2007年12月議会 一般質問 12月12日 高村京子

1 地域医療問題について

2 児童自立支援ホームへの財政支援について

3 後期高齢者医療制度について

1 発達障害児の支援について

  共産党県議団高村京子です。
 上田市産院院長退職希望に続き長野病院産科医師4人の出身大学への引き上げ!12月7日上田地域に大きな激震が走りました。多くの市民が未だに信じられない気持ちです。
 お産を扱う施設は現在49施設、さらに来年には県立須坂病院や昭和伊南病院・長野病院などの閉鎖や休止がとりざたされています。県庁HPの医師募集案内では、産科だけでなく、内科医71人をはじめ整形外科29・外科・精神科22などの医師募集数が載っています。県病院協議会の昨年12月調査では確保困難の医師数が608人にも上っています。
 今県民の中には地域医療の崩壊で必要な医療にかかれない大きな不安が広がっています。どうしてこんな事態になったのでしょうか?

 先週の土曜日午後、信州大学キャンパスにて「医師を増やし地域医療を守ろう12・8県民のつどい」がおこなわれました。民主医療機関連合会が呼びかけたところ県下の76の病院長をはじめ診療所長、医師会長、市町村長など179の団体個人が賛同人となって取り組まれ、会場いっぱいの約300人もが今の医療現場の実態、その原因、どうすれば展望が開かれるのか熱心に集いました。
 「医師不足と深刻化する地域医療崩壊」と題して講演された埼玉県済生会栗橋病院の本田宏医師は、国が国民医療費の総額を低くおさえるため20年も前から医師養成を抑えてきた事と、地域医療に必要な財政支援をしてこなかったことが大きな原因であることを明らかにされ、日本は医療費が先進国の中で最低なのに、患者の自己負担が高いと指摘し「医療は命の安全保障、今すぐ国の医療費拠出を引き上げるべきだ」と訴えました。
 県国保直診医師会の小林会長は、「人々の『生・病・老・死』を支えてきた国保の医療機関は効率優先を求められ8割が赤字を抱え、存続の危機に直面している。国は総医療費の抑制策を改めるべき」と訴えました。厚生連篠ノ井総合病院の和食副院長は「日赤上山田病院の救急医療の中止などで、坂城や上田市からも救急搬送が集中し、ベッド不足、医師は疲労困憊。しかし、救急医療は赤字です。まったく展望がもてない、医療の集約化はだめです。」と語りました。
 県衛生部の桑島技監も県のさまざまな医師確保強化対策や「県内医療は負のスパイラルに入っている」と説明されました。また須坂と上田地域で安心して子どもを産み育てることを望むお母さんがたからも、お産をする場がなくなってゆくことへの大きな不安が語られました。

 村井知事は、医師確保が喫緊の問題と受け止め、県としてさまざまな対策を講じ、厚生労働大臣にも直に要請に行っていただきましたが、昨日のご答弁では解決の方向が見えないとお答えになりました。深刻で危機的な医師不足・確保難の根本原因はどこにあるとお考えでしょうか。知事に伺います。

村井知事
  日本は世界にも例の少ない国民皆保険、それからとりわけてフリーアクセスができる、こういう大変独特のといいますか、非常に大事にしなければならない要素をもった医療制度でありますけれども、一方で、大変高騰する医療費ということで、どうやって医療費を抑制するかということが大きな課題になっています。絶対水準が高いか低いかということもありましょうけれども、そういう問題意識があったことも事実だと思います。
 そんな中で国による医師養成数をかなり抑制したという経過がありますし、診療報酬については、*****のような関係者の間の議論があったことも事実であります。
 そういう中でまず平成16年度から臨床研修制度が導入されまして、従来の医師の供給機能を果たしてまいりました、あるいは医師の調整機能を果たして参りました大学の医局制度、これは見る人によっては、徒弟制度であるというような批判をされるかたもあったわけでありますが、これが崩壊したということが、医師不足が顕在化する、引き金であったと、私はこのように見ております。
 加えまして、フリーアクセスということを冒頭で申し上げましたけれども、それによりまして、患者が大変強い病院志向を持っている。それから休日・夜間診療への要求が強まる中で、勤務医が結果的に大変な過重労働に陥っている。そして医療訴訟の増加というのが、勤務医の士気を大変低下させて、離職を加速させるということにもなってしまう。医師不足というのは、こういったさまざまな要因が重なり合って生じているものだと、私は認識しています。

 先般舛添厚生労働大臣と意見交換をさせていただきましたが、そのときも舛添大臣から日本の医療についての長期的なビジョンというものをしっかり検討して国民にお示ししていただかなければならない、こういう総括がございまして、私はまったくその通りだと感じた次第でございます。現在の医師不足の根本的な解決のために、そういうグランドデザインに基づいて、国民皆が合意できるような策をまとめていくという作業が不可欠ではないか、こんなふうに思っているところでございます。

 人口10万人あたりの医師数はOECD(経済協力開発機構)世界平均では310人、日本の平均は201人、長野県は181人と全国平均からもさらに少なく、220万の県人口に換算すると、長野県は日本の平均より422人不足です。世界平均からは、何と2400人も少ない厳しい現実があります。しかも、日本の医師数は定年後の登録医師も数に入っています。
 国民の総保健医療費の国際比較は対GDP比で、アメリカの半分、ドイツ・カナダの3分の1で先進7カ国中最低です。
 また、県医療労働組合連合会は今年の1月から3月にかけておこなった医師の労働実態調査を今年の5月に発表しました。「過労死水準とされる月80時間以上の時間外勤務が24%と4人に1人、60日連続の勤務、39度の熱を出しても当直勤務、95%の医師が当直明けも引き続き日勤、半数が健康に不安、病気がち、6割が病院勤務を辞めたい。」と思っているなど労働基準法ではありえない過酷な労働実態が浮き彫りになりました。
 日本中で医師があまっているところはありません。絶対的な医師不足です。国の低医療政策のあり方に根本的な原因があるのです。

 12月6日上田市内で、お産を扱う3医院の先生方が上田保健所の呼びかけで緊急に対策会議をもち、「残る6〜7人の医師が互いに協力し合ってオール上田お産チームで頑張りましょう。」と団結をはかって戴きました。市民として心からうれしく思います。しかし、上田地域では、すでに産婦人科医師1人当たりが取り上げるお産の数は200件以上となっており、平均をかなり上回っております。産婦人科医のこれ以上の対応は「火事場の力」的頑張りを意味します。
 また、長野病院が背負ってきたハイリスクのお産、婦人科領域の全身麻酔下での手術や特殊ながん治療は上小圏域ではできなくなります。
 2次医療圏の医療体制に責任を持つ県衛生部として、上田小県及び坂城地域の産婦人科医療体制をどのように確保するのか、県の対応について衛生部長に伺います。

渡辺衛生部長
 上田地域における産科医療についてお答えします。
 西沢議員のご質問にお答えした通り、昨日昭和大学に対して関係者による要請を行いましたほか、上田保健所を中心をいたしまして、関係医療機関・自治体等今後の対応についての検討を始めておりますが、ハイリスクの分娩などに関しましては、今後隣接する長野医療圏、佐久医療圏との連携も視野に入れまして、行政・医師会・医療機関など関係者による医療圏を越えた調整を行いまして、上田地域の産科医療を確保していきたいと考えております。

 助産師外来や助産院など、助産師さんにもお産を扱う主役として、医師と助産師がともにこの難局を打開するチーム医療ネットワークの補強を強く望みます。昨日、上田地域の「安心してお産と子育てができる住民の集い」の皆さんが、バースセンターなど助産師活動への支援を求めて5万人余の署名を集めて県議会に要望を出されました。県にはこの皆さんの真剣な意を汲んで戴き、実効ある対策を求めます。

 2年前、上田市産院が閉鎖せざるを得ず、長野病院に集約の方向が一時示されました。その長野病院は1997年7月、東長野病院循環器と国立上山田病院との統合によって、24時間の高度救急医療機関としてスタートしました。しかし2年前からは麻酔科の常勤医が確保されず、一病棟を閉鎖し、今さらに医師の引き上げです。
 後医療を引き受けた日赤上山田病院は、すでに大幅なベッド閉鎖と、救急医療の中止で来年からの救急病院機能は望めません。診療機能の集約化は決して地域医療を守ることにはなっていません。飯田市立病院の実態にもすでに表れております。
 県は地域医療の集約化を進めてきましたが、集約化の方向で地域医療が守れるのでしょうか。衛生部長の見解を伺います。

渡辺衛生部長
 集約化についての質問にお答えいたします。
 長野県産科婦人科医会の調査によりますと、本県の産婦人科医数は平成13年の189名から、平成18年には162名に減少しております。
 本年3月に長野県産科小児科医療対策検討会が行いました集約化重点化の提言は、こういった医師不足と、その結果としての県内の分娩取り扱い施設の減少という現実を踏まえた上で、医療崩壊を防ぐための緊急避難的措置として地域の中で中心となる病院に医師を重点的に配置し、病病連携、病診連携と、機能分担によりまして産婦人科医療の水準を維持しようというものでございます。
 身近な医療機関でお産をすることはもちろん理想ではございます。しかし、現在の中核的な病院ですら分娩を中止せざるを得ないような医師不足の状況の中で、それを求める事は、数少ない産科医を複数の医療機関に分配・配置することに他ならず、より深刻な事態につながるものと考えます。
 繰り返しになりますけれども、まず医師不足という厳しい現実があり、その中で地域医療を確保するためのやむを得ない対応として、集約化・重点化という提言が行われたものでございます。ご理解を賜わりたいと存じます。

 医療の体制の集約化は、多くの県民から生活圏内での医療を遠ざけ、集約された病院では、患者が集中し、長い待ち時間やベッド不足、救急患者件数の増加でますます勤務医の過酷な労働実態へと追い込むことになります。集約化ではなく今ある、病院・診療所を大切にして、それぞれの役割を応援し、これ以上の崩壊を食い止める手立てを求めます。集約化への推進方向をいったん立ち止まって現状を直視し、地域医療を守る手立てを再構築されるよう求めます。

 「12月8日・医師を増やし、地域医療を守る県民の集い」では、3つのアピールを掲げました。
 医学部定員の閣議決定を見直し、医師養成を増やすこと、医師数をOECD平均水準に引き上げること。勤務医が働き続けられるように診療報酬を増やすこと。医療事故など信頼関係を壊すような警察介入をやめ原因究明と再発防止を目的とした第三者機関の設置と無過失補償制度を設立すること。
 地域医療の第一線で奮闘されている病院長や医師の皆さんが早急な国の対応を切望されています。このアピールを受け止め、国に働きかけるべきと考えますが衛生部長のご所見を伺います。

渡辺衛生部長
 国に対する要望についての質問にお答えします。
 ご指摘の医師確保、地域医療を充実するために、年度当初から繰り返し、病院勤務医の確保、離職防止に向けた診療報酬の改定や、働きやすい環境整備の促進など、国に対して要望しております。
 今後も引き続き、あらゆる機会を通じまして要望して参りたいと考えておりますので、議員の皆さまに置かれましても、ご理解とご協力をお願いいたします。

 村井知事はさきほど、国は医療政策のビジョンを示すべきだと、そういう厚生労働大臣とのお話があったとおもいますけれども、まさにそうです。現場で第一線で働いている医師に対して、希望を与えてください。そして、医師と一緒に力をあわせて地域医療体制を守る先頭に、知事には立っていただきたいと思います。よろしくお願いします。

2 児童自立援助ホームへの財政支援について

 次に、「児童自立援助ホーム」の財政支援のあり方について伺います。
 国は児童福祉法の改正を行い、都道府県に1箇所の児童自立援助ホームの実現を進めています。自立援助ホームの役割と来年度の法改正はどのような内容か社会部長に伺います。

 来年度の法改正では、実際には2009年度からの増額であり、来年度の運営費補助制度は変わりがないと思います。
 県が支援して上田市に開設された「児童自立援助ホーム・丸太の家」は、2年半が経過し、この間安定した対応ができるよう常勤1名から2名に、非常勤2名体制へと強化し、住居も交通環境の良い中心市街地に引っ越すなど体制と環境整備に努めて、家庭環境に恵まれなかった中学校卒業から18歳までの児童の育てなおしの家、ホームを守ってきました。巣立っていった青年たちの拠り所でもあり、県内児童福祉施設からも入居相談が寄せられ、必要なホームであり実質的支援が必要なことを国も重視しています。
 国と県から半分ずつの約500ないし600万円余を補助金として支給されますが、一年を経過した実質経費が明らかになった時点での支給となっており、一年分の必要経費の4分の1、約300万円を借入金によって運営している厳しい実態です。せめて4半期ごとに支給するとか、家賃などの実費支援を盛り込むなど、この際、改めて来年度の施設運営に対する支援の再検討を求めますが、社会部長いかがでしょうか。

 また、幼少期の虐待体験や生活不安などによる影響からリストカットなどの自虐的行為や時に攻撃的態度にでるなど、精神的不安定になることも多く専門的ケアーが必要な子どもたちです。今のホーム職員は現実に誠心誠意対応し、頑張っていますが専門職ではありません。臨床心理士や精神保健福祉士などの専門職のかかわりがどうしても必要です。是非、児童自立援助ホームに専門職の派遣などでカウンセリンングを保障してください。社会部長に対応を求めます。
 以上お願いします。

藤巻社会部長
 児童自立支援ホームにかかる児童福祉法の改正に関する質問からまずお答えいたします。
 児童自立支援ホームは義務教育終了後、児童養護施設等を退所して就職した子ども達が、日常生活の援助や就労指導を受けながら共同生活をし、自立を目指す施設でございまして、長野県には先ほどおっしゃいましたように、上田市に1箇所ございます。現在、児童自立支援ホームの運営費につきましては、ご質問にもございましたけれども、国と都道府県が2分の1ずついわゆる予算補助という形でおこなっているところでございます。
 国におきましては、義務教育を終えた子どもたちの就労を支えるなど、子どもの自立に向けて、児童自立援助ホームの果たしている役割が大変大きいということから、***施設等の措置費と同様に国・都道府県の費用負担を法律に明記を致しまして義務化を図って、より確実で安定的な支援が可能となるような方向で法改正を検討しているというものでございまして、新聞の見出しなどを見ますと、増額という見出しもございますけれども、私どもは今のところ、安定的な支援という形で、法律に義務化を明記するということを聞いております。

 それから来年度の運営費の助成などでございますけれども、現在の補助金対策費の中で家賃に相当する賃借料も含めて補助基準が設定されております。ご承知のように、最初の年度、途中からでございましたので少し金額も少なかったこともございますけれども現行の補助基準では児童自立支援ホームの運営が厳しい状況にあることは私ども承知しておりまして、国に対しまして補助基準の増額につきまして、支援の要望をして、支援の充実に努めて参りたい、そういうふうに思っているところでございます。
 また、補助金の支払いの時期の関係でございますが、現在国の内示の関係もございまして年度末ということになっておりますが、ご指摘のように児童自立援助ホームの安定した運営のためには、やはり支払い時期を見直すことが必要だと思いますので、私どもも考えてみたいと思っております。

 それから3番目、最後ですが、入所児童に対する専門家の派遣に対するご質問でございますが、児童自立援助ホームへの入所措置は、児童相談所が実施しております。ホームの指導員と連携して、子どもの精神的・経済的な自立に向けたケアと***の方が行っているわけでございまして、それに児童相談所が連携しておるわけであります。
 ご指摘をいただきましたような、児童自立援助ホームに入所している子どもさんに対する過去に受けた虐待のように心の傷、あるいは就労先での対人関係の悩み、そういったものに対しましては、精神的な不安定な部分もございますので、こういった子どもの心の内面に深くかかわることが求められるようなケースにつきましては、現在児童相談所の児童福祉士、あるいは児童心理士の方を派遣して相談に乗っているところでございますが、さきほどのご質問にもございましたように、医療的なケアが必要になった場合には、医療機関の精神保健福祉士などの派遣についても検討して参りたいと思っております。以上でございます。

 児童自立援助ホームは誕生してまだ2年半ですので、長野県も一緒に親ということで対応をよろしくお願いいたします。

3 後期高齢者医療制度について

 日本共産党は、来年4月から始まる予定の「後期高齢者医療制度」は撤回を求める立場ですが、しかし一方、11月27日午後、長野県後期高齢者医療広域連合議会で、たったの14人の議員のたった2時間ほどの審議で、保険料額が賛成多数で決まりました。実質あと4か月をきった来年度4月からの準備を急いで進めないわけには行かない実状があります。
 長野県の保険料は、平均で年額約6万5千円、月額5400円とされました。今までの国民健康保険料は、多くの高齢者世帯にとって毎年のように値上げされ、払う事が苦痛の保険料となってきましたが、今までの国民健康保険料と後期高齢者医療保険料とを比較すると保険料負担はどうなるのでしょうか。衛生部長に伺います。
 今まで、健康保険料の負担が無かった人でも、79万円の基礎年金受給者では7割軽減があっても、月1000円程度、年間1万円以上の負担となります。
 国民の世論で支払いは半年間の凍結がされますが、法律の抜本的改善はされず、様々な矛盾も発生しています。

 次に知事に伺います。
 11月16日、長野県後期高齢者医療広域連合から、要望が出された「後期高齢者の保険事業に対する公費助成について」です。
 75歳以下の国民健康保険で実施される「特定健診」について、国民健康保険法により、国と県が3分の1を負担する事となっています。今までの老人健康保険法によって、75歳以上の高齢者も健診を保障されてきたところであり、国は74歳以下の者と同様の補助をおこなうべく来年度の概算要求で健診費用の補助する考えを示しています。
 よって、長野県においても今までどおり高齢者の健診部分の3分の1の補助をおこなう事で、75歳以上の高齢者の保険料減額と健康の保持増進、早期発見を支援すべきものと考えます。
 知事は後期高齢者広域連合からの要請に、どのような対応をされるのか伺います。

渡辺衛生部長
 後期高齢者医療制度の保険料に関してお答えいたします。
 長野県の後期高齢者医療制度にかかる保険料につきましては、11月27日の広域連合議会におきまして保険料率が可決されました。それによりますと、所得状況に応じた保険料軽減措置後の一人あたり保険料は、年額55052円で、全国の平均額を17000円近く下回り、また全国的にも低い額となっております。
 後期高齢者医療制度の保険料と国民健康保険の保険料につきましては、算定方法などに制度の違いがございますので、一概に比較することはできませんけれども、広域連合の試算で見ますと、81市町村全てにおきまして、後期高齢者医療制度の保険料を下回る状況にございます。
 今後被保険者一人ひとりの保険料額が算定されまして、来年7月から保険料の徴収が始まります。広域連合はもとより、県といたしましても今後共制度の周知にいっそう努めて参ります。

村井知事
 後期高齢者医療制度に関連して、検診費用についての助成のお尋ねでございます。医療制度改革の一環で、検診制度が改正されまして、来年度からは各医療保険者は40歳から74歳までの被保険者及び被扶養者を対象に特定検診として実施することが義務付けられたわけでございます。そして市町村国保が行う特定検診にかかる経費につきましては、関係市町村が負担するように法律で規定されております。
 ところが75歳以上の後期高齢者に対する検診は、後期高齢者医療広域連合が行うこととされておりますが、その経費につきましても公費負担についての規定がないという状況でございます。
 ご指摘のように厚生労働省は平成20年度予算の概算要求、まだ概算要求の段階でございますけれども、後期高齢者の検診費用の一部を助成するとの方針は示しております。そして、ご指摘のように、広域連合のほうからは県に対しまして、国と同様に助成するようにご要望を頂戴しているところでございますが、県といたしましては、こういうご要望を承りましたけれどもなお検討をさせていただきたいという立場を、今の段階では、申し上げざるを得ないということであります。

 健診は本来、公衆衛生の視点から、一般財源で拠出されるべきものを高齢者の保険料に盛り込むなど、後期高齢者医療制度に大きな疑問を持ちます。県はやはりせめて、健診料金の3分の1の支援をすべきではないでしょうか。再度、知事の決意を伺います。

村井知事
 御主張はわかりますし、公衆衛生の立場からというポイントもよく理解いたしますけれども、厚生労働省の概算要求は一体どういうことになるのかというところを見極めたいと思います。

 来年4月から始まるとされています後期高齢者医療制度ですけれども、さまざまなわからない点、疑問点、不安な点、山積でございます。保険料を本人の年金から一方的に介護保険料とともに天引きされるとか、保険料を滞納すれば保険証を取られるとか、大変な事態であります。
 このような敬老の心や福祉の心を無くしたずさんで年寄りいじめの医療制度への見切り発車は絶対中止すべきと申し上げまして、質問を終わります。ありがとうございました。