2008年11月議会 一般質問  12月2日 びぜん光正

1 県立病院の地方独立法人化について

2 特別支援学校の再編について

3 雇用問題について

1、県立病院の地方独立法人化について

 県立病院の独法化について伺います。私たち日本共産党県議団は2006年に府立病院を地方独立行政法人化した大阪府立病院機構および同労働組合を調査してまいりました。今回はこの調査から得られた知見をもとに、長野県での県立病院の独法化について知事および病院局長に伺いたいと思います。
 大阪府立病院では、6箇所の高度専門医療機関が公務員型で独立行政法人化されたわけですが、府からの交付金135億円は5年間保障されるものの、法人化にあたって累積不良債務64億円を5年間の中期計画で解消することが決められております。そのための経費削減策として192名の事務職員は、当初は府からの出向で、5年間に130名減らし、実に62名にし、不足分は派遣職員に振り替えたり、人員そのものを減らしたりというすさまじい計画です。当初、レントゲン技師に医師の給与が支払われたり、事務作業がパニックに陥ったことも伺いました。
 看護師は、先ほどの質問では先行事例では引き下げたことは聞いていないということが局長の答弁でございましたけれども、平均賃金を国立病院機構並みに一人当たり平均200万円下げていかないと採算が合わないからと、平均年齢35歳の府立病院を平均年齢27歳の国立病院機構の給与水準に合わせていくと言う給与体系が作られ、看護師の退職者はすでに200名、1年間に19回も募集をかけても必要な人員が確保できないと言うことあります。
 医師は増員され、今のところ手術件数、患者数ともに増えておりますが、診療科ごとに実績を競わせ、収益を上げた診療科には、報奨金を個人に支給するという方法がとられています。医薬品などの購入は丸ごと民間業者に委託し、在庫を持たずに使用した分だけを購入する方法で経費削減をはかっております。
 これらの努力の結果、法人化の1年目で単年度黒字13億円、2年目は6億円の黒字と言うことでありました。果たして5年間で64億円の債務を解消できるのか、看護師の確保はできるのか、不採算部門の医師や職員のモチベーションが上がるのか、結果として不採算部門は廃止されるのではないか、と不安になってくる調査でした。そこで順次伺います。

 一つ目として、県の一般会計からの繰り入れが運営交付金となることについて、これまでの同額の基準で交付されると答弁されていますが、毎年地方交付税の削減されている中、運営経費が継続される保障はあるのでしょうか。とくに木曽や阿南病院など地域医療を一手に担う基幹病院として位置付けられ、救急や産科医療など地域住民には必須でも不採算部門といわれる医療を担わざるを得ない病院への運営経費の支給の担保はどこまで得られるのでしょうか。

<勝山病院事業局>
 県立病院の地方独立行政法人化のお尋ねであります。ご質問に順次お答えいたします。
 まず、不採算部門を担う病院への運営費交付金はどこまで得られるのかというお尋ねです。地方独立行政法人への交付金の算定基準は、現行の一般会計から病院事業会計からの繰り出し基準に準ずるものとされております。県として、地域に必要な医療サービスの提供に支障をきたさないようにすることは当然でありますので、地方独立行政法人化後もへき地医療や高度医療などの不採算部門も引き続き提供できるように、適正な交付金を創設される制度を作ってまいりたいと考えております。

 二つ目として、住民の意見をどう取り入れてきているのかについて伺います。当該市町村長や病院職員への説明会は行なわれているようでありますが、県民への説明会は開かれておりません。肝心のサービスを受ける県民の意見をどう取り入れるおつもりでしょうか。

<勝山病院事業局>
 次に、地方独立行政法人化することについて、地域住民の声をどうやって取り入れるかとのお尋ねです。県立病院が地方独立行政法人化された場合に、どのような医療サービスがされるのか最大の関心事と考えております。
 法人設立に際しましては、住民に対して、提供するサービスなど、法人が達成すべき病院運営に関する目標、いわゆる中期目標を県が定めて法人へ指示します。この目標を達成するためには、パブリックコメント等を行って、地域住民の声をよくお聞きし、地域の医療ニーズを十分に反映したいと思います。

 三つ目として、県議会の関与について、県が定める中期目標を実現するために法人が策定する中期計画に沿って運営されるとありますが、診療科目の改廃や、今回提案の分娩料など保険診療外の料金などについての策定または変更等の決定、職員給与、一時金の支給、手当て等の決定、あるいは人事等への決定について、私たち議会はどのように関与するのでしょうか。

<勝山病院事業局>
 地方独立行政法人化されたのちの県議会の関与についてのお尋ねです。地方独立行政法人化については、定款の策定、中期目標の策定、法人の中期目標の認可など重要な事項については、議会の議決が必要となっております。また、評価委員会からの評価結果、業務運営改善の勧告、事業報告書については、知事は議会へ報告する義務があります。このように議会の意思で、重要な事項が決定され、また必要な情報は提供される制度となっております。

 四つ目として、人事制度・職員確保関係の自由度について、職員採用を含めた人事の管理運営や予算の運用に関して県の関与を受けずに、法人判断で弾力的に運用が可能とありますが、具体的にはどのようなことを指すのでしょうか。先ほどの答弁では、定数の制約から解放されると言われておりますが、この制約を解かれることはただでさえ多忙な病院職員にさらに長時間・過密労働に拍車がかからないとは限らないのではないでしょうか。自由度というのは具体的には何を指すのでしょうか。

<勝山病院事業局>
 第四に、人事制度・職員確保の自由度とは具体的にどのようなことを指すかとのお尋ねです。地方独立行政法人化すれば、職員採用を含めまして、人事の管理運営等に関しては、法人の判断によって弾力的に運営が可能であり、現行制度に比べて、迅速性の自由度が格段に向上いたします。 例えば、勤務形態や給与などの採用条件を独自の判断で行うことができるため、現行に比べ格段に人材確保が行いやすくできると考えております。

 五つ目として、柔軟な勤務形態の導入により医師・看護師などの医療従事者が確保しやすくなるとありますが、柔軟な勤務形態はどういった勤務形態の導入を図ろうとしているのでしょうか。また、山間地・へき地地域でとりわけ医師、看護師等の確保は特に困難ですが、独法化によって「人材確保しやすくなる」といいますが、必要な人材をどう確保するのでしょうか。

<勝山病院事業局>
 次に、山間地などの職員確保のお尋ねでございます。地方独立行政法人制度のもとでは、多様な雇用形態やキャリアアップ制度の導入など、職員がやりがいをもって働けることができる制度作りが可能となりますので、人材が確保しやすくなるというように考えております。また、五つの県立病院をネットワーク化し、職員の人材育成制度を構築することによって、山間地での医師を確保をすすめていくことも可能となります。

 六つ目として、事務職員の専門性が高まるとありますが、その根拠はどこにあるのでしょうか。先ほども触れましたが、大阪府立病院機構は公務員型でも事務職員を真っ先に正規職員から削減し、一方、非常勤者が多くなり事務作業が停止したということであります。また、医療現場では看護師の退職が200人も出るなか、入れ替わりが激しくベテラン看護師が新人の研修に手がとられ、患者サービスに問題が生じるようなことも聞きました。そこで、現在県は独法化にあたり職員の採用計画をどのように考えているのでしょうか。

<勝山病院事業局長>
 次に、事務職員の専門性が高まる根拠についてのお尋ねです。
 地方独立行政法人化すれば、事務部門にも順次、病院プロパーの職員を採用・育成することにより、例えば診療情報管理室の配置など、職員の専門性の維持・向上が図られ、また病院経験者などを採用することも容易となるため、新しい視点を加えた病院経営をすすめていくこととなることが可能となると考えられます。

 次に先行事例の大阪府では、看護師の退職が相次ぎ、補充困難な実態であるが、職員の採用計画はどうかというお尋ねでございます。大阪府立病院機構によりますと、法人化前後で、看護師の退職者数に大きな差はないとのお答えでした。また、年度当初には充足しているが、年度途中の退職者の補充については、7対1の看護体制の採用により、病院間で看護師の奪い合いが生じており、苦慮しているとの事でした。看護師不足の問題につきましては、日本全国どこでも同様の状況でありまして、現在の県立病院のように、年一回の採用ではとても対応できるものではありません。年間を通して、随時採用を可能とする制度を構築することがまず必要なことではありますが、先ほども申し上げましたとおり、多様な雇用形態やキャリアアップ制度の導入など、職員がやりがいをもって働ける、魅力ある制度作りを構築することが肝要であると考えております。

 ただいまお答えいただきましたけれども、何点かお聞きしたいと思いますが、住民意見をどう取り入れるかということですが、やはりパブコメというお話がありましたけれども、その前に住民に対しての、例えば該当の阿南地域や木曽地域に出して、特に深刻になってくると思いますけれども、そういったところでの説明会で対応するご予定はあるのか、その点について伺いたいと思います。
 議会との関連でありますけれども、特に診療科目の改廃ですけれども、これについてあらかじめ議会の議決というものが行われるのか、その点について再度お答えを伺いたいと思います。
 それから、柔軟な勤務形態の看護師などの勤務形態の確保がしやすくなるということにつきまして、先ほどネットワーク化というものは非常に大切だと考えますが、現状でも私は可能ではないかなと思いますが、私どもが調査致しました、大阪府の大都市部でも困難であることが、やはり抜け落ちているんではないかなというふうに思います。これについての再度ご答弁を頂きたいというふうに思います。

<勝山病院事業局長>
 三点ご質問ですので、順次お答えさせていただきたいと思います。
 まず、住民の方々への説明なんですが、今回の独立行政法人化にあたりまして、検討している内容というのは、医療機能の向上及び、少なくとも維持しなさいということが基本になっておりますので、そのことについて、今まで特に住民の方に、直接ご説明する必要があるという判断はしておりませんでした。ただ、ご質問のように、先ほどご質問の中にもありましたが、各病院あるいは地域の議会関係者の方々、あるいは首長の関係の方々、そういう方々については、できる限りのご説明を重ねてきたつもりでございます。今後もし、ご要望があれば、そういう方向でも考えさせていただきたいと思います。

 それから、第二に、診療科の改廃の問題なんですが、これも先ほど申し上げましたように、この長野県における長野県の地方独立行政法人化については、診療機能の維持・向上というのは、非常に強くうたわれておりますし、それは検討している我々にとっても、義務だというふうに思っております。したがいまして、病院の医療機能が低下するような方向での、改廃・改悪といったらよろしいでしょうか、そういう方向は、当面考えられないようにと思っております。ただ、今後の医療情勢なり、様々な状況でですね、起きてくるかも知れませんが、先ほど申し上げましたように、強化委員会の報告、その他でですね、議会の方へ様々な形で、ご報告があると思いますので、そういう中での十分反映されるのではないかと思います。

 それから、第三の、採用がより自由度が高まる、ネットワーク化の関係ということなんですが、現在でもですね、5病院間で全くネットワークがないかというと決してそういうわけではありません。ただ現在の行政組織の一部としての各病院間で、たとえば、医師の機能を十分にネットワークとして活用しているかどうかですね、それから人材の養成が、ネットワークとして行われているかということになりますと、これはまだやっぱり、十分とは言えない段階だと思うんですね。この5つの病院をネットワーク化するということの重要なポイントで、これをもって、働く方々が、よりキャリアアップできるような、そういう制度を是非設けて、県立病院としての魅力をいかに高めていくかっていうことが、我々に課された大変大きな使命ではないかと思います。

 引き続きまして、知事にお尋ね致しますけれども、先行事例の大阪府立病院機構では大都市部の人口の多いところであっても、非常勤やパートなどいわゆる非正規職員を多用していました。長野県の場合もそうなりかねないのではないでしょうか。この間私どもは指摘し対応を求めてきましたが、公務職場での非正規や派遣労働者を県自らが生み出すことになるのではないでしょうか。県はこれまで県内事業所に対して非正規労働者の実態調査を行い、労働条件の改善などに着手しようとしてきている一方で、公務職場での非正規労働者を増やすことは矛盾していないのか知事に伺います。
 大阪府と比べても圧倒的に過疎・中山間地域などの地域医療を担う長野県の県立病院の独法化はより一層の困難が伴うと思われます。また大阪府立病院の独法化は発想から約10年かけて行っている点からも、長野県が22年4月実施というのは尚早ではないでしょうか。5病院一括移行も含め、もっとじっくりと時間をかけて欲しいと思います。知事のご見解を伺います。

<村井知事>
 二つお尋ねを頂きました。第一の病院のその職場における職員の雇用に関するお尋ねでございますけれども、病院職場におきまして、医師をはじめとする医療スタッフの確保というのは、これは何といっても大きな課題でありますけれども、現在の経営形態では、職員の採用あるいは勤務形態につきまして、制約が多くございまして、これを見直すということは、私は独法化の目的ととらえてよろしいのではないかと、このように考えております。大阪府と長野県では、状況が違うんで比べることは難しいんですが、いずれにしましても、医療現場において、職員が働きやすく、モチベーションが上がることができる、そういう制度にしていくと大事だと思っております。今後検討を進める中で、実際に医療に携わる職員が望む勤務形態ができるような制度設計が必要であろうと、こんな風に考えておるところでございます。

 二つ目に、独法化につきまして、時間をかけて検討すべきではないかというご意見であります。いまお答え申しましたように、医療確保など、県立病院の課題を解決するには、現在のままでの経営形態では、非常に限界があるのではないかというところを見ておりまして、痛感しております。県立病院は、とりうる経営形態を比較してみますと、行政機構審議会の答申にもありますように、地方独立行政法人という形態は、現在に比べまして、経営の自由度が広がる。はるかに、そういう意味では、適切ではないのかと感じている次第でございまして、今日病院を取り巻いている状況というのは、大変厳しさを増しておりまして、急いで検討を進める必要がある、そのように考えている次第でございますので、ご理解を賜りたいと存じます。

 この住民説明会ですけれども、ぜひとも要望があったらという話でありましたけれども、当該地域で、特に山間地域、こういったところを控えているところでの説明会をぜひともお願いをしたいというふうに思います。これは時間がありませんので、次に進みたいと思います。

2 特別支援学校の再編について

 次に、特別支援学校の再編について伺いたいと思います。
 長野地区特別支援学校再編については11月24日、長野地区特別支援学校各校PTAなどと9団体が中心となって「障害児の豊かな教育を11・24緊急集会」が開催されました。私も参加させていただきましたが会場となった長野養護学校の食堂は長野地区のみなさんみならず、県下各地からの参加者も多くみえ満員状態でした。そしてこのたび出された、長野地区特別支援学校再編計画構想再検討案に対しても活発な意見が出されました。
 今回の長野盲学校に長野養護学校高等部の40人程度を受け入れ、長野ろう学校に養護学校小学部の30人程度の受け入れる併設校とした再検討案については「県教委は当初、『財政問題ではない』と説明されてきたが、『単独では改築できない』といわれた。国は単独校でも統合でもどちらでも補助金を出すといっているのに条件を付けてきているのは県教委だ。数合わせの案だ」等と今回の学校の再検討案は集会参加者にはとても理解が得られていない状況でありました。
 また、一方この集会で示された各校が検討してきた特別支援学校再編のプランはそれぞれの現状を踏まえた実践的な中身であり、検討すべき内容を多分に含んでいると感じました。
 なかでも、長野養護学校の「ながようプラン」や「長ろうプラン」には、自閉症スペクトラムの専門強化、早期療育、幼稚部・母子教室などとともに医療者とも連携する早期教育体制に対応した長野養護学校・長野圏域知的障害支援センター(仮称)として再編し、高等学校の再編により、今後発生するであろう空き高校の利用などによる分校開設、そして他県では既に設置されている、診療所・通園施設・福祉相談室の療育部門の各種専門スタッフが相談・指導・援助にあたる地域療育センターの設置など、保護者や教職員の願いがこめられ、良く練られた案であると感じました。これら当事者の要望も含め特別支援教育の充実を強く望んでおられる皆さんによる具体案である、このプランの存在について教育長は知っていたのか、一年ほど前から保護者を含めた学校関係者で論議が進められたそうでありますが、連携協議会にはこの間出すことを止められてきたと聞きますが、今回の再検討案にはいくつかの部分で、この案が盛り込まれた感はあるのですが、何故そうされたのでしょうか、これらのプランについての見解を教育長に伺います。

<山口教育長>
 お答えいたします。まず、「ながようプラン」の見解についてのお尋ねでございます。この「ながようプラン」ですが、長野養護学校の教職員や保護者の皆さんが、長野地区特別支援学校再編に関連いたしまして、日々の教育実践の中から、今後の特別支援学校の在り方や、特別支援教育の願いや思いを取りまとめたものと承知しております。
 内容と致しましては、養護学校の母子教室や幼稚部の設置、外来での診療を含め、医療福祉、教育が連携して取り組む地域療育センターの設置、今後高等学校再編計画により、空いてくる校舎を利用した分校等の設置などが示されております。このプランにつきましては、他の学校からいただいた、プランと合わせまして、先ごろ開催されました、特別支援教育連携協議会に提出し議論をしているところでございます。県教育委員会といたしましては、今後とも各学校や各関係団体から寄せられるご意見に耳を傾けながら、現在再編計画を特別支援教育連携協議会の議論を踏まえまして、特別支援学校の在り方の方向性を検討してまいりたいと考えております。

 また、長野養護の超過密の解消も猶予ならない状態であることも確かですが、老朽化したろう学校の建て替えは、保護者、教職員、同窓会など一致している事項でありず先行させることには異論が無いということです。こうした合意が築かれた点については先行実施すべきであると思いますが教育長に伺います。

<山口教育長>
 次に、長野地区特別支援学校再編の中で、長野ろう学校の改築を先行して行うべきではないかとのお尋ねでございます。
 県教育委員会では昨年度、特別支援教育の専門家を委員といたしまして、特別支援教育連携協議会を設置致しまして、2年間にわたり、長野地区5校の再編につきまして、協議を重ねてまいりました。今回の再編問題は、長野ろう学校は、校舎の老朽化に対し早急に改築する必要があること、長野養護学校、稲荷山養護学校における児童数の増加に伴う過密化、盲学校・ろう学校における児童・生徒数の減少等々、複数の課題を特別支援教育の転換の中で、地域全体としての新たな学校作りの方向を検討しているものであります。去る11月20日に開催されました、連携協議会におきましては、これまで提案されていた三つの具体案についての協議を成立いたしまして、過密化解消や校舎改築時の喫緊の課題を解消する第一期計画と中長期的な課題に取り組む第二期計画とに区分した再検討案が示され、引き続き検討がされているところでございます。今後、連携協議会では、一月中の取りまとめを目指し、学校教職員、保護者で組織する作業部会で協議・検討してまいりますが、県教育委員会と致しましても、関係団体との意見交換などを行い、学校・保護者や地域の理解を得ながら、進めてまいりたいと考えております。

 この「ながようプラン」はですね、現場で一年近く温めてきて、非常に実践的であり、保護者の皆さんも含めた形で結実しつつあるという形で、しかしそれを「出してはならない」というようなことを言われてきたと非常に切ない状態であったと言われております。ぜひ、この思いをくみ取っていただいて、これへの対応をしていただきたいと思います。そして、長野ろうのですね、こともそうであります、合意が築かれた点については、着手をしていくことをしていかなければ、なかなか次に進まないという事が、言われてきているところであります。ぜひこれらについても、対応をお願いしたいと思います。
 さて、この11月24日の集会でも、須坂地域での分校設置についての要望も強く出されています。これには高校再編に伴って今後生ずるであろう北信地域の高校の空き学校や空き教室での設置が切望されております。これまでも私は指摘しましたが、今、遠距離通学に苦難されている子どもさんや保護者の不安を一つでも解消するためには、これら県有施設の有効活用の手段として、迅速に取り組むべき貴重な意見であると思いますが、このことへの教育長のお考えを伺います。

<山口教育長>
 高等学校再編による校舎等の活用に関してのお尋ねでございます。
 特別支援学校の地域化につきましては、ノーマライゼーションの理念に基づきまして、地域で豊かに学べる教育環境づくりを進めるため、平成17年度から順次分教室を設置しまして、モデル研究を進めているところでございます。長野地区の再編計画を検討している連携協議会におきましても、現在様々な角度からの議論がされております。地域化の観点として、小中高等学校への分教室を設置する案のほか、特別支援教育の理念のもとに、喫緊の課題である過密化解消策として、既存施設を有効利用する案や中長期的な視点から、高等学校再編計画による跡地校舎の活用などもそれぞれ検討されているところでございます。県教育委員会と致しましても、引き続き、今後の連携協議会における議論を見守ってまいりたいと考えております。
 以上でございます。

3、雇用問題について

 11月28日、厚生労働省は「派遣切り」など非正規雇用の解雇・雇い止めで失業する労働者が全国で3万人を超えると発表しました。
 県関係では派遣労働者が1,373人、期間工が102人、パートその他の非正規が101人など1,616人が対象といわれ、都道府県別では、自動車関連の輸出企業の多い愛知、岐阜、栃木に続いて全国4番目に多いことが発表されました。

 私たち共産党県議団は昨日、長野労働局に伺い調査し、合わせて労働者の雇用と暮らしをまもるための4項目緊急要請もさせていただきましたが、今回の結果は最近の経済状況の影響を受け、県内企業における非正規社員等の大量の解雇が今後さらに発生する可能性も示唆しております。
 私どもの調査でも、南信地方のある企業では9月期に生産が落ち込み、300人の派遣労働者を解雇し、期間途中の派遣社員も1ヶ月分の給与を払って解雇したが、届出もせずに副社長の一任でおこなった。その後リーマンの破綻で12月には100人の派遣労働者を解雇するというような会社もあると聞きます。
 長野労働局では、緊急雇用対策本部を設置し、県、経済、労働団体等とも連携して対応をしていくということも説明されました。長野県も昨日緊急相談窓口を開設されると聞きますが、事業者に雇用の継続を指導するとともに、労働者が相談しやすい土日・祭日や夜間での対応も必要であると思います。神奈川県では11月18日以降、緊急街頭労働相談の実施や、日曜労働相談の体制強化、中高年のための働き方相談などの体制の強化が行われていますが、商工労働部長の答弁を求めます。

<荒井商工労働部長>
 大規模なリストラが行われているということで、県として親身な対応策を講じるべきではないかとのご質問でございます。先ほど議員からご質問があったとおり、全国的なご質問があります通り本県が調査では4番目と数字が上がっておりまして、この先どのように展開するかというような非常に懸念を持っておりますし、これは非常に極めて重大な事態であると認識しております。
 こうしたことからも県と致しましても、お話がありましたように、昨日県庁と各労政事務所に労働相談窓口を設けたところでございます。解雇や雇い止めなどの、雇用にかかる相談、こういったものが中心でございますが、それを含む様々な労働問題にかかる相談にも対応してまいりたいと考えております。
 またジョブカフェ信州などのこういった場もございまして、これまで以上にこういった場もハローワークといったところとも連携を深めまして、若年者の就職、そういったものの支援に取り組んでまいりたいと考えております。
 それから、先ほど申し上げました、労働相談窓口でございますが、平日という事でスタートいたしました。今後の相談状況等を見守りながら、また必要によっては、弾力的な運営をしてまいりたいと、このように考えております。

 派遣労働者などの非正規労働者は、いきなり解雇通告され、その日からは住む場所さえ追い出される人もいるなど、これらの方々の住居の確保も深刻な問題になっているといわれております。再度、商工労働部長にお伺いしたいと思いますが、このような方々への就職斡旋や住居の確保についても関係機関とともに取り組むべきと思いますが合わせて伺いたいと思います。

<荒井商工労働部長>
 議員の話の、特に派遣労働者場合に雇い止めというような事で、それまでは企業側なりが用意した住宅などに住んでいるわけでございますが、そこを即刻出なければいけないと。こういったことが非常に大きな全国的にも問題になってきております。私どもはそのへんのところを、十分把握しまして、どういうことができるか、全庁的に検討して、出来ることについて、対応してまいりたいと考えております。

 時間がありませんので、県立病院のことついて、再度触れますけれども、先ほど議会の関与でですね、議会に対しては、診療科の改廃が報告だという事であります。今深刻な産科医療、あるいは救急医療などを含めまして、議会に対しては報告ということは事後ということになるわけでございます。これは本当に深刻な医療体制をいかに供給するかという意味におきまして、県の果たす役割というものが損なわれていってしまうのではないかということを申し添えまして、ぜひともこの点におきましても、委員会等でのご論議をしていただくことを心からお願いをさせていただいて、本日の質問を終わらさせていただきたいと思います。