共産党県議団の高村京子です。
私は、政府が押し進めてきた構造改革路線によって、国が責任を持って充実すべき医療・福祉・介護の諸制度の経費を年々国が削減することで、経済効率優先で進めてきた諸制度の改悪が高齢者、県民、地域に与えている深刻な実態を踏まえ、質問いたします。
1.高齢者対策について
まず高齢者対策について伺います。
介護保険制度が始まって7年目を迎えています。「家族介護から、介護を社会全体で担う」として、65歳以上の高齢者の保険料を年金から天引きするなどで財源を担保し運営されています。3年ごとに介護保険料が市町村によって決められていますが、まず、この7年間の保険料の推移について社会部長に伺います。
この7年間で、約3年ごとに月700円、800円と負担が増えておりまして、いま最高の自治体では4,800円、1ヶ月に介護保険料が上がっています。厚生労働省が6月末に公表しました平成17年国民生活基礎調査によりますと、生活が苦しいと答えた世帯は56.2%に達しています。調査以来最高になったと報じています。世帯全体の平均580万円より低い世帯の割合が6割を超えています。もっとも多いのは300、400万(円)世帯で、続いて100万、200万(円)世帯が次に多くなっています。高齢者世帯は非常に厳しい54.7%が、生活が苦しいと訴えております。毎年のように値上がる国民健康保険税、住民税の負担が容赦なく請求書が高齢者の方に襲いかかっております。高齢者のみなさんは、「もう暮らしていけない、年寄りは死ねといわれているようなものです。」と、おっしゃる方が多くなってまいりました。
昨年の10月から施設での食費居住費の自己負担によって、県内で支払いができないためにやむなく施設を退所した高齢者は、どのくらいか把握されていますか。老齢年金4万円から5万円の高齢者にも、1ヶ月の施設入所費だけで約8万円以上の支払いが求められます。年間では100万円以上にもなります。全国保険医団体連合会は、今年4月におこなった全国調査から、「約3400人もの要介護者が、施設にいる事ができずに退所したのではないか」と予測しています。
さらに、今後も施設費を払えない高齢者が増えてゆくことも危惧されます。
県内ではこのことに拠る影響が何人出たのでしょうか、どのように把握されておられるでしょうか。また、この事態をどのように受けとめておられるか社会部長に伺います。
さらに、この4月の介護保険制度改正では、軽度の認定者は予防介護に移行となり、ホームヘルプやデイサービス、ベッド、車椅子などの貸与などが規制されました。まさに「保険料の負担増やして天引き、介護サービス減らして貸はがし」です。県内では、この制度改正で影響を受けた高齢者は、何人出たでしょうか。数ヶ月にわたる調査をされたと伺っています。調査方法及び結果について、この点でもできるだけ詳細に社会部長に伺いたいと思います。
(田中社会部長答弁)
ただいまご答弁いただきましたけど、多くの高齢者のみなさん、短期入所サービスが受けられないとか、あるいは回数を減らさなければならない、こういうような状況があるわけでありまして、また、その6割近くが、低所得者対策が受けられないという状況にもなっております。こういったなかで長野県も何らかの利用継続支援策を市町村と共に検討すべきではないでしょうか。ベッドや装具は高齢者の安全な生活や介護予防にこそ必要なものです、たとえば医師の意見書や、ケアーマネージャーの状況報告によって、市町村長の認定にもとづき「県独自の特別貸与制度」を提案いたしますがいかがでしょうか。是非ご検討戴きたいと思います。社会部長のご答弁をお願いします。
県内でも、松本市や塩尻市など、レンタルの支援制度について検討中と伺っていますし、小規模町村では、「県が支援をしてもらえれば検討したい」と言うところもあります。東京都では、ベットの購入に支援をするこういうことが始まっている。ただいま社会部長からご答弁をいただきましたけれども、真に介護や介護用品が必要な高齢者には、きちんと保障できる、そういうことを、ぜひ、ただいまの長い間の、ご苦労していただきました調査に基づいて、これをきちんと県民益のために実現をしていただきたいと思います。
次に長野県は、市町村と共に宅幼老所の整備に力を入れてきました。地域の空き家や民家などを利用し、アットホームな雰囲気の中で数人の高齢者や幼児・障害者をケアーする施設です。昨年からは、宿泊にも市町村と共に補助支援しています。介護保険でのショート施設は、突然の依頼にはほとんど空きがなく預ける事が困難ですが、この支援は大変ありがたいものです。しかし、この4月からの制度改正に伴い、デイサービスの制限がされ、小規模施設は運営がますます困難になっています。また市町村が指定する、小規模多機能施設への移行もあります。
宅幼老所の整備状況と運営上の課題はどうでしょうか。今後とも小学校区単位に整備を進めていかれるのか、また、開設支援に重ねて運営費補助も市町村と協議の上で検討されるべきではないでかと思いますが、この点につきまして知事のご所見を伺います。
長野県では特別養護老人ホームの待機者が約3,800人いらっしゃると思うんですけれども、国がなかなか特別養護老人ホーム等の施設を増やさない、むしろ削減する、こういう方向ですので、知事がおっしゃっていただきました「住みなれた地域で、アットホームなあたたかいケアができる拠点をということで、ぜひ充実、あるいは、ひき続きの開設支援、運営支援等も視野に入れてお力をいれていただきたいと思います。
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