2011年2月定例会  石坂 ちほ 3月11日

平成23年度長野県一般会計予算案に対する修正案の提案説明

<石坂県議>

 平成23年度長野県一般会計予算案に対する修正案の提案説明を行ないます。
 これは、提案されております平成23年度長野県一般会計予算案中、浅川ダム建設に関わる歳入、歳出それぞれ20億円を減額修正し、合わせて、関連する平成24年度債務負担行為、地方債それぞれの必要な減額修正を行なうものです。

 改めて申し上げるまでもありませんが、天井川が解消し、河川整備がすすんだ現在の浅川で、最優先で解決が迫られているのは、最下流の千曲川との合流点で起こる内水災害であり、内水被害にはダムは効果がなく、ダムとは別の対策をとらなければならないことは、昨年11月の浅川ダム建設継続方針の表明の際、阿部知事も認めているところです。
 その意味で、新年度予算案に浅川の内水対策検討のための地元協議、測量、概略設計等の費用として3000万円の事業費が計上されたことを歓迎します。しかし、ダム建設予算20億円中11億円が本体工事費、8億円が地すべり対策費、1億円が諸経費という予算内訳からも、常に本体のコンクリート打設にほぼ匹敵する地滑り対策費を使い続けるダム建設への不安と疑問はぬぐいされません。

 県として、過去発生した大規模な浸水被害等への対応や、市街地における被害軽減・防止を目的とし、平成23年度は県下23箇所で総額33億2765万3000円の河川改修等治水対策を行なう計画とされていますが、例えば昨年大きな浸水被害が発生した上田市の矢出沢川の現況の治水安全度は3分の1、今後20年かけて30分の一の治水安全度を目指す計画とされています。
 昨年の浅川ダム建設継続方針表明の際の論点再確認報告書によれば、現在の浅川のダム無しでの治水安全度は、上流部で15分の1から20分の1、中流部で30分の1から35分の1、下流部で50分の1程度とされています。県内のどこに住んでいても、県民は安全に暮らせる権利を保障されなければなりませんが、中期総合計画では県管理700河川の整備率の目標を40%と定めており、限られた県財政のもとで進める河川整備等治水対策や公共事業の優先順位、公平性の考え方からも、充分な再検証無しに、100分の1の治水安全度の最大被害を想定しての浅川ダム建設継続には納得できません。

 以上の理由から、安全性や治水効果に疑問があり、住民の納得を得ている事業とは言えない浅川ダム建設継続関連予算の減額修正を求めるものです。議員の皆様多数のご賛同をお願いいたしまして、提案説明とさせていただきます。