2011年2月定例会 一般質問 石坂 ちほ
- 浅川の内水対策と河川管理について
- 県立4年制大学の実現について
- 屋代線存続について
1、浅川の内水対策と河川管理について
<石坂県議>
- 下流域住民に対し、内水災害には浅川ダムは効果がないことの正式な説明と謝罪が今後の対策や協議を進める大前提と考えるが、いつ頃行なって戴けるか。
最初に、浅川の内水対策と河川管理についてお伺いします。
阿部知事は、昨年11月29日、浅川ダムの建設継続方針を表明しました。同時に、浅川ダムは下流の長沼、豊野地区の水害には効果がないことを改めて明らかにし、ダムとは別に内水対策を進めることが必要であるとしました。論点再確認の中で、県は、これまで外水氾濫と内水氾濫、その他の対策について区別して説明してきたとする一方、結果として説明が不十分な点があり、誤解を生じさせたことを認めています。現に、新幹線車両基地建設にあたり、内水被害浸水地域の拡大を心配する長沼住民に、県は、上流にダムをつくれば水害がなくなるかのような説明をして確認書を結んだ事実もあり、「一部住民には、穴あきダムになった現在でも農業用水への利用を要請するような誤解が残っており、丁寧な説明が必要」であることを認めています。
私は、浅川の治水対策で、今後最優先するべきは、ダムの賛否を超えて流域住民が一致して願っている内水対策だと考えていますが、そのためには、下流域住民に対し、改めて内水被害には浅川ダムは効果がないことを正式に説明し、県として住民に誤解を与えてきたことを謝罪することが、今後の対策や協議を進めていく大前提です。それは、いつ頃行なっていただけるのでしょうか。知事にお伺いします。
- 今後実施する主な内水対策の内容、事業費、スケジュールをどのように考えているか。
そのうえで、今後実施する主な内水対策の内容はどのようなものか、事業費はどれくらいを見込んでいるのか、スケジュールはどのように考えているのか(建設部長)
3、
- 日常の河川管理予算を増額し、堆積土砂の浚渫を促進するべきではないか。
あわせて、現在の浅川は、雨が降るたびに上流の地滑り地帯から下流に土砂が運ばれ、中流域の檀田や下流の長沼北町団地付近では、大量の堆積土砂に大人の背丈を越えるほどの草が生い茂って、ブタクサの花粉被害などをもたらしており、浅川改良事務所にもたびたび土砂浚渫や草刈りの要望をしてきましたが、昨年も浅川改良事務所も驚くほど、土砂の堆積量が予想を越えて大量で、今年度中には大道橋までの浚渫が終わるとのことですが、浚渫区間の進捗が、なかなか、はかどらないという事態です。
日常的な河川管理予算をもっと増額し、堆積土砂の浚渫を促進するべきではないかと思いますが、建設部長にお伺いします。
4、
- 浅川ダムについては、再確認ではなく再検証を行ない、県民が納得できる結論を出すべきではないか。
今回の阿部知事の浅川ダム建設継続方針の決定にあたっては、和田副知事を責任者とする県庁内の関係職員による再確認作業が行なわれ、知事は、過去の経過に重大な瑕疵は認められないため、建設は継続するとされました。建設を進めて来た側の県の職員が、過去の経過を再確認すれば、事業に誤りはなかったという結論が出るのは当たり前であり、「見直すべきだ」と考えている6割の県民の思いには答えていません。
日本共産党県議団は、先日、今回の県の再確認作業で意見を聞いた元淀川流域委員会委員長の宮本博司氏にお話をお聞きしに行って来ましたが、宮本さんは、責任ある意見を言うためには現地を見たいと希望されたが実現しなかったこと、県が今までの説明でよいというのであれば見直しや検討の意味がないと述べたこと、県からは、浅川ダムが穴あきダムであることなどの詳しい説明はなかったことなどをお聞きして、私たちは、大変驚いてしまいました。これでは、脱ダム派の専門家の意見も聞いた、というアリバイ以外の何ものでもなく、誠実な検証だったとは言えません。
浅川ダムについては、再確認ではなく再検証を行ない、県民が納得できる結論を出すべきではないでしょうか。知事の見解をお伺いします。
2、 県立4年制大学の実現について
<石坂県議>
- 県内の4年制大学そのものの受け皿が極端に少なく、学生が県外流出していることについてどう考えているのか。高等教育に対する県としての責任はどのように果たしていくのか。
次に、県立4年制大学の実現について、お伺いします。
長野県毎月人口異動調査に基づく、平成22年中の長野県の人口推計結果は前年度比10119人の減少となり、9年連続の減少です。出生より死亡が多い自然減で5660人の減少、転入より転出が多い社会減で4611人の減少です。また、年々増え続ける高齢化率、65歳以上の老年人口は26.5%で、7年後の2018年には総人口の30%を超え、2035年には3人に1人は65歳以上になると見込まれています。年齢別人口分布では23歳から26歳人口が極端に少ないことも気がかりな現状です。
このようななかで、問題は、公立私立を問わず、長野県内の4年制大学そのものの受け皿が極端に少なく、学生が県外流出していることです。平成22年度の高校生の県外大学への流出率は83.7%で全国6番目に多く、約8000人の高校生が県外の大学に進学せざるを得ない事態です。県内大学の収容力は15.1%で全国46位、最下位の和歌山県との差はわずか0.1%です。新潟県では、他県への進学による親の経済的負担、仕送りによる経済的損失から経済界が動いて県立短大を4年制に移行したといわれていますが、県外大学への進学による仕送りなどの長野県の経済的損失は年間約501億円、総額で全国3番目、県民所得比で全国2番目に損失が大きい県となっています。
多くの県が、若年層の流出を防ぎ、親の経済的負担を軽減するために公立4年制大学を設置し、大学教育に積極的に関与してきており、平成8年に全国で63あった公立短大は平成23年には18に減少した一方で、平成8年に53だった公立大学は平成22年に95に増えています。
知事は、このような現状をどう認識され、長野県としての高等教育への責任をどう果たしていこうとされているのでしょうか、見解をお伺いします。
- 議論が振り出しに戻ったといわれる検討委員会は、今後、どのようなスケジュールで取りまとめられていくのか。
また、議論が振り出しに戻ったといわれる検討委員会ですが、今後、どのようなスケジュールで取りまとめられていくのかを企画部長にお伺いします。
- 知事としての決断の時期はいつ頃か。
県立四年制大学設置の問題では、平成4年の県議会での請願採択、長野市や県短期大学同窓会からの提言、要望、包括外部監査人からの指摘、行政機構審議会からの答申、対策室の設置や検討委員会での議論、高校生のアンケートなどさまざまな検討がされてきました。知事が交代してトーン・ダウンしたのではないかとの県民の不安の声も聞こえてきますが、後は、知事が、長野県の子ども達のために決断できるかどうかです。知事としての決断の時期はいつ頃になるのでしょうか。
3、屋代線存続について
<石坂県議>
- 公共交通確保の立場から、県としての支援を検討できないか。
長野電鉄屋代線の存続についてお伺いします。
県も加わる長野電鉄活性化協議会が、2月2日、多数決で長野電鉄屋代線の廃止と代替バスでの運行を決めたことに、沿線住民の納得できない思いが広がっています。長野市議会公共交通対策特別委員会は、地域公共交通の活性化と再生を図ることを目的に作られた活性化協議会が、3年間の総合連携計画を作りながら1年間しか取り組まず、わずか3票差の多数決で廃止を決めたことには「疑義がある」として、ひき続き実証実験の継続を求める要望書を長野市長と活性化協議会に提出しました。また、松代、若穂の住民自治協議会が存続を求める請願を長野市議会に提出しています。
2002年3月に廃止された長野電鉄木島線は、廃止前に1日1000人から1200人だった利用者数が、バス運行に変わり、2009年には1日平均421人まで落ち込んで折、車が運転できない交通弱者の通院や買い物の足が心配されています。
長野電鉄は、老朽化した車両の更新、変電所の更新に経費がかかることも存続できない理由としていますが、赤字の屋代線は車両の購入などで国の補助金が受けられるが、国と同額を県が補助することが条件であり、県から「予算がない」とたびたび断られ、申請できなかったということです。
公共交通確保の立場から、屋代線存続のため、県として何らかの支援を検討できないのでしょうか。知事にお伺いします。