議 第14号 子ども手当の財源に関する意見書(案)の提案説明をさせていただきます。
政府は、中学校卒業までの子ども一人当たり月2万6千円を支給する子ども手当を創設することとしています。
子育てに対する経済支援が十分とはいえない現状のなかで、子ども手当、現金給付を引上げることは当然と受けとめています。
さらに、子育てしにくい日本社会では、保育・教育環境の充実、仕事と子育てが両立できる職場・社会環境を整えることなど総合的に進めてゆくべきであると考えます。
今回、子ども手当の創設にあたり5兆3千億円の財源確保のために、鳩山内閣が来年度税制「改正」で所得税の扶養控除の廃止を先行実施し、さらに配偶者控除の廃止、住民税の扶養控除も見直しの対象にするような議論もあります。これらが実施されれば、所得税増税をもたらします。
扶養控除を廃止すると扶養控除を受けている1500万人のうち、500万人は15歳以下の子どもがいない世帯であり、子ども手当なしで増税だけになります。
また、子どもがいたとしても、所得税が上がれば保育料などに負担増としてはね返ります。子ども手当がもらえるとはいえ、増税と児童手当給付減の影響で、月額2万6000円の効果も大幅に縮小されることになります。
「安心して子育てができる政策」として導入される「子ども手当」が、逆に子育て世帯に痛みを押し付けることになります。
2004年度からの税制「改正」によって、各種控除の廃止や定率減税が廃止され庶民大増税をされたおりに、公的年金等控除の縮小や老年者控除の廃止が実施されたことで多くの高齢者の所得税・住民税が増税され、その影響は介護保険料や国民健康保険料にまで及びました。同様の事態が子育て世帯を襲おうとしています。
しかも、扶養控除の廃止で生まれる税収は8千億円程度であり、子ども手当の財源には大きく不足しています。
扶養控除の廃止は、生計費非課税という税制の民主的原則にも反します。日本共産党は、庶民増税に頼らなくても、小泉構造改革以前に戻し、大企業に能力に応じた適切な負担を求めることで約5兆円。証券優遇税制や所得税・相続税の最高税率見直しなど大資産家優遇税制の是正で、約2兆円。あわせて7兆円の財源が確保でると提案してます。税金は負担能力に応じて納めるという基本に立ち返り、子ども手当の財源の見直しを求め、意見書の提案とさせていただきます。
議場の皆様のご賛同をお願い申し上げしまて、提案説明とさせていただきます。