山口教育長答弁
地域子育て支援センターの支援についてお答えいたします。地域子育て支援センターにつきましては、子育て等に関する相談や交流の場の提供など、子育て全般に関する専門的な支援を行う拠点施設として県内38市町村に47箇所設置されており、その運営経費に対して財政支援が行われているところであります。
また、地域子育て支援センターよりも小規模な取り組みとなりますつどいの広場につきましても、県内20市町村42箇所設置されており、同じく財政支援がされているところであります。
つぎに、地域子育て支援センターの施設確保への支援でございますが、センターの新設や増改築等につきましては、国の次世代育成対策交付金により、市町村において整備する事ができます。県といたしましては子育ての負担感の緩和を図り、安心して子育てができる社会作りを進めるための拠点施設として、今後も市町村を支援して参りたいと考えております。
山口教育長答弁
病後児保育への支援についてお答えいたします。さきほど、小松議員のご質問にお答えしましたとおり、県といたしましては、本県の女性の就業率が他県と比較しまして高い状況にある、あるいは議員ご指摘の病児、あるいは病後児保育に対する保護者のニーズも高まっていて、それに対する対応もご指摘の点も含めて対応を考えている状態でございます。従いまして、安心して子育てができるうえで必要なこと、保育事業と考えておりますので、できるだけ多くの市町村に取り組みが進みますよう支援して参りたいと考えております。
村井仁知事答弁
和田議員から、乳幼児医療費対象年齢の引き上げ、さらには窓口での無料化につきましてのご質問がございました。
乳幼児等を対象とした福祉医療費給付事業は、医療保険制度の定める医療費の自己負担分について助成をしまして、医療費の家計への負担軽減を図ることを目的に実施されているところでございます。乳幼児について長野県の基準は、入通院とも小学校就学前までを対象としていまして、ご指摘のようにまた所得制限は設けておりません。
一人あたりの医療費で見ますと、小学校就学前までの子どもは他の年代の子どもに比べて、2倍以上の額であるとも報告にございます。現在36市町村が県と同一基準で事業を実施しているところでございまして、県の基準には、すべての市町村事業が持続可能となるのであることが本当は求められているのではないかと私は思っています。このようなところから県としては当分の間、現行の対象年齢は維持をしたいと考えております。
もう一つ、窓口無料化の問題でございます。これを実施した場合、県および市町村が本来負担する必要のない国民健康保険国庫負担金の減額調整分や、健康保険組合の付加給付額まで負担することになりまして、財政運営上妥当性を欠くと考えられますことから、実施は非常に難しいと私は考えております。
また、受給者にご負担いただいている自己負担金につきましては、福祉サービスの受益と負担の関係を明確にし、共に制度を支えあうという観点から導入した制度の趣旨をご理解願いたいと存じます。
なお、県では全国の自治体が乳幼児医療費助成事業を実施している現状を踏まえまして、国による乳幼児医療費無料化の制度創設等を要望しておりまして、引き続き、機会を捉えて国に働きかけをして参りたいと存じます。
原土木部長答弁
公聴会意見等につきまして、河川整備計画にどのように反映したかということでございます。
去る5月18日から3日間開催いたしました公聴会でいただいた主なご意見・ご要望でございますが、これは原案通り実施すべきという意見のほかに、基本高水・断層・地すべり・土砂や流木対策・河川法の手続き・遊水地に関するものでございます。
このうち、基本高水流量につきましては、過去の雨量データをもとに一般的に用いられている手法により算出した流量でございまして、また従前計画の治水安全度、基本高水流量を踏襲したものであることから、今回の河川整備計画の案におきましても、これを基本として治水対策を進めていくこととしております。
また、ダムサイトの断層に関しましては、これまでの各種調査の結果から、ダム建設に支障となるものは存在しないことを確認しており、地すべりや土砂・流木対策に関しましては、昨日もお答えいたしましたとおり、ダムの運用を開始する前に各種の対策を講ずることにより、十分な安全性を確保できるものでございます。
さらに公聴会でいただいたご意見の中に、技術的な判断が必要な事項に関しましては、学識経験者の意見聴取の際に各専門分野の委員にお諮りし、安全性に関しては問題無い旨のご意見をいただいております。
公聴会や浅川の流域協議会のみなさまから多くのご要望がありました内水対策用の遊水地の設置につきましては、ご意見の趣旨を踏まえまして、今回の河川整備計画の案の中で、遊水地の設置を視野に入れた検討を進めていくことを明確にしたところでございます。
このように今回の河川整備計画の案は、公聴会や学識経験者の方々からいただいたご意見・ご要望を反映したものでございます。なお、千曲川の河川改修につきましても、多くのご意見・ご要望をいただいておりますので、千曲川の河川管理者は国土交通大臣でありますが、この浅川の河川整備計画案とは別に、無堤地区の解消の促進や、維持管理工事の強化等につきましては、機会を捉えて国に要望して参りたいと考えております。
原土木部長答弁
内水被害を軽減する抜本的対策、この中に遊水地を盛り込むのかというご質問でございます。
浅川の内水対策で目標としております浅川下流域で既往最大被害となりました昭和58年9月台風10号と同規模の洪水に対し、床上浸水被害を防止するためには、排水機場の増強、遊水地、ニ線堤の設置、この3つの対策が必要でございます。今回の河川整備計画におきましては、当面の対策としまして、このうちもっとも効率的で効果的である、浅川排水機場の増設を位置付け実施していくこととしております。内水対策用の遊水地につきましては、先にお答えしましたとおり、多くのご意見・ご要望をいただいていることを踏まえまして、今後行う、浅川排水機場の増設規模の検討を行う中で、具体案の策定を目標に検討を開始したいというふうに考えております。
今、遊水地については検討ということでありますが、内水対策として遊水地を願う多くの住民の声にこたえ、具体的な検討をしただけでなく、盛り込んだ計画となるように要望をいたします。
内水対策として検討するといったが、遊水地を願う住民の声にこたえ、具体的な計画となるよう強く要望します。
学識経験者の意見聴取では、奈良県大滝ダムで発生した事象などとの比較検討はされたのでしょうか。6月7日に開いた最終回の会議では、地質についての質疑がでたが、質疑のかたちにならないまま識者からは「問題ない」との見解を得たとされています。
学識経験者の中から、地附山と地続きで地質は基本的にもろいとの発言がされたように地質への不安は解消がされていません。過去のデータを確認しただけで、深い地すべりの危険性が指摘されているにもかかわらず、まだこの問題への調査はされていないように思われますが、最新の技術で再度調査すべきではないでしょうか。
原土木部長答弁
最新の技術で再度調査すべきではないかというお尋ねでございます。私ども当然これまでさまざまな調査をして参っております。これらの調査の中で、すべて精度、必要な調査は終えておりまして、それに基づきます評価を十分に踏まえて、現在の設計、安全性を確保しております。これにつきましては、第三回学識経験者の意見の際にも専門分野の委員の皆様方から改めて安全性に関して問題ない旨のご意見をいただいております。そのようなことから、現在の調査で十分足りておりますので、これをもって、今後詳細設計のほうに移って参りたいと考えております。
原土木部長答弁
お答えいたします。大滝ダムと比較して言われますが、昨日申し上げましたとおり、それぞれダムにおきます地すべりに対する対策はそれぞれの地点でそれぞれ個別の問題でございますので、その状況をすべて把握して必要な対策を講じるという、それぞれで違って参ります。
質問でございましたので、大滝ダムの場合には、河床部をすべての末端としたすべり面で、今回の地すべりは起きております。それと同じように、浅川につきましては、一番深い地すべりは河床部を末端としたすべりで現在検討しております。と同時に、それよりも深い地すべりがあるのではないかというご意見もございますが、そうなりますと、対岸まですべり面がいくような大きな地すべりという形になりますので、これは考えられないことでございます。そのようなことで、現在浅川におきましては、必要な対策は十分にできるものでございます。
引き続きまして、水が貯まった場合、地すべりを誘発することはないかということでございますが、これは当然、水が貯まって参りますと、現在は安定しているものであっても危険側に動いて参ります。その危険側に動くことを抵抗、いわゆるそれを抑止する対策として現在考えておりますのが、抑え盛土であるとか排水、各種杭工等でございます。こういう対策で十分に対応が可能でございます。しかしながら、これを具体的なより精度の高いものの対策につきましては、今回◆お願いをしております斜面安定◆、設計、この中でより具体的にしてまいりたいと考えております。
原土木部長答弁
コンクリートで斜面を被い尽くすような工法を採用するのかというご質問でございますが、地すべり対策につきましては、当該箇所の地形・地質、その発生の要因等を踏まえまして、多くの対策工法の中から現地の状況に即した適切な工法を選択して実施するものでございます。浅川におきましては、ダムサイト上流に位置する地すべりブロックの対策として、河床部の抑え盛土工、上部の排土工、杭工、集水工を組み合わせた工法となりますので、ご質問にありましたようにコンクリートで斜面を被い尽くすような工法ではございません。またちなみにコンクリートでやる場合でありましても、中のところは緑で緑化するというそういう対策方法も考えられますので、十分に環境に配慮した工法になろうかというふうに考えております。そのようなことで、私どもとしましては、環境にも配慮して、地すべりに安全な工法ということで、可能だと考えております。
いろいろな対策で行うということで、たとえコンクリートになっても緑化をするというようなことも言われましたが、ダムを造らなければ、必要以上の地すべり対策はいりません。飯縄・浅川の自然が残ります。
では、最後に知事に伺います。
6月長野市議会で、共産党の原田市会議員が、浅川ダムの穴は1.1平方メートルときわめて小さく、上流からの土砂などが詰まってしまう危険があることを指摘したことに対して、長野市の建設部長は「県が万全を期すはず」といいながら「万が一、閉塞した場合に備え、予備の洪水吐を設けることも選択肢の一つ」と答弁したとお聞きしています。昨日の本会議の質問でも同様の質問がだされ、「穴がふさがるのではないか」と繰り返し心配し、指摘がされました。県は、模型実験も行っていない今の段階で、あくまでも机上の計算で「穴はふさがらない」と説明していることに対して、県議会でも市の行政の責任のある部長でさえ、その安全性に危惧をいだいています。このような不安が解消されない段階での国への認可申請は行わず、より慎重に検討をすべきではないでしょうか。知事、お答えください。
村井知事答弁
浅川の河川整備計画について和田議員からご質問がございました。
浅川の河川整備計画につきましては、これまで国土技術政策総合研究所、それから独立行政法人土木研究所等から助言を頂きながら技術的な検討を行う中で、技術面での条件は整えられており、私どもとしましては、認可申請をすれば認可をいただける、そういう状況になっていると判断をしています。
さらに昨日、長野市長および小布施町長から、河川整備計画の案にご同意になる旨の意見書を頂戴したというものでございまして、河川法の手続きを完了した段階でございます。現段階で、常用洪水吐の問題も含めまして安全性については問題がないと判断をしている次第でございますけれども、今後概略設計や水理模型実験などを実施する中で、より具体的な検討を進め、地域の方々にもご安心をいただけるように努力をして参りたいと存じます。