<藤沢県議>
この議場での最後の質問になります。よろしくお願いいたします。
公営住宅法第1条ではこの法律は、国及び地方公共団体が協力して、健康で文化的な生活を営むに足りる住宅を整備し、これを住宅に困窮する低額所得者に対して低廉な家賃で賃貸し、又は転貸することにより、国民生活の安定と社会福祉の増進に寄与することを目的とする。と明記しています。
戦後最悪の不況のもとで多くの失業者や低所得者が生み出され、高い民間住宅家賃が払えずに、公営住宅に入居を希望する世帯が増え続け、公営住宅は更なる充実を求められています。
そこで私も相談活動の中でも直面したことのある身寄りのない高齢者をはじめとする低所得世帯についての保証人の免除についてその対応を求めるものです。
保証人になってほしいと何人にもお願いしてもダメだったと入居希望者は肩を落として言いました。
身寄りのない人、一人暮らし高齢者、所得の少ない障害者が保証人を見つけることは大変であります。
やっと入居できるようになっても、保証人をみつけることができず、入居を断念した人もいたと聞きます。
そこでどうしても保証人が見つからない場合は免除出来るという対応を条例や処理要領をもってすべきと思いますが建設部長の所見を伺います。
再質問
長野県も住宅部長通知で柔軟な運用を指示してはいますが、身元引受人や福祉事務所長の保証を必要としているなど限界もあります。
茨城県や市など自治体によっては条例や事務処理要項によってそのものズバリ免除しているところもありますし、国も免除は可能と各県に通知しています。
平成14年の住宅局の通知には、「本人に家賃の支払いその他賃貸借契約に基づく債務の履行について誠意と能力があると認められるときは、保証人は必ずしも要しない。また、公営住宅が住宅に困窮する低額所得者の居住の安定を図ることをその役割としていることに鑑みると、入居者の努力にかかわらず、保証人が見つからない場合には、保証人の免除などの配慮を行うべきである。」として条例制定の際に参考とするようにとしています。
このように他の自治体も国も保証人の確保が難しい入居対象者に対しては保証人なしでの入居は可能としているわけであります。
免除対象も現実にあわせて規定した条例や規則への追記を求めたいと思いますし、合わせて当面身元引受人がなくても免除されるなどの柔軟な運用と:管理者への徹底を強く求めておきたいと思います。
国連の障害者権利条約は障害のある人が障害のない人と平等に人権を保障され、豊かに生きられる社会を実現するために教育の分野でも障害のある子どもが一般の教育制度から排除されず参加を保障されるインクルーシブ教育を確立することを提唱しました。
私たち党県議団はインクルーシブ教育を県民的な合意形成を大切にしながら発展させるべきと考えています。
合わせて特別支援教育が抱えている多くの問題を早急に改善することが障害者権利条約の立場からも求められているとして、これまでも取り組んできました。
長野県における今後の特別支援教育については21年度に設置された、特別支援教育連携協議会において2年にわたり今後の方向性、あり方について検討されてきましたが、その結果がこの三月に報告される運びとなりました。
間もなく報告書が出るものと思いますが、この検討経過も踏まえ、今後の施策にどのように活かすおつもりか教育長にお考えをお聞きします。
再質問
私はインクルーシブ教育そのものは大いに賛成ではありますが、それは専門性をもった教育の充実でこそ花開くと信じている一人であります。
連携協議会の方向も教育長のお考えも? 特別支援学校をはじめとする個別、専門的な教育を大事にされていくということで安堵しているわけですが、現在特別支援学校を中心に抱えているいくつかの問題について提案も含め質問させていただきます。
先ず、一点目は過大規模校の解消についてです。
長野県は稲荷山養護学校の80学級281名を筆頭に200名を越す知的障害の特別支援学校が5校もあり、地域化、分散化などによる過大化、狭隘化の解消は大きな課題の一つです。
全国特殊教育校長会でも児童生徒数は100名以下、教員数は50~60名が望ましいとしていますし、通常の小学校の児童生徒数は12学級以上18学級以下が標準とされており、18学級を越える小学校は過大校として改善が図られるわけですので、特別支援学校には学校設置基準がないとはいえ、障害を持つ子供たちの学校は通常学校の4倍、5倍もの 過大な規模で我慢しなさいというのでは余りにもひどい話であります。
これまで、長野養護学校朝陽教室をはじめとする地域化、分散化への一定の努力は払われていますが、200名を超える異常な過大規模校の解消に向けての取り組みが必要ではないでしょうか。今後の整備方針も合わせて教育長の所見をお聞きします。
二点目は特別支援学校の教職員数の標準法との乖離の解消についてです。
この問題は小林東一郎県議も質問されていますが、長野県は教育委員長が答弁で示されたように、標準定数と実際の配置との乖離数は新年度5名の解消に留まった事により283名の乖離となっています。
県教育委員会がこれ以上の乖離を拡大させぬようルールを作り、乖離に歯止めをかけるなどの努力をされていることは評価するものですが、文科省の22年度学校基本調査でも教員一人当たりの児童生徒数は全国平均1・66人に対し長野県は1・78人で全国9番目に多い現状からも、乖離を拡大させない取り組みをもう一歩踏み込んで乖離を縮小させていくための年次計画が必要だと思いますが、改めて教育長にお伺いいたします。
三点目は:現状で解決を迫られる教育環境の充実について伺います。
特別支援学校では体温調整の出来ない児童、生徒の健康を守るため通常学校に優先しクーラーや暖房の設置がされているものの4分の3は未設置という状況にあります。
特別支援学校での全校設置はもとよりですが、通常学校でも特別支援学級には医療的ケア―を要する児童生徒も80名近く在籍していることや、インクルーシブ教育の実施に当たっては障害を持った児童、生徒が通常学校で学ぶ機会も増え、人数は更に増加することが予想されます。
和田県議が本会議で冷房設置を求めましたが、通常学校の環境改善も求められているということであります。インクルーシブ教育はどこの場所で学んでもよりよい教育環境が提供されなければなりません。教育長の所見を伺います。
特別支援学校給食について
特別支援学校の給食は長野盲学校を皮切りに民間委託され:現在4校で実施、新年度からは新たに松本養護学校をはじめ3校で実施、25年までには松本聾学校をはじめ8校での民間委託計画が打ち出されています。
そこで民間委託から10年余を経過する中で、安心、安全、おいしい求職を提供するうえで問題はなかったのか、あったとすればどのような改善策を講じられるのか教育長にお伺いいたします。
最後に知事に財源措置について伺います。
特別支援教育の充実、インクルーシブ教育の推進のためには国の責任ある財源措置が必要です。教育長は文科省の特別支援教育の在り方に関する特別委員会のメンバーとして国による財源の確保は大前提と意見表明されておりますが、知事からも要請すべきと思いますがいかがでしょうか。
再々質問
標準法との乖離解消については教育委員会として大変ご努力いただいていることは理解できるわけですが、しかし乖離改善を計画的に進めていく教育委員会としての方針をもって年次計画を立てて取り組むことは障害をもつ子どもたちにきめ細かな教育を保障すると共に心身共に精一杯の努力をされている現場の先生たちを励ます上でも必要ではないでしょうか。
せめて当面全国平均にまで教職員の配置を引き上げる計画をもっていただきたい。平均値までには約100人の増員が必要ですが、県教委の試算でもH30年までの向こう8年間の子供の減少に伴う教職員の自然減は300人を超えます。
先生を減らさずに行けば乖離解消は可能ですし、少人数学級への対応も出来るはずです。(給与費の3分の2は県費負担でありますから、予算を大きく増やさずに可能ということではないでしょうか。)教育長いかがでしょうか。お伺いいたします。
党県議団は様々な障害をもった子供たちの給食こそきめ細かな配慮と作り手との温かいコミュニケーションが必要との立場からコスト削減を目的とした特別支援学校給食の民間委託は賛成できないとしてきました。
答弁ではこれまでの経過の中でコスト優先の民間委託の在り方に問題があったとして給食内容を優先する改善をされるとのことですが、今後直営存続の努力も含め最善を期すよう求めておきたいと思います。
知事は教育、子育て先進県を4つの政策の柱に挙げています。
子供たちはどの子もみんな輝きたいと願っているはずです。
障害をもった子供も元気な子供たちも持っている無限の可能性を花開かせる為の教育の為に予算県をもつ知事は財政支援をはじめ精一杯の支援をしていただきたいと心からの最後のお願いをさせていただきます。
私は3期12年障害児、障害者など、弱い立場の人々に「涙の前に光を」との思いを大切に温かい:県政をつくるために務めさせていただきました。
そんな思いをもって最後の質問もさせていただきました。
大変お世話になりました県民の皆様、県議の皆様、そして理事者をはじめ県職員の皆様に心から感謝申し上げ質問のすべてを終わります。
ありがとうございました。