3. 高校改革プラン、そして青年の家の閉所について
つぎに、高校改革プラン、そして青年の家の閉所について教育長にお伺いいたします。
高校改革の進め方について一点伺います。
昨日県議会高校改革プラン研究会としての中間報告を議長に提出いたしました。
各種教育団体、高校改革プラン推進委員会との懇談などを通しての、研究会としての現時点での到達点は県民の高校改革への本格的な議論は始まったばかりであり、高校改革プランはようやくスタート台に立った状況と考えるということであります。そしてこの状況を鑑み、県教委に五点にわたる取り組みを求めております。
一つ、推進委員会からの報告を議論の出発点と捉え、実施計画策定に向けては地域住民、教育関係者、中高生等の意見集約をする機関、機会を設ける。
二つ、全ての案件を同時に実施する再編整備の進め方を整理し、地域の合意形成の成熟度に応じた取り組みをする。
三つ、高校の統合や新設に対しての人的、財政的措置を明示する。
四つ、高校生や中学生に展望を丁寧に説明し、当事者である、中学生の意見を反映させる。
五つ、自立教育分野の地域化プランが進み始めているが、高校再編の中で養護学校の配置も含めて検討が必要である。
以上五点にわたり求めたものですが、この提案は県議会に寄せられた多くの県民の皆さんの意志を代表したものであります。
そこで県教委はこの研究会として整理した五項目の趣旨を真摯に受け止め、ただちに取り組みに活かすべきと求めますが、教育長明確にご答弁ください。
つぎに松本、小諸青年の家の閉所について伺います。
県教委は今年度(18年3月)をもって松本青年の家と小諸青年の家の閉所を打ち出しましたが、閉所にいたった理由として六月県議会の答弁で三点について述べています。
一つは利用者の減少、二つは施設、設備の老朽化、三つが県財政改革での事務事業の見直しということです。尚、松川と須坂を残す理由としては人間関係の希薄化、協調性の欠如、モラルの低下など青少年の健全育成上での関心が現在も高いので、学校以外の教育施設として今後も必要であり、引き続き存続していくと定例の教育委員会で述べています。
青年の家は県教委がその必要性を説いているように、勤労青少年育成のための教育研修施設として、又、青少年団体の体験学習、交流の場として活用をされてきた社会教育施設であります。
そのためにも地域的なバランスも視野に入れて県内四地域(松本、小諸、松川、須坂)に設置されてきたはずであります。
そこで松本、小諸についての廃止に至った検討の経過について改めて伺います。
利用者の減少の理由として企業研修の形態の変化や現代の若者気質に合わない部分が出てきたからなどを上げていますが、それであれば若者たちが使いやすい、利用しやすい形態にかえる努力をしてきたのか。まず1点。
2点目に松川、須坂では必要性を述べている社会教育施設が果たす役割の視点に立ち、地域的なバランスも含め松本・小諸についても深い検討が加えられたのか。当事の教育委員会委員として任に就かれておられた丸山教育長に委員会としての検討の経過も合わせてご説明をいただきます。
青年の家の対応につきましては、教育委員会としても利用率向上のために一定の努力はされてきたというご答弁がございましたけれども、しかし本当に今の青年たちのおかれている実情を配慮しての対応がされてきたのでしょうか。
生き方を見つけられない若者。そして職場での人間関係のトラブルで自分が否定されたと感じ、人間としての誇りとか尊厳を守っていけないという青年も増えています。若者たちが未来に希望を託せない中、20代の青年の死亡原因のトップが自殺という結果が出ています。青少年に対してのあたたかい支援を今ほど必要としている時はないと私は思います。
青年の家が現代の若者たちの人間としての成長を支援する拠点としての役割をもう一度再構築して見ることが必要ではないでしょうか。
青年たちが参加の運営委員会を作って青年たちが利用しやすい運営で利用者を増やしていくことも一つの方法でしょう。
これは、松本、小諸だけではなく、須坂や松川についても言えることであります。
松本、小諸の施設の老朽化は現実の問題として避けては通れない課題でありますし、財政上の問題も全く無視しなさいといっているわけではありません。
しかし、6千万円近く必要とされる取り壊し費用を耐震補強と改修にまわすこともできるはずです。
利用者が減少したとはいえ、現在も地域では青少年の健全育成のための事業をはじめ、社会教育活動が行われています
自然の中で子供たちの情操を育み、地域の伝統文化の継承を育成会など関係者の皆さんが青年の家を拠点に努力を積み上げている姿を私も目の当たりにしてきた一人であります。
廃止の受け皿として松川の青年の家を指定していますが、松本の子供たちに松川まで行きなさいと言うのはあまりにも酷では在りませんか。
以上のことを踏まえ、来年度からの廃止は再考すべきと求めますが教育長の再答弁を求めます。
次に高校改革プランについてご答弁いただきましたが、県議会の研究会の指摘につきましては、参考にさせていただくと、しかし、今年度中に実施計画は作ると、私はこれは矛盾していると思います。私どもが提案した中身というのは推進委員会の報告を出発点として、さらに地域住民、教育現場、そして当事者である生徒たちの意見を集約する機会・機関をつくれとここでしっかり十分に論議をして、この推進委員会の報告をさらに充実・拡大して本当に長野県らしい全国にモデルになるようなこうした改革にしていきなさいということを申し上げているわけでございます。ですから今年度をもって実施計画をつくるということは、これはもう誰が考えても無理と、ですからこれにはこだわらない1年かけてじっくりと対応していく、このことをさらに求めるわけですが、このことに対しても教育長の再答弁を求めます。
私は、教育委員会の姿勢について非常に疑問を感じます。高校改革プランの推進についても、青年の家の対応についても、県民がここにはいない。当事者である生徒は入っておりません。非常に残念でございますが、教育委員長に伺います。県民の代表としてお出になっている教育委員、この教育委員が県民はこの改革もっと時間をかけて県民参加でやってほしいと要望をされている、ですからその代表として教育委員長、県民参加のモデル的な改革の先頭に立っていただけるご意志があるかどうかお伺いいたします。
質問の趣旨が委員長よくお分かりいただいていないと思います。推進委員会の報告は報告として私どもも受け止めているんです。その上に立って、県民の参加のもとでこの改革を推進してほしいと申し上げているわけですので、そこをもう1度、その立場にお立ちになるかどうかだけご答弁いただきます。
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