2008年6月議会 一般質問 6月27日 びぜん光正

1 特別支援教育について

2 高等学校再編計画の骨子案について

3 雇用問題について

4 原油高騰対策について

5 環境問題について

1 特別支援教育について

 順序を入れ替え、特別支援教育の充実について伺います。
 昨日の小林東一郎議員の質問でも長野県の特別支援学校の教員配置数は標準法を大きく下回り323名の不足が明らかになり、全国最低レベルの予算も、教育長はこれらのことを「重い課題として受け止めている」と答弁されました。
 そして知事は昨日の答弁で「特別支援教育は重要な教育」といいながら、「障がいは個別的な問題で標準法はひとつの数字」「すぐには現実的には難しい」と答弁されました。

 そこで知事は特別支援教育の教員配置が、国の標準法から著しく逸脱していることをノーマライゼーションの視点からどう捉えているのか伺います。標準法はいわば国の最低保障です。長野県は単一障がいの学級で複式学級編成を行っている現状を伺います。そうした中323名の教員が不足しているということですが、これらを放置しておくつもりですか。

 また、教育長にはすぐには解消は難しくても、例えば指導主事の数は同規模県の新潟・宮城県が56人、岐阜県65人に対し、本県は158人ととりわけ多く、これらの指導主事を早急に特別支援教育の教員の配置に向けるなどの対応ができないかお聞きいたします。

<知事>
 私が小林東一郎議員のご質問に申し上げましたことは、乖離につきまして、基本的には教育長が申し上げましたけれども、一番大切なことは、なんと申しましても、子どもやその保護者の方々にとって安心して学校教育が受けられるその条件をきちんと整えるということが大切であります。国が示しているのは、一つの基準であります。それは最低だと言うのは、私は必ずしもその通りだとは思いません。それを一つの標準として、国は教員の配置についての様々な配慮をしているわけでありますけれども、それをどのように実際適応するかと、対応していくかということにつきましては、それぞれの教育の現場における判断というのはあるんだろうと思います。そういう意味で、県としましては、教育委員会と連携して対応していくということを申し上げたということであります。

<教育長>
 指導主事を現場に、というお尋ねでございます。指導主事につきましては、教育事務所、総合教育センターなどに配置しまして、学校における教育課程・学習指導、その他学校教育に関する専門的事項の指導に関する事務に従事しております。指導主事の具体的な業務に関しましては、県の重点施策である学力向上にむけて学校の課題や個々の教員への指導上の悩みなどの支援を行う学校訪問指導をはじめ、いじめ・不登校児童等の対応の支援、初任権の実施、校長会・教頭会等への指導・助言等を大変多岐に渡っております。
 加えてこのたびの、学習指導要領改定に伴う、学校現場への周知徹底や、移行措置の解説書、あるいはまた教育課程・指導手引書等の作成がありまして、こういったこうした業務に携わっている指導主事を現場に配置する状況にはございません。

 ところで、私は学校関係者からはこの323名でも標準法に及ばないと伺っております。教育長、この数字の根拠をお示しください。
 そして、知事に伺いますが、私は4月の文教委員会で、新年度直前にスクールバスが定員オーバーで乗れなくなると言われ、保護者は送迎のため勤務変更を余儀なくされていることを取り上げましたが、その後も同様の切実な声が多く寄せられております。また教員体制も、「病休になる先生も多く、年に3人担任が変り、信頼関係の構築に時間のかかる子どもたちで、不安を与えている」とも言われました。学校施設も老朽化が目立ち、また増築もプレハブ対応で他の県立学校と比較しても違いは明らかで、安上がりにしているとしか見えません。これらは児童生徒、そして保護者に対して人権侵害ともいえる状況ではないでしょうか。
 そのためにも予算、教職員の充実を先ず行うべきであると思いますが再度知事にお聞きいたします。また、養護学校等におけるスクールバスに乗れない問題について、早急に全県再調査し補正予算対応をすべきではないか再度教育長に伺います。

<教育長>
 昨日、標準法との乖離の数字、323と申し上げたものは、教諭に相当するものでございます。

<知事>
 特別支援学校の再編問題につきましては、これは現在教育委員会にでいろいろ調整を図っているとことでございまして、その中で、解決をしていく問題だと思っております。

<教育長>
 失礼致しました。スクールバスの件ですが、この年度の変わり目にですね、いろんな移動がございましたりしまして、保護者の方含めて、相談にのったり、御願いしたりするわけですけども、それぞれの現場でですね、対応していくと、いう状態でございますので、よろしくご理解願いたいと思います。

 ただいま、聞いたことにですね、答えていただけないわけですね。知事は再編のことというふうに言っているわけですけれども、私は、現状は、先ほど知事は安心して受けられる学校環境の状況を作っていくために、努力をするということを言っておられるんですが、私は現状がですね、こういった大変な状況にあると、これに対してお答えを頂きたいということを。
 それから、養護学校のスクールバスにおきましてもですね、バスに乗れないと、高等部になると乗れないと、暗黙の了解で事態をしている状況があります。再度、ご両人にご答弁を御願いします。

<知事>
 安心して教育を受けさせる環境を整備しなければならないことは、その通りでありますけれども、現在そのようになっていないと、いうことは有り得るだろうとは、今のご質問を拝聴しておりまして、私も認識はいたしております。

<教育長>
 スクールバスについてでございます。特別支援学校の通学手段につきましては、各学校におきまして、保護者のご意向も確認しながら障がいの状態・家庭の状況・自宅からの通学距離、あるいは公共交通手段の有無などを考慮した上で、校内で組織しております、通学方法検討委員会において決定しておると、まぁこんな状態になっております。なお、多くの学校で、高等部の生徒に対しましては、自力通学や寄宿舎への入車がですね、将来の社会的自立に向けた生活訓練であり、積極的な教育の場として、推進している状況もございます。今年度につきましても、バス利用を希望して乗車できなかった児童・生徒のみなさんに対しましては、学校から保護者のみなさんに説明し理解をしていただいた上で、寄宿舎への入車、あるいは自力通学、あるいは保護者による送迎等の方法で対応を御願いしているという状態であります。

 ただいま、スクールバスの件ですけれども、我慢をさせて、無理をさせて、そして辞退をさせているということを認識し、私は再調査を是非ともしていただきたいと思います。これまた、文教委員会のほうで、取り上げさせていただきたいと思います。

2.高等学校再編計画の骨子案について

 次に高等学校再編計画の骨子案について伺います。
このたび出された高校再編計画の骨子案は機械的な一斉実施は解消され、特別支援教育についても言及されるなどの点は評価をしたいと思います。
しかし骨子案は定時制、通信制の適正配置ということで多部制・単位制高校の設置に置き換えようとしております。
今年度発足した箕輪進修高校では午後の?部の休憩時間は5分ときわめて短く、また給食の時間も20分と、次の授業に間に合わせるのに非常に密な時間配分であります。また松本筑摩も休憩時間が一定でないなど、これが本当に教育的な配慮なのでしょうか。
 また、一般的に、多部制・単位制高校では学級・学年制はないといわれますが、箕輪進修にはそれがあり非常に複雑なカリキュラムで生徒も教師も多忙であると聞きます。不登校経験者も多く入学するのにこうしたことが適切なのでしょうか。よって、発展途上ともいえる多部制・単位制の東北信への設置については、先行した松本筑摩で少なくとも一回目の卒業生を出すまでを、検証期間として検討すべきであると考えますが教育長の考えを伺います。
また、特別支援教育の推進では今年度からすべての学校にコーディネータの指名を行い、分教室の設置を進める当面策を記しておりますが、実際に現場に聞くととても忙しく、一生懸命やろうと思ってもやりきれない状態にあるといいます。現場の声を聞いて、加配を行うなど、そして先ず急増する障がいのある児童生徒の全県の特別支援教育のあり方を、先ほどもありましたが、じっくり総合的に検討して充実させるべきであると考えますが教育長のお考えを伺います。

<教育長>
 まず、多部制・単位制についてのお尋ねでございます。多部制・単位制高校は、生徒の学習要望の多様化や生涯学習の観点から、多様な要請に応えるために、設置された学校でございます。箕輪進修高校では地域の皆様から寄せられた多様な教育要望に応えるため、多部制・単位制の柔軟な教育システムを最大限に活かして、一人ひとりに光を当てて、一人ひとりが輝く学校づくり、これをテーマにして進めております。議員ご指摘の複雑なカリキュラムについてでございますが、生徒の学習要望に応えるには、多様な時間割や日課が必要であり、多部制・単位制の高校のシステムに特有なものでございます。そのため、コンピュータにより複雑な時間割を機能的に管理し、生徒の出欠席や成績を迅速に処理できる学習支援システムを導入しておるところでございます。また、科目履修や進路についてのガイダンス体制や相談室の設置などのカウンセリング体制の充実を図り、きめ細やかで暖かな指導に努めております。本年四月にスタートした箕輪進修高校と昨年スタートいたしました松本筑摩高校の二校は、いずれも志願者数が、募集定員を大きく上回っていることから、多部制・単位制のニーズは高いと考えておりますので、東北信につきましても、骨子案にお示ししたとおり、各通学区内に1校以上の設置をしてまいる考え方でございます。

 次に、特別支援教育の推進に関するお尋ねでございます。特別支援コーディネーターにつきましては、今般学校教育法が改正され、特別支援教育が法的に位置づけられたということを受けまして、本年度からすべての県立高等学校において、課程毎に示し、この文書にも位置づけたところでございます。県教育委員会にいたしましては、特別支援教育やコーディネーターの役割への理解を深めるとともに、研究協議会等を通じまして、学校現場の具体的な課題や悩みなどを出し合い、ともに解決することを目的として、コーディネーター全員を対象に年五回の研修を実施ししています。あわせて、下高井農林高校と望月高校が本年度から二年間、文部科学省の高等学校における発達支援モデル事業の研究指定を受けました。また、各学校のコーディネーター等による特別支援教育研究委員会を立ち上げたり、校長会でも特別委員会が設けられるなど、関係各方面において、調査研究が始まっておりますので、これらを通じて学校現場の声をお聞きしているところでございます。
 いずれにしても、高等学校における体系的・組織的な特別支援教育は序についたところでありまして、発達障がいを含む、障がいのある生徒が生活や学習上の困難を改善し、持てる力を高めることができるようにするため、国の動向等も注視しつつ、様々な課題を解決する方法について学校現場とともに研究してまいりたいと考えております。以上でございます。

 ただいま、多部制・単位制高校のこと、要望が多いこと、それはいいことであるわけですけれども、私が言いたいことは、不登校経験者が多く入ってくるのに、このような煩雑なカリキュラムがいいのか、休み時間も不定期・不規則であるようなこと。そして松本筑摩をやはり検証の対象として、一回目の卒業生がでるまで、やはり検証しろということをお願いをしたいと思いますけども、再度その点についてお答えいただきたい。
 それから、特別支援教育のあり方。緒についたということを自ら認めております。未確実な状態でですね、これをいっせいにスタートさせていくようなことがあってはならない、ましてややはり十分な検討が諮られない中でスタートすることは私はあってはならないというふうに思います。全県の調査も含めて、じっくり総合的に検討していくことを再度、ご答弁をお願いします。

<教育長>
 この多部制・単位制につきましては、いままで定時制といいますと、いままでの伝統的にですね、夜間部の四時間という定時の設置が圧倒的に多かったわけでありますけれども、様々な生活歴、学習歴、そういった生徒が増えて、学習要望が非常に多様化してまいりました。かつての勤労学生の学習機会の保障という意味合い、もちろん現在でもありますけれども、だいぶその様子が変わってきていると、言うふうなことであります。したがって、長野県全体の方向を見ますと、かつて戦後新しい新制高校がスタートして、定時制・通信制が発足しまして、最盛期には、本県でも1万7.8,000名ぐらいの定時制の財政援助がいると、いうような状態がありましたが、一方で高度成長に伴って、全日制の進学率が高まると。相対的に定時制がずっと少なくなってくると、いうふうな形で推移しまして、全日制につきましては、この40年来末と申しますか、50年代初頭には、97%とか、そういった進学率で、こうげん状態になってきているという状態であります。

 この間、定時制の生徒もですね、数が少なくなりましたが、いま申し上げたような変化の中で、やはり新しい器を作っていく必要があると、いうことで午前の部とか、午後の部とか、夜の部とかですね、あるいは他府県には午前と午後にまたがるような部を設置しているところもあります。したがって非常に、極端に申しますと、100人の生徒がいると100人の時間割が出てきてもいいと、これが理想なわけですけども、実際の人的な配置とか施設の面とか様々な面から一人ひとりに対して完全に個別指導にはもちろんなりませんけれども、要するに趣旨とすると、一人ひとりの時間割があり、三年間、あるいは四年間、あるいは生徒によっては、もっと長い時間をかけると、いうふうな時間帯のなかで、自分なりの学習スタイルで、高校教育を受けることができると、こういうシステムでございます。
 そういうシステムのために、確かに議員ご指摘のような、かなり時間的な、切り刻んだと申しますか、そういった形に見えるというところもあるでしょうし、要は、学習の形態、それから学びの趣旨、いうふうなものから、そういう形がとられているわけでございまして、それを非常に機能的にやるために、どうしてもコンピューターを使いまして、集中管理システムというものが必要でありまして、単位制を中心とするものについては、総合学科から導入しているシステムでございます。
 そういうものを導入しまして、出欠管理とか、成績管理まで含めて、そういった事務的なものを合理化していると、そういうシステムであります。

 私どもが一番普及させていく上で、1つの目安としたのは、箕輪進修高校のスタートにしましても、松本筑摩の志願状況等を見てですね、スタートするって言うのは今まで申し上げてきました。今回やはり、箕輪進修高校にたいする進学の志望者というふうなものが、今までの定時制では、ほとんど定員に満たないというのが実情でありますけれども、やはり、ちょっと言い方がいいかは別としまして、志願者が多くて選抜せざるを得ないような、要するにニーズは高いんですね。高いんです。したがって、先ほど申し上げたように、これは未設置のところに設置していくという基本は、やはり正しいと思っておりますので、是非ご理解していただきたいと思っています。

 それから、高校における、特別支援教育の状態ですけれども、昨年度初めて調査をかけまして、先ほど小山議員のご質問にもありましたけれども、お医者さん等の診断によって、発達障がいというふうに判定された生徒さん、180名ちょっと、正確な数字はあれですけど、いると。私どもで、例えばMS-DOS、失礼しました、1つの判定する基準のものがございまして、そこのスクリーニングにかけると、さらにお医者さんに判定されたものをトータルすると、52,30の数字がそうじゃないかなと、これは学校の現場の先生方の判定を加味しましと、そういう形なんですね。
 そうしますとですね、特に特別支援学校の高等部の肥大化とも関係があるんですけれども、中学校の特別支援学級にいる生徒さんがですね、その進学を考えるときに、おおよそざっと半分くらいの200人くらいの生徒さんが高等学校に進学していると、私学も入っていますがこの場合はですね。それから、4割とか、4割5分の人が高等部に入っているというふうなことで、これも高等部の肥大化の1つの要因かなというふうに思っております。
 だから、高等学校でいままで確かに「どうもあの生徒は、どうして落ち着きがないんだろう」とか、いろんなことに戸惑って、要するにそういう知識やノウハウが基本的なあれもなかったものですから、確かにそういう面では、先ほど居に着いたばかりとところと。いろんな申し上げ方をしましたけれども、しかしながら、そういうようなものを学校内で作って、そして関係のところの窓口とか、いう形での文書を位置づけて、研修も行って、これを自主的に機能するような形にもって行くと、いうことは避けて通ってはいけない課題だと思っておりますので、そういった意味合いで、高等学校の特別支援教育はやっていくと、これは先ほど申し上げたところでございます。よろしくご理解願の程、お願いしたいと思います。

 多部制・単位制につきましては、志願者が高いということで、それをもって「正しいこと」ということをですね、すぐに判断してしまうことは、私は危うさを指摘しておきます。また、序についたところの教育がですね、特別教育全体がですね、急増しているなかで、高校だけがですね、取り上げるわけには行かない、やはり全体がですね、きっちりじっくり論議しなければならないことは、この間の議会で明らかになっているかと思います。そのことを是非ともお願いさせていただき、次に参りたいと思います。

3.雇用問題について

 雇用問題について伺います。
 今回結果が報告された「多様化する就業形態の労働環境実態調査」に取り組んでいただき感謝をいたします。2月議会ではこの調査の利活用について、社会部長は「事業所に対して労働環境の実態を周知する資料、それから正規雇用への転換制度の導入についてのケース資料などについて利用したい」と答弁されました。そこでこれを受けて具体的にどう対応をはかるのか商工労働部長にお聞きいたします。
 県内の非正規労働者は34.8%で3人に1人が非正規という結果でありますが、そこで特に県内の派遣労働者数について長野労働局に伺いました。このグラフ(派遣事業所・派遣労働者数)ですが、折れ線が派遣事業者数で96年の110社から2006年には722社へと約6.5倍となり、派遣労働者の数は赤の棒で7,175人から10年で36,051人と5倍を超え急増しております。
 非正規労働者の年収の状況を県の調査から出させていただきましたけれども、グラフは今回の県の調査から作成し、赤が200万円未満で青が103万円未満で、あとが黄色が300万とかっていう形になっていますけれども、10代や20代で約9割とか10割がですね、いわゆる若年層ほど年収が極めて低いのがわかるかと思います。
 働いても生活保護水準に満たない収入しか得られないワーキングプアの存在を特に若年層に示唆されると思います。将来に展望の持てるような賃金水準を確保するためにも、正規雇用を増やす必要性があると思いますが商工労働部長はいかがお考えか伺います。

<商工労働部長>
 2点、ご質問をいただきました。
 はじめに、実態調査の結果について、どのように活用を図るかとのご質問でございます。この調査は事業所調査と個人調査に分けて行っておりまして、事業所調査の結果では事業所の約8割に非正社員が働いていること、また「非正社員を雇用する理由」「非正社員に適用される制度」など、処遇の現状が明らかになったところであります。また、一方の個人調査の結果では、賃金への不満の理由として、「仕事内容が正規社員と同じなのに、賃金に差がある」、こういう人が55.6%、また非正社員の中には、「機会があれば別の就業形態に変わりたい」と言う人も、23.8%いることがわかるなど、年収の状況、賃金に対する満足度やまた正規雇用への転換希望状況などが判明したところでございます。
 そこで、これらの調査結果を踏まえ、この4月から施行されたパートタイム労働法にも義務付けられている、正社員への転換制度の導入やまた社内教育訓練の実施など、社員との処遇の均衡の確保について事業者に対して、啓発をしてまいりたいと考えております。このため、この調査結果を長野労働局、経済団体、また労働団体等にしでに説明し、提供をして周知を図ったところでございます。また、県のホームページにも掲載をたしまして、広く県民のみなさまにも周知を図っているところでございます。
 さらに現在、この調査結果をわかりやすくまとめまして、さらにそこに改正パートタイム労働法などの情報も含めました、新しいパンフレットを作成中でありまして、県が行う労働教育・学生の就職指導にも用いるとともに、経済団体や労働団体に通じまして、事業所に配布するなど、様々な方面で活用してもらいまして、処遇の改善についていっそうの周知、啓発を図ってまいりたいと考えております。

 それから、二点目の正規雇用を増やすべきではないのか、とのご質問でございます。いま、議員ご指摘の通り、県内の派遣労働者数の推移につきましては、長野労働局によりますと、平成8年度の7,175人から、平成18年度には36,051人と約5倍に伸びております。また、非正規労働者の賃金につきましては、先ほどの実態調査の結果によりましても、年収200万円未満が、約7割を占めていると、こういう低い賃金実態にあることも認識しております。そこで、雇用の安定は、国・地方をあげて、取り組んで行くべき課題であると認識。県では、昨年2月に、知事・長野労働局長、県経営者協会の会長、連合長野の会長の連名で雇用環境改善へのメッセージを発信しました。県内企業等にたいし、正社員としての雇用の拡大を呼びかけるとともに、啓発に努めてきたところでございます。
 また、国におきましても、昨年10月の雇用対策法の改正に伴いまして、事業主の努力義務として、若者の募集機会の確保や職業能力の開発を推進することしたところでございます。また、さる6月10日の経済財政諮問会議におきまして、経済成長戦略を取りまとめたところでありまして、その中に新雇用戦略というのがございまして、フリーターと正規雇用化プランとして、今後三年間に若者100万人の正規雇用化を進めることとしており、ハローワークによりフリーターの常用就職支援やジョブカード制度の推進による職業能力開発機会の充実を図っていく方針でございます。
 また、労働者派遣法につきましても、いわゆるワーキングプアの温床とも呼ばれる日雇い派遣をはじめとして、見直しが検討されております。そこで県におきましては、そこで調査結果を活用した啓発を行うとともに、ジョブカフェ信州を中信とした若者の就職支援に力を入れているところでございます。昨年度はこのジョブカフェ信州で814人の就職を実現いたしまして、このうち780人、95.8%が正規雇用を含む、常用雇用に結びつけております。
 先般、この長野分室を長野市内中心市街地のもんぜんぷら座へ移転しまして、利便性の向上を図ったところでございますが、いままで以上にご活用いただき、できる限り、正規雇用への就職の促進してまいりたいと考えております。正規雇用の増加により雇用の安定は個人の生活のみならず、これは地域にとりましても、大変なことでありますので、今後とも国の施策と連携を図るとともに、県においてもジョブカフェ信州を中心に、また技術専門校等による職業訓練なども通じまして、若者などの就職支援に一層努めてまいりたいと考えております。以上でございます。

 ただいまお話にありました、ジョブカフェ信州はですね、長野分室がもんぜんぷら座にですね、私たち要望させていただいたとおり、移転していただいたこと感謝したいというふうに思います。
 ところで、この県の調査で「変わりたい就業形態」はということで、「正社員」とする回答が74.9%と最も多く、また男性では80.3%です。
 そこで県は企業誘致のための「ものづくり産業投資応援条例」を17年に制定しましたが、この条例は1年以上の常用雇用と社会保険加入が条件で補助金を出すものでありますが、3ヶ月、6ヶ月の契約を繰り返されれば結果としてこれも1年以上の雇用となり得るのではないでしょうか。2月議会の毛利議員の代表質問で提案した、京都府の企業誘致で正規雇用を融資条件とする取り組みは、富山県でも同様な変更がなされました。そこで知事に伺いますが本県もこの条例を常用雇用ではなく正規職員とすべきであると考えますが、お考えを伺います。
 また今回の県の調査では育児休業、介護・看護休暇制度などの「制度があるかわからない」が40%台と労働者の権利が認知されていない結果が出ております。こうした未権利状態ともいえる状況を改善させるべきだと思いますが、これへの対策をどう考えているか商工労働部長の答弁を求めます。

<知事>
 本県の企業誘致に関する補助の条件に常用雇用を入れよと、現在の常用雇用から正規雇用にせよ、というご指摘でございます。京都、あるいは福井(正確には、富山――事務局)とおっしゃいましたか、につきまして、例があるというご指摘がございました。実は、私も特にお答えする用意がございませんでしたので、よく検討させていただきたいと思います。

<商工労働部長>
 大変恐縮なんですが、ちょっと早口で質問が十分にわからなくて、的をはずれていたらお許しいただきたいと、このように思うんですけど、人口減少・少子化というこういう社会にあって、若者が良く思ってこの社会参加できる環境を十分に整えるということは、これは社会的な責任であって、あの厳しい経済状況でありますけれども、若者にしっかりした職場を提供すると、こういう面で県としてもできるだけ正社員としての雇用拡大。そういったものにむけましてへの拡大をしまして、経済団体・労働団体ともに、協力しながら取り組んでまいる必要があると感じておりますし、またそんな取り組みを進めてまいりたいと思っております。

4.原油高騰対策について

 引き続きまして、原油高騰対策に移らさせていただきます。
原油高騰は天井を知らず、冬場を過ぎたとはいえ今度はガソリン、食料品高騰はもとより、県民生活全般に深刻な影響を及ぼしております。
 そこでこの間、実態調査をお願いしてきた社会福祉施設等の原油高騰影響調査の報告がだされたことに感謝をいたします。そこで先ずこの影響調査の結果から判ることは何か、またこれを受けての県としての対応はどうされるのか社会部長の答弁を求めます。
 先日伺いました精神障がい者の共同作業所等を運営するNPO法人では喫茶で提供している、クッキー等に多用されるバターは入手困難でマーガリンに変更し、商品を1割の値上げをしたがままならず、利用者のまかない食を値上げもした。またガソリン代の高騰は職員の交通費についても運営を圧迫していると語りました。
 ところで2月議会において前社会部長は「社会福祉施設などは一時的な支援ではなく、20年度に検討される介護保険報酬単価等の改定に、原油高騰の影響等が適切に反映されるよう国に要望する」と答弁しました。これを受けて社会部長はどのように対応するのか伺いたいと思います。
 また移送における対応ですが、本議会におきまし補正予算でも提案が自立支援法に関わり事業者コスト対策事業として障がい者の送迎に補助をするというようなことが行われると言うことですが、本県としてもできないか、これらについて社会部長に伺います。
<社会部長>
 はじめに実態調査のことでございますけども、県では本年1月から、3月にかけまして、県内の社会福祉施設等、延べ568の施設を抽出しまして、原油価格の高騰が施設運営に及ぼす影響などについて実態調査を実施いたしました。その結果でございますが、まず原油高騰に伴い施設の運営に大きな影響が出ていると回答のありました施設は全体の41.1%。多少影響が出ているという回答がありました施設をあわせますと、8割以上の施設に影響が及んでおりました。
 また、大きな影響が出ているものとして最も多かったものは、施設の暖房代でございました。また、暖房代に車両燃料代など含めました燃料代全体につきまして、昨年度との比較についてお聞きしたところ、9割弱の施設で増加しておりまして、このうちほぼ半分の施設で、20%以上増加しているという回答がございました。この調査結果につきましては、厚生労働省の関係部局へ送付いたしまして、実態を伝えますとともに、県のホームページには各施設で取り組んでいる経費節減の実例などもご紹介させていただきました。
 さらに私どもも国に赴きまして、今回の調査結果も踏まえ、要望を行ってきたところでございます。その内容でございますが、社会福祉施設における介護報酬単価や生活保護世帯における生活扶助基準額について、原油価格をはじめとする、諸物価の上昇を反映した適切な額に改善していただきたいと、こういうものでございまして、これは知事会や担当部長会議などを通じましても、同様の要請を行っているところでございます。
 それから、送迎に対する補助でございますが、今回補正でお願いしておりますのは、障がい者施設における諸物価高騰対策でございまして、これは事業者の要望も踏まえて、要請をお願いするものでございます。
 お尋ねの障がい者の通所施設への送迎にかかる事業者への補助につきまして、本県でも昨年度から障がい者自立支援対策臨時特例基金事業として助成しておりまして、今年度当初予算では、1億600万円あまり、計上しているところでございます。以上でございます。

5 環境問題について

 時間がありませんので、環境問題について伺いします。
 洞爺湖サミットを前に、夏至の日にはですね、ライトダウンが行われ、本議会でもこのことが取り上げられました。
 私はこのライトダウンと問題としたいのは蛍の育成であります。いま蛍祭りが盛んでありますけれども、近年ゲンジホタルが非常に大変な状態になっている。それはカワニナに酷似した、コモチカワツボと言うニュージーランドからの外来種の巻貝が侵入し、国内の河川に猛烈な勢いで増殖しているということからです。このことからも、これへの対策とこのような現状をどのように掌握しているのか、環境部長に伺います。以上で終わります。

※持ち時間を越えたため、理事者答弁はありませんでした。