が、今までのイオンの出店地域の状況を調査して「地元約200件の商店閉鎖と4千ないし5千人の失業者を出す事が予測され、地域に壊滅的な影響を与える」と話し合いをかさね結束して来ました。今年の3月に「福島県広域まちづくり検討会」は県に提言をまとめ提出しました。
内容は、広域的な商業圏域を持つ大型店の立地については、街づくりの観点から、県は必要な調整を行うとして、立地ビジョンの作成と大型店に地域貢献を明らかにしたマニフェストの提出を求めるというものです。大型店に積極的に関与する姿勢を示す福島県は、地域を守る主体者であり、地域住民共同の営みを励ますものです。
そこで知事にお伺いします。
県の商工調査によりますと、県内商店街の悩みは、郊外大型店への客の流出が一番の課題。「閉店するしかない」とあきらめる商店主も増えている一方で、「将来の地域文化の継承のためにも、町を守るのは、そこ住むものの義務ですから、何とかがんばります」「お年寄りのためにも、小さな店ですから、がんばります。」こういった県民のがんばりや地域住民、市町村を応援する立場にたって知事のご認識とご見解をお伺いして私の質問といたします。
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