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2006年 2月議会 小林議員の一般質問(3/9)

* 記事はすべて、共産党県議団事務局のテープおこしによるものです。

  1. 専門職・技術職の人事政策について
  2. 医療について
  3. 耐震政策について
  4. 治水対策について
  5. 県民応援減税について
  6. 県政運営について

1、専門職・技術職の人事政策について

 最初に人事政策について質問します。
 県職員の年齢構成を見ると、ここにグラフがありますが、20歳台から60歳台までのグラフであります。20歳から30歳の職員は342人、50歳から60歳までの職員は2,032人と職員構成のバランスは著しく偏っております。専門職や技術職などの後継者不足が数年後には生じます。今後の行政運営に大きな支障をきたす心配があります。経営戦略局長は先の田中議員の答弁で「島」意識を排し、職場で助け合い、後輩に職場を越えて指導することによって解決するとの答弁でしたがその程度で解決できると真面目に考えているのか。再度、経営戦略局長にお尋ねします。

      【答弁 松林経営戦略局長
       県職員の福祉職および技術職の職員数は全体で4,216名おりまして、20代が476名、これは全体の11.3%でございます。それから30代が1,296名、これは全体の30.7%でございます。それから40代が1,337名、これは31.7%でございます。50代以上が1,107名、これは26.3%となっているところでございます。中堅であります30代40代合わせますと2,633名、全体の62.5%を占めているところでございます。また、平成18年4月の職員採用数は136名を予定しておりまして、うち専門職、技術職は124名と採用予定者数全体の91.2%を占めているところです。これらの専門職、技術職は全員が20代30代であることから、議員ご指摘の後継者不足が生じることはないと考えているところでございます。
       また、職員の採用にあたりましては退職者の状況等を考慮した上で適正規模の採用を計画的に行なっているところでございます。なお、議員ご指摘の技能、技術の伝承に関しまして私は先日、田中清一議員のご質問にお答えしたところでございまして、この技能、技術の伝承にあたっては日々の業務の中で「島」意識を変え、まさにチームワークを組んでやっていくということが大切であると、このように申し上げたところでございます。そして、異動の際におきましても、引継ぎ事務が終わったからその業務は自分とは関係なくなったという意識ではなくて、まさに自分の後任者を気遣ったり、また前任者や周囲にも遠慮なく聞くことなどして自らが手がけた仕事を常に愛着を持つことが大切であるとこのように申し上げたところでございます。

 それでは、社会部長にお尋ねします。
 昨年高村議員の質問に答えて専門職の人事政策についてその後、どのように改善されたのか質問します。
 ここに福祉職の上級・中級の年齢分布のグラフを作って見ました。今後5〜6年で第一線で活躍している人が退職をします。こうなれば、一体どうなるのか、このことについてお尋ねをしたいわけでありますが、児童相談所や福祉事務所の職員など長年の経験と高度な知識が求められる職場は深刻、本年度若干、新規採用があったとしても、これを解消することはできません。これらの職場は経験と専門的知識が欠くことのできない職場です。私たちは新潟に視察行ってまいりました。福祉職員も専門職として採用し、さらには高度な専門の職員へと成長させるために努力が行なわれ、専門研修などもおこなわれておりました。
 長野県でも福祉職を専門職として採用すべきと思いますがどのように考えておられるかお尋ねします。何よりも計画的な人材の採用と、専門研修を制度化することが必要と思いますが社会部長の見解をお尋ねします。


      【答弁 田中社会部長
       今議員ご指摘の思いは私もまったく同じです。ですから今後とも計画的な人材確保と、専門研修の制度化ということにつきましては積極的にすすめていきたいと考えております。福祉の専門職は今ご指摘のとおり、児童相談所、福祉事務所、障害者福祉施設等に配置されておりまして、現在266名おられます。このうち5年間で約70名という方が、職員が定年退職する予定です。それ以降、西駒郷の地域移行に伴って派遣しております職員の縮小、あるいは市町村合併による福祉事務所の業務量の減少というものが一方で見込まれております。こういったことを考えまして、県としましては、まず児童虐待などの新たなニーズに対応するため平成18年度は福祉の専門職として11名の新規採用者を予定しております。また平成19年度以降につきましても、市町村の福祉分野における役割の拡大等も考慮しつつ、必要な福祉職員の計画的な確保に努めてまいります。
       またご指摘のありました研修につきましては、何よりも現地職員の声を踏まえたより実践的なものが必要と考え、昨年から県職員を中心としたワーキンググループで検討してきております。結果これまで実施してきた福祉分野別の研修内容を抜本的に見直しまして、新たな福祉職員向けの新任あるいは現任研修の実施、また相談援助のためのロールプレーイングなど現場に即した実践的な研修の導入ということを18年度以降検討しております。こういった現場の職員を活用したワーキンググループ、現場の声を反映させる仕組みというものを社会部の中で体制をきちんと整えていきたいと考えております。以上です。


 現場にいる部長と経戦局長の認識の違いが余りにも大きいなということを感じて、しかし現場では本当に真剣に今後の人材をどう育成していくのか、大変苦しんでおられるわけであります。そういう点でも研修制度をきちっと確立をして、さらに福祉専門職も専門職として採用をして充実していくことが求められておると思いますので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。



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2.医療について

 次に、医療制度の改悪が県民や県立病院に及ぼす影響についてお尋ねします。
 4月1日から診療報酬の大幅改正が行われます。とりわけ療養病棟の改定は多くの医療機関が想像もしていない大幅削減となります。入院基本料が740点台になることもありえます。この改定で療養型病床を有する阿南病院(45床)木曾病院(47床)の影響はどのようになるのか、入院基本料が740台点程度の収入で民間病院は到底再生産が不可能であり、患者の選択か、差額料金の大幅引き上げにつながりかねないと心配です。県下の医療機関にどのような影響があるのかお尋ねします。
 また、県立病院ではどのような影響が生まれるのか。病院経営の立場からどのように対処されるのか衛生部長にお尋ねします。
 更に、脳血管疾患リハビリテーションは発症後180日、運動器・心大血管疾患リハビリテーションは150日、呼吸器リハビリテーションは90日と発症から期日を切られた、言ってみれば完治しないのに患者を切り捨てる仕組みで、本当に必要な医療の提供が出来るのか疑問に思います。さらに混合診療や自由診療の導入も検討課題としておりますが衛生部長はどのように考えるのか、どのように対処しようとしておられるのか所見をお尋ねします。


      【答弁 高山衛生部長】
       3点のお尋ねです。
       まず、診療報酬に関するご質問ですが、今回マイナス3.16%の引き下げとなりました今回の診療報酬改定は、小児医療など一部で報酬増はあるものの、全体として大幅に報酬が削減されている部分がございます。特に議員ご指摘のとおり、療養病床ですとか、リハビリテーション医療での報酬は削減されています。県立病院では阿南病院、木曽病院に大きな影響があります。それぞれ下伊那南部地域、木曽地域にある唯一の病院ですので、地域の住民の安心・安全のため全力で病院運営・経営には努めてまいりたいと考えております。実際の影響ですが、まず療養病棟の報酬引き下げによる影響といたしまして、阿南病院では療養病床45床のうち15床が医療保険対象です。療養病棟の入院基本料の引き下げにより年間921万円の減収を推計しています。また木曽病院では療養病床48床のうち24床が医療保険の対象でこちらは年間2,916万円の減収を推計しています。他の県立病院への影響ですが、診療報酬改定全体の病院への影響を試算しますと、阿南病院では2,475万円、木曽病院では9,982万円の収入減が見込まれます。また須坂病院では1億1,101万円、駒ヶ根病院で2,575万円の収入減が見込まれます。子ども病院は小児医療で診療報酬が加算されるため、詳しい条件は不明ですので流動的ですがおそらく4,339万円ほど収入は減るだろうと見込んでおります。以上から県立の5病院全体では3億472万円、試算でありますが減収を推計しています。また他の医療機関への影響を県で試算いたしましたが、診療報酬の改定が例えば県内21の市町村立の自治体病院の収支に及ぼす影響を推計いたしますと、平均しておよそ1.21%の収入が減少するといった結果になります。この影響額の合計は約8億円と見込んでおります。各病院への影響は診療科ごとの患者数や診療内容により異なりますので、これは一概には申せません。ただ療養病床の多い病院や、リハビリテーション病院では病院経営への影響は大きいものと予想しております。

       2点目ですが、リハビリテーションに関わる日数上限のご質問です。リハビリテーションに関わる診療報酬は今回の改定で脳血管疾患、運動器、呼吸器、心大血管疾患という疾患別のリハビリテーション料が設けられました。新たに疾患ごとに診療報酬が請求できる日限の日数の上限も設けられておりまして、脳血管疾患では180日、運動器疾患では150日、呼吸器で90日、心大血管疾患で150日となっております。厚生労働省は長期にわたり効果があきらかではないリハビリテーションが行なわれているとの指摘を踏まえて上限を設けたとしています。厚生労働省は平成14年9月時点で調査した患者調査の脳血管疾患の患者の平均在院日数を見ますと脳動脈硬化症で262.6日、脳内出血は124日、脳梗塞は109.3日という在院日数となっております。常に病状に見合った診療を行なうべきという医学的見地を基に、医師としての立場から申しますと、診療報酬についてこのような総枠の設定といったことには少々疑問を持っておりまして、今後県としてどのような対策が講じられるかを考えてまいりたいと思っております。

       3点目ですが、医療制度改革、混合自由診療の導入に関わるご質問です。現在国会で審議中の健康保険法改正案では現行の特定療養費制度を平成18年10月から保険外併用療養費に変更し、いわゆる混合診療の対象範囲を拡大しようとしています。保険外併用療養費では新たに必ずしも高度でない先進技術という項目を追加し、範囲を拡大しようとしています。いわゆる混合診療の範囲が拡大することにより、例えばがん治療薬を承認前でも使用できるようになるなどメリットがあると言われる一方で、患者さんの経済力により先進的な医療が受けられなくなったり、先進技術や承認薬の保険適用が遅くなったりするなど、患者さんの負担が増大するのみに留まらない様々な問題があるとも指摘されています。医療制度改革に対する見解につきましては、3月2日の高村京子議員のご質問にお答えしましたとおりですが、医療制度改革大綱の基本的な考え方として、大綱の中で生活習慣病の予防は国民の健康確保の上で重要あり、治療に要する医療費の減少にも資することとなる、そのために健診と保健指導を義務的に行なうといった趣旨の記載がされています。ただ、この方法で医療費の抑制ができたというエビデンスは私の知る限りではございません。また、結果として抑制されなかった場合の懸念に関しても検討がございません。といったことがございまして、結果として医療費が抑制されなかった場合、これが健診にも投資が行なわれることでありますので、本来、医療に使われるべき原資への影響とあわせて、医療そのものの中身にマイナスの影響を与えることはないように願うものです。以上です。

 先ほども申し上げましたように、今度の医療改定で私一番心配しているのが、療養型病床の大幅な診療報酬の切り下げによって、県立病院でも先ほど答弁がありましたように大変大きな経営的収入の減が生まれるわけでありますが、これは県の税金を投入しても対応することができるわけであります。しかし、民間医療機関においては、再生産が不可能な患者の受入が拒否をされるのではないかと、大変心配するわけです。患者の選別をして、入院をさせる、さらに差額料金をどんどん値上げをしていく、例えば公立病院の伊那中央病院でも一人の個室の一番高いところ1日1万5千円です。最低でも5千円です。こういう部分がどんどん引き上げられていったら、まさにお金によって医療が受けられるか、受けられないかという深刻な事態がおきかねない。そういう点でこれらの具体的な事例に対して、県としてどのように対処されていこうとしているか。この点についてもう一度お尋ねいたします。


      【答弁 高山衛生部長】
       療養病床に関する懸念、特に民間病院ではということですけれども、ただいま県病院の試算といたしまして療養病棟の報酬引き下げによる影響に関してお答えいたしましたが、例えば大阪にある、ある民間リハビリテーション病院での試算結果というものが業界紙でも報じられておりますが、そこでは約40%程度の収入源になるというようなシュミュレーションが載っておりました。もちろん各病院への影響に関しましては、患者数ですとか、診療内容により異なりますので、一概には申せませんが、今回、療養病床の多い病院には影響が大きいだろうということは認識しております。県といたしましては、そういった各病院の実態の把握に努めまして、適切な指導を行なってまいりたいと考えております。以上です。



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3. 耐震対策について

 それでは、続いて耐震対策についてお尋ねします。
 辰野町宮木区南湯舟の企業局の造成した住宅団地の真下に西天竜土地改良区の管理する、また下流には県営発電所を有する導水管が敷設されております。しかしこの導水管は敷設以来80年を経過して老朽化が進み、もしも地震が来たらどうなるのか地域の住民の皆さんはその耐震性に大きな疑問を抱きながら不安の日々を送っています。ここにその導水管内部の写真をパネルにしてまいりました。(パネルをしめす)内部は鉄筋が露出し赤くさび付き危険極まりない状態と思われます。もしも崩落したら毎秒5.65トンの水が噴出し、県の企業局が造成した団地はもとよりその上段にある県営湯舟団地、下段には保育所をはじめ数百世帯の住宅が密集しており計り知れない被害が発生することは間違いありません。住宅地の前後はすでに耐震補強工事が「県営ため池等整備事業」で行われましたが、最も住民が要望している住宅地の真下の420メートルが未改修です。おそらく農政部では現地調査を行っていると思いますが、耐震性をどのように評価されているのか。また土地改良区から耐震補強工事の要望があれば事業認定をすべきではないか農政部長にお尋ねします。

      【答弁 田山農政部長】
       ご質問の西天竜の導水管は、天竜川から岡谷市川岸で取水しまして、辰野町を経由し、伊那市まで総延長約26キロメートルを導水し、水田1,108ヘクタールへ毎秒5.56トンの農業水を灌漑する基幹的な用水路であります。昭和3年に水路が完成して以来、老朽化が進行しているため、背の高い個所から逐次改修を行なってきているところでございます。最近では、ご質問の箇所のすぐ上流にある宮所サイフォン707メートルを事業費19億5千万円余で改修し、本年度完成をしたところでございます。お尋ねの箇所は、南湯舟の住宅地の地下11メートルから20メートルにありまして、昭和32年に改修された412メートルの区間でございます。すでに50年を経過し、老朽化が進行しているため、水路を管理する土地改良区では通水停止間にトンネルに入って毎年状況を確認をしているところでございます。水路トンネルの耐震性につきましては平成7年の兵庫県南部地震の後、耐震設計の考え方が変更されておりますので、今後改修を行なう際には当該の水路トンネルにつきましてもこれを設計改修に反映することになります。関係市町村等と協議の上、耐震性を含めまして、事業の必要性、緊急性等と検討してまいりたいと考えております。以上でございます。


 大変、地域に住んでいる皆さんは、毎日毎日マグマの上に寝ているような思いだと、深刻であります。ぜひ1日も早く対応をすることを要望して次の質問に入ります。



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4. 治水対策について

 次に、千曲川及び浅川改修について、県内の一部マスコミの報道では、ダム中止の浅川が、県が改修済みとしている富竹地区など中流域2.8kmで「100年に一度の大雨」「堤防が10箇所で決壊など」と大見出しで報道されましたが、高村議員が代表質問でも指摘しましたが、この件について県はどのような見解を持っているのか青山出納長にお尋ねします。


      【答弁 青山出納長】
       浅川の浸水想定図の話だと思いますが、先般新聞に報道されました。端的に申し上げまして、私の見解は「(報道は)誤解されるのじゃないかと思っています。」と申しますのは、いかにも100年に1回の洪水が出れば、10箇所の堤防なり、越水がいっぺんに着色された部分が浸水するような感じで受け取られる可能性があると思います。そうじゃなくて、もう少し具体的に説明しますと、まず第1に、将来予測する場合につきましては、必ず条件設定というのがあるわけです。条件設定というのをちゃんと説明をしていかないと、私は誤解されると思っています。
       まず、その条件設定ですが、10箇所の堤防の破壊の箇所につきましては、これは人為的に作った箇所です。従って100年に1回の水が出て自然にそこが破堤するということではなくて、人為的に10箇所をまず設定しているわけです。もちろん設定する場合につきましては、一定の条件の下に設定しています。これが第1です。
       2番目は、一箇所のところから破堤した場合は、そのときの水がどの範囲まで広がって、どのくらいの浸水が出るかということでございまして、全部10箇所がいっぺんに破堤するわけではないんです。これは常識的に考えても、仮に上部で破堤すれば下部の方は水圧が下がりますから、破堤しませんよね。10箇所同時にボンなんてなるわけないわけです。しかし、これはいざ例えば洪水出た場合について地域住民の避難等のためのデータとして活用してくというのが基本でございます。そのためのデータですから、例えば仮にこの箇所でいえばどの位のところまで避難をさせなくてはいけないという想定されるわけです。そのためのデータなわけです。その点いかにも100年に1回の水がご覧のとおりダーンとこうなってしまって、こうなりますよというような形での表現というのは避けないと、住民に対して、想定外の恐怖感を与えるのではないかと私は思います。以上です。


 いたずらに不安を助長するということはよくわかりますが、しかし、これは県が作った資料だというふうに聞いておりますが、県が作った資料で、浅川だけをそういう想定をしたのか、全県の河川についてどのように想定されているのか、その点についてお尋ねいたします。


      【答弁 青山出納長】
       この浸水想定図は今お話がありましたように、決して浅川だけを取り上げたものではございません。県内の河川、もうすでに60箇所、想定図ということでデータは揃っております。従いまして、そのデータに基づいてこれから水防協議会等にかけまして、そしていざ洪水が出た場合につきましてソフト対策として緊急的に早く避難してもらうという、そういう形で活用するということでございますから、これは全県的な洪水が想定される河川全部を対象にしていくという考え方で進んでおります。以上です。


 それでは、その浅川の先ほどの10箇所という、どこか1箇所、どこが破堤するかわからないけれども、いずれにしろ、そういう雨が降ればどこかで破堤するだろうと、そういうのが10箇所ぐらい危険性があるということだと思うが、県下で試算すると、そういう箇所はどのくらいになるのかお尋ねいたします。


      【答弁 青山出納長】
       いま浅川は10箇所ということですが、申し訳ありませんけれども、それ以外の河川についても河川ごと破堤箇所については私集計した報告受けていませんので、長野市の河川は箇所数はわかりませんけど、長野市の河川では4河川か5河川ぐらいはその想定図ということで対象になっていると思います。箇所数については申し訳ありません。


 それでは、土木部長

      【答弁 原土木部長】
       お答えいたします。これは7河川を同時に浸水区域の策定をしてございまして、それぞれの河川によりまして形状が異なりますのと、それから将来計画、浅川の場合には100分の1でございますけれども、50分の1の河川とかいろいろございます。そういう中で将来の計画に併せて今回この平成17年の3月時点でどれだけ整備が進んでいるか、その整備状況を基にして破堤を決めております。ですので、整備をされ、一つの例えば浅川の場合で言いますと、下流側ですでに整備されております。上流側はまだ未整備でございます。そういう中で上流側は、例えば破堤する場所を選びますのは、上流は掘り込み河道でござまして、掘り込み河道は天端のところまで水が乗っても溢水しない、それから築堤の場合にはハイウォーターまでいくと破堤をするという、そういう実際にはありえないような形、本来ですとそこまで行きますと、水防活動があったりしますので、そういうことは実際にはありえないんですけれど、そういう前提でやっておりますので、それぞれの河川で整備状況、それから河道の形状、こういう形が異なってまいりますので、一概には言えませんけど、できるだけ大きな屈曲部とか、それから橋梁のあるところとか、そういう河状を見て破堤をさせたという仮定をしてやっております。以上でございます。


 私はこの間、浅川問題が本当になぜこんなに集中するのか、いうことを大変危惧しているところでありますが、ここに同じ地域の100年に1回の洪水マップが作られております。(パネルを示して)上は長野市が作って全戸に配布した洪水マップであります。下は今言われた県が作った浅川の洪水マップであります。これはまったく同じ場所です。
 千曲川の洪水マップを見ると5メートルから8メートル水がつくという想定であります。県が作ったのは2メートルです。浅川を改修しても、千曲川が溢れれば、5メートルも8メートルも同じ場所で水がつくんです。浅川の改修だけで解決するとは絶対ありえない。同じ雨です。100年に1回の。こういうものを両方で併せて初めて治水対策ができるのではないか、例えば、県の浅川の決壊で1メートルくらいしか水がつかないというマップを信用して、そこにもし我慢をして1メートルだと、千曲から出た水がくれば、5メートルも8メートルもついてしまう、これ命に関わる問題です。こういうことをきっと私は、全体像を明らかにしなければ、不安を解消するとか、浅川に議論が終始してしまう結果になるのではないかと思いますが、知事の所見をお尋ねします。

      【答弁 田中知事】
       ご指摘のことは、大事なことだろうと思います。前から申し上げたように河川整備計画ができていない川というのは大変国管理の中にいっぱいあるわけでございます。今お示しのもの、例えば、長沼地域で国土交通省千曲川河川事務所で策定した浸水想定区域図を基にハザードマップが長野市が設けているのですけど、長野市が策定した千曲川の洪水ハザードマップというものは国土交通省千曲川河川事務所で作成した浸水想定区域図を基に策定してますけども、これでいきますと長沼地域での最高想定浸水水位が5メートル以上でございます。ご指摘のように。県が策定をした浅川の浸水想定区域図はこの地域の最高想定浸水水位は2メートルということです。ですからつまり2つ重ね合わせた場合には千曲川による浸水想定水位の方が非常にはるかに大きいということです。三才のあたりから下流での浅川の浸水区域は面積的にも千曲川の浸水区域に完全に含まれておりますので千曲川による氾濫の方が、仮に起きた場合には影響が大きいということです。ただこれはいたずらに科学の数字のように見えますけれども、いたずらに危機を煽るというようなものではなくて、繰り返しお話をしておりますように、一昨年の台風23号のときでも、これは富竹の地点では将来260というふうに言っていた流量が実際に44トンだったと、今回の私どもの計画で200トンをカバーするということですから、実際に一昨年100年確率にイコールの雨でも、その6分の1の流量であって、私どもが今回策定している計画に対しても約5分の1の流量だったということです。ですから実際に浅川の治水対策説明会においても私ども天井川やあるいは河川改修をかなり行なっています。けれども千曲川の方に関しては、国管理の部分を含めて果たして洪水氾濫はどうなのかと、むしろその方が深刻じゃないかというご意見は非常に多く出ていると報告を受けております。ですから、これはいまお話になったように、まさに千曲川についても早期の河川整備の基本方針あるいは河川整備計画というものを長野市民の安全ということを考えれば策定していかなければならないわけでございまして、逆にここの部分は長野市とともに、あるいは国に対して求めて行くという事が必要であろうと思います。川が一つの単体で成り立っているわけじゃありませんで、すべてネットワークでありますから、そして、先ほど原が説明しましたのも、長野市内に関してもそうした複数箇所の河川おそらくこれ同様に多くの破堤があるという数値になっているかと思います。ただそれはいたずらに危機を煽るということではなくて、私どもはやはり治水というのは、これは太古の昔から長い歴史がありますから、1日にしてならず、着実に今までも行なってきているわけですし、そしてそれをこれからの20年間というものをこういうふうに行うということを明確に示して、それが河川整備計画として明確に確定していく中で、さらに進めるということが肝要だと思います。そのときに無論、この千曲川の問題というものも浅川の河川整備計画が決まる際に、同様に国の側からも示されていくことが極めて望ましいと思いますし、そのことを長野市も一緒にご協力いただいて求めていくということが必要かと思っております。


 それだけ長野市民にとって大変なことでありますから、長野市長と知事と一緒になって考える時期にきているのではないかと、是非、浅川だけに集中せずに、長野市民の命や財産を守るという点で長野市長と胸襟を開いてひとつ知事もしっかり対応していただきたいということを要望しておきます。



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5. 県民応援減税について

 次に減税について、3億円の減税の具体的提案を知事から呼びかけられましたので、おそらく県民から大歓迎されること間違いない減税案を提案をしていきたいと思います。
 昨年の推計では県下の特別養護老人ホームの入所待機者は7千人、その内在宅で待機している人は3,300人あまりとなります。在宅で待機している皆さんは本来介護保険料を納め利用できる権利を有する皆さんです。しかし施設の不足で待機を余儀なくされておる皆さんと同時に、高額の利用料の負担が出来ず入所できない皆さんが増加しております。在宅待機者の深刻な生活実態に何らかの支援は当然あるべきです。在宅待機の皆さんが施設利用したらに介護保険から1人30万円もの経費が出費されるわけであります。介護保険の財政的負担は大幅に跳ね上げます。こうした中で、また保険料の引き上げを招きかねません。これは政府の介護保険導入時の説明では安心して老後の生活を保障する。お年寄りのサービスの選択を保証するとした説明から見れば国家的サギに等しいものであります。しかし批判していればいいというものでもありませんので、ぜひ在宅待機者減税を有効にしていただけるようお願いをし、社会部長の所見を御伺いします。


      【答弁 田中社会部長】 
       在宅で重度な要介護高齢者を抱える家族介護者の負担軽減というのは、大変重要な課題であると考えておりますし、私どもとしましても積極的に支援、応援していきたいと考えております。しかし、ご提案の減税につきましては、過日高村議員の代表質問でお答えいたしましたとおり、介護サービスを利用している方と、利用していない方との整合性、あるいは医療保険における在宅療養者、在宅障害者等との均衡の問題もあり、現時点では難しいものと考えております。ただ県としましては、この家族介護者の負担軽減を図るためにも、住み慣れた自宅・地域での生活が維持できるよう24時間の安心が得られる、まさに地域が施設の機能を担えるような施策の展開が必要であると考えまして、平成18年度におきましても、新規事業として心友・傾聴ボランティア事業等提案しているところでございます。引き続き地域の支えあいなどによりまして在宅介護の負担を軽減させる施策を立案・実行していきたいと考えておりますので、議員からも引続きさらなるご提案をいただければ幸いと思っております。よろしくお願いします。


 私の提案をあまり理解されていないと思います。介護保険料を納めながら、待機者なんですよ、入所待機者です。認定されて使えるのに使えない人です。その上、介護保険には大変貢献されている方です。利用しないわけですから、ですから二重になるのではなくて、二重に負担を強いられている皆さんを救済するための処置として提案をしているわけです。そこでもう1回、ご答弁いただきたい。


      【答弁 田中社会部長】 
       ただいまの施設に待機されている方の問題につきましては、これは大変課題があると思っています。ただそれの改善策の一つとして減税をもってしてその対応策に資するということは大変今の時点では難しいと考えております。やはり私どもといたしましては、この問題を含めて地域で暮らしていけるような施策を展開していくと、真正面な方向で施策を展開していくと考えております。以上です。


そういう状況じゃないから言っているのであって、知事の所見をお伺いします。

      【答弁 田中知事】
       ご指摘の点でございます。今具体的にお話になったようなケースというのはまさにそのはざ間にあるわけでございまして、私はこの点に関しては、減税という形かどうかは別として、やはりそういう方に対して具体的な支援が欠けているところがあるのではないかと思いますから、このことを早急に何らかの実行ができるようにいたしたいと思っております。

是非そういう支援の手を差し延べていただくことを心から期待をしております。



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6.県政運営について

 最後に知事の行政運営についてお尋ねをいたします。
 この間、土木部みなさんは「脱ダム」以来、大変忍耐と努力と本当に長い時間をかけて様々な苦労をされて、ダムに替わる代替案を作成をしております。これには住民参加で住民のみなさんの参加や様々な意見を十分に聞くと、多くの議員から聞き過ぎると大変お叱りまでいただいてがんばって住民の意見を聞こうというのが一貫してやられてきたわけであります。こういう手法を是非教育委員会にも、そうした手法を取り入れて住民の意見をしっかり聞けと言えば、これは一気に片付くのではないかと思いますが、知事の所見を御伺いします。

      【答弁 田中知事】 
       土木部もいたずらに時間をかけているわけではなく、この間に天井川を改修し、浚渫を行い、河川整備をしてきているわけです。これが理解をいただいていることなわけでございまして、決して「脱ダム宣言」が大変に遅れているわけではございません。もし浅川の流域の方が9割の方が是非ともダム造ってくれとおっしゃるのであればこれはまた世論の違いかもしれませんけど、そういうことはないと思っております。ですから決して時間をかけることが良いということではなかろうと思っています。あるいは福祉に関しても私ども、もうすぐできるとこからどんどんやっていくという形が今回のご評価にもなっているわけです。これ私、高校に関しても、ある意味では、今日も昼間話したんですけど、例えば組織に関しても3年間私ども努力してきたことがご審議いただけないと担当者は宣告がどっちなのかよくわからなくて合格発表の前の不安のような状態なんです。お子様たちはやはり、まさに生まれたときから少子社会・高齢社会の中でバブルなどということも味わったこともなく、生きてきていますから、そういうお子さんたちからすれば今のままで高校の数が維持できるはずがなかろうというのはこれはむしろ、しがらみのある大人よりも、むしろお子さん達の方が非常に冷静に的確に受け止めていらっしゃるのではないかと思うんです。それと今の中学生の方々、あるいは在校の方々も含めてやはりこの問題に関して大人がということじゃなくて、早くきちんと方針を示してほしいと、基本的な形を決定した上で、その中でそれぞれの学ぶ子ども達、これから学ぶ子どもたちにとって滞りがないようにきめ細かい対応をして欲しいというのが、私はお子さんたちの気持ちではないかと思うんです。大人たちがただ単に時間をかけて議論をするということは、それこそこれから今中学3年、2年、1年の子どもたちが非常に不安な気持ちに私はなられるのではなかろうかと思っています。すでに平成15年から3年間をかけて行なってきているわけです。むしろ私は子どもの方が繰り返しますが、大人よりも今の現実、あるいはこれからというものを非常に冷静に受け止めているのではないかと思います。第4推進委員会からの報告の中に、まさにきちんと滞りなく行なうべきことを行なっていくということはこれは拙速とかそういうようなものではないということも記されているわけでございまして、私はこれ以上は教育委員長が明確にお考えをお持ちになって今までも答弁されてきておりますから、そうした中で具体的によりお子さんのためになるためにこの計画を進めていく中で、お子さんのためにより心配慮すべきところをきちんとこれからもお考えいただき対応していただけるものと思っております。


 県民の声を十分聞いて生かすのが私は民主主義の原点ではないかと、この間の教育委員長、教育長の答弁を聞くにつけ、気の毒で耳を塞ぎたくなる思いで聴いておりました。松田教育委員長さんの私も地元であります。講和を聴くと大変素晴らしい感動する講和を沢山聴かせていただいているわけであります。こういう人が汗をかいて答弁をしなければならない、いうのは大変残念に思っているわけです。知事の一言のアドバイスで、私は大変有意義な答弁ができるようになると思わずにいられません。そういう点では高校教育のこの改革、今日も箕輪町の町長さんも教育長に箕輪高校の今後の改革の方向を語りに来ました。県教委の方向を受け入れて素晴らしい学校にしたいからもう少し、賛同だからもう少し時間をかけて具体的な案をつくりたい、ですから拙速にやらないでほしい。賛同しているところからも拙速にやらないで欲しいという声であります。この声を是非生かして、これからの行政に生かす、このことを心からお願いをして質問を終わります。



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