2010年2月定例会   3月12日 石坂千穂

第59号平成21年2月補正予算(第5号)(案)の反対討論

<石坂県議>
  第59号平成21年度長野県一般会計補正予算(第5号)案に反対の討論を行ないます。今回の補正予算は、歳入歳出予算の総額から歳入歳出それぞれ253億8,524万1,000円を減額し、9,299億円とするものです。
 厳しい経済・雇用情勢を反映して、県税収入は116億3,728万9千円の減額ですが、知事が再三強調している「景気に左右されない税金」であるはずの地方消費税さえ、10億4,300万円の減額補正となっています。
 今回提案されている、新規事業としての再生可能エネルギー導入可能性調査事業費1億3,511万円の計上で、小水力や地下熱等の再生可能エネルギーの導入を図るため、市町村と連携して利用可能調査を行なうことや、道路除雪費に12億3,800万円を追加すること、老朽化した上田警察署の移転建替えのための用地取得費などには賛成です。
 しかし、全体の減額補正に大きな影響を与えている職員給与費の減額で、職員組合との合意もないままに、全国的にも例を見ない、人事院勧告の2倍と言う手当ての大幅削減を行なったことには賛成できません。財政を節約したように見えても、結果的には県内経済の冷え込みを助長することにもなるのではないでしょうか。
 また、今年度中に執行できない事業費を新年度に繰り越す繰越明許費として418億1,468万3,000円が追加されましたが、そのうち浅川ダム建設費は、1年前の議会で承認された事業費17億円を事実上ほとんど執行できないまま大半の15億6,200万円を繰り越すものです。

 和田明子議員が代表質問で指摘しましたように、いよいよ浅川ダム本体工事を発注すると、17億円も予算を計上しながら、その内容は白紙のまま県議会に承認を求め、その予算のほぼ全額を繰り越すという予算の計上の仕方は、「先にダム建設ありき」と言わざるを得ませんし、非常に無理が感じられます。限られた財源と厳しい県財政のもとで、なかなか進捗しない生活密着型公共事業の切実な要望がある中で、浅川ダムだけは、破格の扱いで使えない予算を計上したことにもなり、納得できません。
 3月9日付、信濃毎日新聞の一面「斜面」は、「治水効果の一方で『安全』が問われてきたダムである。県の説明にひと安心、と言う人はどれほどいるのだろう。建設について村井仁知事は『不退転の決意』を表明している。前のめりが過ぎないか、心配になる。」と結んでいます。無理やりの発注は、将来に禍根を残すのではないでしょうか。
 補正予算全体は、事務手続き上、やむをえないものもありますが、以上の理由を述べまして、反対の討論といたします。