2006年 2月議会
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2006年度の一般会計当初予算案と修正案に対する討論をいたします。 自民、公明政権の三位一体改革は引き続き地方自治体に厳しい財政運営を強いるものとなっており、長野県も交付税90億円、臨時財政対策債29億円など142億円が削減されています。又、義務教育費も国庫負担率が2分の1から3分の1へと引き下げられることが確定的になっています。 このような国による地方財源削減の中で編成された2006年度長野県の一般会計予算総額は8250億2147万円余で対前年比−3.3%、277億5000万円余減額の緊縮予算となっています。 日本共産党県議団は新年度予算については一部に県民に説明の出来ないものが含まれているものの、基本的には県民を応援する予算として評価するものです。 以下見解を述べます。 先ず新年度予算は福祉、教育、環境への重点投資を更に促進したことです。 90年代のピーク96年では4800億円の公共事業費に対し、社会保障費が1289億円と約4分の1に過ぎませんでしたが、新年度予算では1400億円の社会保障費が1340億円の公共事業費を始めて上回り、県民の願い実現への第一歩を踏み出しました。 民生費は96年度の歳出に占める割合が4.85%で全国第45位と全国平均6.6%を大きく下回っていましたが、新年度予算は9.8%と全国平均並に前進が図られました。 又、66億円増額された民生費のうち子育て対策費が約30億円組まれ、乳幼児医療費の就学前までの所得制限なしの無料化が実りました。 突然で市町村が迷惑と言う本会議での指摘もありましたが、現在入院、通院とも就学前まで所得制限なしで無料化の池田町は県からの補助額が約330万円増額となります。 松本市でも所得制限が撤廃され、就学前まで無料になるなど無料化の拡大を実施する市町村が次々と生まれています。 窓口無料化や300円の負担金の問題は解決されておりませんが、子育て支援にと努力している市町村を励まし、子育て世帯の負担軽減を図った前進は大きく評価できるものであります。 教育費は構成比24.1%で6年連続トップとなりました。 小学校での30人規模学級の実施に加え、中学校に進学した生徒の急な環境変化で不登校になる「中一ギャップ」の問題に対し、サポーター教員を県下20校に配置する支援、障害児が地域の児童と共に学べる養護学校分教室の開設、そして運営費に加え空き教室、借家などのクラブ室改修にも補助する児童クラブの充実が図られています。 公共事業費の改善も促進されました。公共投資が半分に圧縮されている中、2002年度との比較では事業費の伸び率が108.3%の森林整備費を始め、減額率を76.8%と低く抑えた道路維持費など、生活密着型になっていることは評価できます。 こうした大型事業から生活関連事業へと流れを変えた予算編成によって、借金残高は4年連続減少となりました。 特に普通債残高は6年連続の減少です。 06年度の当初予算では、新たな借金の発行額は744億円で、05年度より109億円も少ない発行額であり、借金を着実に減らしながら、出来るだけ借金をしない努力の結果、一日あたりの利子支払いも99年当時1億5千万でしたが、新年度は8700万円と半分近くにまで減少、年間では234億円減りました。将来の世代への負担を避ける努力が認められます。 さて、新規に打ち出した県民応援減税は国の増税政策の中、母子世帯の母親や障害者を雇用した中小企業や障害者用自動車などに5億円規模の県民応援減税を実施するものであり、基本的には歓迎するものです。 しかし、禁煙、温泉表示減税については不十分な実施条件を精査することが必要であり、賛同出来ません。 尚、3億円減税については介護や子育てなどわが県議団の小林県議も提案しました真に県民の暮らし応援のための減税実施を要望するものです。 また、党県議団が本会議を通して指摘しましたウイルス性肝炎の通院補助の打ち切りは全国的にも誇りうる長野県の難病対策を後退させるものであり、再考を求めるものですし、国際的にも高すぎると是正を求められている高等教育、工科短大の2年連続の授業料の引き上げは賛同できません。 今後とも弱者の負担軽減など切実な県民の願い実らせる努力を強く求めるものです。 次に、一般会計減額修正案に対する討論をいたします。 廃棄物の発生抑制等による良好な環境の確保事業費814万8千円の削減は継続審査とする廃棄物条例関連予算は認められないと言うものですが、廃棄物条例の制定は廃掃法などでは対応の不十分な悪質な自社処理への規制を始め法の狭間で苦しむ県民が早期制定を望んでいるものであり、党県議団はこの県民の願いに応え、早期制定に賛同する立場から予算削減には反対です。 その他、瀬良前教育長の教育アドバイザーの報酬の削減、信州楽食の一環としての各部局に渡る職員の福利厚生事業としての歯科検診事業費、県広報費の削減はその理由が説得力をもたず県民の理解を得られないものであり反対です。 尚、県費出費はなじまない構想日本の負担金の減額の修正には賛成です。 以上第1号平成18年度一般会計予算案、及びそれぞれの修正案に対する討論といたします。 |