1.県職員について
まず、最初に任期付職員について質問します。特定任期付職員と一般任期付職員の基準の違いを具体的に示していただきたい。
特定任期付職員は「高度な専門性」によって配置することになっていますが、この配置がそうなっていない場合には是正勧告をすべきではないかと思いますが。人事委員会委員長にお尋ねします。
次に、現在配置されている特定任期付職員の配置先で専門性がどのように生かされているのか。最初の配置先と変わった人は何人おられるのか、専門性と新たな配置先はどんな関係があるのか。松林経営戦略局長にお尋ねします。
この制度の創設に携わった青山出納長にお尋ねします。任期付職員の採用制度の創設にあたって、2002年6月21日に当時の青山総務部長と中島武長野県地公労共闘会議議長との間で確認書が交わされています。その中身は、どんなものか。おたずねします。
長野県では全国的に見ても突出した採用になっていますが、採用された職員の能力の発揮という点でも「職員の士気や意欲及び人材育成に影響を及ぼさない」との確認が生かされているのか疑問です。職員の意見や感想を聞いたことがあるのか、おたずねします。職員が歓迎する制度でなければ成果が上がるものではありません。
また、課長以上の女性職員の登用が任期付職員の配置で高まったということは本来のあるべき姿とは考えられませんがいかがでしょうか。
今後の採用にあたっては、必要性を県民に明らかにし、県職員にはない専門性に着目した採用と配置にとどめ、職員を育てる努力を尽くすべき、青山出納長はどのように考えておられるかお尋ねします。
長野県では、部課長級職員を対象とした「業績管理制度」を8月1日から導入しました。「制度」の目的は、「期ごとの業績を、職員自らが設定する目標と成し遂げた成果によって客観的に評価し、職員の意欲を向上させるとともに、面談を通じ上司と部下の職員のコミュニケーションを深めます。評価結果は、勤勉手当に反映させます。」と述べられています。
具体的には、評価Cの場合と比べて、部長でAランクの職員は約8万円の増額に、Eランクの職員は8万円の減額となります。つまり最大16万円の勤勉手当の差が生じることです。課長級で10万円です。お金で評価されなければ働かない公務員であって良いでしょうか。なぜこのような「制度」の導入をいそいだのでしょうか。
また、対象となった職員に配られた「業績管理票」を見ると「あなたの部署の今期の目標は何ですか」「仕事をより早く、効率的に」「市民満足を高める新しいサービスの創出」「他部門との協働」「部下の能力開発のために何をしますか」などの設問がありますが。手当に格差をつけることが、「制度」の目的になってしまい。職員の意欲の向上と、上司と部下のコミュニケーションが深められるのでしょうか。「業績管理票」は、日頃、県民益の向上を目指す県政から見るなら、「効率」を高めるより、「県民へのサービス向上」こそ、ここに真っ先に職員に問うべきではないでしょうか。
このような評価制度では、チームワークの破壊につながり、個人間の競争をあおる結果につながりかねません。評価する上司にこそ目が向いても、県民に目を向けて仕事をしているのか心配になります。県職員の評価は、内部で行なうものでなく県民が評価すべきではないでしょうか。松林経営戦略局長にお伺いします。
すでに知事もお読みかと思いますが。「内側から見た富士通『成果主義』の崩壊」という本が出版されています。この本は、富士通の人事部に籍を置いていた元社員が内部告発したものです。「成果主義」という人事・賃金制度でした。富士通はいち早く導入いたしました。社員に自己目標を提出させ、達成度を上司が評価して給与に反映させるものです。現在、長野県が導入した制度の見本です。
導入はしてみたものの、やる気を失った社員や、製品の質は低下するなど職場の荒廃は目をおおうばかり。そうなっていった原因として「透明でない評価基準、何より人件費抑制こそ最大の動機」と元社員は指摘しています。
今後の長野県の先行きを暗示しています。この本は、いま東京のビジネス街に近い大型書店を中心に、増刷が追いつかないほど異常な売れ行きとなっています。
長野県もこの制度をあと追いするのではなく一刻も早くこの制度を撤回すべきと思いますが、知事の見解をお尋ねし、質問とします。
それでは青山出納長に、私は職員の意見はおおまか不評であります。職員がまさにこの仕事に本気で取り組むというのが、お金より私はやりがいを求めているんではないかというふうに思うわけです。
また、知事にもお金で差をつけるんではなく、職員が本当にやりがいある仕事につく、こういう点で是非努力をしていただきたいというふうに思います。その点についてもう一度伺います。
この問題はこれからおおいに議論もしていきたいと思います。
さる、9月14日と15日に日本共産党県議団は県庁内の超勤勤務の実態調査を行いました。両日とも夜の九時から県警本部を除いて各課を回りました。
とくに水曜日は「ノー残業デー」であり、超勤者は少ないものと思われましたが、結果は両日とも160人から170人くらいの職員が残っていました。「たまたま、明日の会議の準備のため」という理由もありましたが、「すでに三日連続の徹夜です。」という職員や、午後十時くらいでありましたが、ある部は部課長の会議中という部もありました。ちなみに午後七時時点で、警備業務委託業者に時間外勤務の届出のあった人数は、14日が592名、15日が511名でした。また、13日の時間外勤務届出者は633名でした。労働組合サイドの超勤実態調査でも、事前命令を受けている職員が3割、事後命令が3割、サービス残業が3割という結果だそうであります。今回発表された財政改革推進プログラムの見直し案によれば、歳出削減額のなかに超過勤務手当の削減が盛り込まれています。2001年度実績に比べて2005年度は20%以上削減、2006年度は40%以上削減をめざしていますが、金額では、その二年間で5億3千万円になります。この金額を職員採用に振り向けられれば雇用も拡大し、競争・管理の強化ではなく、超勤が解消され、サービス残業が根絶され、職員の意欲の発揮で県民サービスを向上するでしょう、早急に職場環境の改善されることが望まれていますが、田中知事の所見を伺います。
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