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2005年 12月議会 藤沢議員の一般質問(12/6)

* 記事はすべて、共産党県議団事務局のテープおこしによるものです。

  1. 耐震構造偽装について
  2. 児童福祉施設ついて
  3. 高校改革プラン、青年の家について


1、耐震構造偽装問題について

 耐震構造偽装問題について知事と住宅部長に質問いたします。
 全国に波及している耐震強度偽造問題は長野県内でも発覚、県内三ホテルの耐震強度が建築基準法の基準値を大幅に下回っているとの調査結果が明らかになり、倒壊を心配する周辺住民をはじめ、県民の不安を呼んでいます。
 計算書を偽造した一級建築士の行為は、絶対に許せないものですが、安全より利益優先のコスト削減体質が建築業界の中でまかり通っていた背景が浮き彫りになりました。
 そして、検査を民間任せにして、安全を丸投げしてきた国の失政も又、大きく問われることになりました。 
 政府は規制緩和推進三ヵ年計画に基づいて1998年建築基準法の改正を行い、民間機関でも建築確認や完了検査ができるようにしました。
 日本共産党は営利を目的にする指定確認検査機関では競争が激しくなった場合、安かろう、悪かろうの手抜き検査になる恐れが生じると指摘、更に指定機関から建築主事に報告はあるが、チェック体制が不十分で事実上民間任せになってしまう恐れがあると制度の不備を指摘してきました。
 しかし、国は建築確認は公平性さえ担保されれば行政である必要はない。民間確認検査機関で粛々と進むと規制緩和を絶対視、万能視したのです。
 この結果、日本共産党か危惧したとおりの問題発生につながりました。
 政府の責任は重大です。
 日本共産党は再発防止のためには:建築確認行政の根本的再検討が必要であり、民間検査機関による検査を第三者機関で再チェックできる体制の整備、自治体の建築確認体制の強化、行過ぎたコスト削減競争に走る建設業界の体質改善の必要性を提案しております。
 責任の所在と、再発防止に向けて二点について伺います。
 一つ、発覚した県内三ホテルをはじめ、県独自の再計算審査の中で更に耐震上問題のある建築物が見つかった場合の責任の所在を県はどのように考えるのか、政府の対応も含め知事に見解を伺います。
 又、長野県が平成14年度以降の建築物約200件について独自の再計算制度を全国に先駆けてスタートさせたことは、県民の不安に積極的に応えたものとして、又安全性を担保する自治体の役割を果たす上でも評価するものであります。
 そこで体制について伺います。
 県は独自のコンピューターシステムの配備と人員再配備をすでに実施しておりますが、全国的にも地方公共団体の建築主事の体制が不十分で在るとされている中、長野県の現状はどうか。必要な人的配置と力量ある建築主事の育成を図っていく必要があると考えるがどうか住宅部長に伺います。


      【答弁 田中知事
       この問題に関しましては、日刊ゲンダイの私の連載でも書きましたが、ある意味ではイギリスのサッチャーリズムですべてを民という言い方になったことによって鉄道会社で多く事故が起きたと同様の大きな問題ですし、またこのような民間機関というものによって色彩であったり、形状で合ったりというものが本来良い意味での地域づくりのために住民合意や景観形成という観点が抜け落ちたまま許可されていくということにつながっていたのではないかという問題があります。これはまさに小泉構造改革と呼ばれるものの根幹にかかわってくることであろうと思います。他方で、この耐震強度偽造問題というものはこうした建築確認制度の根幹にかかわる問題ではあります。今議員からご指摘がありましたように、渋谷の有限会社トラス設計というところの渡辺ともゆきさんという方が図面を見た段階でどうも怪しいと思ったと、やはりこれは以前にしなの鉄道の保線工の方の良い意味での職人としての暗黙ちの話をしたかと思いますが、やはり図面を見た段階でこの柱の数や太さがどうなんだろうかと思うような直感力、こうしたものを本県のみならず、これは民間機関にも多く行政機関のOBが行っていて見抜けなかったわけでありますからして、その意味では本県の住宅部の建築確認を担当するものの良い意味での座学の知識に留まらない、想像力、感度というものが果たしていかがであったかということは、今後本県に留まる問題ではなくて、やはり行政のそうした部門に留まるものが安住地ではなく、良い意味で自己研鑽していくということが強く求められていることではなかろうかと思います。いずれにしましても47都道府県の中で先駆けて構造計算審査の再計算制度を12月1日に開始したわけでございます。他の都道府県が、あるいは国も遅まきながら遡ってというようなことを言い出していますけども、何故今までのものを見ないのかということは多くの税金を納めている者の疑問ではなかろうかと思います。今ご指摘がありましたが、まずこの200のもの、これに関しても1番目の書類からずっとやっていくのではなくて、やはり災害時のトリヤージュの精神でどれか臭うもの、怪しいものというもの200を見たときに良い意味でその中から感のあるものが果たしてそうした建築主事がどれくらいいるかという問題もあろうかと思いますが、この点を見て早急に怪しいものからきちんと構造計算をしていくということであろうと思います。この場合に万が一のことがあった場合には速やかにお伝えをし、必要な対処をとっていくということだろうと思います。いずれにしても現在はこうしたソフトを導入しましたのでこれを用いて可及的速やかにすべての確認が行なえるように務めたいと思います。



      【答弁 塚田住宅部長
       建築主事の配置の拡充や力量ある建築主事の育成を図っていく必要があるとのおたずねでございます。建築確認制度は建築主から建築確認申請があった場合に建築基準法第6条に基づきまして建築関係規定の適合性を判断し、建築主事である地方事務所の建築担当課長が確認済み書を交付するものでございます。現在の建築確認審査にかかわる本県の審査体制でございますが、本庁で5人、現地機関で44人の計49人体制で確認業務に携わっております。法で置かなければならないとされております建築主事資格者は部全体では建築技術職員で70名が保持しており、このうち地方事務所に各所1名、本庁に1名の計11人を建築主事として任命しております。指定確認検査機関で行なわれる確認件数が増加し、県や市で確認する件数は減少傾向にありますが、今後は完了検査率の向上や地震対策などの建築防災対策をこれまで以上に推進することといたしまして、建築規制の実効性をより高める必要があるものと考えております。建築主事は1級建築士を持つ技術職員でありますが、日常業務や職場内の研修を通じまして高度化する建築技術に対して的確な判断が下せるよう更に職員の資質の向上を図ってまいりたいと考えております。以上でございます。



 私は確認をされた後、生じた補償、責任の問題についてお伺いをしたわけでございますが、北側国土交通大臣も今のこの現状には問題があると認めておりまして、再発防止、補償のあり方も考えて行きたいと申しておられるわけでありまして、県といたしましても、国が責任を持って対応するように要請していくと共に法的には最終責任があるとされる県としての責任もしっかり解決のために力を尽してほしいと願っております。民営化の問題については、問題点を指摘されましたが、知事の政治姿勢、この政治姿勢は私は結構だと思います。ですからこれは県政運営、行財政改革の中でもこの点はしっかり活かして欲しいとお願いをしておきます。



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2.児童福祉施設について

 次に、児童福祉施設への県としての対応について社会部長に伺います。
 児童福祉法により設置されている児童福祉施設は、設置、運営がどのような形態であっても、児童福祉法の理念に基づくよりよい対応がなされなくてはならないことはいうまでもありません。
 県は、これまでも施設整備や運営などの充実に向けて努力をされてきたわけですが、現状はまだまだ多くの課題が残されています。
 先日党県議団が行いました児童養護、児童自立支援施設の現地調査も踏まえ次の二点について伺います。
 入所児童の特質にあったきめ細かいケアを実施するための小規模施設の設置が国の施策の中でも位置づけられ、長野県も松本児童園をはじめ8児童養護施設に小規模グループケア施設が併設され、地域小規模児童養護施設が松代福祉寮に設置されました。
 施設から独立した民間住宅等を活用し、社会的自立を目指す地域小規模施設。心に深い傷を持ち他の入所児童に影響が懸念されるなどで手厚いケアを要する子供たちが対象のグループケア施設は子供たちのためにも拡大させていくことが望まれています。
 しかし、設置に当たっては一施設で一箇所しか認めないという制約をはじめ国はいくつかのハードルを課せています。
 そこで国の補助制度では対象にならない小規模養護ケア施設への県独自の助成をお考えいただきたいと思いますがいかがでしょうか。
 又、現在児童自立支援施設は問題行動を起こした児童をはじめ専門的なケアを要する児童が入所しており、心理専門職などの配置が必要と考えます。
 波田学院などへの心理専門職の配置をすべきと思いますが、以上二点社会部長に伺います。


      【答弁 田中社会部長】
       ただいまの藤澤議員のご質問にお答いたします。ご指摘のとおり児童養護施設の小規模ケア化に対する国の助成は施設整備と運営費に対するものがございます。しかし、施設整備に対する現行の制度では単なる小規模ケア施設の整備だけでは採択が大変厳しい状況にございます。また、運営費に対する助成も児童養護施設ごとに1箇所のみを対象としており2箇所目以降は認められておりません。そのようなことからの議員のご指摘かと思います。県といたしましては小規模ケアによる小規模ケアによる子ども達への手厚い支援ということに関しましては大変重要な課題であるということを認識しております。こうした中で現在、今議会に義務教育終了後の児童への支援策として児童自立援助ホームに対する運営費助成に関する補正予算をお願いしているとことです。また、18年度に向けましても諏訪湖健康学園に於けます小規模ケア化の実施を検討しております。ご指摘いただきました今後とも児童養護施設における具体的な要望把握しまして小規模ケアを推進できるようにしてまいりたいと思っております。また、このご指摘の小規模ケアというのは一人一人を本当に大切にするというケアでございまして、この点に関しましては皆さんもご存知のとおりコモンズハウス宅幼老所あるいは知的障害者のグループホームという形で長野県は全国に先駆けて進めておりますので、児童の分野におきましてもさらに積極的に全国に誇るように施策を推進していきたいと思っております。
       また、2点目の波田学院の心理職の配置ということでございますけども、現在、波田学院には11名の方がこどもが入所しております。近年虐待を受けたことから非行にいたる子どもや、情緒面で問題を抱えている子どもたちが増えております。ここに入所している子どもたちは規則正しい生活を送れるように支援するだけではなくて、自分を大切にする気持ちを育てるという心理的なケアが大変重要なっております。波田学院では児童相談所の心理士や小児精神科医による心のケアの取り組みをやっておりますが、今後一緒に生活を共にして、個別の心理的ケアを進めるために18年度に向けて心理職員の配置について検討していきたいと考えているところでございます。よろしくお願いします。



 
波田学院への心理専門職の配置については前向きなご答弁をいただきましたので、善処よろしくお願いします。
 また、高齢者と障害者支援のコモンズハウスの補助制度というのが長野県ではつくられていますが、これは全国でも先進的な地域福祉を前進させてまいりました、この成果をさらに児童福祉支援を必要としている児童養護施設にも拡大を図っていただきたいと切に願うところです。ご検討いただけるということですので是非新年度予算の中で対応いただけるように強く要請をしておきます。



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3. 高校改革プラン、そして青年の家の閉所について

 つぎに、高校改革プラン、そして青年の家の閉所について教育長にお伺いいたします。
 高校改革の進め方について一点伺います。
 昨日県議会高校改革プラン研究会としての中間報告を議長に提出いたしました。
 各種教育団体、高校改革プラン推進委員会との懇談などを通しての、研究会としての現時点での到達点は県民の高校改革への本格的な議論は始まったばかりであり、高校改革プランはようやくスタート台に立った状況と考えるということであります。そしてこの状況を鑑み、県教委に五点にわたる取り組みを求めております。
 一つ、推進委員会からの報告を議論の出発点と捉え、実施計画策定に向けては地域住民、教育関係者、中高生等の意見集約をする機関、機会を設ける。
 二つ、全ての案件を同時に実施する再編整備の進め方を整理し、地域の合意形成の成熟度に応じた取り組みをする。
 三つ、高校の統合や新設に対しての人的、財政的措置を明示する。
 四つ、高校生や中学生に展望を丁寧に説明し、当事者である、中学生の意見を反映させる。
 五つ、自立教育分野の地域化プランが進み始めているが、高校再編の中で養護学校の配置も含めて検討が必要である。
 以上五点にわたり求めたものですが、この提案は県議会に寄せられた多くの県民の皆さんの意志を代表したものであります。
 そこで県教委はこの研究会として整理した五項目の趣旨を真摯に受け止め、ただちに取り組みに活かすべきと求めますが、教育長明確にご答弁ください。

 つぎに松本、小諸青年の家の閉所について伺います。
 県教委は今年度(18年3月)をもって松本青年の家と小諸青年の家の閉所を打ち出しましたが、閉所にいたった理由として六月県議会の答弁で三点について述べています。
 一つは利用者の減少、二つは施設、設備の老朽化、三つが県財政改革での事務事業の見直しということです。尚、松川と須坂を残す理由としては人間関係の希薄化、協調性の欠如、モラルの低下など青少年の健全育成上での関心が現在も高いので、学校以外の教育施設として今後も必要であり、引き続き存続していくと定例の教育委員会で述べています。
 青年の家は県教委がその必要性を説いているように、勤労青少年育成のための教育研修施設として、又、青少年団体の体験学習、交流の場として活用をされてきた社会教育施設であります。
 そのためにも地域的なバランスも視野に入れて県内四地域(松本、小諸、松川、須坂)に設置されてきたはずであります。
 そこで松本、小諸についての廃止に至った検討の経過について改めて伺います。
 利用者の減少の理由として企業研修の形態の変化や現代の若者気質に合わない部分が出てきたからなどを上げていますが、それであれば若者たちが使いやすい、利用しやすい形態にかえる努力をしてきたのか。まず1点。
 2点目に松川、須坂では必要性を述べている社会教育施設が果たす役割の視点に立ち、地域的なバランスも含め松本・小諸についても深い検討が加えられたのか。当事の教育委員会委員として任に就かれておられた丸山教育長に委員会としての検討の経過も合わせてご説明をいただきます。

      【答弁 丸山教育長】
       まず、県議会高校改革プラン研究会からの報告の趣旨を直ちに取り組みに生かすべきではないかとのお尋ねでございますが、現在、通学区ごとの高校改革プラン推進委員会は地域からの意見も数多くお伺いし、精力的に検討いただいているところでございます。このような検討経過を経ていただく推進委員会からの報告を受けまして教育委員会といたしましては県議会高校改革プラン研究会の報告の趣旨を参考にさせていただきつつ、今年度末を目途に実施計画を策定してまいりたいと考えているところでございます。
       高校改革プランの実施にあたりましては、中学生や保護者が不安とならないよう十分な説明を行ない、新しい学校の教育内容などを周知してまいりたいと考えております。
       また地域などからのご意見も引続きお聞きしながら、各高校の魅力作りを行い通学区全体の教育の質的向上が図られるように進めてまいりたいと考えている次第でございます。
       なお、自律学校の地域化プランに関しましては高校改革プラン検討委員会の最終報告にもございますように、高校改革プラン実施におきまして配慮していきたいと考えているところでございます。

       次に、青年の家のお尋ねでございます。県内には松本、小諸、松川、須坂の4つの青年の家がございます。青年の家は昭和30年代から50年代にかけまして主として勤労青少年の急激な増加と相まってその育成という観点で全国的に設置された施設でございます。目的といたしましては、青少年に団体宿泊訓練を通じまして職業的、生活的、文化的、体育的な各種の教育授業等を行なうというものでございます。青年の家開所当時は高度成長の只中でございまして、高校卒業者の就職率も高い水準にありました。しかしながら、近年高校卒業者の就職率減少によりまして、勤労青少年を対象とした企業研修は著しく減少いたしました。そのような状況の中にありまして、学校、育成会などの団体活動にご利用いただいたり、対象を親子など一般の方々にも拡大いたしまして各種事業を実施してまいりました。また、利用団体が充実した研修が出来るようお申し込み段階に於ける企画へのアドバイス、スポーツ活動等での実技指導など団体が実施するプログラムへの助言を行なってまいりました。さらに自然に親しむ親子の集い、初心者パソコン教室などの自主事業においては利用者の感想や意見を取り入れながら、意義あるものにする努力をしてきたところでございます。広報活動としましては、市町村、学校等へ案内をお送りするなど、多くの皆様にご利用いただけるように努力し、利用者の増大を図ってきたところでありますが、生活様式の変化等もありまして、宿泊利用者が減少しているのが実情でございます。また、社会教育施設としましては青少年の育成という観点から人間関係の希薄化、協調性の欠如、モラルの低下等現在でも関心の高いところでありますので、青年の家は今後も必要な施設であると考えております。しかしながら、近年社会状況が変化する中で利用者が減少してきたこと、建物が老朽化してきたこと、また行財政運営の観点から利用状況や将来的な経費負担等を踏まえて既存の事務事業を見直す必要が生じてきたことなどから青年の家4所体制を維持していくことは困難であると判断しまして6月教育委員会定例会におきまして松本および小諸青年の家につきましては平成18年3月末日をもって閉所することと決定されたところでございます。
       国、市町村立の類似施設の増加など選択肢の広がりや地域的なバランスを考慮し、県全体の運営状況の中で判断したものでございますが、建物については老朽化しているとはいえ体育館などまだ使える施設でありますので、地元市において地域コミニティー活動の場となるよう引き続き社会教育施設として利活用いただけるよう松本市、小諸市と協議をしているところでございますのでご理解をいただきたいと存じます。



 青年の家の対応につきましては、教育委員会としても利用率向上のために一定の努力はされてきたというご答弁がございましたけれども、しかし本当に今の青年たちのおかれている実情を配慮しての対応がされてきたのでしょうか。
 生き方を見つけられない若者。そして職場での人間関係のトラブルで自分が否定されたと感じ、人間としての誇りとか尊厳を守っていけないという青年も増えています。若者たちが未来に希望を託せない中、20代の青年の死亡原因のトップが自殺という結果が出ています。青少年に対してのあたたかい支援を今ほど必要としている時はないと私は思います。
 青年の家が現代の若者たちの人間としての成長を支援する拠点としての役割をもう一度再構築して見ることが必要ではないでしょうか。
 青年たちが参加の運営委員会を作って青年たちが利用しやすい運営で利用者を増やしていくことも一つの方法でしょう。
 これは、松本、小諸だけではなく、須坂や松川についても言えることであります。
 松本、小諸の施設の老朽化は現実の問題として避けては通れない課題でありますし、財政上の問題も全く無視しなさいといっているわけではありません。
 しかし、6千万円近く必要とされる取り壊し費用を耐震補強と改修にまわすこともできるはずです。
 利用者が減少したとはいえ、現在も地域では青少年の健全育成のための事業をはじめ、社会教育活動が行われています
 自然の中で子供たちの情操を育み、地域の伝統文化の継承を育成会など関係者の皆さんが青年の家を拠点に努力を積み上げている姿を私も目の当たりにしてきた一人であります。 
 廃止の受け皿として松川の青年の家を指定していますが、松本の子供たちに松川まで行きなさいと言うのはあまりにも酷では在りませんか。
 以上のことを踏まえ、来年度からの廃止は再考すべきと求めますが教育長の再答弁を求めます。

 次に高校改革プランについてご答弁いただきましたが、県議会の研究会の指摘につきましては、参考にさせていただくと、しかし、今年度中に実施計画は作ると、私はこれは矛盾していると思います。私どもが提案した中身というのは推進委員会の報告を出発点として、さらに地域住民、教育現場、そして当事者である生徒たちの意見を集約する機会・機関をつくれとここでしっかり十分に論議をして、この推進委員会の報告をさらに充実・拡大して本当に長野県らしい全国にモデルになるようなこうした改革にしていきなさいということを申し上げているわけでございます。ですから今年度をもって実施計画をつくるということは、これはもう誰が考えても無理と、ですからこれにはこだわらない1年かけてじっくりと対応していく、このことをさらに求めるわけですが、このことに対しても教育長の再答弁を求めます。

      【答弁 丸山教育長】
       お答えいたします。青年の家の存続についてでございます。議員のおっしゃるとおり青少年の今いろいろな意味で悩みなんかを抱えているわけでございますが、そういった受け皿といいますか、利用できる施設としての存続を求められることかと思います。私どもそれについても、部内で検討したわけでございますけれども、老朽化していること、建築年次が大変古いこと等ございまして、閉鎖をすることが一番いいことではないかという結論に達したわけでございます。先ほども申しましたように、小諸市あるいは松本市さんには体育館等まだまだ使えるものですから、そういったことも含めて社会教育の施設等含めてご利用を検討していただけないかということで今ご相談をしている最中でございます。是非ご理解をいただきたいと思います。
       また、高校改革プランでございます。議会の研究会本当にありがとうございます。高校改革についてお忙しい中ご検討いただいていたわけでございます。中間報告を昨日出されたということでございまして、本当にありがたく思っているわけでございます。私どもこれからスタートに立ってというお話もございますけれども推進委員会では本当に精力的に討議を進めていただておりまして、いよいよ12月でございますが、12月は3回も開催したらどうかという地区もございます。今後なお4・5回程度の開催が見込めますので、その間の議論の中で十分時間をかけていただき、さらに議論を深めていただくことによって当初の予定通りまとめていただけるものと考えている次第でございます。よろしくお願いいたします。

 私は、教育委員会の姿勢について非常に疑問を感じます。高校改革プランの推進についても、青年の家の対応についても、県民がここにはいない。当事者である生徒は入っておりません。非常に残念でございますが、教育委員長に伺います。県民の代表としてお出になっている教育委員、この教育委員が県民はこの改革もっと時間をかけて県民参加でやってほしいと要望をされている、ですからその代表として教育委員長、県民参加のモデル的な改革の先頭に立っていただけるご意志があるかどうかお伺いいたします。

      【答弁 宮澤教育委員会委員長】
       教育長が答弁いたしましたとおり、目下推進委員会で議論を十分にお願いしておる段階でございます。従いまして、推進委員会において県民の意見あるいは学校の意見、生徒の意見等々を勘案しまして結論が出てくるものと期待しております。私自身高校改革について先頭に立って推進していきたいという自負心は十分あります。以上です。

 質問の趣旨が委員長よくお分かりいただいていないと思います。推進委員会の報告は報告として私どもも受け止めているんです。その上に立って、県民の参加のもとでこの改革を推進してほしいと申し上げているわけですので、そこをもう1度、その立場にお立ちになるかどうかだけご答弁いただきます。

      【答弁 宮澤教育委員会委員長】
       私は推進委員会に一応お願いしておりますので、推進委員会の結論を十分聞いた上で判断したいと思っているわけでございます。それが私は推進委員会に対する礼儀ではないかと思います。その結果、どう判断するか、そのへんを見ていただきたいと思います。以上です。



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