議第一号補正予算について賛成の討論をします。
県民の暮らしと雇用状況は極めて深刻であります。派遣切りで始まった人減らしは、正規社員の首切りへと広がり、多くの県民の生活が根底から破壊されようとしています。その影響は子どもや生活弱者を直撃し、生活保護の相談数は昨年8月の15件以降増え続け、今年3月には160件と10倍以上に、就学援助の子どもも全校生徒の25%を超える学校も生まれています。
こうしたなかで県下各地に貧困救済ボランティア組織SOSネットワークなどが立ち上げられ、生活相談や食料支援などが行われ相談者や利用者が急増しています。
景気は底打ちなどと一部で報道されていますが、解雇されて6ヶ月から早い人は1年経過し雇用保険も切れる時期を迎えています。中小零細企業も受注量は激減、週休三日・四日の企業も続出、夏のボーナスはゼロという企業が半数に上るとも言われています。中小零細企業の雇用対策も限界となりつつあります。さらに完全失業者が増える一方です。求人倍率は0.39と調査開始以来、過去最低を5ヶ月連続で更新し、全国を下回るのも5ヶ月連続と史上最悪の事態であります。
政府の経済対策は定額給付金のバラマキや、最も継続が求められている介護職の待遇改善や妊婦健診無料化などは3年間の限定など、選挙目当てと言われるやり方には、地方自治体や利用者からも不満の声が噴出しています。その財源は赤字国債の発行でまかない、今後消費税の引き上げで国民に押し付け、穴埋めするやり方は到底認められるものではありません。
今回の県税条例の一部改正の中には上場株式等の配当譲渡益に対する大企業や大金持ち優遇の税の軽減が盛り込まれています。この改正により県税収入の影響額は5億円にもなります。
今回の県の一般会計補正予算571億円は国の経済対策に対応したものであり、介護職員処遇改善等臨時特例基金など7基金の総額301億円に、その中では小規模特別養護老人ホームの建設や学童クラブの創設、消費者相談、老朽化した長野盲学校の改築など大いに評価できるもののあります。しかし、全体として21年から23年までの実施期間であり、その後の財政保障もなく矛盾は避けられません。日本共産党県議団は弱者救済のセーフティーネット貸付制度や、中小零細企業の融資制度を利用しやすい制度へとこの間一貫して求めてきました。離職者向けの勤労者生活資金緊急融資制度は歓迎したものの、6月23日現在の運用状況は申込件数83件、貸付できたものは37件、3億円の予算に対して僅か1,300万円と大変残念な結果となっています。引き続き利用しやすい制度に改善を強く求めるものです。
公共事業も住民要望の大きな地域密着型の事業に転換を図るべきです。
県の基幹産業の一つである農業も凍霜・降ヒョウの被害の苦しみは深刻です。被害救済の施策を講じると共に、新潟県では米作農家に対して所得補償制度をモデルケースではありますが導入し、米作農家の支援を打ち出しています。我が県でも農業の支援策の充実と、長びく不況の中で県民が安心して暮せる施策を求めて賛成の討論といたします。
以上