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2004年 12月議会 備前議員の一般質問(12/9)

* 記事はすべて、共産党県議団事務局のテープおこしによるものです。

  1. 医療政策について
  2. 若者の就業について
  3. 地震対策について


1.医療政策について

 今医療制度の大問題となっている、「混合診療の解禁」について知事のご所見を伺いたいと思います。混合診療は11月23日にも約1000人の全県的な反対集会が開かれましたが、これは、経済力のない人には必要な医療が受けられなくなる恐れがあり、大問題だと思いますが、知事はこれに対しどうお考えかお伺いいたします。


      【答弁 田中知事
       この問題に関して私は大変憂慮いたしておりまして、かねてからかなり発言をしてきているところでございます。「混合診療」になるとどのようになるかという悪しき事例はアメリカにあるわけです。アメリカでは現在人口の15%にあたる、約4,200万人もの方が健康保険に未加入です。これはアメリカで例えば病気になって病院にかけたときにあなたはどこの民間保険会社のどのランクの保険に入っているかというようなことをまず聞かれるわけでございます。このランクによって、例えばお迎えまで来て優先的に診療が受けられると、そうでないと受けられないと、よくアメリカの病院は非常にベッドの回転率が高くて、例えば盲腸の手術をした人もその日に退院すると、大変にこれが無責任だという浅薄な意見がありますけど、これは保険のランクが極めて低くかったり、保険に入っていないから這いつくばってでも出ていかねば膨大な金額がかかってそれが支払えないという状況です。これはメディケアと言われる高齢者の医療制度に加入する年金生活者が約4,000万人いますけど、このうちの約3分の1の人は処方箋等の薬価が保険でカバーされていないという形の中で薬が買えない、あるいは同様の薬をわざわざカナダまでバスに乗って行って買うというような状況がおきているわけです。すなわち民間参入した保険会社が健康な老人を囲い、健康な老人には保険に入ってもらえると、そしてそういう老人を囲い込み実際に病弱である高齢者の加入というものを拒否していると、こうした実態がございます。この問題に関しては、いま備前議員は日本共産党に所属だというふうにおっしゃいましたが、日本医師会と皆様がほぼ同等な意見を述べるというところに極めてこの問題が深刻な問題だということであります。それはすなわち小泉純一郎氏は医師会、医者の集票マシーンよりもむしろ製薬会社や保険会社の集金マシーンというものを私は優先なさろうとしていると、この表れであると思いますし、経済財政諮問会議であったりまさに政府の規制改革、民間開放推進会議という名前のもとが、敢えて名前をお出し申し上げますけれどもオリックスの宮内義彦氏に代表されるような、敢えて申し上げればまさに人のためでなくこのような大きな保険会社や製薬会社のために規制改革という錦の御旗の下、人々を路頭に迷わせるようなものの上に小泉改革があるという象徴ではなかろうかと思います。例えばよく言われるますことに、乳がんの手術時における乳房の再建術辞退というのは現在でも健康保険は適用されているんです。にもかかわらず健康保険が実質的には適用されにくい現状はどこにあるかと言うと、材料のシリコンを提供する会社が健康保険適用の申請をしないためにシリコンが保険では使用できず自由診療となっているという状況があるわけでございます。これは何かというと安全性の証明の問題もあるかもしれませんが、保険適用になると価格が下がるので自由診療に留め置いておいた方が会社にとって高収益となるということです。その意味では保険適用の申請を日本医師会の会長植松治雄氏が述べております。私は彼が就任したときの読売新聞に載ったインタビューを非常に感銘を深く感じ、電話をさせていただいてお話をさせていただいてご協力できることはしたいと申し述べた一人でございます。保険適用の申請はこうしたものに関して多くの女性のみならず社会が求めているものはさせるということが企業市民に対しての本来国が行うべき権限であります。そしてこの安全性が確立されるまでの間に特定療養費制度の適用を考慮するというようなことが必要でありますし、癌の血液検査である腫瘍マーカーと胃内ヘリコバクターピロリ菌という除菌なんですけども、これは制限回数が決まっているわけですね、健康保険では、制限回数以上の検査が医学的に必要だと医師が判断した場合には健康保険で認めるというようなことが必要だと思います。現在、東大や京大や阪大等の医学部なり病院はその最先端医療に関しては混合診療を認めようというようなことを言ってますけど、これはある意味で私は命に直接関わる最先端医療の分野で安易に混合診療を認めることは国民が平等に医療を受けるという権利を損ねることになると思っております。これは医局の制度の下でむしろ弱き者を救うというよりも、自らの論文であったり、医療の技術を競い合うというような形の中においてはそうした最先端医療で混合診療を認める方が非常に費用の財力の潤沢な方々をある意味では問診の対象としていけると、非常に人に根ざしてないかたちではなかろうかと私は思っております。いずれにしても、ビル・クリントンもこうしたアメリカの医療の惨状というものを治すためにこのメディケアを治そうとしたわけですが残念ながら共和党の反対等によって抜本的解決ができておりません。私は今申し上げましたように、この点だれでもいつでも安心して、少なくとも福祉垂れ流しとは違う意味で平等に医療を受けられる国民皆保険制度というのはむしろ日本のであったりと同様に他の諸外国が見習おうとしていることであります。義務教育の問題も私は申し上げていたことは日本の優れた点を逆にその優勝劣敗的なアメリカとて改めねばという意見があるときにわざわざ周回遅れで悪い方に向かって行こうとしているという点に私は非常に疑問を感じております。生態部分肝移植手術というものに関しても日本におけるこうした取組みをむしろ学ぼうとしているわけでございまして、私は今回の「混合診療」というものは「三位一体」同様に規制改革・民間開放推進会議というような名前の下に惑わされている。残念ながらマスメディアにおいてもこの点を的確にとらえて報道しているのは私が知る限り日本経済新聞くらいではなかろうかと思います。日本経済新聞は日本医師会を基盤としているのではないかなどという浅薄な意見がありますが、むしろ本来、多くの納税をしている方々の側に立たねばならないマスメディアが、小泉改悪の一環をお先棒担ぐかのごとく、私は大変由々しき問題だと思っております。以上でありまして、いずれにしても、私は日本が国民皆保険というものを持続可能な制度にしていくことが必要です。同時に薬価とか検査とか、こういうことに点数が多く付くと、やはり日本は医師であったり看護士であったりの力量であったり、そうしたサービスであったりということに関して評価ということができない医療の点数の制度ということをむしろ改めていくべきだと私は考えております。幸いにこうした多くの意見が広がりつつあるのはありがたいことだと思いますが、昨日も小泉純一郎氏は厚生労働大臣の説明によくわからないというふうにおっしゃったと報じられておりますが、この点は私は非常に残念なことです。長野県という長寿の県の知事としてこの問題をきちんと述べていくところです。

 知事から非常に前向きな答弁ではないかと思います。いずれにしましても全国民的な問題であります。この弱者に優しい長野県として国に対しても、やはり保険で良い医療を全国民にというこの立場で国に対しても今運動が広がりつつあるわけですけども、働きかけを行っていただきたいと思います。
 次に医療機関の医師不足への対策について衛生部長にお伺いいたします。
今、県内では深刻な医師不足がおきています。先日「県立木曽病院の医師体制が不備であり、欠員状況が深刻である」こういう声が寄せられました。特に患者との信頼関係が重要な精神科の常勤医師が不在で、非常勤で対応されているとのことです。そこで衛生部にお聞きしたところ、木曽病院は非常勤での対応が全17診療科中、9科にもなっており、医師不足が顕著であることがわかりました。また県の資料によりますと、県立病院の医師の充足状況は木曽病院が80.8%、また。阿南病院に至っては76.9%と低いものとなっています。
また、一方、塩尻と辰野町で運営している両小野国保病院では、医師の高齢化のため、これを補うために、新たに県の自治医科大卒業医師の派遣希望に応募しましたが、その後いっこうに返事がなく困惑しています。
私は多くの中山間・僻地の病院や診療所の運営を行う、国保病院連絡会で医師確保の担当者に話を伺いましたが、県国保連では医師紹介センターで医師確保への対応をしてきていますが、多い年は10人以上の紹介が成立してきたこともあるそうですが、昨年は50、60人の要請数に対して5人。今年は要請数52人に対して0人だそうです。
またマスコミでもこのことが取り上げられています。新聞報道では「上伊那の自治体3病院―医師不足の心配」とあり、伊那中央病院、昭和伊南病院、町立辰野病院では深刻な医師不足が伝えられていますし、また8月にはSBCテレビが、下伊那の日赤病院の医師不足も深刻で、院長自ら診療の合間を使って医師確保のために奔走しているが、成果になかなか結びつかないと伝えています。
そこで以下に質問しますが、まず1つ、県内の山間地や僻地での医師の確保状況はどうでしょうか。
2としまして、県内病院からの医師の派遣要請に県はどの程度応えられているのでしょうか。 
3つ目としまして、医師不足が問題とされております公立病院の補充についての支援をどのように進めるのでしょうか。
そして4番目としまして、特に木曽病院は木曽地域の二次救急医療を唯一一病院で担っているという他の医療圏とは違った状況があり、木曽地域の住民のかけがえのない医療施設です。救急搬送の割合も木曽広域消防の80.5%にもなっています。ここの欠員状況5名、非常勤9科についての対応は急務であると思いますが、どう考えていらっしゃるのか衛生部長にお聞きいたします。

      【答弁 鈴木衛生部長
       順次お答えをいたしたいと思います。まず、県内の山間地あるいは僻地等におきます医師の確保状況についてというおたずねでございます。長野県内には市町村立の診療所が合計91あるわけでございます。このうちいわゆる僻地診療所といわれておりますものは47ございまして、さらにこのうち27の診療所では常勤の医師が勤務しておりますけれども、残りの20の診療所では非常勤医師の対応ということになっております。これら僻地診療所では特に勤務されておりますドクターの高齢化が進んでおることなどから医師の確保には大変苦慮しておるという状況でございます。そこで県下の病院あるいはこういった診療所からの医師の派遣の要請とそれに対する県の対応ということでございます。県におきましては自治医科大学の卒業医師を僻地診療所これが最優先で考えておりますけども、並びに僻地に所在する200床未満の病院等に派遣をしておるわけでございます。今年7月に市町村などから派遣の要請の希望調査を行ったわけでございますけども、これによりますと来年度、現在勤務している者を含めて合計47名の派遣の要望がございました。それではどのくらいの要望に応えられるかということでございますけども、自治医科大学の卒業生は毎年2名ないし3名という状況でございます。それから年数的に申しますと義務年限が原則的に6年で卒業した方は1.5倍の9年ということになっておりまして、このうち2年間はいわゆる後期臨床研修期間ということでございますので差し引き7年間が県が配置できる義務年限として配置できる年数とこういうことになるわけでございます。こういったことから配置可能な人数につきましては最も多い年で約20名程度ということでござまいす。来年度17年度につきましては、トータルで20名程度の配置はできるのではないかというふうに考えておりまして、これは全体の数でいいますと要望の約4割強というかたちになるかと思います。具体的な配置箇所等の決定につきましては年明けに決定をしてまいりたいというふうに考えております。
       それから、医師不足が問題とされる公立病院の支援についてということでございます。ご指摘のように大変どこでもそうでございますけども、中小の公立病院におきましては医師の確保が大変難しい状況になってきております。これは原因といたしましてはいろいろございますけども、いわゆる臨床研修制度が義務化されたということも大変影響しておりますし、そしてまた、そういった若い研修医の大都会志向というものあるわけでございますけども、いずれにいたしましても先ほど申し上げましように、自治医科大学の卒業医師の配置につきましては僻地の診療所の配置を最優先といたしまして、そのほか200床未満の公立病院あるいは公的病院を中心に配置をしてまいりたいと考えておるところでございます。
       それから、先ほどご指摘ございましたように、国民健康保険団体連合会これが母体となって設立をいたしております、長野県医師紹介センターこれとも連携してマッチングに努めてまいりたいと考えております。確かにかつてより、要望と配置が合致する件数が減っておりますけれども一層努力をしてまいりたいと考えております。
       続きまして、県立木曽病院におきます欠員の問題でございます。木曽病院の医師の配置必要数は合計26名でございますけれども現在配置されております医師は21名ということで差し引き5名が不足ということでございます。この5名の内訳でございますけども、内科、精神科、眼科、泌尿器科、耳鼻咽喉科それぞれ各1名が足りないこういう状況でございます。医師の確保策いろいろございますけれども、とりあえず特に木曽病院につきましては信州大学を中心といたしまして、関係大学に常勤の医師の確保を要請をしております。病院長も一生懸命努力しておりますし、私も直接信州大学等へ伺いまして要請をしておるところでございます。ところがなかなか先ほど申し上げましたような臨床研修制度の影響等々ありまして、なかなか思うように配置ができないことが現状でございます。常勤医師が配置できない分につきましては当面の策といたしましてできるだけ非常勤医師の勤務日数を増やすかたちで対応をしてまいりたいと考えております。
      それからこのほかに、皮膚科でありますとかあるいは形成外科などの診療科につきましては患者さんの数等も勘案いたしまして、常勤医師ではなく非常勤医師が週に1日ないし2日診療を行うというかたちで開設しておりますけれども、地域の皆様方のご要望をお聞きする中で、また病院運営全体の中で常勤医師の必要数を検討してまいりたいと考えておるところでございます。
      全体的なことでございますけども、医師確保なかなかこれという一つの策で全部出来るという妙案はございません。でもこの5月に県立の須坂病院の中に県民医療室というものを設けまして、現在自治医科大学の卒業生を中心といたしまして26名の方に登録をいただいております。当面こういった方々に僻地の診療所等の医師が研修でありますとか、あるいは学会でありますとか、そういうとこに出るにもなかなか出にくいという状況もございますので、そういうとこへ代診を行うとか、あるいはそういった研修等のサポートをするというようなこと等も含めまして将来的には地域医療を支える医師の養成・確保、こういったことの仕組みこれはいろいろ考えられますので、こういったことを県民医療室を中心に図ってまいりたいと考えております。それからまた、臨床研修制度でございますけども、これを逆手に取りまして現在県立5病院、いわゆる管理型と居留型という区分がございますけれども、研修指定病院になっておりますのでその他県内に信州大学はじめといたしまして、研修指定病院ございますのでこういったところと協力いたしまして研修医をそこで研修していただくことによりまして、これは保健所も含みますけども、県内に医師の定着を将来的な展望のなかで図って参りたいと考えておるわけでございます。以上でございます。


 ただいまご答弁ありましたけれど、信大病院より特にこの木曽地域というのは特別大変な地域、ここに非常勤で対応させるということ、先ほど申し上げました2次救急医療圏におきまして唯一の病院がこのような非常勤で対応せざるを得ないということ、やはりここを是非とも改善をしていただきたい、そのことを重ねて要望いたします。
さて、医師不足の背景に先ほども答弁にありました本年度から始まりました新卒医師の臨床研修制度の影響で大学が病院への派遣を控えていることも言われています。医学部の卒業生の臨床研修は、都市部の大病院指向が強まり、地方の中核病院や診療所など、山村、過疎地の医師体制への影響が懸念されています。大学病院に医師が今までのように残らないために大学病院での診療体制の維持のために、今まで派遣してきた病院からの撤退や、派遣打ち切りが行われてきており、山間地や診療所などは医師不足に一層拍車をかける状態になっているといわれています。私は信州大学病院院長に話を伺う機会がありましたが、院長からはやはり、「新卒医師の臨床研修制度でこれまで派遣してきた病院への派遣が難しくなっている。地方病院の診療体制の厳しさがいわれるが、県的な対応が必要ではないか」と示唆されました。
私は医師確保が大変な北海道を調査してみましたが、厚労省の2000年の資料では人口10万人あたり医師数が192.2で全国24位、一方長野県は178.2人で37位です。北海道は85年から地域医療振興財団という組織をつくり、道、市町村、医療関係団体が地域医療の充実をめざした、公益法人を設置して医師確保の努力をしています。
また道内の札幌医科大、北大、旭川医大の3大学に道が協力して、地域医療に積極的に支援が得られるように、それぞれの大学や付属病院に過疎地医療と連携したプライマリケア医の養成が行われています。
医師充足率が北海道よりも遅れている本県においても、先ほど県民医療室というお話もありましたけれども、やはり民間もふくめた県内医療機関の医師確保のための体制をもつべきだと思いますがこれについての答弁をお願いしたいと思います。
また、この新臨床研修制度の本県での影響は実際はどうなっているのでしょうか。やはり信州大学からの医師派遣が得にくいとか、あるいは引き揚げられているということがあちこちで聞かされています。北海道では知事の公約で医師確保のために、この新臨床研修制度に対し、行政や民間を含めた懇談会を開催して対応を始めているそうです。例えば、東京と地元札幌で医学生を対象に道主催による、北海道の臨床研修病院の合同プレゼンテーションも毎年開催しています。いわゆる医学生向けガイダンスです。長野県でもこのような医師確保に関わる体制と組織を学生を対象としてつくるべきではないかというふうに思いますが、衛生部長のお考えをお伺いいたします。

      【答弁 鈴木衛生部長
       まず、新臨床研修制度に対しましてどういう影響あるかということでございます。これははっきりした数字つかんでいませんけれども、確かにそういった影響ありまして医師養成機関であります大学病院等からの医師引き上げの要請が各病院に来ておるという話はいろいろ聞いているところであります。いま議員ご提案にありましたような民間病院を含めまして、こういった医師養成・確保に関する懇談会と申しますか、何らかの組織を作ったらどうかとこういうことでございますが、これにつきまして各県でもいろんな動きがございます。現在そういったところの状況もいろいろお聞きをしておるわけでございますけれども、いずれにしても実効性のある形のものにしていかなければいけないということでいろいろ検討を重ねてきておるわけでございます。やはり県内におきましては、医師養成機関でありますところの信州大学それから各公立病院あるいは民間病院と含めまして具体的な確保策をつくっていかなければいけないということでございます。そういう中でいまお話ございましたような臨床研修に向けます学生に対するPRと申しますか、そういったことも一部にはすでに県立病院でも今年研修指定病院に指定受ける中で行ったわけでござますけども、今年度は初年度ということでちょっと出遅れたわけでございますが、やはり学生の時代から県内の病院へ来ていただいて、見学あるいは研修と申しますかそういうことをやっていただくと、あるいは保健所で研修していただいて信州の魅力そういったものを、それからやはり県内の医療機関自身がレベルアップしていく中でこういうところで勤務するとキャリアアップにもなるし、そしてまた自分もこういうところで働きたいとこういうかたちにしていかなきゃいけないわけでございますので、学生時代からの勧誘と申しますか、そういったことも含めて検討してまいりたい。そしてそのためには、先ほど申し上げましたような何らかの県内の医療機関、医療関係者を集めましてそういったような協議会と申しますかそういったかたちものを検討してまいりたいと考えておるところでございます。

 是非とも医学生というのは長野県だけではないわけであります。東京にも多くの医科大学があるわけですけども、そういったとこに県出身の学生がいる、全国に県内の医療情勢を知っていただき、そんな中で長野県に戻ってきてもらうあるいは長野県で働きたいというこういった医師を育てていく、これを民間も含めて行っていくことを提案させていただきたいと思います。



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2.若者の就業支援について

 次に、若者の就業支援についてお伺いいたします。
私たち共産党県議団は、5月にオープンしました松本の若年者雇用促進センターJobCafe信州を視察してきました。私も昨年の議会で若者の就業支援を求めましたが、国基準を上回り、県内2箇所に設置して毎日50人近くの若者たちの相談にのり、それも一人平均50分という時間をかけて、どんな職業に就きたいか、適正は何か、など暖かく丁寧な対応をされていることは若者たちにとって大きな励ましになり、私どもも心より敬意を表し、また効果を期待するものです。
また県内23人のキャリアコンサルタントの配置で、地域での相談活動を行うことはこの広い長野県をきめ細やかに網羅していく上で大変重要なことであると感じました。
そこで若者達の更なる活用の促進のために今後の対応として3点について伺います。
1つとして、以前の議会でも取り上げましたが、潜在的な県内の若年者、高校生などに広く知らせていく方策として、TVやラジオスポット等の活用することはどうでしょうか。
2番目として、地域での相談活動がスムーズに進むように、市町村との連携をどのように考えているのか。
3番目として、長野分室も含め、スタッフ体制の整備について、充足について以上3点について産業活性化雇用創出推進局長にお伺いいたします。


      【答弁 丸山産業活性化雇用創出推進局長】
       お答えいたします。いま議員おっしゃいましたように5月24日に松本市の松本駅前に若年者就業サポートセンターを設置いたしました。持っている機能といたしましては三つありまして、いろいろな相談がゆっくり受けられるカウンセリングコーナー。それから実際の職業を紹介するこれはハローワークから端末とスタッフを持ってきているんですが職業紹介コーナー。それから一般情報とかセミナー等を総合的にその場で検索できる情報提供コーナーということであります。利用状況は、他県と比較してどうのこうのではないのですが、概ね順調でして、これまで約6ヶ月間で延べ6,568名の方が来室されまして1日平均50人の方が利用されております。またカウンセリングは非常に好評で約2,000人の方が専門のカウンセラーと相談を受けられているということです。しかし、残念なことに利用者が松本を中心にということで中信地区が約8割を占めていまして、そういう意味では利用が非常に偏っているという問題がございます。このために全県的に利用促進のためのPRが必要であると考えておりまして、これまでは初めての企画でございますので主に新聞とかテレビの媒体に記事として取り上げていただいて、信頼性と認知を深めるというような方針としてきました。一応の認知は高まって利用も順調なもんですからこれから1月から3月にかけまして、集中的に体系的に、つまり体系的というのは統一コンセプトで訴求効果も同じようなコンセプトにまとめまして広報宣伝をおこないたいと思っております。プロポーザル方式で12月中にこの体系的な広報宣伝の民間の専門家・専門業者の方を募りまして、1月から3月に集中的にテレビスポット等も場合によっては含めながらやっていきたいと思っております。また、地域カウンセラーでございますが、今23名おられまして、市町村と主に連携していくということでございまして、具体的には上田市、松本市、長野市ここの市とは具体的に企画がつまっておりまして、また須坂市、小諸市、下諏訪ともいまつめているところでございます。やり方といたしましては、地域カウンセラーが中心となりましてそこにハローワークあるいは県のスタッフが行って定期的に相談会を行ったり、場合によってはミニジョブカフェ的に決まった曜日だけ開催するとかいうような企画にしたいと思っております。
       長野分室の利用促進ですが、もともとジョブカフェ信州の経緯を説明しますと、厚生労働省が示した原則では県に1箇所と、それも学生職業相談室に併設することということだったのですが、本県の場合長野駅の東口に学生職業相談室がございまして、すでに設置があったわけでございます。じゃあそこに今回のジョブカフェも一緒に設置するのかということですが、県が広いということと例えば高校・大学生といった場合に松本も長野もほぼ2万人超える数の方がいらっしゃいまして、数でも拮抗しているとこういうことで松本にいたしたわけです。そういう意味で松本に1箇所設置して長野市の場合は既存の学生職業相談室にカウンセラー等配置しましてそこもジョブカフェの分室と位置づけているわけです。長野分室につきまして今ご指摘のように体制がまだまだ不十分であるということもございまして、今後は人的なものそれから利用しやすい整備環境を進めまして東北信の拠点としていきたいと思っております。
       また、県内20箇所に勤労青少年ホームがございまして、先ほどお話しましたミニジョブカフェというような機能も果していただけるようでございますので、今後も先ほどお話しました6市に限らないで市町村と連携しまして出前あるいは出張ベースでこのジョブカフェの機能を県下広く提供していきたいと思っております。
       松本市では11月から共催ですでに若い人が仕事について考えるというセミナー4回開催しておりまして、延べ34人の方が参加されております。まとめますと地域にそれぞれおいているプロフェッショナルなカウンセラーを中心としてまず相談業務を行うと、それからある程度人数がまとまるというようなことであればミニジョブカフェというようなかたちで市町村の中にこの機能を浸透させていくと、そして今あります松本・長野の常設のジョブカフェの機能を更に充実していくと、この三大構えで長野県の若年者の就業をサポートしていきたと思っております。以上でございます。

 ただいまご答弁いただきましたけれども、私は実は長野分室に先日伺ってまいりました。行った感想として、どこにあるのかわからないというのが実態でした。駅の東口、ビルの6階ハローワーク中に設けられている状態ですけれども、実は国との業務の兼務は兼ねられないということで看板も出せないという状況でありました。
 やはり今問題となっております引きこもりの皆さんやあるいは、52万人ともいわれておりますNEET(ニート)の対策、こういった方々は相談をしにきたときに電話で名前を名乗らないそうであります。こうした青年に周知し、気軽にカウンセリングに来るような環境を是非とも構築をしていただきたいと思います。それにあたりまして常設で長野と松本ということは非常に広い県内まだまだ不足のような感がするわけであります。勤青ホームのことも出されましたけれども、私も先日、塩尻市の勤労青少年ホームで開かれた、若者のイベントに参加してみましたけれども、これは働いた皆さんに対応した組織ではあるわけですけども、こういったところで仲間作り、悩みを語り合う、そんなところにもこのジョブカフェを是非ともつくっていく、私はやはり地方事務所単位でのこういった施設が必要ではないかと思うわけでありますけども、これを是非とも市町村との連携を行うなかでつくっていただきたいと思いますけども、この点について、再度ご答弁をお願いいたします。


      【答弁 丸山産業活性化雇用創出推進局長】
       今のご質問ですが基本的に同じ考えでおります。長野市の現在の状況というのは、このままでいいわけがないと思っておりまして、既存のすでにありました学生職業紹介のセンターに後からある意味では併設させていただいたということがありましていろいろな制限がございます。そういう意味で広報が徹底していなかったというきらいがあったわけですが、先ほども申しましたように今後は場合によってはもう少し抜本的な解決策も含めて考えていきたいと思っておりますし、それには国あるいは労働局の協力が必要だということですでに実務的な打ち合わせも行っております。
       それから、全県をカバーする体制でございますが、今年からこれまで商工課という名前で各地方事務所にスタッフが置かれていたわけですが、それが商工雇用課ということで雇用の仕事も商工部の一部ということで明確に位置づけられております。そういう意味では、私の産業雇用関係の仕事をしているいわゆる県の職員は200人以上いると、これは技術専門校と工科短大のスタッフも入れてでございますが、職業能力開発あるいは職業訓練、就職対策ということに関してこれだけの人がおりますので、その人間がスタッフが有機的に働けるように、それから地元の市町村の方とお話をして、先ほど言いました6市がすでに興味を示されておりますが、たぶんジョブカフェが持っている機能をもうちょっと詳しくご説明すればかなりの市町村の方が興味を持っていただいて場所の提供とか、あるいは事務的な作業を少し負担していただくということもできると思いますので、我々はそこに専門家とそれから職業紹介、あるいは相談の機能を持ち込むということでやっていきたいと思っております。


 ご答弁ありがとうございます。非常に若年者の雇用対策にあたって大きな足跡を残された局長さん、非常に残念だなと思うわけですけども、是非とも大きな足跡を後世つなげていただきたいとお願いをしたいと思います。



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3.地震対策について

 つづきまして地震対策について耐震補強等を中心に住宅部長にお聞きしたいと思います。
まず、新潟県中越地震ではこれから豪雪にみまわれる季節を迎え、被災者のみなさんの生活はこの年末年始もいっそう大変であると思います。一日も早い復興を願わずにいられません。
私達は全力を上げての支援をするとともに、今回の地震から教訓を導きだし、今後の災害に備え住民の生命と財産を守ために取り組むことが求められていると思います。
私達日本共産党も災害直後より新潟中越地震全国支援センターを設置し、毎日人的、また物資、あるいは募金等全国支援を送り、私もボランティアに参加してきました。
一昨日の質問で「金が必要なのに物資を送った」ということが取り上げられましたが、災害時には必要なものは刻々変わってまいります。買い物ができる状況でないところも今も点在しており、車も入れない山間地のお年寄りの多い地域などに、私どもは一軒一軒何が必要か聞いて必要な物資を届けています。今、被災者からは家の片づけや農作物の収穫などを雪の前にと、「人手がほしい」ということも言われます。
私は川口町の被災者宅の取り壊しのお手伝いをやってきましたが、再建支援と耐震補強を車の両輪のごとく一体のものとして行う必要性を痛感してきました。
そこで昨日までの質問でこれら耐震補強や今後の県独自の個人住宅への復旧支援対策等は明らかになっておりますので減災対策について伺いたいと思います。
 長野県は想定される地震にたいし、全県対象に耐震診断から、耐震補強のためのすまいの安全「とうかい」防止対策事業を始めています。そこで住宅部にこの事業の実施自治体をお聞きしましたら、中南信の29自治体となっており、東北信地域にはまだ普及していません。今回の地震は大きく揺れたのは北信地域であったわけですが、政策的にもこれら地域への対策の強化も必要と思われますがどうでしょうか。また、耐震補強工事はまだ全県70戸程度であります。昭和56年以前の建築物は既に築23年以上経過しているわけです。リフォームをするお宅も多くなってくるわけですが、市町村と県民に周知するとともに、建築業者にも周知をしてこの制度の活用も行い、建設関係の皆さんの仕事の促進も今こそ同時に進めていくことも重要であると思いますけれども、これらについての住宅部長のお考えをお聞きいたします。


      【答弁 三木住宅部長】
       お答えいたします。地震対策に関連いたしまして「すまいの安全とうかい防止対策事業」に関連するおたずねでございます。
       まず、実施件数についてでございます。現在地震による建物の倒壊から県民の生命と財産を保護いたしまして震災時の膨大な災害復興費の削減を図りますために平成14年度に「すまいのとうかい防止対策事業」を創設をいたしまして、地震防災対策強化地域、南信の29市町村でございますけれどもこれを対象にいたしまして耐震診断・改修の促進を図ってきたところでございます。平成16年度に事業内容の拡充を図りまして対象地域を県下全域に拡大したところでございます。平成15年度までの実施状況でございますけれども、耐震診断は1,703戸でありまして、耐震補強は16戸になっております。平成16年度につきましては、南信地区・中信地区を中心といたしまして耐震診断は約4,100戸、耐震補強につきましては54戸実施できる見通しとなっております。今後は従来から事業を実施してまいりました中南信地域に加えまして、北信・東信地域を含めた県下全域で事業がすいしんできますよう努めてまいりたいと考えております。
       対象になっております昭和56年5月以前に建設された住宅の実施率と目標でございますけれども、平成10年に住宅土地統計調査をしたわけでございますけれども、これによりますと長野県の持ち家住宅は51万5百戸でございまして、このうち約6割はいわゆる新耐震基準の施行前であります昭和56年以前に建設されたものと考えられます。これらの住宅のうちすでに改築された住宅でありますとか、診断そのものを希望しない方々もおいでになりますことから約3割に相当する9万5千5百戸につきまして平成23年度までに耐震診断ができますように目標として考えているところでございます。実施率につきましては現段階で事業実施しております市町村29ということでございますので、平成14年度から平成16年度末までの見込みで診断戸数が5,803戸でございますので6%の実施率というふうになっております。
       県民のみなさん方への周知の方法でございますけれども、現在県におきましてパンフレットを作成いたしまして事業実施市町村に対しまして計画的に各戸配布をしているところでございます。また、県のホームページに掲載をしておるわけでございますけれども、この他地方事務所ごとに啓発活動に取り組んでいただいておりまして、県民でありますとか建築技術者を対象にいたしまして講座でありますとか講習会を実施をしているという状況でございまして、その他県の広報番組でありますとか、市町村広報誌によりまして事業紹介をいただいているという状況でございます。
       市町村との関係につきましては、年度当初に数回に分けまして全市町村の担当者を対象にいたしまして事業説明会を開催をしているところでございます。また、市町村主催の住民説明会に県職員を派遣いたしまして円滑な事業の推進を図れますように連携を深めているというところでございます。以上でございます。


 時間がありませんので、この耐震診断そして耐震補強。まだまだ始まったばかりであります。
そしてこの不況もてつだって被災地でも建てたばかりの家、あるいは長岡市ではこの間の雨で改築が済んだばかりのところがまたやられてしまっている。そんな中で個人住宅への復旧支援というのは本来は国レベルで行ってなければならないわけでありますけれども、昨日の答弁では、この長野県でも個人住宅への復旧支援に何とかお手伝いしようという立場は表明されました。この3日に野党が共同提案した、個人住宅本体の建築や改修に対し公的支援を行う被災者生活再建支援法改正案というのが、実は与党自民・公明によりまして審議打ち切りで廃案にされてしまい、深い憤りを覚えるものです。こんな中で長野県は本当にこの立場に立ちまして、県民の皆さんの生活と安全を守る立場でがんばっていただきたいということを最後にお願いを申し上げまして一切の質問を終わります。



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