2.教育について
次に教育について伺います。県高等学校改革プラン検討委員会「中間まとめ」について教育長にお伺いします。
今、生き方を見つけられない若者が増えています。学校でもきちんと教えられない、また卒業して働こうにも、就職の機会が極めて狭められ、職場で非人間的な扱いを受けると自分が否定されたと感じ、人間の尊厳を守って生きていけない青年が増えているといわれています。そして、20代青年の死亡原因のトップは自殺であると言われています。私たち日本共産党はこのような社会のあり方を正していくとともに青年が人間として生きる力を育てる教育がますます重要であると、先日「長野県の教育改革への提言」を発表しました。8月末、検討委員会の発表した高校改革プランの中間まとめは、先の6月県会において我が県議団の藤沢のり子議員が指摘したように、県民の参加が十分に保障されたものとはほど遠いこと。また予定されていた検討委員会への県民公募2名、これもおこなわれず、とくに県内の高校関係者は含まれない委員構成であることなど県民要望からかけ離れたものとして映っています。これは県教委のおこなっている「意見募集」でも何人にも指摘されているところです。
私は先日、高等学校改革プランに係る地域懇談会に参加してみました。そこでもやはり、委員構成問題、地域の実情を把握しないような一学年6学級規模を「標準目標値」とすること、地域高校や職業高校を「費用対効果」論から真っ先に再編成の対象にさらさせていることに不安を覚えるなどの意見が出されていました。また、県民を主体ととらえず、顧客としてのサービスの提供相手として捕らえていることにも意見が出されていました。このような地域懇談会での声をもとに、改革プランはもっと県民が参加し、一緒に作り上げていく姿勢が必要であると考えますが、今からでも改革プラン懇話会に県民各層からの公募委員を加えるべきであると思いますが教育長のお考えをお聞きします。
また諮問の趣旨には「多用なニーズに応える」と一見聞こえの良い書き方がされています。しかし、実際の当事者はこれから高校を目指す中学生です。中学生と保護者への説明の場を設定すべきではないでしょうか。またそれよりも以前に中学校教員への説明が行われてしかるべきではないでしょうか。また期限は現時点では設けるべきではないという意見が大勢です。じっくりと県民参加の場を保障し、努力を積み重ねて初めて、県民も、保護者も、子どもたちも、そして地域の人たちも現場の職員も納得のいく「高校改革」になるものと思います。教育長の答弁をお願いします。
次に塩尻市にあります、県総合教育センターについて教育長に伺います。
この施設には天体観察施設があり、従来より県民の愛好家たちにより、こうした地元の施設を県民も広く利用することができないかと要望が出されてきました。そして、地元の公民館の観察会など一定の改善がはかられる中、この12月からは来年2月まで毎週火曜日に夕方5時から7時まで親子体験教室ということで観望会を開催していただけるという運びになり、公開への取り組みがすすめられていることには感謝したいと思います。しかし、これはあくまでも県民はお客さんであり、実際に天体を導入してみるなど、生涯学習の観点での活用はできないかお聞きしたいと思います。
確かに公開用につくられた施設ではないのですが同施設は県生涯学習推進センターと隣接した施設です。そこで生涯学習推進センターの事業で操作講習を受けたボランティアやNPOなどが一般の方々の観察会も含めた対応にサポートするためにも、これらボランティアやNPOなどの県民が生涯学習を深める観点からの推進のために利用ができないか、観察施設の稼働日数を含めて教育長の見解を伺いたいと思います。
また同センターには宿泊施設があります。この宿泊施設は知事も宿泊されたかと思いますが、非常に充実しています。これらの施設を同時に広く県民に利活用することのできる方策もとれないのか、この点についても稼動日数や利用人員数等を含めて教育長にお聞きします。
まず高校改革プランでありますけれども、今年から始まった例えば高校の入試改革で急いだことがどんなに現場に混乱を招いたか、この認識はございますでしょうか。4通学区制や入試制度の変更がどれだけ子どもや現場教師に苦しい思いをさせたのか。このことについて認識はおありなのか。これを検証して、混乱させないのが教訓ではないでしょうか。そんなことも認識しないままで、拙速に改革する資格は私はないと思っております。
この間多くの陳情要望が出されていると思いますけども、その人たちとじっくりと話すことなくしてこの改革が進むことができるのでしょうか。
私も小中学生の子どもたちを育てる親ですが、保護者の間でもいまこのようなことが県で進められていること自体当事者でさえも知らないのです。A3のびっしりと書かれたチラシが配布されただけであります。こんなにも当事者を抜きにしたうえでの「改革」は県民的な合意を得られるものではないと考えます。再度12月の期限の撤廃と県民から公募の参加者を今からでも補充して、県民参加を保障していくことを求めますが、教育長のお考えを伺いたいと思います。
総合教育センターのことにつきましては、是非ともその方向で部局横断的といいますか課が違うわけですけどもよろしくお願いします。ではご答弁お願いします。
拙速ではないということでありますけれども、決めてから説明ではもう変えられないんじゃないでしょうか。その前に県民から本当にじっくりと意見を聞くということを私は要望したいと思います。今求められている教育改革というのは学校をどうするのではなく、教育をどうするのか、子どもをどう育てていくのかという広い取り組みではないでしょうか。県下各地の高校で進められている例えば辰野高校の三者協議会やあるいは開かれた学校づくり、地域の学校を守る取り組みなどこれまでの学校や県民の努力について一言も触れられていないわけであります。求められているのは机上の議論からのものではなく、実際の教育現場の実践に学び発展させるべきではないでしょうか。このことについて、再度答弁を求めます。
矛盾しないと言われますけども、矛盾が大いにあるものですから、私はここでこうしてしゃべっているわけでありまして、やはり私は次代を担う子どもたちのためじっくりと時間をかけること、このことを要望させていただき、次に参りたいというふうに思います。 |