2007年6月議会一般質問 6月27日 和田あき子

1 子育て支援について

2 浅川河川整備計画案について

1 子育て支援について

 和田あき子です。日本共産党県議団のトップバッターで質問させていただきます。

 最初に子育て支援について、教育長並びに知事にお伺いします。
 日本共産党では、長野市で5月末から市民アンケートを独自で行ってきました。約1ヶ月で1000通ほどアンケートが返ってきています。この中で、子育てについて望んでいることをお聞きしたところ、回答のトップは同率で2つありました。ひとつは、子どもの医療費無料化の充実です。そして、もうひとつは子どもを産み育てやすい職場の環境改善です。それは、逆に言えば、結婚・出産・育児がしやすい職場を望んでいるが現実にはそうなっていない表れです。実際に、小学校入学前の子どもがいる家庭で仕事についていない母親は6割となっています。
 そこで、はじめに、家庭で子育てをがんばっているお母さんを支える、地域子育て支援センターについてお尋ねします。
 指定された保育園で行っている地域子育て支援センターは、保育士を配置し、専用の部屋を用意して、地域のお母さんと子どもたちを受け入れています。利用したい人は、時間の制約もなく、予約も必要がありませんし、無料で利用できます。0歳から3歳と年齢の異なる子どもたちがお母さんに見守られながら自由に遊び、母親どうしも子どもを通して親しくなったり、トイレトレーニングや離乳・子どもの発達など育児の心配ごとも気軽に保育士に相談できます。自宅で、一人で育児の苦労や悩みを抱えているお母さんたちに大変喜ばれています。私がうかがった長野市内の保育園では毎回15組くらいの親子づれが訪れ、多いときは30組くらいの親子が利用しています。
 地域子育て支援センターは、専用の部屋を確保するための施設整備に補助がありません。職員配置にかかっている経費への補助も十分とはいえない状態です。義務付けられてはいませんが駐車場の確保など大変な苦労があります。地域子育て支援センターは市町村が主体の事業ですが、県も補助を出して支援しています。指定された箇所での開設になっており、さらに拡充してほしいと要望があります。施設確保などへの支援を充実してはいただけないでしょうか。教育長いかがでしょうか。お伺いします。

山口教育長答弁
 地域子育て支援センターの支援についてお答えいたします。地域子育て支援センターにつきましては、子育て等に関する相談や交流の場の提供など、子育て全般に関する専門的な支援を行う拠点施設として県内38市町村に47箇所設置されており、その運営経費に対して財政支援が行われているところであります。
 また、地域子育て支援センターよりも小規模な取り組みとなりますつどいの広場につきましても、県内20市町村42箇所設置されており、同じく財政支援がされているところであります。
 つぎに、地域子育て支援センターの施設確保への支援でございますが、センターの新設や増改築等につきましては、国の次世代育成対策交付金により、市町村において整備する事ができます。県といたしましては子育ての負担感の緩和を図り、安心して子育てができる社会作りを進めるための拠点施設として、今後も市町村を支援して参りたいと考えております。

 国と市町村と県も協力をしてさらに充実を求めます。

 次に、働きながらの子育てへの支援について伺います。
 保育は、延長保育にとどまらず、夜間・休日、一時保育などニーズも多様化しています。それは長時間勤務や不安定な雇用で職場を休みづらい、深夜のバイトを掛け持ちして働くなど親の大変な労働や生活の実態があるためです。
 子どもが病気のときも職場を休めない、長く休めないなど病児・病後児保育の要望も強く、県内でもいくつか実施されているようですが、長野市でも長野赤十字病院での病後児保育がようやくこの6月、始まったばかりです。いろいろな条件が整っていると思われる長野市でさえ、始めるにも受け入れる病院や施設の理解や協力を得るのにご苦労があったようです。開設した長野赤十字病院に先ごろお伺いしてきました。スタッフのみなさんは熱意をもって受け入れをしています。開設したところのPRに協力していただいたり、県内各地で拡充してほしいと思いますが、県としてどんな支援策を検討していくのでしょうか。

山口教育長答弁
 病後児保育への支援についてお答えいたします。さきほど、小松議員のご質問にお答えしましたとおり、県といたしましては、本県の女性の就業率が他県と比較しまして高い状況にある、あるいは議員ご指摘の病児、あるいは病後児保育に対する保護者のニーズも高まっていて、それに対する対応もご指摘の点も含めて対応を考えている状態でございます。従いまして、安心して子育てができるうえで必要なこと、保育事業と考えておりますので、できるだけ多くの市町村に取り組みが進みますよう支援して参りたいと考えております。

 私自身4人の子どもを産み育て、いま感じていることは、子どもを産めば親になるということではなくて、子どもといっしょに育って、ようやく親らしくなる。親になれるということです。働きながら子育てをしてきましたが、家族の理解や地域の支えと、私にとっては、保育園で心を開いて相談できる園長先生や保育士さんとの出会い、子どもとともども育てていただき、気持ちにゆとりを持って子育てできました。子育て支援の充実を今後もお願いします。

 次に、子育ての支援として望む声が多かった、もうひとつの課題。子どもの医療費無料化の拡充について知事にお伺いします。
 昨年度から長野県が小学校入学前まで、所得制限なしで医療費無料化を拡大したことは、大変喜ばれています。県が年齢を引き上げたことで長野市も4歳から就学前までになりました。若いお母さんから、子どもが4歳を過ぎていったん無料化からはずれたのに、再度、6歳までの通知をもらって嬉しかったと言われました。また、県の年齢に上乗せをして小学校卒業まで無料にしている市町村は26、中学卒業まで無料は18町村と自治体の半数を上回って広がっています。下伊那郡下条村の伊藤村長さんとお会いしてお話をお聞きしたとき、子育て支援に力を入れて、県下で一番出生率の高い村になったと言われました。いろいろな施策を組み合わせていますが、子どもの医療費無料化は中学卒業まで拡大し、その割りに財政はかからなかったといわれました。そして子育て中の方に大変喜ばれていると言われたのが印象的でした。無料化の年齢のさらなる引き上げをしていただきたいと思いますが、知事いかがですか。
 あわせて、子育て中の多くの方が、せっかく無料化になっているのに、病院窓口でいったん支払いをしなくてはいけないので一時的ではあっても負担になっています。他県から長野に来た人からは、長野に来て、病院で医療費がとられて驚いたという方もいます。全国では32都府県ですでに窓口での無料化をおこない、窓口完全無料化は8都県で実施されています。窓口での無料化についても検討すべきではないでしょうか。お答えください。

村井仁知事答弁
 和田議員から、乳幼児医療費対象年齢の引き上げ、さらには窓口での無料化につきましてのご質問がございました。
 乳幼児等を対象とした福祉医療費給付事業は、医療保険制度の定める医療費の自己負担分について助成をしまして、医療費の家計への負担軽減を図ることを目的に実施されているところでございます。乳幼児について長野県の基準は、入通院とも小学校就学前までを対象としていまして、ご指摘のようにまた所得制限は設けておりません。
 一人あたりの医療費で見ますと、小学校就学前までの子どもは他の年代の子どもに比べて、2倍以上の額であるとも報告にございます。現在36市町村が県と同一基準で事業を実施しているところでございまして、県の基準には、すべての市町村事業が持続可能となるのであることが本当は求められているのではないかと私は思っています。このようなところから県としては当分の間、現行の対象年齢は維持をしたいと考えております。
 もう一つ、窓口無料化の問題でございます。これを実施した場合、県および市町村が本来負担する必要のない国民健康保険国庫負担金の減額調整分や、健康保険組合の付加給付額まで負担することになりまして、財政運営上妥当性を欠くと考えられますことから、実施は非常に難しいと私は考えております。
 また、受給者にご負担いただいている自己負担金につきましては、福祉サービスの受益と負担の関係を明確にし、共に制度を支えあうという観点から導入した制度の趣旨をご理解願いたいと存じます。
 なお、県では全国の自治体が乳幼児医療費助成事業を実施している現状を踏まえまして、国による乳幼児医療費無料化の制度創設等を要望しておりまして、引き続き、機会を捉えて国に働きかけをして参りたいと存じます。

 本来国が制度化をすれば一番いいと私も思います。それでもそれまでは県が頑張っていただきたいということで、子ども医療費の無料化を前進させていただけるまで、これからも粘り強くがんばらせていただきます。

2 浅川河川整備計画案について

 次に、浅川河川整備計画案について土木部長にお伺いします。
 まず始めに、浅川流域協議会や5月18日19日20日の3日間行われた公聴会で出された、住民の声を反映した計画になっているかについてお聞きします。
 浅川流域協議会が設置されて以来の14回の協議でも、4月23日に県が河川整備計画原案に「穴あきダム」を盛り込んだ後の15回・16回の協議でもダムについては賛否が分かれていました。けれども、16回にわたる協議会全体を通じて県に上げられた提言は、内水対策として遊水地を計画に位置づけることでした。加えて、千曲川の河川改修と堤防の強化を国に強く働きかけて欲しいということでした。
 また、3日間行われた公聴会では94名の方が公述をされました。これも、ダムについては賛否両論に分かれていましたが、共通して出された意見は、内水災害への対策をして欲しいということでした。
 浅川と千曲川の合流点で毎年のように起こっている内水災害の対策を求める住民の声を反映した計画になっているのでしょうか。お伺いします。

原土木部長答弁
 公聴会意見等につきまして、河川整備計画にどのように反映したかということでございます。
 去る5月18日から3日間開催いたしました公聴会でいただいた主なご意見・ご要望でございますが、これは原案通り実施すべきという意見のほかに、基本高水・断層・地すべり・土砂や流木対策・河川法の手続き・遊水地に関するものでございます。
 このうち、基本高水流量につきましては、過去の雨量データをもとに一般的に用いられている手法により算出した流量でございまして、また従前計画の治水安全度、基本高水流量を踏襲したものであることから、今回の河川整備計画の案におきましても、これを基本として治水対策を進めていくこととしております。
 また、ダムサイトの断層に関しましては、これまでの各種調査の結果から、ダム建設に支障となるものは存在しないことを確認しており、地すべりや土砂・流木対策に関しましては、昨日もお答えいたしましたとおり、ダムの運用を開始する前に各種の対策を講ずることにより、十分な安全性を確保できるものでございます。
 さらに公聴会でいただいたご意見の中に、技術的な判断が必要な事項に関しましては、学識経験者の意見聴取の際に各専門分野の委員にお諮りし、安全性に関しては問題無い旨のご意見をいただいております。
 公聴会や浅川の流域協議会のみなさまから多くのご要望がありました内水対策用の遊水地の設置につきましては、ご意見の趣旨を踏まえまして、今回の河川整備計画の案の中で、遊水地の設置を視野に入れた検討を進めていくことを明確にしたところでございます。
 このように今回の河川整備計画の案は、公聴会や学識経験者の方々からいただいたご意見・ご要望を反映したものでございます。なお、千曲川の河川改修につきましても、多くのご意見・ご要望をいただいておりますので、千曲川の河川管理者は国土交通大臣でありますが、この浅川の河川整備計画案とは別に、無堤地区の解消の促進や、維持管理工事の強化等につきましては、機会を捉えて国に要望して参りたいと考えております。

 当初、原案の段階で内水対策として盛り込まれていたのは、今後20年間に排水機場の能力をアップすることだけでした。しかし、いくら排水機の能力をアップしても、千曲川が危険水位に達した段階では浅川の水を排水することができないという宿命がある以上、内水被害を軽減する抜本的な対策を優先して講じる必要があると思います。土木部長どうでしょうか。
 今回、河川整備計画案になる段階で、先程子ご答弁もありましたが「遊水地の設置をはじめとする各種の対策を視野に入れながら、土地利用のあり方などの多角的な観点から地域住民と連携して検討を進め、さらなる安全度の向上を目指す。」と記述されました。具体的に遊水地を計画に盛り込むのかどうか。お答えください。

原土木部長答弁
 内水被害を軽減する抜本的対策、この中に遊水地を盛り込むのかというご質問でございます。
 浅川の内水対策で目標としております浅川下流域で既往最大被害となりました昭和58年9月台風10号と同規模の洪水に対し、床上浸水被害を防止するためには、排水機場の増強、遊水地、ニ線堤の設置、この3つの対策が必要でございます。今回の河川整備計画におきましては、当面の対策としまして、このうちもっとも効率的で効果的である、浅川排水機場の増設を位置付け実施していくこととしております。内水対策用の遊水地につきましては、先にお答えしましたとおり、多くのご意見・ご要望をいただいていることを踏まえまして、今後行う、浅川排水機場の増設規模の検討を行う中で、具体案の策定を目標に検討を開始したいというふうに考えております。

 今、遊水地については検討ということでありますが、内水対策として遊水地を願う多くの住民の声にこたえ、具体的な検討をしただけでなく、盛り込んだ計画となるように要望をいたします。
 内水対策として検討するといったが、遊水地を願う住民の声にこたえ、具体的な計画となるよう強く要望します。
 学識経験者の意見聴取では、奈良県大滝ダムで発生した事象などとの比較検討はされたのでしょうか。6月7日に開いた最終回の会議では、地質についての質疑がでたが、質疑のかたちにならないまま識者からは「問題ない」との見解を得たとされています。
 学識経験者の中から、地附山と地続きで地質は基本的にもろいとの発言がされたように地質への不安は解消がされていません。過去のデータを確認しただけで、深い地すべりの危険性が指摘されているにもかかわらず、まだこの問題への調査はされていないように思われますが、最新の技術で再度調査すべきではないでしょうか。

原土木部長答弁
  最新の技術で再度調査すべきではないかというお尋ねでございます。私ども当然これまでさまざまな調査をして参っております。これらの調査の中で、すべて精度、必要な調査は終えておりまして、それに基づきます評価を十分に踏まえて、現在の設計、安全性を確保しております。これにつきましては、第三回学識経験者の意見の際にも専門分野の委員の皆様方から改めて安全性に関して問題ない旨のご意見をいただいております。そのようなことから、現在の調査で十分足りておりますので、これをもって、今後詳細設計のほうに移って参りたいと考えております。

 私先ほど、同じような地すべりのあるところで建設された大滝ダムなどでの事象の比較をされたのかということもお尋ねしましたが、その点はいかがだったでしょうか。昨日も土木部長のご答弁の中で、今までの調査の結果、今回の計画では、確かに、浅い面と深いすべり面の両方を想定して十分な対策を講ずると部長はいわれますが、私たち共産党県議団で今年5月に奈良県大滝ダムの視察に行ったとき、国土交通省近畿整備局の地すべり専門官から「初生地すべり(はじめてうまれる)」ということを言われました。昔動いたことのない斜面が貯水の影響を受けて突然動き出したということで、初生地滑りは、昔動いたことを示す特徴を持たないため、これを事前に把握することは困難と、地すべり専門官から説明されました。つまりどこで地すべりが起こるか予測がつかない、結果起きた地滑り対策にダム建設後、白屋地区の対策に260億と今年度以降で新たに地すべりの可能性がある大滝地区・迫地区の対策に160億円も国民の税金から予算を追加しています。このようなことが浅川に起こらないといえるのでしょうか。お答えください。
 今回の穴あきダムの場合は、洪水時に穴の流下能力以上の降雨があった場合貯水池に水がたまり、自然流下で水位の急激な変化が地すべりをより誘発することについてはどのような検討がされたのか伺います。

原土木部長答弁
 お答えいたします。大滝ダムと比較して言われますが、昨日申し上げましたとおり、それぞれダムにおきます地すべりに対する対策はそれぞれの地点でそれぞれ個別の問題でございますので、その状況をすべて把握して必要な対策を講じるという、それぞれで違って参ります。
 質問でございましたので、大滝ダムの場合には、河床部をすべての末端としたすべり面で、今回の地すべりは起きております。それと同じように、浅川につきましては、一番深い地すべりは河床部を末端としたすべりで現在検討しております。と同時に、それよりも深い地すべりがあるのではないかというご意見もございますが、そうなりますと、対岸まですべり面がいくような大きな地すべりという形になりますので、これは考えられないことでございます。そのようなことで、現在浅川におきましては、必要な対策は十分にできるものでございます。
 引き続きまして、水が貯まった場合、地すべりを誘発することはないかということでございますが、これは当然、水が貯まって参りますと、現在は安定しているものであっても危険側に動いて参ります。その危険側に動くことを抵抗、いわゆるそれを抑止する対策として現在考えておりますのが、抑え盛土であるとか排水、各種杭工等でございます。こういう対策で十分に対応が可能でございます。しかしながら、これを具体的なより精度の高いものの対策につきましては、今回◆お願いをしております斜面安定◆、設計、この中でより具体的にしてまいりたいと考えております。

 今、土木部長からさまざま浅い面深い面、両方を想定しての抑え盛土や排水杭工を今後検討している斜面安定設計などなどということで十分な対策を行っていくということでしたが、それは、貯水池内を驚くほどコンクリートで覆うのでしょうか。
 穴あきダムは環境への負荷が少ないというが、地すべり対策として、コンクリートで斜面を覆いつくすことが環境に負荷がないのでしょうか。お答えください。

原土木部長答弁
 コンクリートで斜面を被い尽くすような工法を採用するのかというご質問でございますが、地すべり対策につきましては、当該箇所の地形・地質、その発生の要因等を踏まえまして、多くの対策工法の中から現地の状況に即した適切な工法を選択して実施するものでございます。浅川におきましては、ダムサイト上流に位置する地すべりブロックの対策として、河床部の抑え盛土工、上部の排土工、杭工、集水工を組み合わせた工法となりますので、ご質問にありましたようにコンクリートで斜面を被い尽くすような工法ではございません。またちなみにコンクリートでやる場合でありましても、中のところは緑で緑化するというそういう対策方法も考えられますので、十分に環境に配慮した工法になろうかというふうに考えております。そのようなことで、私どもとしましては、環境にも配慮して、地すべりに安全な工法ということで、可能だと考えております。

 いろいろな対策で行うということで、たとえコンクリートになっても緑化をするというようなことも言われましたが、ダムを造らなければ、必要以上の地すべり対策はいりません。飯縄・浅川の自然が残ります。

 では、最後に知事に伺います。
 6月長野市議会で、共産党の原田市会議員が、浅川ダムの穴は1.1平方メートルときわめて小さく、上流からの土砂などが詰まってしまう危険があることを指摘したことに対して、長野市の建設部長は「県が万全を期すはず」といいながら「万が一、閉塞した場合に備え、予備の洪水吐を設けることも選択肢の一つ」と答弁したとお聞きしています。昨日の本会議の質問でも同様の質問がだされ、「穴がふさがるのではないか」と繰り返し心配し、指摘がされました。県は、模型実験も行っていない今の段階で、あくまでも机上の計算で「穴はふさがらない」と説明していることに対して、県議会でも市の行政の責任のある部長でさえ、その安全性に危惧をいだいています。このような不安が解消されない段階での国への認可申請は行わず、より慎重に検討をすべきではないでしょうか。知事、お答えください。

村井知事答弁
 浅川の河川整備計画について和田議員からご質問がございました。
 浅川の河川整備計画につきましては、これまで国土技術政策総合研究所、それから独立行政法人土木研究所等から助言を頂きながら技術的な検討を行う中で、技術面での条件は整えられており、私どもとしましては、認可申請をすれば認可をいただける、そういう状況になっていると判断をしています。
 さらに昨日、長野市長および小布施町長から、河川整備計画の案にご同意になる旨の意見書を頂戴したというものでございまして、河川法の手続きを完了した段階でございます。現段階で、常用洪水吐の問題も含めまして安全性については問題がないと判断をしている次第でございますけれども、今後概略設計や水理模型実験などを実施する中で、より具体的な検討を進め、地域の方々にもご安心をいただけるように努力をして参りたいと存じます。

 知事は県民の生命・財産をまもるためと言われます。
 私は、豊野町に生まれ育ちました。新幹線車両基地の近くに、実家の田んぼがあります。2004年の台風で、収穫した稲がはぜかけされたまま、稲穂が水につかった光景がいまも目に焼きついています。浅川は千曲川との関係で内水被害を毎年のように受けています。災害に実効のある対策を求め、質問を終わります。