2009年6月定例会 一般質問 6月24日 びぜん光正

1、福祉医療費受給者負担金について

2、産科医療について

3、障害者の就業支援について

4、農業支援について

1、福祉医療費受給者負担金について

(1)各自治体の対応把握について

<備前県議>
 福祉医療費受給者負担金について伺います。福祉医療の自己負担金については、2月議会で共産党の小林議員の代表質問や藤沢議員の質問で、障がい者や一人親家庭をはじめ、生活困窮世帯について特別措置を講ずることを求めました。知事は「指摘した点についてよく検討させていただく」と答弁されましたが、この検討はどうなっているのでしょうか。
6月1日、飯田市議会では牧野市長が冒頭「大変厳しい経済状況の中でとくに子育て支援の見地から、市民の皆さんに経済的負担をさらに増やすことはできない。今年度中は引き上げを見送りたい」と表明されました。このように6月の市町村議会の中でいくつもの自治体で独自補助を行うことが決められています。県は10月実施の各自治体での対応をどのようにつかんでおられるのか衛生部長にお伺いします。

<桑島衛生部長>
 福祉医療費受給者負担金についてお答え申し上げます。2月の議会以降の検討状況につきましては、本年4月に実施しました市町村長への意向調査の結果等を踏まえまして、7月に開催する検討会において検討を始めさせていただきたいと考えてございます。なお市町村の実施状況につきましては、実施する市町村は35、実施しないとお答えのところは20、未定のところが25と6月11日現在の数字でございます。以上でございます。

(2)10月実施の見直しについて

<備前県議>
 私たち共産党県議団では、この問題について県内の全市町村長へのアンケートを行い、本日までに47の市町村長から回答をいただきました。この場をお借りしてご協力いただいたみなさんに感謝いたします。この中では「不況下での住民負担に転嫁できない、独自に財政措置を行う」「県財政がきびしいのは理解するが、他の施策を節約すべき」と独自に財政措置を表明する自治体も多くあります。また、今回の県の決定は「拙速な決め方」とか「10月実施は見送るべき」「十分な期間をかけて判断してほしい」という意見も多く返っており、県の調査時点で未定だった自治体が10月実施しないこともわかり、市町村の理解が得られていないことも良くわかります。
今、全国で福祉医療費の助成制度の前進は目覚しく、現物給付は35都府県、子どもの医療費の窓口無料だけを見ても、全国保険医協会連合会調べでも、部分的も含めても20都県となっていると思います。隣の山梨・岐阜・愛知でも窓口無料化となり、また群馬県では今年10月から中3まで窓口無料化が実施されます。先日、本県の合計特殊出生率が1.45と前年より下がっていることが発表されました。こうした中たった2回の会議で決定したことも含め、子育て支援の観点からも、10月実施は見送るべきと考えますが知事に伺います。
 「市町村が独自実施しているのは、市町村判断だ」と言われますが、長野県の出生率の向上もこれら独自施策で、財政的にも一層苦しい市町村も懸命に取り組み、子育て支援等の要請に応えているものです。全くこれらを突き放すようなやり方で市町村に依拠すれば出生率の向上はおろか、長野県の福祉制度が根底から揺らぐものになるのではないでしょうか、知事の答弁を求めます。

<村井知事>
 福祉医療費の制度というのは、私は結局、市町村と県と共同してやっている話だと思っておりまして、第一義的には、市町村がいろんな形で運用をされるということだと思っております。その上で、受給者負担金につきましては、これは20年の検討会におきまして、県民のみなさんがおおむね従前と変わらず医療サービスが受けることができるように持続可能な制度としていくために、決定したものでありまして、引き上げというのは実施していく上でやむを得ないものとして、実際に受給者と接している市町村長とともに、検討会において苦渋の選択をしたものでありまして、そういう意味でご理解を頂戴したいと思います。

(3)検討会について

<備前県議>
 県福祉医療費給付事業検討会は、これまでのように県と市町村長で構成されるもとでは、どうしても財政主導の検討になってしまい、先ほど「苦渋の選択」とお話しされましたが、受給者の声が反映されにくい構成になっています。障がい者やその家族、子どもを抱える若い世帯など当事者も参加をした検討会で制度の充実をはかるべきであると思いますが、知事のお考えを伺います。

<村井知事>
 検討会に受給者といいましょうか、当事者も参加させるべきだというご主張でありますが、これは実際に受給者と接している市町村長とともに検討を実施させていただいたわけでありまして、有識者や関係団体の委員が聞くことができるということを検討会の設置要綱にも定めてございますので、そういう意味ではご意見を拝聴する道は、十分に開かれている、そのように考えるものであります。

<備前県議>
 この10月実施でも、自ら市町村で負担をするという流れもある、その一方で県は7月以降の検討会で聞くと答弁しましたが、この制度の変更は子どもや障がい者、お年寄りなどの命そのものに関わる重大なことであり、こうした中で関係者からも実施しないで欲しいと切実な要請がされているのです。現在でもこれだけ混乱しており、さらなる混乱を市町村や市町村の負担を強いるような形、当事者に持ち込むものとなります。そうであるなら10月実施をまず留めることこそまず行うべきではないでしょうか。この点について、再度知事に伺います。

<村井知事>
 それぞれの市町村における対応、それに要する経費の算定等々の作業がある作業等があるわけでありますから、そういう意味で私どもは前議会で、確か前回の議会だったと思いますが、予算としてご了承を頂戴したわけでありまして、私は10月実施の筋は変えるつもりはございません。それぞれの運用は、市町村で市町村長において、具体のご判断があって市町村なりの適用関係を作られるわけであります。県としましては、10月実施を進めるという決意であるということを申し上げたいと思います。

<備前県議>
 あくまで10月実施と、こうおっしゃられるわけでございますけれども、先ほど申し上げましたように、市町村あるいは当事者の間に非常に大きな混乱を持ち込むことになるということを申し上げて頂きまして、次の産科医療について伺いたいと思います。

2、 産科医療について

(1)妊婦健診の自治体間格差について

<備前県議>
 塩尻市では4月より市内唯一の分娩施設がなくなり、分娩を近隣自治体の病院に頼らざるを得ない状況となりました。同院に伺いましたが、産科医の確保は目処が立たないと言われました。
今年度から妊婦健診が国の少子化対策で、1人あたり必要とされる14回、11万8000円相当の財源を2010年末までの期限付きであっても助成が行われることになり非常に助かります。
ところが厚労省調査では、国が財源を措置しても全額手当てせずにいることが発表されました。県内では健診回数は14回以上が保障されているといいます。ところが全額公費負担する町村や、一回5300円とされる超音波検査も回数制限なしとする村がある一方で、超音波検査に全く助成しないところや、35歳以上に年齢制限する自治体もあるといいます。
そこでこのことについて県はどう掌握し、格差がでている原因についてどう対処されるのか衛生部長にお聞きします。

<桑島衛生部長>
 産科医療について、妊婦健診の公費負担に関する頂戴してございます。4月に実施いたしました、公費負担の状況調査の結果では、県内80市町村すべてが14回以上の妊婦健診を公費負担により実施してございます。ご指摘の通り、超音波検査については、4回以上を対象としている市町村が47である一方で、まったく対象としていない市町村が16ございます。市町村の対応に格差が生じた原因としては、国の財政措置が平成22年度までであり、検査の拡充に慎重になった市町村があったためと思われます。県と致しましては、公費負担の状況調査の結果を踏まえまして、改めまして9日に市町村に対しまして、市町村長に対して、妊婦健診の公費負担の一層の充実を図られるよう早急な取り組みをお願いしたところでございます。また平成23年度以降、財政措置の継続についても国に要望をしているところでございます。以上でございます。

<備前県議>
 確かに市町村でアンバランスが生じるというのは、非常に不幸な状態になるというふうに思います。国にたいしても、協力に要請をしていただきたいと思います。

(2)妊婦健診の受診体制の確保について

<備前県議>
 産科医が不足する地域での妊婦健診の受診体制の確保についてうかがいます。今回の塩尻では分娩施設がなくなるとともに妊婦健診を行う市内施設は2医療機関になってしまいました。年間約600人出生しますので、相当数の妊婦健診を2医療機関だけでは賄いきれないことになります。
そこで県内の妊婦健診の実態はどうなっているのでしょうか。県内医療機関では産科医の負担を軽減させる目的で、助産師と超音波を担う臨床検査技師による助産師健診を導入し、胎児の異常を早期に発見できるなどの検討が行われていることも聞きました。こうした助産師と臨床検査技師の組み合わせによる助産師健診は助産師本来の相談業務に専念させる意味でも有効であると思われますが、これについての衛生部長のお考えを伺います。
また上伊那地域では伊那中央病院と連携し有床分娩を扱う助産所の開業が相次いでいることが報じられています。私たち県議団は助産師による分娩や助産師外来の設置を求めてきましたが、産科医の確保が極めて困難な中、こうした取り組みが一層重要になると思います。そこで上伊那地域で活用されている産科共通連絡票や、松本圏域出産・子育て安心ネットワーク協議会作成の共通診療ノートなどを、全県で活用しネットワーク化していくべきではないかと思いますが衛生部長のお考えを伺います。

<桑島衛生部長>
 妊婦健診の増加に伴います、受け入れ態勢、助産師や臨床検査技師の活用についてでございます。
 一点目でございます。妊婦健診の増加に伴います、受け入れ態勢についてでございますけれども、公費負担の拡充がなされまして、3か月が経過してございますけれども、医療機関において、受け入れ態勢の問題が生じているという事例は確認はしてございません。
 二点目でございますが、妊婦健診の超音波検査における助産師、臨床検査技師の活用について、お答え申し上げます。分娩施設の減少への対策として、県では平成19年度より、助産師支援検討会を立ち上げ、助産師外来の開設や医師との連携のあり方について、検討してきたところでございます。その結果を踏まえまして、助産師に対する超音波検査の実習研修や助産師外来の開設のための設備整備の助成、助産師外来開設及び運営の手引きの作成を行い、助産師がその機能を十分に発揮できるよう、支援をおこなってきたところでございます。また、超音波検査の経験を積んだ臨床検査技師は、産科領域においても高度な技術に裏打ちされた検査の実施が期待できるところでございます。実際に県内でも、助産師と臨床検査技師が共同して、妊婦健診を担当していることで効果をあげている病院もあると伺ってございます。産科医療を取り巻く状況は依然として深刻であり、厳しい状況であり、医師・助産師・臨床検査技師がチームとして連携し、安全・安心のお産が出来る環境を提供できることが重要であると考えております。
 三点目に、産科医療機関を分娩施設と健診施設に機能を分化し、妊婦情報が共有化を図る、いわゆる「共通診療ノート」についてでございますが、これは松本地域のほか、飯田・下伊那地域、上伊那地域におきまして、導入をされていると聞いてございます。ただ、産科医療機関を取り巻く状況は地域によってさまざまでございます。県といたしましては、地域の実情に即して、地域が必要に応じて行う取り組みの支援を行うこととしており、「共通診療ノート」等の先進的な事例等も、長野県包括医療協議会等を通じまして、各地域に周知してまいりたいと考えてございます。

(3)妊婦健診の歯科検診上乗せについて

<備前県議>
 妊婦健診に歯科検診の上乗せができないのか、伺いたいと思います。妊娠中はホルモンバランスや食生活の変化などにより、虫歯になりやすく歯周病が悪化しやすくなると言われています。出産にあたり歯の治療をしておくことが重要であると言われています。そこで県内自治体でも独自に始まりつつあると聞きますが、妊婦健診に無料の歯科検診を上乗せするようなことはできないか衛生部長にお聞きします。

<桑島衛生部長>
 妊婦の歯科検診に対する援助についてお尋ねがございました。歯科検診は、国の示す妊婦健診の項目には入ってございませんが、妊娠中はホルモンバランスの変化などから、歯のトラブルが起きやすい時期でございまして、歯科検診を受けていただくことは重要であると認識しております。こうしたことから、市町村や医療機関において、歯や口の衛生を保ち、歯科検診を受診するよう、妊婦に指導を行っております。
また、県と致しましても、「8020推進委員」の養成や活動を通じまして、妊娠中の口腔歯科保健の重要性を広く周知しているところでございます。

(4)不妊治療について

<備前県議>
 不妊治療について伺います。今回の不妊治療の制度の拡大は歓迎するところです。ところで、この不妊治療は県が指定する医療機関での受診が助成対象となっていますが、この医療機関は長野、松本、上田、飯田などの11医療機関と限定されています。こうした中、佐久や北信、上伊那、木曽地域などには指定医療機関がなく、利用しづらい状況があると訴えられました。助成の拡充とともに指定医療機関の拡充もすべきと思いますが衛生部長のお考えをうかがいます。

<桑島衛生部長>
 不妊治療の非助成事業の指定医療機関についてのお尋ねを頂いてございます。不妊治療費助成事業の実施にあたり、厚生労働省の実施要綱に基づきまして、県が施設・設備、および人員に関する指定基準を定め、医療機関からの申請を受け、適当と認められる場合、指定をしてございます。現在、県内の指定医療機関数は11ヵ所で、地域別の内訳は東信1、北信4、中信3、南信3ヵ所でございます。県と致しましては、県民の利便性を図るため、少しでも多くの医療機関から申請が出されますよう、関係医療機関に対し、協力を呼びかけていきたいと考えてございます。以上でございます。

<備前県議>
 この産科医療の困窮化と言いますか、危機的な状況というのは、やはりネットワーク、いろんな職種が関連しつつ、今あるマンパワーによって担うという事が重要になってくるかと思います。そういった意味での、産科共通連絡票、あるいは共通診療ノート等の活用は重要な意味を占めてと思います。包括医療審議会、協議会等を通じてということでありますけれども、ぜひともそんな意味も含めて、臨床検査技師等の活用も含めて、お願いをさせてい頂きたいというふうに思います。

3、 障害者の就業支援について

(1)障がい者の離職の状況について

<備前県議>
 障がい者の就業支援についてお伺いします。障がい者の離職について、深刻な経済不況のあおりを受けて、社会的弱者の就業は特に困難になっております。昨日の高村議員の質問でふれましたが、日本人でさえ就業が困難な中、外国人労働者、そして障がいを持たれた方々の働く場所が真っ先に奪われています。厚労省は先月2008年度の障がい者の雇用の状況を発表し、前半の好景気を受けて、「障害者の就職件数、横ばい」と発表していますが、解雇数は大きく増加しており、その数は全国で2,774人、うち長野県は102人と2002年以来最大となっています。人口比で調べると全国5位の深刻さで、しかも下半期の解雇が68%を占めています。これは今年に入ってさらに深刻化していると推測しますが、本県の状況についてどのような認識をお持ちか、また就業支援の体制はどのようになっているのか、商工労働部長、社会部長に伺います。

<黒田商工労働部長>
 備前議員から、障がい者の就職状況、それから認識、就業支援に関する、ご質問を頂戴いたしました。まず長野労働局のまとめたデータでありますけれども、平成20年度の県内ハローワークを通じた障がい者の就職件数でございますけれども、1,088人ということでございまして、全国的には、前年より減少する県が多くございますけれども、長野県の場合には、19年に比べて30人増加という数字を頂いてございます。
しかしながら、一方で解雇者数、これについていいますと、ただいま議員からもありました通り、20年度は、 19年度より57名増えまして、102人となっておりまして、 特にお話のありました下半期、経済状況が悪化した下半期で見てみますと、平成19年度の13人から、平成20年度には、70人ということで増加しております。急激な雇用・経済情勢の悪化に伴いまして、障がい者の方々の雇用情勢は非常に厳しい状況にあると認識しているところでございます。
こういった状況を踏まえまして、まず今年の4月でございますけれども、長野県知事、それから長野労働局長の連名の文書によりまして、県内の経済4団体に対しまして、障がい者の皆さんの雇用維持、それから雇用促進について要請を行ったところでございます。さらに長野県と致しましても、障がい者を率先して、積極的に雇い入れることをしておりまして、平成19年、20年、21年と、順次これまでに知事部局・教育委員会合わせて10人の方々を、非常勤職員でございますけれども、雇用いたしました。さらに今回、6月補正予算でお願いしておりますが、11人の雇用をすることとしているところでございます。また障がい者のみなさんなど、就職が困難な方々を対象と致しまして、県内10の地方事務所におきまして、無料職業紹介事業を行っております。求職者の希望、能力、適正、こういったものを考慮いたしまして、職業開拓を行う、求人開拓員も広域的に配置しているところでございます。先ほど申し上げましがたが、厳しい雇用情勢でございますので、こうした県の無料職業紹介事業、社会部で設置しております県内10ヵ所の障害者総合支援センター、さらにはハローワークとの一層の連携を図りまして、障がい者の就業支援に努めてまいりたいというふうに考えております。以上です。


<和田社会部長>
 障がい者の就業支援体制でございますけれども、現在県内1圏域に総合支援センターを設置致しまして、22名の就業支援ワーカー、および13名の生活支援ワーカー、あわせて35名のワーカーを配置しておりまして、障がい者の就業生活に関する日常的な支援を行っているところでございます。離職を余儀なくされた障がい者に対しましては、これらのワーカーが心のケアを図りながら、ハローワークや地方事務所の求人開拓員などと連携いたしまして、求職活動・福祉就労の場を活用した再就職に向けての支援を行っております。さらに本6月定例会に補正をお願いしているところでございましたけれども、「ふるさと雇用再生特別基金」を活用致しまして、再チャレンジ支援ワーカーを新たに3名配置致しまして、離職者に対する支援体制の充実を図る予定であります。

(2)松本圏域就業支援体制について

<備前県議>
 松本圏域の就業支援体制について伺いたいと思います。6月15日に開かれた松本での行政連絡協議会において出された障がい者等の職業紹介事業の状況の資料では、2006年と比較すると相談件数は402件が11件に激減し、求人開拓数29件そして就職件数の4件が何れも0件となっていました。これは求人開拓員を2008年には松本に配置しなかったためと説明されました。商工労働部サイドは社会部サイドの就業支援ワーカーがいるからと言って配置を止め、こうした中、社会部は来年度から県単で行ってきた松本圏域の障がい者就業支援ワーカ1名・生活支援ワーカ1名の配置の見直しを検討されていると言われ、現場では松本圏域は特に西駒郷からの地域生活移行者をはじめ、支援を必要とする障がい者が多く、障がい者の自立支援の後退と地域間格差も広がると危惧する声が広まっています。こうした時期こそ減員ではなく、体制の補充をしていく必要性があるのではないでしょうか。社会部長に伺います。

<和田社会部長>
 松本圏域の就業支援体制についてでございますけれども、先ほど申し上げましたワーカーにつきましては、県単事業と比較して配置基準も手厚い国の補助事業を利用した 転換を進めてまいりました。平成21年4月に10圏域すべてで国の補助事業が採択となったことによりまして、県単による設置は松本圏域の2名のみと、こういう状況となっております。松本圏域におきましては、県単・国補合わせまして、ワーカーの数は7名と、他の圏域の3名、あるいは4名というところを大きく上回りまして、県単分につきましては、見直さざるを得ないのではないかと、こういうように考えております。しかしながら、これらのワーカーの活動による地域に根差したものになっていることから、見直しが障がい者や関係者に不安を生じさせることのないよう、先ほどご説明いたしました、再チャレンジ支援ワーカーの活用も図り、現地の関係機関とも、相談しながら対応を検討してまいりたいと、このように考えております。

<備前県議>
 再チャレンジ支援ワーカー3人のうちということで、松本圏域に配置も考えているということで言われますけれども、これは期間限定で臨時的な雇用という形になろうかと思います。実際に、松本圏域では、非常に県内でも多くの障がい者への支援を行っている現状を見ましてもですね、県単の2名がもしここでいなくなるという非常に現場は混乱するという 社会部長に再度やはり長野県はこれまでNHKの取材でもこれまで全国報道されるような障がい者雇用対策を行ってきている中で、やはり松本圏域も含めた全県的な障がい者の雇用を安定化させていく、そういったことにですね、ぜひとも行っていただきたい。されは再度ご答弁を頂きたいと思います。これは特に、長野労働局からいただいた最新のデータによりますと、今年の1月から4月に57名の方が障がい者が雇用を失っているという事です。これは4ヶ月で57人でございますので、通年にしますと170人を超えことはあってはならないことですけれども、いずれにしても深刻な雇用状況にあるという中を考慮をしていただきまして、再度ご答弁を頂きたいと思います。

<和田社会部長>
 本県の設置状況でございますけれども、人口当たりのですね、ワーカーの数と各県と比較してもですね、かなり上位にいるという状況だと思いますが、県単での要請をしているとこういう県もですねかなり限られている状況のなかでございます。いずれにしましても、県内圏域の近郊に加えまして、サービス業なども総合的に考えながらですね、今後対応を考えてまいりたいと、このように考えております。

<備前県議>
 ぜひとも現場・当事者の不安・心配をさせるようなことはしない、そのことをお願いをさせて頂き、次の質問に移ります。

4、 農業支援について

(1)凍霜・豪雨・降ひょう災害対策について

<備前県議>
 今年も4月から6月と自然災害による農業への被害が相次いでいます。今年度に入り、松本市や塩尻市では凍霜被害が4月下旬に連続して発生し、アスパラガス、ナシ、レタスなどに大きな被害が出ました。また、5月27日には大北、長野、佐久、松本地域での降雹被害、そして6月16日には松本、塩尻など8市町村で大規模な降雹被害が発生しています。
 私も現地を見て回りましたが、農家は凍霜害に続く傷ついたナシ、リンゴは特に被害甚大で全滅の園もありました。またネクタリンなどの果樹も、これは売り物にならない、「今年は収入が無い」といわれ肩をおとされておりました。また、出荷真っ盛りのレタスも穴だらけで、仕方なく廃棄処分するなど、この間の努力が水の泡になってしまっている方々がたくさんおられました。果樹などは共済に加入していても収入の激減は避けられません。これでは農業の再生産はおろか農業の維持存続もできなくなってしまいます。
そこでこれらの被害状況と農家の収入の減少について県はどうとらえ、対策を講じられているのか農政部長に伺います。

<萩原農政部長>
 農産物の被害状況と対策についてのお尋ねでございます。いま、ご指摘がございましたように、4月からの霜被害、それから5月下旬からも降雹、6月16日の降雹につきましては、松本・塩尻市を中心にリンゴと果樹、レタス等につきましては、5億9千万余の被害が発生している状況でございます。県と致しましては、農業改良普及センターを中心にJA、商店、等と連携いたしまして、被害状況の把握に努めまして、腐敗などの病害発生の防止のために緊急防除等の指導をしております。加えまして、生育状況の被害状況に応じました技術指導を農業関連団体の請負致しまして、実施をしている段階でございます。

(2)所得保障について

<備前県議>
 こういった災害が起こったときに、技術対策、病害虫発生防止のための緊急防除を指導すると。この指導は大変重要であるということは理解するものでありますけれども、肝心の農業所得が激減することは避けられない方々がおられます。共済制度があるわけですが、実際農家のみなさんからは非常に使いづらく、加入率がまだ良いほうと言われる中信地域でも、なかなか被災農家が立ち直れず、むしろこれを機会に農業をやめてしまおうという方もいるわけであります。こうした天候に左右された収入の激減に対し農業の所得保障を制度として創設していくべきではないでしょうか。
このことで共産党県議団は新潟県の「新潟版所得保障モデル事業」を視察してまいりました。
 その1つは「中山間地域新規就農者確保モデル事業」で、これは農業生産法人等が雇用する若い新規就農者に300万円〜500万円の所得保障を3年間行うものであります。2つ目は「水田経営安定化・フル活用モデル事業」で、これは水田面積20〜30ha、15軒程度の集落にたいし、米価下落時に一定の所得補償をする、米粉用米の水田活用に対して一地区600万円支給し、一定の所得補償をするというものです。米どころ新潟県が「モデル事業の効果を検証し農業者利益、消費者利益、国益を同時に確保するとともに、所得補償の創設を国に提案して」いるところでございます。中山間地域の多い長野県でもモデル的にこのような支援策を果樹など含め長野県らしい農産物を対象に始めてみるつもりはないか農政部長に伺いまして、一切の質問を終わります。

<萩原農政部長>
 所得補償に関するお尋ねでございます。新潟県の「所得保障モデル事業」は米づくりを中心とした水田経営全体で一定の所得レベルを補償する県内4地区にモデル的に実施し、その有効性を検討して、国に対して制度の創設を提案するものと聞いております。個別農家に対します、所得補償のついては、国レベルで検討されるべきものであると考えておりまして、また栽培品目・栽培出荷時期がきわめて多様な園芸作物を栽培する本県としては、県独自の所得補償は、大変困難であると考えております。このため、長野県としましては、これまで通り、水田経営安定対策や価格安定対策事業、農業共済などの実施により農家の経営安定を支援するとともに、制度の充実について国に対して積極的に提案してまいりたいと考えております。