村井知事答弁
子どもの医療費の無料化の対象年齢引き上げについてのご質問でございます。
県基準以上に対象年齢を広げて事業を行っている市町村があることはよく承知しています。が、医療費は医療の高度化等によりまして、毎年3ないし4%程度は自然に増加しているということでございまして、長野県の平成17年度の医療費は平成16年度に比べ、3%伸びているということがございます。この傾向はなお続いていくものと理解しております。
乳幼児につきましては平成18年度、対象年齢を入通院とも小学校就学前まで引き上げ、しかも所得制限も廃止したわけであります。県の助成基準には、すべての市町村事業が持続可能となるものであることが求められると私は考えております。医療保険制度の改正で浮いた財源を活用した制度拡充を検討すべきであるというご提言でございますが、長期的視点に立って、この福祉医療制度を持続可能な制度としていくことを考えますと、県としては乳幼児について現行の対象年齢や給付方法は当分の間維持したいと考えるものであります。
只今の知事のご答弁は6月県議会のものと全く同じで残念でございます。
長野市がおこなった平成18年度の「まちづくりアンケート」に、特に力を入れてほしい施策についてという問いがあります。このなかで長野市の20代・30代・40代子育て世代の女性が一番要望しているのが「子育て支援」です。男性でも30代では1番になっています。このように要望は大変大きいです。
東京都では中学3年生までの医療費助成に踏み切るにあたっては国の制度改正で3割負担から2割負担になったことで浮く財源をあてるという考え方だと明言していました。また、窓口無料では、国保のペナルティー分は東京都は100億円にものぼるそうです。加えて東京都は財政力の弱い市町村のペナルティーも都が補填をしてまで、都内に生じている格差をなくしていく、子育て推進の独自の助成を前進させる立場でおこなっています。
長野県の財政状況は厳しいけれど、子育て支援に経済的支援は欠かせません。未来を担う子どもたちのために、医療費無料化制度の充実・前進を強く要望します。お金の有る無しではなく、やる気と思います。県民には大変重い住民税の負担になっておりますので、県として、前向きな立場で検討をしてください。
つぎに、白馬・長野有料道路についておたずねします。
昨日の、丸山栄一議員も同様の趣旨で質問されました。それだけ、地域の要望が大きいわけです。
長野冬季オリンピック開催にあわせて整備され、平成7年開通した県道長野―大町線(通称オリンピック道路)は、長野市と大町市や白馬村を結ぶ主要地方道の役割以上に、北陸から関東方面への物流の重要な役割もになう道路として利用されています。そのため大型車両を中心に交通量は増加の一途をたどっています。しかし、2キロメートルの有料区間を避けて、中条村から長野市七二会大安寺・笹平への迂回通行車両が多く、騒音や振動、交通事故の危険が生じたことで、県はすでに、平成14年5月以降、夜10時から翌朝6時までの8時間を無料化する社会実験を実施しています。まず、社会実験の効果を土木部長にお聞きします。
原土木部長答弁
夜間無料化実験の効果についてお答えいたします。
夜間無料化によりまして、現道の沿道環境は改善しております。中条高校付近では夜間8時間の交通量が、約500台から約100台に減少したことにより、67ないし70デシベルあった騒音レベルが、52ないし59デシベルに低下し、騒音対策の効果が出ております。当然ながら、反面としまして、マイナスの効果、これは夜間無料化の影響によりまして、白馬長野有料道路の料金収入が約5千万円減少という状況でございます。
料金の減収が多いほど、利用者が多いということで実験の効果が本当にあがっていることがよくわかります。
関係市町村からは夜8時から翌朝8時まで12時間、無料時間帯の延長をしてほしいとご要望があがっています。私も笹平・大安寺のみなさんから「狭い道に大型のトラックがすごいスピードで通り過ぎて、危なくて困る」といわれています。小中学生や中条高校生の通学路でもあります。また、人家がれんたんしていてこれ以上道路を広げられない箇所や見通しの悪いカーブにアップダウンの道路状況はそれだけでも危険です。そのうえ大型車が上下両方向で通過し危険なことは腰原副知事もご承知と思います。
沿線住民の願いを副知事はどのように受けとめておられますか。安全確保、オリンピック道路の有効活用のためにも時間延長をすべきと思いますが、副知事いかがですか。お伺いします。
また、通行料金については土木部長におたずねします。白馬長野有料道路と同様の社会実験を行っているのは、松本トンネル、五輪大橋、志賀中野と4路線ですが、他の3路線については夜間無料化だけでなく、昼は全車種100円の値下げをしています。なぜ、白馬長野だけが普通車200円、大型車300円のままの通行料金になっているのでしょうか、他の3路線並みに100円にしてはどうですか。土木部長にお聞きします。
腰原副知事答弁
白馬長野有料道路の無料時間帯延長という地元要望について、どう考えるかというご質問でございます。そこの道路につきまして、わたしもよく議論させていただいている一人でございます。
昨日土木部長から前田議員にご質問にお答えをもうしあげたところでございますが、この有料道路事業というものは、建設費を県の出資金と国や公庫等からの借り入れ金で調達いたしまして、これを有料通行料金収入で返済するという仕組みでございまして、いわゆる税金ではなくて、受益者負担により新たな道路を建設する制度でございます。また採算性など条件が整い、国の許可が得られた場合、計画から実現まで短期間で新設できるという性格もございます。ちなみに一般的でございますが、着工から完成まで最長で5年ぐらいと言われているものでございます。
そこで、無料時間帯を延長することによって、環境改善や地域の振興につなげたいという地元要望もわからないわけではございませんが、白馬長野有料道路は建設費が45億円、償還機関が30年という事業でございまして、平成18年度末で31億円の未償還額がございまして、暫定的に行っております現行の社会実験による減収が年間5千万という状況にございます。ご要望の通り無料時間を夜8時から朝8時まで延長いたしますと、さらに年間で2400万円、朝2時間だけの延長ということになれば、1400万円ほど減収が拡大するわけでございまして、これは結果として住民全体の負担になるということになります。
したがいまして、有料道路の無料化につきましては、制度上の問題、あるいは財政状況、他の有料道路利用者との公平性などさまざまな視点から、慎重な議論が必要ではないかと考えているところでございます。
原土木部長答弁
昼間なぜ白馬長野有料道路が100円でないのかという点でございますが、志賀中野、五輪大橋、松本トンネル有料道路においては、平成14年度時点での料金収入が計画の5割を下回っており、料金を値下げし、利用交通量を増加させることで収入増を図ろうと昼間全車種100円という試行を行っているところであります。これにたいしまして、白馬長野有料道路では、計画に対し、7割以上の料金収入があったこと、また夜間騒音対策として夜間交通量を料金でコントロールすることから、昼間の料金値下げは実験の対象をしておりません。
これまでのところ、昼間の料金値下げによって、五輪大橋では増収となったものの、志賀中野、松本トンネルでは、合わせて年間1億1千万円もの減収となっております。したがいまして、これ以上の収益悪化はさせないことを前提に、現行の社会実験の内容も含めまして、再度慎重に検討してまいりたいと考えております。
税金の負担か、受益者負担か、いずれでも国民の負担には変わりません。せっかく整備をした社会資本、道路は使ってこそ生きるのではないでしょうか。来年度に向けて、前向きにご検討をお願いします。
村井知事答弁
ご質問にお答えする前に、ひとことだけ申し上げさせていただきたいのは、これは実はご質問のお答えに関わりますので申し上げさせていただきたい。柏崎刈羽原発の先般の中越沖地震に関連して起きましたことは、私も理解しております。これは原子力発電施設の根幹的な部分については何ら問題がなかったという事実であります。そのことを申し上げました上で、地質の安全性に不安があるとおっしゃいますけれども、ダムサイト周辺の地質状況を踏まえ、安全な構造物を設計し施行するという考えでございます。それから、浅川ダムではすでにダム建設にかかわる重要な地質調査を実施しておりまして、その状況を詳細に把握しておりますので、再調査は必要ないと考えております。
再調査は必要ないとおっしゃられますが、やはりまだ県民の中に多くの不安がまだ残っている以上は、県として責任をもって再調査する必要があると考えますので、この点引き続きお願いをいたします。
知事、この河川内に草木が繁茂している状態をどう思われますか?(パネルを示す)あまりにひどいので降りてみましたら、私が隠れるほどの草木の丈でした。この写真は10月1日に長野市檀田付近の浅川で撮影しました。
周辺に住んでいる方々から河川内を覆い尽くすほど茂った草木の刈り取りと、堆積している土砂を除去してほしいと再三の要望があり、8月1日に浅川改良事務所に申し入れましたが「河川内の草刈は河川管理者の仕事ではない。現場も見たが、流下能力に支障をきたすものではない。」との見解で放置され、10月になっても写真のとおりであります。
浅川の河川内の日常的な管理は、この1年ほどでずいぶん悪くなったと沿川の住民のみなさんから苦情が寄せられています。
河川内の日常管理を積極的におこなうべきと思いますが土木部長いかがですか。
原土木部長答弁
河川の管理についてお答えをいたします。河川は自然の構物でありまして、上流からの土砂が堆積し、次の出水で下流に流され堆積し、これらを繰り返し、現在のみお筋が作られています。必然的にそこには植物が繁茂し、蛍や蝶などが生息する貴重な自然空間でもあります。
河川の維持管理にあたっては、河川巡視員や地域の河川を熟知している河川モニターの方々の報告、出水被害のパトロールにより危険箇所を把握するよう努めております。堆積土の除去や樹木の伐採にあたっては、河川の状況をみながら、河川の流下能力を大きく阻害している堆積土や、障害となる大きな樹木などを優先的に排除しています。加えて河川内には魚類や蛍、鳥類が生息していることから、漁協・自然保護団体・地元区等の関係機関と協議をしながら、治水機能と河川環境の調和を図りつつ、維持管理を進めております。
また県民のみなさまのご協力で、平成18年度には約800団体、のべ16万人を超える河川愛護団体や、、、、、契約団体の方々にご支援をいただきながら、草刈や清掃等の維持活動を実施するなど、県と住民の協働で維持管理の向上に努めているところであります。今後も地域住民のみなさまのいっそうのご協力をいただきながら、適切な維持管理を行ってまいります。
この河川管理の問題については今浅川の写真をお示ししましたが、浅川だけではなく、ほかの河川でも日常普段からの決め細やかな管理をして、減災という観点から管理をしていかなければならないと思います。今、部長からもお答えがありましたけれども、今日常のいろいろな管理をしていく上で、流域住民のみなさんの協力が欠かせないものとなっております。
浅川改良事務所のように、河川内の草刈りは管理者の仕事ではないと、このように突き放した見解ではなく、やはり地域の住民のみなさんと協働して管理をしていくための手立てをもう少し丁寧にすべきという意見を申し上げまして、わたくしの質問を終わらせていただきます。