2007年6月議会 7月9日 小林伸陽

議第1号 補正予算案反対討論

 議第1号の原案に反対、修正案に賛成の討論を行います。

 まず修正案の賛成討論は私も議案の提出者にもなっており、石坂議員の提案説明で十分であり省略します。原案については賛成すべきものと、反対すべきものが混在しており討論が極めて難しいものとなっております。まず賛成の部分について申し上げます。日本共産党県議団が、前知事時代にもウイルス肝炎医療費補助の継続を再三、求めてまいりました。そして昨年9月1日にも緊急要望のひとつとし、復活を求めてきたものであり、今回、予算が計上されことはおおいに歓迎します。しかし、今回も高額な費用のかかるインターフェロン投与の患者に限っての措置であり、その対象とする患者は約1千人ということです。通院患者で対象にならない方が今だ3800人も残されています。今後さらに、すべての通院患者まで医療費が給付されていた。2006年9月以前のように、全国にも優れた制度の全面復活を強く望みます。この他、障害者自立支援対策臨時特例基金から約6億6300万円を繰入、障害者施設のバリアフリー化や、障害者の作業所の拡幅などに助成する事業、不登校、中途退学者に対応するための予算などは、県民の切実な要望を反映した事業として大いに評価できるものであります。
 しかしその一方、歳入で繰越金2億7104万円余を計上しています。この財源を使って浅川ダムの概略設計等に使おうとするものですが、今なお多くの住民がダムの安全性や治水の効果に疑問を持ち、十分な調査を求めているのにこれらを無視して、浅川ダム建設に関連した予算1億7600万円(債務負担行為 4900万円を含む)を計上することは許されません。さらに県財政がひっ迫する中、前知事時代には国の補助金を返上したことに批判を繰り返してきたのに、貴重な一般財源を何故使なければならないのかその理由も分かりません。
 浅川河川整備計画の目的は、100年に1度程度の確立で発生する災害から、浅川にダムを作り河川を改修し、小布施町(よし島)地区から浅川地区まで洪水氾濫から家屋等への浸水を防止し、資産を守るとありますが、ダム建設ではその目的も達成できません。土木住宅委員会の審査の過程でも、過去、浅川の氾濫等で家屋等の水害は特定できないと理事者からも説明されております。現在までに天井川の解消もされ、危険箇所の整備は進み、浅川の治水安全度は格段に高っております。
 浅川の下流域は千曲川の増水による深刻な災害が多発しておりますが、浅川にダムを作っても過去の水害時、災害をなくすことが出来ないことは理事者の説明でも明確です。しかも、それはダムで100トンカットされたときであり、過去の最大雨量でも計画しているダムには1m四方の洪水吐でもカットするほどの流量はなかったとの説明もあるわけであります。これではダムの機能すら疑わざるを得ません。これではむなしさを禁じえません。
 流域住民の要望は、千曲川か流域の繰り返される水害の解消と、中流域の改修です。早期にやるべきことは千曲川の抜本的改修を国に求めると同時に、遊水地などの整備で深刻な内水災害の軽減に努めるべきです。
 県下の河川には毎年2度3度と床下浸水を繰り返している岡谷市の大川など、毎年災害を繰り返している河川も沢山あります。県下の均衡の取れた治水政策から見ても、浅川ダムの建設は緊急性や必要性からみて矛盾しています。

 以上の見地から、議1号の原案には反対します。財政改革を推し進めている県議会としても、県土の均衡が取れた治水対策を進める上でも、賢明な議会の皆さんのご賛同を期待して討論といたします。