<桑島健康福祉部長> 児童相談所職員の配置についてお尋ねをいただきました。
行財政改革プランにもとづく職員削減にむけた取り組みの中ではございますが、児童相談所においては児童虐待対応件数の増加にともない、直接児童相談に対応する職員について平成16年度の53人から平成21年度までの5年間で児童福祉士が26名から37名の11名、児童心理士が13名から18名の5人、計19名の増員を図ってまいりました。
さらに、本年度でございますけれども、被虐待児童への援助や一時保護児童の健康管理にあたる保健師をさらに、すでに配置しています中央児童相談所に加えまして松本児童相談所においても1名、増員をさせていただいたところでございます。
議員ご質問の改正された交付税の算定基準では、児童福祉士については、現員から1名の増となるわけでございますけれども、虐待相談対応等をはじめとした状況を踏まえ、今後職員の増員については引き続き検討をしてまいりたいと考えています。
次に中央児童相談所の移転に伴う職員配置についてお尋ねを頂きました。
中央児童相談所は相談件数の増加と一時保護需要の変化により狭隘化が進んでおりまして、児童処遇の改善を図るため、平成24年度を目途に旧公衆衛生専門学校への移転改築を予定しているところでございます。
現在配置されている児童福祉士・児童心理士の数に応じた相談室の不足を解消し、効率の良い相談が出来ること、また、新しい機能として相談室等を利用した家族再統合プログラムの実施も計画しているところでございますが、移転改築そのものに伴います職員配置の変化は現在のところ考えていません。
児童居室が増となる一時保護所は児童の安全確保のため緊急保護、適切かつ具体的な援助方針を決めるための行動観察といった重要な機能を持つと認識しています。
一時保護所の職員についてもより援助が出来るよう児童相談所全体の態勢を考える中で引き続き検討させていただきたいと考えています。
<和田県議> 全体として職員の増員が図られてきていることは歓迎しますけれども、児童相談所は他のところに比べて63000人に一人という状態になっているとお聞きしておりますので、ぜひこの改築に合わせて増員をお願いしたいと思います。
つぎに長野県女性相談センターの平成20年度の女性保護事業の概要のなかで当時の女性相談センター所長は、「社会情勢を反映してDV被害者の自立支援等 が困難なケースも多く、一時保護施設での共同生活が長期化する傾向にあります。また、同伴児のケアや保育環境の整備、児童の学習停滞等課題も多いため、被 害者の自立が早急に図られるよう関係機関の皆様の一層のご支援、ご協力をお願いいたします。」と書いております。
まず、母親自身が安定し、自立をするまでを支援することが大事なことでありますが、母親と共に女性保護施設に緊急に避難した子どもたちにとっても、学校 や友だち、地域の関係を絶ち、住環境、生活環境が急変するわけです。しかも、避難しているという情報が外にもれないように施設で身を潜めるような生活は子どもたちにとって大変な負担になります。
そういう中で、現在は緊急経済対策によって保育士1名が配置されました。女性相談センターでは大変に歓迎されています。所長はじめ相談員など職員とは別 に、保育の資格を持って子どもを迎えてくれる保育士は子どもの気持ちを安定させるうえで重要です。しかし、あくまでも緊急経済対策による雇用であり1年限りとのことですが、来年度以降も引き続き保育士を配置していただきたいと思いますがいかがですか。
また、女性相談センターに避難している児童の学習を保障するために、資格のある先生を配置してほしいとおもいます。健康福祉部長にお聞きします。
<桑島健康福祉部長> 女性保護施設の職員配置についてお尋ねをいただきました。
女性保護施設への同伴者児童は乳幼児が多いことから、今年度は緊急雇用創出基金を活用いたしまして、同判児童対応等、指導員として保育士を配置させていただいたところです。
同判児童の精神的なケアや発達支援、母親の育児不安や育児疲れなどの負担軽減に一定の成果をあげていると認識しています。
そういう意味で、来年度以降の配置につきましても今年度の事業効果等を考慮し、検討してまいりたいと考えています。
また、児童生徒の学習支援につきまして、児童保護施設の位置付けは、女性の自立支援にむけた支援を行う経過施設でございまして、入所期間も平成21年度では平均16日程度と非常に短いことから、教師等の配置は困難ではないかと考えています。
<和田県議> ぜひ保育士の配置を来年も継続していただくようにお願いします。また、子どもたちの学習をみるために現在でも完全無償のボランティアで対応していただいております。たとえその期間が短くてもたとえ一人でも学習を保障できるよう、児童の滞在する間の先生の配置を、ご検討ぜひともお願いします。
今回は、母親に対するDV被害にともなって、一時保護など余儀なくされている子どもたちへの対応について質問をしました。
しかし、女性相談センターでは、相談件数が面接・電話をあわせると年間に5千件をこえているということであります。また、相談内容も大変に複雑であり、一人ひ とりの人生を丸ごと相談される深刻なことが多いわけであります。それだけの相談にあたるには、相談員はじめ、職員体制が今のままでは限界ではないかと思います。ぜひ現場の状況をつかんでいただき相談員に正規の職員をあてることなどを検討していただきたいと要望させていただきます。
<和田県議> つぎに先進国で最低水準に落ち込んでいる食料自給率をアップすること、国民の命を支える農業を支えることは待ったなしですので農政部長にお聞きします。
昨年の総選挙では民主党の戸別所得補償が期待され政権交代になりましたが、民主党政権が今年度、水田だけを先行させたモデル事業については、
1つとして、低すぎる補償の水準と、米価の暴落に対策が講じられていないこと。
2つとして、転作作物への補助が削減され ―これは各地からあがった悲鳴に対して「激変緩和」をすることにはなりましたが、不十分で水田転作が後退しかねず自給率50%へとの掛け声と逆行していること。
3つは、FTA、EPAなどに前向きで輸入自由化に歯止めがかからない恐れがあること。
4つは、所得補償の財源確保のために、農業共済、鳥獣害対策、耕作放棄地対策、土地改良予算など必要な予算を切り刻んで農業予算は全体で削減されたという、大きく4つの問題点があると思います。
これで、来年度以降、所得補償制度を水田以外にも広げ本格実施するといわれても「本当にできるのか」という不信感を農家や関係者が抱くのは当然と思います。 また、国の制度がくるくる変わるなかで、県として、農家や市町村、農業関係団体等への制度の周知と申請の取りまとめの実務などなど、本当にご苦労されていることと思います。
長野県は全国一の農家戸数ですが、中山間地、小規模な農家が多いという長野県ならではのこういう特質の中で、この補償制度では生産費コストに見合わないこともはっきりしています。そんな問題点を踏まえて、県から国へ安定した所得補償制度の確立について意見をあげていただきたいと思いますが、農政部長いかがでしょうか。
<萩原農政部長> 米の個別所得モデル事業についてのお尋ねでございます。
本年度の米個別所得保障モデル事業につきましては今月末に申し込みの期限が迫るなか、現在、鋭意加入促進を図っているところでございます。
本県の米生産におきましては経営規模が小さい、生産コストが高いというようなこと、さらに高齢化や担い手の減少が進んでいる中でございます。
こうしたことを踏まえまして、今回の制度につきましては本県に多い条件ふりちなど、実情を踏まえた交付金額の算定措置、担い手の育成や集落営農の推進等への加算措置、地域の実情にあった転作作物に対する助成措置の継続など、制度の充実が必要であると、機会をとらえて要請を重ねてきたところでございます。
来年度の本格実施にむけては現在、民主党の戸別所得補償小委員会におきまして、制度の骨格が検討されているところでございますので、今後の動向を注視しつつ、本県農業者の経営安定が図られる制度になるよう、続けて要請してまいりたいと思っています。
<和田県議> 長野県では全国的に比較的早くから学校給食で米粉パンを導入しました。そして、県としては小麦粉パンと米粉パンとの間で生じる価格差を補てんすることで学校給食での米粉パンの提供の拡大をはかり、平成18年から米粉パン1個あたり23円の補助をしたことで平成17年には77校であったものが18年には199 校、19年は252校と大きく導入がすすみました。しかし、3年目の20年度には残念ながら県単独事業が1年前倒しで廃止されて、非常に残念なことでした。それでも、米粉パンは米の消費を伸ばすことにもつながることから、市町村では導入する学校を増やし、昨年度は県下で学校給食で5割を超えるところまで米粉パンの導入が広がりました。
また、米粉パンを学校へ納入しているのは、学校給食に地産地消を、できるだけ地元食材を使って欲しいという、こういう今までの取組みとも連動していることがうかがえるのです が、パン業者だけでなく、農産物加工グループの皆さんが焼いて学校に納入しているところも長野県の特徴ではないかと思います。子どもたちに地元のお米の粉で美味しいパンをとがんばるお母さんたちがいることは本当に嬉しい限りです。
そうした県下各地のがんばりを応援し、地産地消と、さらにお米の消費拡大へ、学校給食で米粉パン導入を現在の5割程度から6割、7割へと広げるために、県として、米粉パンの価格と小麦のパンとの価格差を補てんする従前の県の事業を復活をしてほしいと思います。農政部長にお聞きします。
また、米粉パンは美味しいと子どもたちには喜ばれていると思いますが、そのほかにも学校給食では、食物アレルギーで厳しい食材の制限をしている子どもたちに、 アレルギーを起こさない他の材料を用いての特別食が提供されていますが、小麦のアレルギーの子どもも多いなかで、パンの日に他の子と同じにパンを食べることができるとか、小麦は輸入が多いが米粉であれば地元産が使えることを、給食を通して地産地消の意識を高められるなどの効果も考えられるとおもいます。学校現場ではどのように受けとめられているのか、教育長にお聞きします。
<萩原農政部長>
学校給食への米粉パンの普及のための助成制度についてのお尋ねでございます。
県では県産米粉パンの学校給食への普及を促進するために、米粉パンの製造技術の習得、米粉の流通ルートの構築、これらを進めるとともに、平成18年、19年度に米粉普及促進事業を実施いたしまして、米粉パン給食実施校の割合を平成17年度の12%から19年度に42%、大幅に引き上げることができたところでございます。
その後も、地産地消や食育に関する意識の高まりもございまして、実施校は着実に増加しておりまして、21年度末には52%となっているところでございます。
議員ご指摘の通り、現時点でも小麦粉パンと米粉パンの価格差は1個22円程度あることは認識しておりますが、学校給食に米粉パンを新たに導入する場合や導入回数を増やす場合に、平成22年度からJA長野県グループがその価格差の一部を補助するなどの動きも出てきています。したがいまして、県といたしましては、学校給食関係者を対象にしました米粉パンの食育効果や実施事例を発表するなどの研修会の開催や、今年度から県下4か所に配置しております学校給食県産農産物の利用促進コーディネーターによります学校給食現場と製パン業者、製粉業者を結び付ける活動などを通じまして、米粉パンの普及を一層促進してまいりたいと考えております。
<山口教育長>
米粉パンの普及について、アレルギーへの対応や食育等の観点から、学校現場ではどのように受け止めているかというお尋ねです。
米粉パンを小麦粉のアレルギー対策として活用することですけれども現在の製造技術では米粉100%のパンといっても、ふくらみを出すために小麦粉から取るグルテンを加える必要がありまして、小麦の成分が全く入らない米粉パンを作るのは非常に難しいということでありますので、活用は即には困難と考えております。
県内産米を原料とした米粉パンの使用は、地産地消の推進につながるとともに地域の食に関わる産業の理解など、教育的にも非常に意味があると考えています。
そうした点に加えまして、米粉パンは児童生徒に受けが良くて、使用を検討している学校調理上も多くあると聞いておりまして、実際に給食での提供につながっているところも徐々に増えています。ただ一方で価格や入手先の偏在等の問題もありまして、導入に至らないとの声も聞かれるところでございます。
教育委員会としましても農政部と連携しまして、引き続き情報提供に努めてまいりたいと考えています。
<和田県議> 教育長のお話では子どもたちには大変米粉パンは好評のようですのでぜひ農政部と教育委員会で連携して、導入をさらに広げるようにお願いしたいと思いますし、またJAとの協力も得られれば県の側の補助も少なくて済むわけですので、ぜひ再考をお願いしたいと思います。
<和田県議> 国道18号線古戦場入り口から長野南バイパスを交差し下氷鉋までのバイパス工事も進み、年内には供用開始されます。これによって松代イン ターから117号青木島交差点まで片側2車線の道路改良が終るわけですが、117号線と青木島交差点で主要地方道長野上田線と合流するところでは今までも慢性的に渋滞しているわけです。特に午前7時から9時は1車線がバス専用レーンで規制され1車線しか通行できずこの時間帯の渋滞は大変です。せっかくの道路改良もここがネックになってしまい渋滞解消の対策が望まれます。
解消の対策について建設部長に伺います。
<入江建設部長> 国道117号、丹波橋南の渋滞対策についてのお尋ねでございます。
ご指摘の長野インターと市街地を結ぶ道路につきましては丹波島橋の4車線化をはじめとし橋梁前後の拡幅事業、青木島拡幅事業を順次実施し、地域の渋滞の緩和、移動時間の短縮、げんどうの安全確保度を図ってまいりました。
現在、最後のネック箇所となっております小島田ちせきにおいて4車線のバイパス整備を進めており、今年中の開通を目指しているところであります。
このようにご質問の箇所はすでに4車線の整備が完了していまして、現時点での、車線の増設などの新たなハード対策は困難と考えております。
<和田県議> 建設部長からはこれ以上の道路の拡幅などは厳しいというお答えでありましたので、 それでは次に、一般的に自動車利用者が公共交通機関を利用することは、渋滞解消につながると考えられますので、公共交通機関の利用促進のために、県としてはどう考えておら れるのでしょうか。
例えば、バスレーンまたはJRという公共交通の利用を促進するパークアンドライドということであればパーキングの確保が必要になります。慢性的な渋滞の 解消のための交通対策について企画部長にお伺いします。
<望月企画部長> 渋滞解消に関しまして、公共交通機関の利用促進についてのお尋ねでございます。
ご案内のように地域公共交通は、お年寄りとか学生など他に移動する手段を持たない方々にとりまして重要な移動手段であると同時に、地球温暖化防止のため、さらに渋滞解消にも資すると、こうした様々な役割を持っていることはそのとおりであります。
そのうえで、地域公共交通をどのように構築するかにつきましては、まずは市町村が中心となりまして地域住民や事業者とともに地域の実情を踏まえ、十分検討していただくことが何よりも必要と考えております。
県といたしましても、公共交通の利用促進という観点からは、例えば、県下一斉、ノーマイカー通勤ウォークの実施、これは今年度は200以上の企業が参加しておりますけれども、それとか、便利でお得な情報、これは公共交通機関に関する情報でございますけれども、それから県内のパークアンドライド駐車場に関する情報、こういったものを県のホームページを活用して提供しておりますほか、県民大会という形で、県民の皆さん一人ひとりが乗って残す、乗って生かすといった意識の醸成を図っていただく、あるいは、各市町村のいろんな取り組みをきっかけにしていただくということでこういった大会を開催しているわけでございます。
従いまして、個々の、個別の地域の渋滞解消に向けてはそれぞれその地域に応じた利用促進というのがございますので、まずは地元の自治体、あるいは住民をはじめ関係者が広く検討されることが重要であると思っております。
そうした取り組みが行われる場合には、県も積極的に参加してまいりたいと思っております。
なお、先ほど長野市のバス専用レーンのお話しもございましたけれども、なにかお聞きするところによりますと、すでに1月に、県も国もあるいはいろんな事業者、バス会社、地元の区長さんがお集まりになってバス専用レーンの規制の在り方等も検討されているようでございます。
そういったなかで当面はバス専用レーンは現状維持していくというお話しも聞いているところであります。
いずれにしても、公共交通の体系とか今後の在り方というのはその自治体の今後のまちづくりといったものについて、まさに基本という形になってくると思います。地域の実情を踏まえまして、十分に検討していただきたいと思います。
我々も必要に応じてそう言った場には参加させていただきたいと思います。
<和田県議> 企画部長のお話しは一般的なお話でありまして、個別具体の課題についてはやはり地元の自治体と協議してという、そういうテーブルが用意されればいっしょに考えましょうと、こういうことでありますけれども、県が一生懸命にみなさんの貴重な税金を投じて造った社会資本整備、それを使うその点で、公共交通と今ある道路をうまく使い分ける、そして両方をうまく使ったことによって毎日発生している渋滞を解消していく、こういうところをもっと積極的に、前向きにやっていただきたいと思うわけですので、個別具体の課題も企画としてしっかりとうけとめてやっていただきたいと思っております。
犀南から犀川をわたる道路は、丹波島橋、長野大橋、小市橋などどこも激しい渋滞が慢性的になっています。交通量の多さに対し、橋の数が少なすぎるのではないでしょうか。丹波島橋の拡幅が技術的に厳しいことや、丹波島橋北も道路拡幅は厳しいことを考えると、犀川に新しい橋が欲しいという思いがします。新しい橋の増設など抜本的な検討が必要ではないでしょうか。建設部長にお聞きします。
<入江建設部長> 犀川への橋の新設・増設に関するご質問です。
非常に心強いご提言として承ります。ぜひ公共事業●●の確保についてご支援いただければと思います。
<和田県議> みなさん誤解をされているようでありますけれども、私たち日本共産党は生活密着型の公共事業は促進でございまして、やはりこういう本当に深刻な問題についてはきちんと対応をしていくということですので、ダムよりも橋を作ってほしいと申し上げまして、質問を終わります。