2006年6月県議会

6月27日 藤沢のり子議員

一般質問
  1. 精神障害者支援について
  2. 難病患者への支援について
  3. 駐車許可証の発行について
1.精神障害者支援について

 精神障害者支援について質問をいたします。精神障害者への福祉医療給付事業対象範囲の拡大について伺います。
 福祉医療あり方検討委員会の提言に基づき福祉医療制度のあり方が見直され、2003年度から新規に精神障害者が福祉医療の対象に加えられました。
 しかし、福祉医療対象範囲が身体障害者は身体障害者手帳1級から3級まで、知的障害者は療育手帳A1、A2、B1までとなっていますが、精神障害者は精神障害者保健福祉手帳1級でしかも通院のみとなっています。
 厚生省発行の精神保健福祉法詳解の中で示されている等級の程度の比較でみても福祉医療の対象とされる身体・知的障害の等級と精神障害者保健福祉手帳2級は同等のレベルと考えられています。この問題については、先の2月県議会で永井県議も質問されておられますが、答弁は市町村とともに見直し方法も含め協議していきたいと述べるに留まっていますので、改めて私からの質問をさせていただきます。
 精神障害者に対する福祉医療の対象は、精神障害者保健福祉手帳2級まで拡大し、合わせて入院も含めるべきと思いますが衛生部長にご答弁いただきます。
 次に所得制限の改善について伺います。
 身体障害者手帳の1級、2級、知的障害者療育手帳A1、A2、B1所持者は所得制限が特別障害者手当て準拠(年間620万円程度)にあたります。精神障害者は市町村民税非課税世帯(年間100万円程度)のみとなっており、所得の面からも他の障害に比べ対象範囲がごくわずかに限られています。
 精神障害者についても所得制限を「特別障害者手当て準拠」とすべきであると思いますが同じく衛生部長、答弁をお願いいたします。
 
 次に精神障害者憩いの家事業の存続について伺います。
 作業所やデイケアにも通えない在宅での精神障害者の日中の居場所や相談、交流場所としての憩いの家事業は、国の法律の谷間を埋めてきた県独自の優れた施策であります。
 しかし、憩いの家事業は自立支援法には該当しない施策であるため、利用者、家族をはじめ設置者からも不安の声があがり、事業の継続が望まれております。
 この願いに応えて頂く今後の対応を求めるものですが社会部長お答えをいただきます。


高山一郎衛生部長
 精神障害者の福祉医療に関するお尋ねです。まず精神障害者に対する福祉医療の対象を精神保健福祉手帳2級まで拡大し、併せて入院も対象にするように。また、所得制限に関して特別障害者手当準拠とすべきとというご指摘の2点について併せてお答えいたします。まず、ご指摘のとおり長野県の精神障害者に対する福祉医療制度ですが、精神保健福祉手帳1級を対象としています。また市長村民税非課税世帯という所得制限を設けており、通院医療のみを対象としています。
 この精神障害者に対する医療費の助成額ですけれども、平成17年度の実績額は581万円、平成18年度予算額は障害者自立支援法の影響を考慮して、950万円を計上しているところです。
 身体障害者、知的障害者などに比べまして精神障害者への支援について格差があることにつきましては、関係団体からも改善の要望をいただいており、これは課題として認識をしているところです。この制度の見直しにつきましては市町村の状況、いわゆる意向を把握するための調査を行い、また、調査実施の上で内容の分析などを行う必要があります。また障害者自立支援法施行による福祉医療への影響なども考慮したうえで市長会、町村会また県の3者で見直しの方法等も含めて協議しすすめてまいりたいと考えております。ご指摘の精神保健福祉手帳2級までの拡大、あるいは所得制限につきましても、この協議の中で議論していただく予定でおります。

田中透社会部長
 お答えいたします。憩いの家事業は精神障害者やひきこみの方の社会参加を促進するため、平成14年度に国にさきがけて導入した県の単独事業でございまして、憩いの家事業は現在県下に15ヶ所設置されております。平成17年度には運営費に661万3千円助成をしており、定員総数は143名、実利用人員は年間2749名、年間のべ利用実績は16173名でございます。
 このような実績からみましても本県におきます本事業は障害のある方の自立生活や社会参加を促進するために重要な役割を果たしていると考えておりますので、県としては引き続き支援していきたいと考えております。また、障害者自立支援法のもとで10月からは市町村が実施主体となる地域活動支援センターなどに移行が可能な場合もございますので、設置者と相談しながら移行の支援もしてまいります。
 今後とも市町村と水平協働の精神にのっとりながら国の制度のはざまにある方々への支援を充実してまいります。以上です。

 憩いの家事業につきましては、引き続きご実施いただけるということですし、(障害者)自立支援法に基づいてご検討いただけるということですので、ぜひがんばっていただきたいと思います。
 それから福祉医療の給付対象範囲の拡大についてですけれども、市町村の状況把握という答弁がございましたが、精神障害者の県下の福祉医療の実施状況を見ますと2級まで拡大は10市町村、3級まで拡大が29市町村、県を超えた等級というのは合わせて39市町村にのぼっております。また入院、通院ともに実施しているのは42市町村、所得制限では特別障害者手当、制限なしが34市町村です。
 すでに多くの市町村は県の対象範囲を超えて拡大しているわけでありますので、県が対象を拡大すれば本人のみならず実施市町村も応援することになるわけです。対象範囲の拡大はまさに道理にかなったものであります。強く見直しを求めるものですけども、今年は福祉医療の見直しの年にもあたりまして、先ほどご答弁のなかで市町村と協議というお話がございましたけれども、私ども、福祉医療のあり方の、見直しにつきましては、かつて私もこの本会議の場におきまして当事者を抜きにしての検討委員会はありえないということで申し上げた経過がございます。ぜひ受給者を、この検討の場に入れていただいて見直しをはかっていただきたいと強く申し上げておきます。
 この点につきましては知事にご所見を伺いたいと思います。

田中知事
 まず先ほど来の精神障害者に対してのですね、福祉医療の点でございますが、これはご存知のようにですね、まさに水平補完として市町村も協働しなくちゃいけないことでありますから、長野市であったり、松本市というものは、県の補助基準に従った形でございます。
 所得制限はあるにせよ、軽井沢町であったり、塩尻市といったところはより広げた形、3級までの方々に支援していまして、勘案しますのに自治体の首長の考えもあろうかと思います。あるいはさまざまな該当される方の人数による市町村の負担額のようなこともあるのかも知れません。
 ですからこの点に関しましてですね。就学前の児童の無料化と、いうものに関しても、私どもの方から市町村とお話しをするなかで実現したわけであります。この精神障害者に関してもとりわけこうした松本市、長野市のようなですね、あるいは掲げていることとしては福祉の充実を考えていらっしゃるところが、今申し上げているような実情でありますから、こうした方々のお考えというものを精神障害に関しましてもですね、改めてお聞きをする必要があろうかと思います。むろん水平協働ですから皆様のお知りあいの議員の方々がそのような活動をなさるということも有効なことです。


2.難病患者への支援について 

 難病患者への支援について伺います。医療法の改悪をはじめ、介護保険法、障害者自立支援法など相次ぐ国による国民負担増大に繋がる改悪が、難病患者の生活環境を悪化させております。
 県は国に対して難病に苦しむ患者と家族への総合的な支援を求めると共に、県においても安心して治療と生活の出来るあたたかい支援をしてほしいという関係者の願いは切実であります。
 そこで県難病患者連絡会からも強く要望されております難病特別対策事業の充実とウィルス肝炎医療費給付制度の継続について質問をさせていただきます。
 2003年度からはじまった難病相談支援センター事業は、難病患者と家族の療養上の問題をはじめ生活での悩みや不安解消の相談活動を通して社会参加促進など地域での具体的体制を構築していく事業として、昨年度末までに北海道はじめ20都道府県で開設され、残りの県でも準備が整いつつあります。都道府県が実施主体でありますが、患者会や支援団体などが主体的に関われるよう事業運営を患者会などへの委託も可能です。そんななかで今もって取り組みが開始されていない数県のひとつが当県であります。設置に向けての取り組みの状況についてお聞きをいたします。
 併せて専門医療拠点病院と協力病院、地域の医療機関が連携・協力して、入院など医療の確保をはじめ福祉施設への専門的な助言など支援体制の確立のために難病医療協議会の設置と事業推進のための難病医療専門医を配置する重症難病患者入院施設確保事業も早期促進が必要と考えますが衛生部長にご答弁をいただきます。

 次にウイルス肝炎医療費給付制度の継続について伺います。
 この10月からウィルス肝炎医療費給付制度が変更され、医療費の自己負担に対する給付が原則入院のみとされ、通院での治療を受けている患者の負担が大きく増やされることになりました。
 患者をはじめ家族の皆さんからは怒りと落胆の声が上がっております。
 私のところにも先日患者の方からのお電話がありました。
 衛生部長の名前で通院補助打ち切りの改正の経緯と考え方を示した通知が届いたが、補助を打ち切られてしまえば、治療を続けられないと言う訴えでした。
 この女性は1週間に一回のぺグインターフェロンとレベトールと言う薬を併用しての治療をしているが、現在は1ヶ月1万円から2万円で済んでいるが、補助が無くなれば、1ヶ月8万円から9万円かかるようになる。とても治療を続けてはいかれないというものです。
 この通知によって通院補助打ち切りが現実のものであることに切ない叫びをあげている患者と家族の思いを県は改めて受け止めて善処をしていただきたい、心から願って以下3点質問をいたします。
 2月県議会で高村京子県議が全国に誇るこの優れた事業は現在の対象者については継続をと求めたことに対し、衛生部長はフィブリノゲン製剤等の使用歴のある患者は医療機関での証明があれば通院についても原則給付の対象にすること。証明についてはカルテにフィブリノゲン等の使用の記載があれば認めたいと答弁しています。また受給者への通知にもこの旨記載されております。
 そこで伺いたいのですが、医療現場への周知はどの様になっているのでしょうか。
 
 さて、ウィルス肝炎の発症への認識について伺いたいと思いますが、現給付対象者へのへの県の通知には、病気の中には重い病気であっても医療給付が無いものが多くある。長野県には県が支援し、援助を行わなければならないウイルス肝炎以外の患者が沢山いる。この皆さんに肝炎への医療補助を見直して福音を分けてほしいという文面があります。
 そこで長野県が25年間に渡り、ウィルス肝炎医療費助成制度を続けてきた基本的な考えの一つである、医原病としての性格を有するこの疾病に対する見解を伺います。
 長野県はウィルス肝炎の発症が針刺し、輸血、非加熱製剤の使用など医療行為によって引き起こされたものが多くあり、医療行政の不備に起因するものについては行政としての支援が必要という立場に立ち、これまで支援を続けてきたのではないでしょうか。(そうだの声)
 この長野県の取り組みは、道理にかなう優れた先進的施策として県内は言うに及ばず、全国のウィルス肝炎のみなさんの希望の光でした。全国的にもウィルス肝炎訴訟では製薬会社や国の責任が問われ、患者の皆さんの主張が認められてきております。
 他の疾病と同列視することは、世の流れに逆行することであります。
 長野県は優れた施策の実践者として患者や家族と共に、この先進的な取り組みを全国に発信し、医療費助成を国の制度として実らせる努力こそ求められているのではないでしょうか。知事のご見解を伺います。
 
 次に給付対象者の生活実態をどの様に把握されているのかお伺いいたします。
 通院補助外しの理由の一つにあげられているのが、仕事をしながら通院できるようになった、つまり経済的には自立できるようになったから支援の必要性は薄く無くなったと言うことでありましょうか。
 そこで、所得階層別の給付対象者の分布状況と年齢構成についての現状をお伺いいたします。

田中知事
 難病患者に関してでございますが、むろんウィルス肝炎、とりわけ先般、最高裁判所ででましたB型肝炎訴訟のもの、あるいは大阪地方裁判所ででましたC型肝炎訴訟のものはですね、集団予防接種、あるいはフィブリノゲン製剤によるですね感染というものに関して、国あるいは製薬会社の責任というものを明確に認めたわけであります。
 つまり、これは権力による国民に対しての危害であった訳でありますから、このことが司法の場においても明確な責任が明らかになったことです。その意味においては高額な医療費に苦しまれたり、あるいは日常の生活、就業をはじめとしてですね、著しい制約を受けられたり、あるいは社会の目としてのですね、差別を受けられたりといった方々がいらっしゃるわけですから、ウィルス肝炎に関しての本質的なですね、救済策というものを国家として講ずる必要があると、改めて述べるまでもないことだと思います。本県は北海道、東京、富山県、愛知県と並んでですね、国ではこうした問題に関しての医療費給付制度が存在しないなか、従来から医療費給付を行なってきております。これは他の4都道県と比べましても最も高い水準というものを保っています。見直し後におきましても人口一人当たりの給付額というものは最も高いという県でございます。ですから本県をはじめとする取り組みを参考にしてですね、国がこうした問題に関しての支援措置をうちだしていくことは極めて肝要でありまして、この点に関しては皆様も同じ思いであられるならば、ぜひとも一緒に御協力いただきたいと思っております。本県の給付制度は、C型肝炎訴訟の焦点となっておりますフィブリノゲン製剤、いわゆる血液製剤の使用歴のある患者の方への医療費給付については、引き続き通院医療費も対象とさせていただいているわけであります。また、本県ではウィルス肝炎の早期発見や早期治療をめざしてですね、患者の方々に対する適切な医療を提供すべく無料検査の実施や、診療協議会の開催などを引き続き行なっていくところでございます。

高山衛生部長
 お答えをいたします。まず、最初に難病特別対策事業に関わる2点の御指摘に対しましてお答えいたします。発生の原因が不明で、かつ治療方法が確立されていない、いわゆる難病の患者さんに対しましては総合的な相談・支援や、あるいは地域における受け入れ病院の確保をはかるため、この難病特別対策推進事業をすすめています。まず、難病相談支援センター事業ですが、地域で生活する患者さんほど、その家族のみなさんの日常生活における相談や支援、地域交流活動の促進などを行う拠点施設を設置して、患者さんあるいは家族のみなさんの様々なニーズに対応していくという趣旨です。本県では県内の現状あるいは長野県難病患者連絡協議会、いわゆる難病連への補助事業として実施している難病相談事業などのなかで、患者さんあるいは家族のみなさんへきめ細かい支援を行なっていくところです。今後も患者会など皆さんと連絡をとりながら患者さんや家族の皆さんにとってどのような形での支援が必要であるか、これを把握するとともに、他県の具体的取組を調査しながらセンターの設置の必要性を含めた検討をしたいと考えています。次に重症難病患者入院施設確保事業についてです。居宅での療養が困難で、入院治療が必要になった患者さんに対しまして適地適切な入院施設の確保が行なえるように、地域の医療機関の連携による、難病医療体制の整備をはかるものでありまして、本県を含めまして全国で42の都道府県が実施をしています。本県では神経難病患者さんを対象といたしまして協力病院を平成13年の12月に信州大学付属病院など24ヶ所を指定しております。また、緊急の入院に対応するため平成14年2月に神経難病医療連絡協議会を設置いたしました。これら協力病院のネットワークの体制の方針、運営について検討を行なっているところです。今後ですが拠点病院の指定、また連絡相談員の配置等につきまして神経難病医療連絡協議会において必要性を検討し、難病相談支援センターとも密接な関係がありますことから、このセンターの設置とあわせまして検討を進めてまいりたいと考えております。
 続きまして、ウィルス肝炎に関するお尋ねです。まずフィビリノゲンの使用歴のある患者さん等に関しまして医療現場にどのように伝えられているか、という周知に関するお尋ねでした。このことに関して基本的な認識は、本年の2月議会で答弁をいたしましたとおりであります。重い肝硬変、あるいは腹水や黄疸が出現した場合や、肝がんといった病気になった場合などは、本来の難病の性格が強いものと考えております。フィビリノゲン製剤の使用歴の証明についてですけれども、具体的には現在、長野県のウィルス肝炎診療協議会というものを立ち上げ、その中で協議をしていたくことを予定しております。この協議会ですが、現在患者会の代表の方、肝臓病の専門医、開業医などの皆様から人選をいたしまして、またご協力がいただけるかどうかついて確認をいただいている最中であります。7月中には開催いたしまして、製剤使用の証明方法などについて具体的に決定していきたいと考えています。また、診療協議会おきまして、証明にあたっての方法・手順について決定され次第これは速やかにご通知を差し上げ、新たな医療費給付制度を適切に運用してまいりたいと考えております。
 それから、今の患者さんの生活、所得に関しての把握をどのようにおこなっているかというご指摘でしたが、所得の階層別の給付対象者の分布ですが、昨年度末の受給者の数は全体で4897名です。このうち所得の一番低い区分になります生計中心者が市町村民税非課税である方々は1603名でありまして、受給者全体に対して32.7%です。なお、生計中心者が市町村民税非課税の方々につきましては自己負担はないという状況です。反対に所得階層が高い生計中心者の所得税が年額14万円よりも多く負担されている方々は942名でありまして、受給者全体に対しまして19.2%となっています。また、年齢構成ですけれども、B型肝炎の感染者は50歳代が181名で30.7%を占めており、C型肝炎の方は60歳代が1596名、37%であり、全体では60歳代が1734名35.4%となっておりまして、これがそれぞれ一番多い年齢階層になっております。

 精神障害者の福祉医療のあり方についての知事からご答弁いただきましたが、私は市町村との協議をしなくてもよいと言っているわけではありません。このあり方を検討するにあたって当事者のご意見を聞く場をつくられるかどうかということを伺ったのでありまして、この点については再答弁を求めます。
 それから、相談支援センターについて衛生部長からご答弁ございましたが、保健所の相談会というのは年7回、それから患者会が事業補助を受けて開催している相談会というのは先ほどお話しがありましたよう年間10箇所で行なわれているわけですが、これはまさに患者会の善意に支えられたものです。県としての日常的な相談支援体制の確立が私は必要であると、もっと真剣に努力すべきではないかということで質問をさせていただいたわけですが、患者会への相談活動への事業補助というのは年間64万円です。相談会でかかる費用お聞きしましたら、最低でもその倍額130万円になるとのことでありまして、患者の方もご家族も経済的に大変な中で身銭を切っての相談活動をしているわけでございます。そこで私はもう1度現在行なわれている相談活動、患者さんの支援充実のために何が必要であるのか、先ほど衛生部長からもご答弁がございましたが、患者のみなさんとよくお話をお聞きして、そしてそれと共に全国的な取り組みからの教訓に学んで、促進に向けて一歩進めるように強くご要望を申し上げておきたいと思います。

 さてウィルス肝炎の給付制度の継続の件でございますが、知事は国の責任、この問題はもちろん私もそう思います。
 しかし、国の責任ではあるけれども、県としてこれまで築いてきた25年間のこの実績といますか、制度、これはいくら全国的にも優位な立場に立つものであっても、患者さんのみなさんからすれば、後退である事にかわりないわけです。所得階層別の給付対象者の今、分布状況、そして年齢構成の現状についてご答弁いただきましたが、まさに高齢者、そして低所得の層にこの受給者が集中しているということではないでしょうか。
 低所得層の方というのはまさに54%を占めているわけです。働けるようになったからというお話しがございましたが、60代の方が一番多い、このみなさんに自分達の家庭を作っていくためにもう少し働けということでしょうか。
 このみなさんというのはこれまで無料か外来は月額2250円で治療を受けられた患者さんたちです。この配慮があったからこそ治療を継続してこられたのではないでしょうか。年間100万円程度、生活費が月8万の患者さんが高額療養費制度で対応しても、24600円の医療費を払わなくてはならない状況に追い込まれるんです。私が先ほど紹介したペグインターフェロンとレベトールと併用しての治療には1年近くかかるとのことです。圧倒的多くの救済されない患者さんで経済的な理由で治療を中断せざるを得ない患者さんに対して、県は手を差し延べるべきではないでしょうか。治療をすれば完治できるときを迎え、それも難治性のの患者は2割弱と言われています。あと5〜6年経てば8割近くの患者さんの皆さんが完治の可能性を持ちうると言われている現在、私はせめて低所得層に対しての救済措置を通院補助の継続をと考えるべきと思いますが、知事のご答弁を、温かい答弁をいただきたいと思います。

田中知事
 ただいまのご質問に関してでございます。長野県ウィルス肝炎診療協議会というものをフィブリノゲン製剤等の使用歴の証明方法に関しまして、設けてこのなかで協議をしていくということを予定いたしております。この協議会は現在、患者会の代表の方や、肝臓の専門医あるいはその他の医師等を含めてですね、人選をしていこうと考えております。早い時期にですねこの会を立ち上げて、製剤使用の証明方法というものに関してですね、明確な形で決定をいたしていきたいと思っております。先ほどの精神障害の部分に関してのご質問のところもございましたが、各市町村においてもそうした悩まれてる方々が入った形での協議会があるとは限らないわけでございまして、大半のところは乳幼児の医療の時もそうでございますけども、こうした住民の参加がないまま決定をされてきているところがあります。私どもはこの点に関してはですね、きちんと受給者も協議の場に参加をしていくという形であります。それぞれ市町村におかれてもですね、やはり水平協働を望まれるのであるならば、こうした形をですね、各地域においても行っていただけるということが望ましかろうと思っております。

 確かに福祉医療制度は、市町村が主体でやっておりますけれども、私は県の対応によって市町村も変わると思います。そして何よりも当事者の皆さんの声をきちんと把握できる場をつくってほしいというふうに申し上げたわけでございます。
 先ほど審査会の話もありましたが通院助成の対象となる医原病、ウィルス肝炎については医療現場からの申請ではじまって最終判断は県をはじめとする審査会ということでありますが、私はここで可能性のある方は最大限いかす努力を強く求めておきたいと思います。なお私は今でもこれまでの対象者は全員給付すべきという考えに変わりはないことは申し上げておきたいと思います。

 さて、ウィルス肝炎についてご答弁いただいたわけですけれども、私はですね、低所得の皆さんへのあたたかい支援をぜひやってほしいと、このことをお聞きしたわけです。月に8万円程度の方が2万円もの医療費を払わなくてはならない、知事さんも衛生部長もこのことをおわかりになりませんか。ぜひ真摯にとらえていただきたいと、低所得層だけでもとりあえず結構です。減免制度をぜひつくっていただきたいと再度質問させていただきますのでお答いただきたいと思います。知事は先ほど信州から日本を変える、高い理念をお話されました。公共事業でも借金返済でも、実践を通して国に働きかけ、信州長野県から国を変える、がんばってこられたのではありませんか。全国で注目され、国としての責任が問われているウィルス肝炎への対応も、患者の立場に立ちきるという確固とした実践を貫いて国を変えていただきたいと強く申し上げたいと思います。


田中知事
 はい。先ほど、少し説明を不足だったところがございまして、北海道と東京都、富山県、愛知県そして本県が、こうしたウィルス肝炎の医療費給付というものを行っていると申しましたが、べつに金額の多寡で申し上げるということではないかも知れませんが、富山県はちなみに全体で1千万円という形でございますので、人口一人当たり、まあ肝炎がですね、ある地域のみが著しく多いというようなことではなかろうかと思います。多少のばらつきはあるかもしれませんが、先ほど申し上げたような国家的な過誤によってでございますから全国にあるわけでございます。といたしますと富山県では人口一人当たり約9円という予算措置でございます。東京都の場合、2億5千万円でございますが人口一人当たり21円という措置でございます。愛知県の場合は2億3千万円でございまして、人口一人当たり33円でございます。本県は2億6千万円でございまして、人口一人当たり117円という形でございます。ですからその多寡で申し上げる、単順にいいきれるものでないとおっしゃるかもしれませんが、少なくても全国47都道府県のなかで5都道県が行い、そしてそのなかにおいて私どもは桁数が一桁違うという形で支援させていただいているというものであります。今議員からは低所得であられる方々、あるいはご高齢であられる方々というようなことへの言及がございました。この実情についてですね、まず改めて調査をいたしたいというふうに考えております。

3.駐車許可証の発行について

 次に道交法に基づく営業車両への駐車許可証の発行について伺います。この6月1日から民間監視員による駐車違反の全国一斉の取締りが始まりました。配達、集荷、運送にかかわる中小業者への対応について伺います。
 長野県に於いても長野中央警察署と、松本警察署管内の市街地を中心とした規制強化路線、地域を民間の駐車監視員が巡回し駐車違反の確認を行うことになりました。
 もちろん悪質で危険、迷惑な駐車違反の取り締まりは当然のことでありますが、営業用車両への配慮をしてほしいというのが事業者の声であります。道交法45条一項では駐車禁止区域で「人の乗り降り」、「貨物の積み下ろし」などの駐車は警察署長の許可を得た場合は、駐車違反にならないと定めていますし、国会答弁でもこの趣旨が確認されています。
 そこで、当県としてもこの45条1項を活かし、申請者には許可証を発行すべきと思いますが警察本部長のご見解を伺います。


渡辺警察本部長
 駐車の取り締まりに関する駐車許可証の発行の件でございます。警察署長の駐車許可証の発行基準は、道路交通法第45条第1項、ご指摘の条文であります。また、長野県道路交通法施行細則第7条に基づきまして、公益上または社会慣習上の必要から一定の止むを得ない事情がある場合に、交通の安全観点上、総合的に判断して許可するものであります。止むを得ない事情といたしましては、故障車両のため応急修理を必要とするもの、5分以内に貨物の積み下ろしができないもの、冠婚葬祭等社会慣習上使用するもの、警察署長が特にその必要性を認めたものが限定的に規定されております。この基準に照らしますと、いわゆる一般的な配達業務に関しましては、原則として駐車許可の対象とはなりません。駐車場所の確保等の自助努力をお願いしているところでございます。今後とも各方面からのご意見を参考にしながら適正な運用に努めてまいります。

 なお、最後に松本・小諸青年の家閉所にともなう事業補助制度の創設についてですけれども、ぜひ施設使用の多くな青少年育成事業、そして社会教育関連事業があることを思うとき事業助成をはじめ出前講座の積極的な対応など県としての支援を強く要望申し上げ質問を終わります。