議第10号長野県青年の家設置条例の一部を改正する条例案、および議第11号長野県少年自然の家設置条例の一部を改正する条例案について反対の立場から討論をいたします。
このたびの改正案はこれまで県が管理運営してきた松川青年の家・須坂青年の家・望月少年自然の家、阿南少年自然の家の管理を指定管理者に行わせると共に新しく宿泊施設、キャンプ場、研修室、体育館の利用料を徴収するというものであります。
青年の家、および少年自然の家は、勤労青少年育成のための教育研修施設として、また、青少年団体の体験学習、交流の場として活用されてきました。
長野県は青年の家を当初地域的なバランスも視野に入れて、県内4地域に設置してきましたが、利用者の減少、施設の老朽化、事務事業見直しを理由に松本、小諸青年の家を平成18年3月をもって閉所いたしました。
私は存続を願う地元地域を始め県民の声をこの壇上からお伝えし、存続をするよう求めた経過がありますが、本日再び県の姿勢を正さなければならないことを大変残念に思います。
当時県教委は存続させる松川と須坂青年の家については、閉所する松本、小諸の両施設を補完できるよう充実させ、利用団体の企画へのアドバイスを始めとし、充実した研修への支援と共に、自主事業においては、利用者の感想や意見を取り入れながら社会教育施設としてさらなる利活用を目指すとしていました。
日本共産党県議団はこの間各施設を調査させていただきましたが、4施設とも利用者にとって魅力ある施設となるようアイデアを駆使しての改善や、地域の皆さんとのコミュニケーションの構築など精いっぱい頑張って県民のために努力されていました。この努力に対しての評価の上に更なる充実をこそ目指すべきであります。
又貧困と格差の連鎖のなか、未来に希望を託せず、自ら命を絶つ若者たちが後を絶たない状況の下、青年の家は現代の若者たちの人間としての成長と生きる希望を作り出すと共に幅広い年齢層の生涯学習の場としてもその役割をさらに充実させることが求められています。
指定管理制度の導入はコスト削減に大きな目的があります。
本会議において高村京子県議が指摘しましたが、指定管理に移行することによって生ずる自主事業をはじめ施設運営の教育力の低下などへの心配は今もって解消されてはおりません。
又東京都中野区が軽井沢に設置している青年の家で贈収賄事件が起こった原因に職員の手当削減で給与の大幅削減があったと報道されており、コスト削減は慎重に行うべきであります。
宿泊料など利用者に新たな負担を求めることも賛同できません。
学校教育活動や障がい者利用などへの減免や、小中学生に対して配慮をした料金設定をしてありますが、不況で家庭の収入も目減りし、就学援助を受ける家庭の増加や非正規雇用の若者たちの生活苦が増しているこの時期に、利用者の負担を増やすべきではありませんし、利用促進と逆行するのではないかと危惧するものです。
以上青年の家、少年自然の家を指定管理制度に移行する設置条例案に反対の理由を述べ、県議の皆様のご賛同をお願い申しあげ討論といたします。
以上