2004年 12月議会
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議案第1号「平成16年度長野県一般会計補正予算第4号案」につきまして賛成討論をいたします。 今回の補正予算は総額237億円で、12月県議会としては田中知事になって過去最大の規模です。 その主要な中身は1つとして災害関連費用です。今年10月に県内を相次ぎ通過した台風22号、23号は河川の氾濫や土砂災害、収穫間じかの農作物に甚大な被害を与えるなど大きな爪あとをもたらしました。 その対策として今回提案されている予算は115億円にのぼり、要望があったものすべてに応えられる予算案とのことですが、さらに暮れから新年にかけて第5次、第6次、第7次の査定が予定されており、今後もでてくるであろう災害対応にも充分応えていただきますよう重ねて要望するものです。 2つとして「しなの鉄道」の減損会計に対応した県の貸付金を資本金に振り替える予算として103億円が計上されています。 私たちは、整備新幹線の開通に伴い全国初の並行在来線をJRから経営分離することを決めた「政府・与党の申し合わせ」に反対してきました。また、横川・軽井沢間を廃止し、篠ノ井・長野間の経営もJRに取り上げられる中で「しなの鉄道」が本当にやっていけれるのかと問題提起してきましたが、当時の日本共産党以外の与党各派の皆さんは10年たてば黒字に転換できると不利な条件を無批判に受け入れ、103億円の税金投入も決めました。 私たちは「減損会計」が、本当に「しなの鉄道」の健全経営に役立つとの説明を信頼し、今後も「しなの鉄道」が公共の足として存続するために県が責任をもって支援する立場をとるよう要望するものです。 3つ目の主要な予算案はスペシャルオリンピックスへの運営補助です。いよいよ来年2月26日から、知的障害者のスポーツ大会「スペシャルオリンピックスながの」が開催されます。今回、そのための運営経費として6億円が計上されました。このことについては、世界大会実行委員会理事長の盛田英夫氏から「6億円以外には一切のご負担を求めないことをここに確約いたします。」として、これ以上の支出は求めない旨の確約書が田中知事と県議会議長あてに提出されているところです。 この間、運営費の補助について様々な議論がありましたが、青山出納長も一般質問の答弁のなかで「実行委員会の資金確保の状況を早く判断し、知事に進言すべきだった」と反省したように、国際イベントという事業にしては資金確保がずさんというほかありません。透明性のある会計処理や情報公開をおこない、今後の教訓とすることを求めます。 この他、前県議会において多数が否決した森林整備のための高性能林業機械導入への補助や、スペシャルオリンピックスに自主的に参加する小中学校の学校活動に対する補助が再度計上されています。 また、新潟県中越大震災を教訓に、長野県のような中山間地を抱え、高齢化率も高く、地域で支えあう集落という特徴に対応した災害の備蓄緊急配備事業も具体化されました。 治水・利水対策の推進をはかるため新たな水道水源を確保する三郷村の地下水調査への補助も実施されます。 教育の分野では、養護学校の地域化推進事業の一環として、長野養護学校高等部の分教室を更級農業高校内に開設するための教室等の改修、備品等の整備費用が計上されています。 私たちは基本的には地域化に理解をするものですが、新しい試みだけに、関係者の充分な合意づくりが欠かせないことであり、必要な教員配置、設備など環境整備が求められると思います。 この間、新たな借金をできるだけ抑制し「財政改革推進プログラム」に基づいて、着実に財政健全化に向けての歩みをすすめていることは評価するものです。 今回の補正には県債が約30億円計上されていますが、中身は災害復旧債など必要なものと理解します。今回の県債を加えても歳入予算のなかの構成比は10.8%で、プログラムの10%台に収まっており、県債残高も減少しています 日本共産党県議団は12月2日に、約160項目の「新年度予算要望書」を知事に提出しました。そのなかでは、「県民の県政改革への熱い期待に応え、県民の暮らし、福祉・医療、教育、環境、産業・雇用政策の前進を太い柱にすえた予算編成を強く要望します。」と伝えてあります。 国から理不尽な補助負担金のカットや交付税の削減などが押し付けられているなかですが、今後ともこの姿勢を堅持することを願って賛成討論といたします。 |