雇用促進住宅問題について知事並びに商工労働部長に伺います。
雇用促進住宅問題は居住権を守る大事な問題として日本共産党県議団は国会議員団と協力して廃止方針の撤回を求め、粘り強く取り組んできましたが、9月議会以降、県議会での全会一致意見書採択や住民の皆さんの運動、県の担当部局の取り組みもあり、当初定期借家の皆さんには説明会は行わないと言っていましたが、その後須坂市を皮切りにすべての入居者を対象にした説明会などもはじまりました。
岡谷市でも10月に長地(おさち)、11月に川岸と説明会が開催され、ほぼ半数の皆さんが参加され、自分たちの思いや意見、要望・質問などを活発に述べたとお聞きしています。
説明会はマスコミもシャットアウトして非公開で行われましたので、私はその様子を2か所の住民の皆さんにうかがってまいりました。皆さんが一様に口にされるのは、説明会に来られた長野センターの職員は単なるメッセンジャーであり、質問にはまともに答えてくれなかった。責任ある回答を示して欲しい、説明会をやったからハイ終わり、いろいろ言うなという態度で誠意がない、長地で出された意見・要望にかみ合う形で説明するならまだしも、同じことを繰り返しているだけで進展がない、挙句の果てには「皆さん今まで安い家賃でずいぶん助かったでしょう。有りがたいと思ってほしい」との暴言まで飛び出し、いっそう納得できない思いとのことです。「閣議決定だからと、このまま切り捨てられれば行くところがない」と入居者はますます怒りと不安をつのらせています。
そこで知事に伺います。入居者の皆さんはとても納得されておりません。説明会に出た意見・要望にたいし、国が責任をもってきちんと誠意ある回答を行うよう求めてほしいと思いますがいかがですか。
<村井知事>
まず雇用促進住宅の入居者に対する説明会での意見・要望に対する国からきちんと回答をするようにもとめよ、というご質問であります。県及び市町村におきまして国や雇用能力開発機構に働きかけてきた入居者説明会、これにつきましては雇用能力開発機構長野センターによりまして、10月21日からご指摘の須坂市の小山住宅を皮切りに行われておりまして、11月の末までに9住宅の説明会が終了したと承知しており、年内にはすべての住宅での説明会が終了予定であると承知しております。説明会で出た意見・要望につきましては、長野センターにおいて回答できるものについては回答するほか、回答が困難なものにつきましては、機構本部に報告して本部の見解を得た上で回答をしていくと、このような段取りだと聞いております。
いずれにしましても、私はこの問題は、雇用能力開発機構におきまして、国の方針を踏まえて、責任を持って対応していくべきだと、このように考えております。
また、11月21日には須坂の入居者の皆さんが町内会はじめ市民の皆さんの協力で、緊急に集めた「雇用促進住宅の存続を求める署名」、10,299筆を携え、共産党の井上さとし参議院議員の紹介で厚生労働省と雇用能力開発機構に対し要請を行いました。
石坂議員、和田議員も同席しましたが、人口53,000人の町で2割にも上る署名は本当に驚異的なエネルギーで、居住権を守りたいという皆さんの切実な思いが詰まっているものです。
知事としてこの皆さんの思いをしっかりうけとめていただき、住民運動を応援する立場でぜひ国に廃止計画の見直しを求めてほしいと思いますが、いかがでしょうか。
<村井知事>
次に、廃止計画の見直しを国に求めよというご質問であります。国における雇用促進住宅の廃止方針につきましては、平成13年12月の「特殊法人等整理合理化計画」から始まりまして、幾度かの閣議決定を経て進められていると承知しております。
国の行政改革に伴いまして、閣議決定を経て行われている以上、廃止計画を見直すというのは、私はやっぱり、困難が多いと考えておりますけれども、県としましては、中部圏知事会は雇用促進住宅に関する円滑な譲渡・廃止の緊急提言というものを長野県から提案いたしまして、中部圏知事会は厚生労働省へ要望をしたところであります。
これを踏まえて、去る11月21日、中部圏知事会を代表して長野県と岐阜県の担当課長は、厚生労働省へ出向きまして、入居者の生活に不安や混乱を生じないように十分な説明を行うとともに、住宅が廃止される場合は、円滑な退去・転居等が可能となるように適切な措置を講ずること、さらに市町村との住宅譲渡の協議に当たっては、市町村の意見に十分配慮するとともに、市町村が取得する場合には、維持管理も含め大きな負担とならないよう適切な措置を講じることにつきまして、要望致したところでございます。
県と致しましては、国への要望を、今申し上げましたように、行ったばかりでありまして、今後とも国及び雇用能力開発機構の対応を十分見てまいりたいと、このように考えているところでございます。
さて、皆さんにお話をうかがう中でいろいろ理不尽なことが押し付けられている実態が浮かび上がってまいりました。ひとつは、部屋の修繕をするということで同じフロアーの空いている部屋に移ったところ、それまで普通借家だったのに、新たに定期借家契約をさせられ、敷金2か月を払い、結果として20年以上住んでいるのに、今回条件として出されている普通借家入居者への立ち退き料150万円の対象からも外れてしまった方々がいるということです。
また、今回とりあえず22年11月まで伸びたことで、再契約になる方々がおられるわけですが、書類1枚に付け加えて住民票、源泉徴収票、連帯保証人の印鑑証明、所得証明など添付文書をもとめられ、仕事を休んで市役所に行かなくてはいけないと困惑しています。高齢の方々は字も細かいこともあり、何のことかわからず困っています。
定期借家は文書での契約が必要とされているところですが新規入居と同じ書類をすべて求めることはいかがなものかと思います。再契約や更新を簡潔なものにするよう国に求めてほしいとおもいますし、理不尽な対応は改めるよう要請してほしいと思いますが商工労働部長の見解を伺います。
<荒井商工労働部長>
契約変更に伴う立ち退き料について、対応するようにとお尋ねでございます。
雇用促進住宅への入居に関わる契約関係につきましては、これは言うまでもなく雇用能力開発機構が家主であり、入居者が借主という一般的な関係でございます。今、議員のお話にありましたこの事例につきまして、具体的なことにつきましてはよく承知しておりませんけれども、いずれにいたしましても、どのような契約になっているのか、またどのような経過・経緯で移転をしたのか、そういった事実関係も合わせまして、当事者同士で確認していただく事であろうと考えております。
雇用能力開発は厚生労働省の外郭団体でありまして、責任をもって雇用促進住宅の管理を行っているわけでございますので、いずれにしても当事者間において十分な話し合いの元に、適正な解決が図られるものと思っております。
また、岡谷市では職員が2か所の説明会にも同席し、住民の皆さんの訴えも聞くなかで、転居に際しての困り事や、福祉的対応の必要、公営住宅や民間アパートなどの情報提供が必要だと判断し、どこにも身近に相談できずに困っている皆さんのサポートをしたいと「相談窓口」を開設して対応をはじめました。大事なことだと思います。県としても相談窓口を開設していただきたいと思いますがいかがでしょうか。
<荒井商工労働部長>
それから次に、更新手続きにあたっての書類について、さらに県として相談窓口を開設して欲しいといったご質問でございます。
更新手続きの関係でございますが、この雇用促進住宅につきましては、借主と貸主の関係は、いわゆる民法上の関係となっております。したがいまして、その入居にあたり、管理者として、必要な書類を求めることにつきましては、一般的には機構の判断によるものではないかという風に考えております。
また県として相談窓口を開設したらということでございますが、9月12日に厚生労働省から、雇用促進住宅の譲渡に関する基本方針という事で、通達が出されておりまして、機構においては、全世帯に対して説明会の実施等により、十分かつ丁寧な説明を行うとともに、入居者に退去を促すことにつきましては、賃貸住宅等のあっせん等を行うということになっています。したがいまして、管理者であり家主である機構におきまして、入居者の事情に応じたきめ細かな対応をすべきものと考えております。なお、県としてもこの県営住宅等の情報等につきましては、すでに積極的に提供し、協力しているところでございます。以上でございます。
それぞれご答弁頂いたわけですけれども、県としても県営住宅の情報提供をされているということでございましたが、この県営住宅自身が空きがないために、雇用促進住宅から出られるみなさんどころか、一般の入居のみなさまも溢れている状況ですので、そういうこともぜひ胸に収めて頂いてね、入居者の皆さんに対して、きめ細かな対応を求めたいと思います。
岡谷市では、11月25日に相談窓口を開設するということで、このようなチラシを作りまして、入居者の皆さんに投げ込むだけではなくて、基本的には面接だということで、お尋ねをしてですね、みなさんに困りごとがあったらぜひということで、きめ細かな対応をされているわけでございます。
入居されている母子、高齢者、低所得者の皆さんは、いままでは安い家賃でなんとか生活を保ってきたのに、このまま追い出されれば、路上生活者になってしまう。人を人と思わないやり方はやめて、引き続き住み続けられるようにして欲しいと言っておられます。大事な県民のみなさんでございますので、県としても引き続き住み続けられますように誠意をもって対応されるように強く求めます
セーフティネット貸付けについて社会部長並びに企画部長に伺います。
6月議会で私は多重債務者の生活再建とセーフティネット貸付けについて取り上げさせていただきました。その後アメリカ発の金融危機が日本にも大きな影響を及ぼし、先日の厚労省の調査によれば長野県では全国で4番目に多い1,616人もの派遣切りや雇い止めが行われるということで、深刻な事態です。経済危機はあらゆる分野に及び、年が越せるかとの不安が広がっています。
低所得や病気、失業、多重債務などで生活の立ちいかなくなった皆さんに対する支援策が求められています。既存の生活福祉資金がその役目を果たすことが期待されるわけですが、10万円の緊急小口資金の利用は07年度は57件で、前年の2倍に伸びており、今年度は10月末時点ですでに44件と、昨年実績を大幅に上回る見通しですが、制度自身がよく知られていないということもあり、修学資金などをふくめた県全体の利用状況は年間百数十件にとどまっています。貸付原資は17億2000万円あるというのに、貸付けされているのはごくわずか、7億円です。
借りていただくためにある制度ですから、貯めておくだけではなく社会部長にはぜひもっと積極的にPRして有効利用できるようにしていただきたいと思いますがいかがですか。
また、あまり利用されない理由として、借りる際には民生委員を通さなくてはならなかったり、保証人が必要だったり、申し込んでから1か月近くかかるなど大変使い勝手が悪いものになっています。緊急小口資金も昨今の雇用状況を勘案すれば、もっと増額してもいいと思いますし、2か月据え置きで4〜8ヶ月の短期間に返すのは実情にそぐわないと思います。もっと、使い勝手のいいものに改善してほしいと思いますがいかがですか。
企画部長には多重債務者や派遣・パートなどで金融機関から借りられない人のためのセーフティネットの取り組み状況はどうなっているか伺います。
また、多重債務者に対しては丁寧に相談に乗り弁護士会や司法書士会、消費生活センター、行政などがネットワークを作り家計管理をふくめ、生活再建を継続的にサポートしていくことが必要だと思いますが、支援体制作りについて伺います。
<和田社会部長>
生活福祉資金についてのお尋ねでございます。今年度の貸し付け状況はお話にありましたように、10月末現在で、87件、5032万円ということでございまして、前年同期と比べまして、貸付件数で2割強、額で若干の増加と、いうことでございます。
この貸付制度につきましては、医療機関、学校、市町村役場等へリーフレットを送付いたしまして、常に置いて頂いているともに、市町村社会福祉協議会、民生委員を通じ周知を図っているところでございます。
また使い勝手ということでは、緊急時の貸し付けで利用の多い、緊急小口資金につきまして、おおむね1週間以内の貸し付けになりますよう、申し込みと同時に借用書を書いて頂き、審査期間を短縮するとともに、本人口座がない場合に、市町村社会福祉協議会を通じて資金交付を行うなど、県としてできる限りの配慮をしているところでございます。
よりきめ細かい広報・周知を努めますとともに、制度面で申し込み者の利便性が一層図られるよう、国に要望してまいりたいというふうに考えております。
<望月企画部長>
多重債務者向けのセーフティーネットの貸し付けの利用状況、それから生活再建をサポートする体制づくりの体制整備に関するお尋ねでございました。
まず、多重債務者向けのセーフティネット貸付についてございますけれども、昨年7月に作りました長野県多重債務者協議会のメンバーうち、弁護士会、司法書士会、それから金融関係団体など、こういった方々を中心に、検討が重ねられているところでございます。課題と致しまして、昨今の非常に厳しい経済状況の中で、貸付原資をどうやって確保していくのかといった課題、それから過去に債務整理をしているために、一般には対象とならない方にたいする融資であると、こういった問題があるが故の審査の厳しさ、それからさらには貸し倒れ時の損失補償、リスクの分散、こういったものをどうするかといった大きな課題がございまして、引き続き慎重な検討が必要とされているところでございます。
二点目の個々の生活再建をサポートする支援体制についてでございますけれども、誰がどこまでこういった支援をするかという根本的な問題ということがございますけれども、県内には多重債務者の生活再建のための協力や援助を行っている団体もございます。消費生活センターでは、希望される方に対して、こうした団体を紹介するとともに、先ほどお話がございましたように、県社協が行っている生活福祉資金、こういった制度を紹介しておりまして、引き続ききめ細かな対応を図ってまいりたいと思っております。
いずれに致しまして、生活再建のサポートを含め、多重債務者問題の解決というのは県だけでできるものではないという風に考えております。住民に最も身近な市町村の果たす役割、こういったものも大いに期待されているところでございまして、さらには国、関係団体、こういったものが一体となって取り組んでいくことが必要であると考えております。引き続き多重債務者対策協議会を中心に、関係団体等とも連携しながら、検討を進めてまいりたいと考えております。以上でございます。
セーフティーネット貸付の問題では、岩手、福岡、東京などがすでに開始されているところでございまして、先ほど関係機関の協力がなければというお話がございまして、私もその通りだと思いますけれども、ここで重要になるのは、やはり県がどれだけイニシアを発揮するかいうことにかかっていると思います。ぜひ今後とも真剣な対応を求めたいと思います。
つぎに、ヤミ金問題について県警本部長に伺います。
長野県がヤミ金対策では今では当たり前となっている銀行口座凍結に全国一早く道筋をつけ、ヤミ金の帝王と言われた旧五菱会の幹部の逮捕に一役買ってこられたことは十分承知していますが、以下質問いたします。
「ヤミ金に異常な高金利を取られて被害を受けた」と四国に住む11人が、山口組系旧五菱会幹部に賠償を求めていた裁判で最高裁判所は6月10日、金利のみならず、元金の返済も不要とする画期的な判断を示しました。これまでは「借りたお金は返すべきだ」との議論もあったのですが、いかなる名目であれ、ヤミ金が被害者に金銭の支払いを要求する権利をいっさい持たないことを明白に断じたのです。今後のヤミ金対策に貴重な一石を投じました。この判決について県警本部長の見解を伺います。
<小谷県警本部長>
ヤミ金の現状と警察の対応についてのご質問でありました。
まず本年6月10日の最高裁判決にたいする見解についてですが、本年6月10日、五菱会損害賠償請求訴訟の上告審において利息のみならず元本も含めて被害者が闇金業者に支払った全額を返済すべきだという趣旨の判断を下した最高裁判所の判決を指していると承知しております。この判決は民事事件に関することであり、また警察行政に直接かかわるものではありませんが、警察においては執務の参考となる重要な判決ととらえ、ヤミ金事件の担当する生活安全部門のみならず、警察相談業務に従事する職員をはじめ、全職員に周知を図っているところです。今後とも元利金等の名目で、不法に金銭を取得し、利益を上げる業者に対しては、その壊滅に向け、取締りを進めてまいりたいと存じます。
また最近、街中にはヤミ金業者の宣伝があちらこちら目につきます。多重債務などでどこからもお金をかりられなくなった方々が、藁にもすがる思いで、電話をかけ被害に遭われることが懸念されます。ヤミ金被害の実態はどうなっているのか。またこの様な宣伝に対してどの様な対応を取っているのか伺います。
<小谷県警本部長>
次に、ヤミ金被害の実態とヤミ金業者の宣伝への対応についてのご質問でありました。
いわゆる貸金三法の改正等により、登録貸金業者が減少の一途をたどる一方で、ヤミ金業者による高金利事件や無登録事件等が後を絶ちません。
ヤミ金被害実態の目安となる警察への相談件数についてのお尋ねですが、ヤミ金関係の相談は、平成18年は590件、平成19年は580件であり、本年10月末には469件と、前年同時期に比べて、49件の減少となっており、年々減少傾向になってきております。
しかしながら、本年摘発したヤミ金事件を見ますと、被害者は全国に及んでおり、その犯行は多重債務者を対象として、電話やダイレクトメールで、融資話を呼びかけ、他人名義の携帯電話や預金口座など、匿名性の高い手段を用いて、検挙を免れようとし、支払の滞った被害者には執拗に返済を迫るなど、悪質・巧妙化が進んでいます。
またヤミ金業者の宣伝についてですが、現在ちまたで見かける金融関係の広告には、無登録業者の数が増えており、登録を行わないで貸金業を行っている旨の広告を行えば、貸金業法に違反し、処罰の対象となることから、県警察ではこうした違法広告には犯人の特定に努め、犯人が特定でき次第、当然検挙する方針であります。
ちなみに、違法広告の取り締まりは、無登録営業事件や高金利事件など、他のヤミ金事件を検挙するための突破口となっています。昨年は違法広告を端緒として「090金融」を検挙致しました。今後もただ今申し上げた方針に従って、ヤミ金の取り締まりを行ってまいりたいと考えております。
さて、過日私は、生活苦で破産に陥っているとき、自宅に舞い込んだ葉書を頼りにヤミ金からお金を借り、2万円借りて10日で3割、6,000円の返済を1回目はできたが2回目以降ができず、とりたての電話に追われ、脅迫めいた手紙を自分ばかりか隣の住人にまで送り付けられ、困り果てて訪れた方の相談にのりました。
その方は「警察に行ったが消費生活センターにいくように」とまともに取り合ってもらえなかったと言っていました。存在そのものが悪なのですから、警察が対応するのは当然ではないでしょうか。
そこで、大方は適切な対応をしていただいているとは思いますけれども、末端まで行けばまだまだ不徹底な面が現実問題としてあるので、ぜひ職員教育を徹底していただきたいことと、相談者への親身で的確な対応を求めますがいかがでしょうか。
<小谷県警本部長>
次にヤミ金に対する職員教育の徹底と相談者への適切な対応についてご質問がありました。
現在県警察では、6月の最高裁判決をうけて、警察庁が改定した、「ヤミ金融事犯相談対応マニュアル」の最新版を職員に配布し、ヤミ金に関する相談にあたり、「借りたものは返しなさい」あるいは「元本だけは返したほうがよい」などの不適切な対応や同種の対応ととらえかねない言動は厳に慎むように職員に指導するとともに、債務の整理や支払った金の返還請求等について相談があった場合には、弁護士、司法書士、法テラスを紹介するよう指示しているところです。
これまでのところヤミ金に対する職員の対応について苦情等は把握しておりませんが、議員が警察署によって相談対応に差があるとのご指摘がありました。引き続き本年6月の最高裁判決を全職員にさらに徹底すべく、指導を行うとともに、相談者に対して丁寧な対応をしてまいりたいと存じます。
先ほど私が示したような業者に対しまして、私自身も電話をしてみました。ちゃんと電話は出たんですけれど、例えば20万円ないし30万円お借りするとして、最初に手数料として、2割から3割を引いているということでございました。だから、20万円借りるというとしても3割としても14万円に天引きし、契約した後は、通常通りの利息を払わせられるというシステムでございます。こういうような広告が、市内各地、県内各地に、掲示をされているわけでございますので、こんな宣伝がされておれば、日々被害が拡大するのではないのではないかと懸念されます。速やかに県警としても、県内のものを調査し、撤去させるべきだと思いますが、いかがでしょうか。
被害者は連日の電話による取り立てに差出人不明の脅迫めいた脅迫状、 例えば、「相手を選ぶべきだ これより先は 金銭の問題ではない われわれの面子と恨みの問題だ みなさまにも注意を促されたし 生涯だ 貴殿への復讐は必ず果たされる 必ずだ」という墨書きの、1枚の紙に5行くらいの大きい大書したものが届けば、普通の市民は、生きた心地がしなくなるということでございます。何の罪もない市民がなぜこのような脅しにびくびくして生きなくてはならないのか。厳正な対処を求めますがどうですか。
<小谷県警本部長>
お答えいたします。先ほども答弁させていただきましたが、無登録業者による広告につきましては、これは行為者が特定でき次第、検挙をすることとしております。実態と致しましては、広告に掲載されている住所が架空であったり、匿名性の高い私設私書箱であったりすることがあり、電話番号の中には、転送電話であったり、ヤミで売買された携帯電話であるわけですけど、その行為者を特定しかつ無登録業者であることがわかった場合にはただちに検挙していくと、従来通りの方針で厳正に対処してまいりたいと存じます。
最後に佐久病院の再構築問題について知事にうかがいます。
6月議会で私は県として静観していないで長野県の地域医療を守り、医療計画を推進していくためにも重大な問題なので、佐久市と佐久病院の間に入って事態打開に乗り出すよう求めたところですが、その後の報道で、知事は非公式に両者が同席するテーブルを持たれたと伺い感謝いたします。その後膠着状態が続いていると伺っていますが、ぜひ話し合いでの解決が軌道にのるよう引き続きご努力をいただきたいと思いますがいかがでしょうか。
<村井知事>
佐久総合病院の再構築問題につきましてお尋ねを頂きました。
これまでの私のスタンスは、議会でもたびたび申し上げておりますが、地域医療・地域保険といった観点に加えまして、土地利用や地域経済といった面も含めて十分な話し合いを地域において、地域においてしていただくことが肝要であり、事態が進展するように、当事者通しの話し合いの場がもたれることを強く期待して、重大な関心を持って見守っている。このように申し上げてきているところでございますが、しかしながら膠着状態が続きまして、事態が一向に進展しないことから、県民の医療を確保する県としまして、「坐してはおれない」という思いで、佐久市と厚生連の双方に呼びかけまして、10月14日に三者協議の場をもったところでありまして、今後とも三者協議の場を通じて、話し合いが進展するように努力をしてまいりたいと考えております。
以上4点にわたって住民生活に非常に大事な問題、しかも本当に皆さんが生活していく上で、切実に求められておられる問題について質問させてまいりました。年の瀬を迎えて、アメリカ発の金融危機の影響がますます深刻になっています。首切りや下請けいじめの影響を国民に押し付けず、私たちがいつも申し上げ続けている、外需頼みでない内需の拡大、大企業・アメリカ応援ではなく、庶民の懐を応援する政治に転換することを強く求め、そのために精いっぱい力を尽くす決意を申し上げ、私の一般質問を終わります。ありがとうございました。