5. 高校改革について
それでは、高校改革について伺います。
昨日は公立高校の後期選抜試験日でした。今日も立ち向かっている生徒さんもいますが、ぜひとも頑張っていただきたいと思います。
そこで、長野県の子どもたちにどういう教育が今求められているのか、本県の一人一人の子どもたちの学力の向上、特に私は様々な要因で、不登校などになってしまった子どもたちへの教育の保障をどうおこなうかについて伺いたいと思います。
5日に諏訪市で開催された高校生第二回高校改革プランについて考える全県高校生集会では知事の出席がなかったことを、集まった高校生たちからは非常に残念がられ、「高校生が何をいっても無駄なんだ」と県政に対する不信や失望の声も出されていました。この中で定時制高校に通う生徒からは、一通学区に一校の多部制単位制高校に集約されたのではとても通いきれないと言われました。これは距離的にもそうですが、高校生たちが行ったアンケートでも、「学年・年齢に関係なく仲良くできる学校は他にない。」「いろんな理由で学校を選んで入学したのに、なくなってしまったら困る」「せっかく通える高校をみつけたので、無くなるのは嫌だ」「もし統廃合したら学校を辞めなければならない」と言っています。これは昨日の今井議員が触れられた定時制高校の卒業者の答辞の文章に語られていると思います。
高校生の数が減少している中、定時制高校に通う人数は増えていることからも、もっと丁寧な論議なしに多部制、単位制への再編整備は問題です。
現在の体制の定時制高校が切り捨てられ、多部制単位制高校に集約化されていくということは、現在でも定時制への入学者の50〜60%が不登校経験をもつ生徒であり、「自分を取り戻そう」、「自分を発揮させる事ができるかもしれない」と、自分の可能性に賭けて、「立ち直ろう、再スタートをしよう」としているのを定時制高校がその受け皿になっているというのは教育委員会も認めているところですが、このままではこの子どもたちの気持ちも断ち切ってしまうことになると思います。今、定時制高校の志望倍率は上がっております。このような生徒たちがふるいにかけられていると思います。距離的にも通えず定時制高校からも見放されたときに、彼らを救うものは誰なのでしょうか。教育委員長、この答えを是非ともこの間の県民の意見を生かして3月末までにまとめるといわれている実施計画に盛り込んでいただきたいと思いますがいかがでしょうか。
多部制・単位制高校について私たちはすべて否定するものではありません。当面は定時制を10校程度残すということも言われておりますけれども、例えば第3通学区の箕輪工業高等学校の定時制に富士見から通った場合、家に帰るのは何時になるでしょうか。あるいは第4通学区の場合、南木曽から松本筑摩の夜間定時に行った場合その日のうちに家に帰ってくることはできるのでしょうか。お答えください。
諏訪実というのは大人の都合であります。本人が選んでそこにいけるのかどうか、やはりここは保障するというのが私は教育的な配慮ではないかと思うわけであります。
5日の高校生集会の終わりに、発言した生徒は「県教委はいろいろとメニューを出して魅力ある高校つくりをしようとしているが、魅力というのは学校の選択肢をひろげれば良いということではない、文化祭など友達みんなで仲間でやり遂げ、その達成感の上に自分たちが高校の3年間を振り返って胸を熱くすることができたときこそが自分の学校に感じる魅力だ」とこう言われました。こんなすばらしい感性で語れる高校生がいることに、私は長野県の教育の素晴らしさを感じているわけでありますけれども、今回、高校生たちが自ら立ち上がって、長野県の高校のあり方を県民的に考えようと二度にわたる集会を開き、これだけの取り組みができるのは、長野県の教育の成果ではないでしょうか。教育委員長のご見解をお伺いいたします。
集会でも高校生たちがいっていました。「ここ10年間は生徒数の減少は緩やかであり、この間にじっくりと検討してほしい。」「1年か2年間の調整期間は持てないのか」という意見でした。教育委員会は議会で応えるのと全く同じで「少子化を迎える中今やらなければ間に合わない」という、まったく判で押した答弁をくりかえされていました。当事者の高校生も納得できていないのにこれを推し進めるこのようなやり方には何の教育的観点も見ることができません。子どもたちに無力感、脱力感を残すとともに、県教委は信頼できない存在となります。今多くの子どもたちは県教委のこのようなやり方にこれが本当に長野県の教育を担う人たちかと非常に情けない思いでいることだと思います。昨日知事は中学1・2年生のほうが冷静だという趣旨のことを言われました。私は昨日今日と受験している子どもの父親でもあります。確かに一昨年の夏に高校改革のチラシが配布されていました。しかし当時は中学校というのは、受験改革、その嵐の中でありました。子どもたちはおろか、中学の先生・親も受験のことに頭がいっぱい、先生もこの高校改革のことについては説明すらもできない状態でした。現場の先生は始まったばかりの受験制度の対応に右往左往しているのが現状であったわけです。子どもたちも同様です。今日で3回目ということでやっと落ち着いてきているのが現況だと思います。それが今高校生の立場からみてもこんなになってしまうという驚きの声がやっと今出始めているわけであります。教育委員長やはり5日の日の高校生集会に集まった高校生のみなさんにこの議場を通して、教育委員長の説明を真摯に行っていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。。
長野県の子どもたちの教育を受ける権利を保障していくにはこうした定時制などの生徒さんへのきめ細かな対応が大切だと思います。先ほどの知事は国が後戻りをしないということを触れられましたが、私はこういった特に子どもたちをめぐる教育の問題について、きめ細かな対応を、小学校には30人学級を前進させてきた本県であります。ぜひとも高校に県民・住民の意見、そしてなによりも子どもさんたちの意見を聞いて生かしていただく、そういった対応を求めたいと思います。先日の高村議員の代表質問に教育委員長は学校関係者のご意見を聞きながら細部をつめてまいりたいとこうおっしゃっておられます。再度お尋ねいたします。再編時期を含め実施計画の内容を県民の意見を生かした柔軟なものにすべきと思いますが、いかがでしょうか。
同じことになってしまうわけですけれども、やはり5日の集会、あの中での高校生たちの思い、中学生はこういったことに声は出せないわけであります。そういう中でこの受験の変更の中をくぐってきた高校生たちがあれだけ切望している、そのことを是非とも教育委員長、心に受け止めていただきまして、高校再編のこれから実施計画策定という中で当人の高校生、子どもたちの意見、そして地域住民の意見を取り入れていく、そういった柔軟な態勢をとっていただくことを心よりお願いを申し上げまして私の一般質問を終わります。
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