<藤岡県議>
日本共産党県議団の藤岡義英です。初めての一般質問になりますが、どうぞよろしくお願いします。
3月11日に発生した東日本大震災、そして東京電力・福島原発事故から3ヶ月余りを経過しても、被害が拡大し続け、東日本を中心に未曾有の危機をもたらしています。
長野県内には原発は存在しませんが、県境から45?にある柏崎刈羽(かりわ)原発、70?にある浜岡原発、100?にある志賀原発、118?にある敦賀発電所、もんじゅ、ふげん、美浜発電所、運転中・運転停止中・定期検査中・廃止措置中を合わせて24基の原発に包囲されています。もし福島第一原発のような事故がおこれば、長野県も放射能汚染にさらされることは明白です。
原発事故、放射能事故を想定した防災計画を策定すべきだと考えますがいかがでしょうか。危機管理部長、お答えください。
<危機管理部長>
放射能事故を想定した防災計画策定についてのお尋ねでございます。
本県におきましては、核燃料物質の運搬中にかかる事故などに対応するために、平成14年放射性物質事故災害等対策指針を策定いたしまして、県外での原子力発電所の事故災害による対応についても一応それで触れているということです。
しかしながら、今回の事故を受けて改めて見てみますと、例えば、事故発生時の原子力発電所からの通報体制ですとか、あるいは関係県との情報の収集、連絡体制の手順といったものが明確に定められていないとか、あるいは原子力事業者に対して必ずしも周知がなされていないといった面も見られます。
今後、県外の原子力発電所の事故を想定したモニタリングの態勢ですとか、避難時の対応につきましても、専門家の意見も聞きながら県と市町村の役割分担を含めて検討を進めていくことにしています。いずれにしましても、国の動向等も踏まえながら、防災計画、あるいは指針の見直しも含めて態勢を整備していきたいと考えています。
<藤岡県議>
原発事故を想定したものとして、それに対応しうる防災計画に見直しがされるということで、しっかりしたものにと期待しております。
<藤岡県議>
長野県内でも放射性物質への不安が広がっています。ある学校や保育園では「子どもを外の公園で遊ばせないでください」「給食を食べさせないで」など、父兄からの動揺の声が寄せられています。軽井沢町では学校や保育園の各グラウンドで高さ1?の位置からの放射線濃度を測定し、1週間毎に公表するという対応をとっています。参考にと思いますが、雑誌アエラでも紹介されました、東京都内の詳細な空間放射線量データですが、日本共産党都議団が独自に調査したものです。調査地点は都内全域の計128ヶ所で、ほぼ10キロ四方ごとに地上1メートルの地点で10回測定して、その平均値を作成したとしています。大変注目されています。知事の答弁ですでに対応されているとのことですが、県下において、放射線量をもっときめ細かく測定し、県民へ定期的に情報提供してほしいとおもいますが、環境部長いかがですか。お答えください。
<環境部長>
放射能の測定体制に関するご質問でございます。これにつきましては、西沢議員に知事からお答え申し上げた部分もありますけれども、県下各地での空間放射線量、水道水、農産物等の継続的な測定、専用の相談窓口の設置、ホームページの毎日の情報提供などによりまして、県民の皆さんの不安解消に努めているところです。ただここにきて、特に子どもや妊産婦への不安の声が聞かれることから、今月から生活空間と同じ地上1メートルの高さでの継続的な測定を始めるとともに、県内10ヵ所の小学校の校庭におきまして子どもの背丈に合わせまして地上から3点の高さで測定を実施しております。現在までの県内での測定値は健康に影響のないレベルで推移しているとみておりますが、発注していた放射線の簡易測定器が近日中に3台入ってきますので、7月中には県内全部の市町村役場、そしてそこの学校1校を対象にしまして、複数の高さによる測定を実施したいと思っています。
また、市町村と連絡会議を開催したり、意見交換あるいは、市町村の情報も共有しながら専門的な研修を行うなど、こうしたことを通じて測定体制や情報提供のいっそうの充実に努めてまいりたいと考えております。
<藤岡県議>
原発事故が何とかこれ以上の被害を食い止め、収束されることを願うばかりですが、仮に今後放射能測定値が増えた場合、健康面、農作物についての県の対応はどのようにされるのか、健康福祉部長、農政部長、お答えください。
<健康福祉部長>
今後、放射線測定値が増えた場合の健康面に関する県の対応についてお尋ねをいただきました。
これまで県内で測定された空間放射線量は、福島原子力発電所で水素爆発が発生した直後に観測いたしました、1時間あたり0・107マイクロシーベルトが最大でして、その2日以降は震災前の放射線量に概ねとどまっております。
仮に、今後水素爆発直後の測定値程度に増え、さらにその測定値が1年間続いた場合、通常の生活による年間被曝線量は500マイクロシーベルト程度になりますけれども、これは国際放射線防護委員会いわゆるICRPですが、の勧告による平常時の基準である1000マイクロシーベルト、言い換えますと1ミリシーベルトを下回って半分です。そういう意味で健康への影響は考えにくい状況ではなかろうかと思います。
しかしながら、放射線測定値が増えた場合には県民の不安が高まることから、必要に応じて現在の電話相談体制、あるいは市町村と連携した情報提供の強化に努めてまいりたいと考えております。
<農政部長>
放射能測定値が増えた場合の農作物への対応についてのお尋ねをいただきました。農作物につきましては、現在までにだいたい週一回のペースで20回、63検体の検査を行っていまして、いずれも不検出、または暫定規制値以下という状態です。
万が一、放射能測定値が今後増えた場合ということですが、現在定期的に行っている農産物検査の調査地点と品目の拡大を行うとともに、必要によって農業地の土壌調査を実施して参りたいと思っております。これらの検査の結果によりまして、農業者の安全な農作物を生産していただく、あるいは県産物の安全性を確認をしてまいりたいと考えております。
<藤岡県議>
次に、汚泥から放射性物質が検出された流域下水道の汚泥処理について質問する予定でしたが、小林東一郎議員のご質問に環境部長がお答えされましたので、私の質問は省略いたします。高濃度の汚染汚泥処分先確保については、高濃度ですから強力に国の働きかけを要望しておきます。私たちも国会を通じて強く求めてまいります。
<藤岡県議>
次に、「原発ゼロ」に向けた県の積極的な対応を求める質問を行います。今回の福島原発事故によって、原発の危険性について、いくつかの深刻な問題があきらかになりました。
第一に今の原発技術は、本質的に未完成で危険な技術であるということです。原子炉は、大量の放射性物質を内部にかかえていますが、それを内部に閉じ込めておく絶対かつ完全な技術は、存在していないこと。冷却水がなくなると炉心が溶け、コントロール不能となり、大事故を起こしてしまうという問題があります。
第二に、こうした危険をもつものを、世界有数の地震国であり、世界一、二の津波国である日本に集中立地することは、危険きわまりないものであることです。
第三に、歴代政府が「安全神話」にしがみつき、繰り返しの警告をも無視して安全対策をとらなかったことが、どういう深刻な結果をもたらすかが明瞭となりました。歴代政府、電力会社の責任はきわめて重大です。
知事の議案説明でも紹介されましたが、日本世論調査会の調査では、原子力発電所の廃炉を求める声が8割を超える結果でした。今後自然エネルギーへのエネルギーシフトを進めていく政策が必要であると同時に、24基もの原発に包囲された長野県です。県民の命を守る観点から、知事が政府や電力会社に直接出向き、原発推進から撤退への転換を政治的に決断することを強く要請する必要があると思いますがいかがでしょうか。
以上、知事お答えください。
<阿部知事>
原発ゼロに向けての取り組み、積極的な行動を起こすべきじゃないかというご質問でございます。福島原発の事故後、3月31日付で3つの電力会社に対しまして私の名前で、さらなる安全対策を講じるよう要請をさせていただきました。また、それぞれの電力会社から本県への情報提供等の対応、あるいは安全対策、そうしたものに対して情報収集、取り組みの聴取を行ってきているところです。
今後、原子力発電所の事故等も想定して指針などの見直しも含めて態勢を整備していきたいと思っております。
原発立地県、様々な議論が今行われているところです。これまでのように原発推進をエネルギー政策の柱に据えて進めていくということは事実上難しくなっているんじゃないかと私は思います。先ほど来議論のある国民負担の話、あるいは安全性のことも含めて、たんに○か×かということではなくて、今後のエネルギー政策をどうしていくのかということについての国民的な議論をしっかりと行っていくということが重要になると思っております。
私としては、経済活動あるいは県民生活への配慮もしながら、中長期的には原子力エネルギーに依存しない社会を目指していく必要があると考えております。具体的な省エネ、自然エネルギーの導入、そういう実績を重ねることによって、エネルギーシフトを具体的に進めていくということが重要だと思います。
<藤岡県議>
知事からは、原発に対して安全対策を求めてきたという答弁でありました。
私は、地震の揺れの加速度の単位に「ガル」といものがあるということを紹介します。1ガルは、1秒に1センチメートル毎秒(cm/s)の加速度の大きさと定義されています。ちなみに、重力加速度は981ガルです。私は、停止した後ですが、浜岡原発を視察してきました。職員の方に案内していただきましたが、「現在は1000ガルに耐える補強工事が行われています」と、誇らしげに説明していただきました。
ところが、最近観測された地震でのそれぞれの最大加速度は
■2004年 新潟県中越地震 2516ガル
■2007年 新潟県中越沖地震 2058ガル
日本における過去最大 の揺れを記録した地震は
■2008年 岩手・宮城内陸地震で、最大加速度4022ガル を記録しました。
■2011年 東北地方太平洋沖地震(東日本大震災) 2933 ガル
です。まるで足りてないと思います。これだけのデータを見ても、絶対に動かしてはいけないと確信するわけです。
また、浜岡原発は断層の上にありますから、福島と意味が違ってきます。データによると、福島は上下に7?動いたそうです。これは沖合30?ほどの場所ですが、浜岡の場合は原発の真下にあるわけです。となると同じ現象が起こったら、地震そのもので大きな打撃をうけるわけです。柏崎刈羽(かりわ)原発も断層が真下にあります。
全く地震対策はできていないことを認識され、「安全に注意して」にとどまらず、浜岡と柏崎刈羽は「○か×か」では×だと、廃炉とするように強く要請すべきです。もう一度見解をおたずねします、知事いかがですか。
<阿部知事>
先ほどもお答え申し上げましたように、現在原子力安全委員会で新しい安全基準を検討しているわけです。その安全基準が、国民の理解を得られるものがしっかりと示された上で、それに基づいた対応が行われるのかどうか、そうしたものを見極めて判断することが必要だと考えております。
<藤岡県議>
3月12日に栄村を震度6強の大地震が直撃しました。私も、現地を調査し要望をお聞きしてきました。幸い犠牲者は一人も出ませんでしたが、震災から3ヶ月あまりが過ぎ、雪解けとともに田畑の亀裂や水路の崩壊などあらたな被害が明らかになってきました。県の補正予算案の中に、長野県北部地震の復旧・復興支援として、国庫補助対象とならない小規模な水路など農業用施設についてもきめ細かく支援とありました。このことは大変評価するものです。しかし、各農家のみなさん個人が所有する農地の被害の復旧についてはいかがでしょう。栄村の議員さんから確認したお話ですと、農地の復旧費用の92%は国が出し、残り8%のうち半分の4%を村が負担、残り4%が個人負担とお聞きしました。「限りなくゼロにしないと、中山間地の農地を所有している人は県外が多い。そうした農地が荒れないように、地元のみなさんが小作という形で存続させてきた。4%でも負担があると県外所有者は『もういいや』となる危険がある。そうすると、耕作放棄地が生まれる可能性がある」と指摘していました。個人で所有している農地についても県としての支援策を進めるべきだと考えますが、農政部長いかがでしょうか。お答えください。
<農政部長>
農地復旧に関わります農家の負担金についてのお尋ねをいただきました。今回の地震被害は、国から激甚災害に指定されたことから国の災害復旧事業の補助率がかさ上げされまして、90%以上になる見込みです。なお、本県の激甚災害における農地復旧にかかる過去10年間の補助率は93.9%となっています。
一方被害箇所が点在することによりまして、国庫補助の対象にならない事業費40万円未満の小規模な災害も多数発生していることから、県ではこれらの復旧に関わります農家負担を出来る限り軽減するよう、今議会に県単独事業を計上させていただいたところでございます。
なお、栄村においては国・県の補助残について、独自の支援制度によりましてさらなる農家負担を図ると聞いているところです。これらの早期執行によりまして営農の継続が図られますようきめ細かく支援を行って参りたいと考えております。
<藤岡県議>
栄村についてはすでに手厚い支援だということで大変ありがたいことですが、栄村の農地復旧費の支援については、ひきつづき、限りなく個人負担がゼロになるように、支援を手厚くしていただくよう要請しておきます。
<藤岡県議>
東日本大震災で農漁業の主要産地が大きな打撃を受けた中でも、菅内閣は環太平洋連携協定(TPP)への参加を進める立場を変えていません。5月17日、東日本大震災後の政策運営を定めた「政策推進指針」を閣議決定しました。
一方、6月10日に行われた「食と農林業の再生実現会議」では全国農業協同組合中央会(JA全中)の茂木守会長が「TPPは復興の足かせにしかならない」と批判しています。JA全中は9日、1月からとり組んでいるTPP参加反対署名が目標の1000万人を超えて1120万人分に達したことを明らかにしました。
例外なき関税撤廃をめざすTPPは、日本の農業と地域を壊滅させるものであり、被災地を復興しようという懸命の努力を押しつぶすモノであります。国内、そして長野県で安心・安全の農産物の生産力をあげることに力を入れ、復興の妨げとなるTPPの交渉はやめるよう強く政府に要請すべきだと思いますが、知事いかがでしょうか、お答えください。
<阿部知事>
TPPについてであります。TPPの検討が始まって以来、政府に対して慎重な対応を求めてきたところです。
東日本大震災におきましては東北をはじめとした農業地帯で大変大きな被害が発生しております。私ども栄村もただ今農政部長から答弁ありましたように大きな被害を受けているわけです。将来にわたって国民へ食料を安定的供給するために食料供給力をどう維持していくか、回復していくか、極めて重要な課題だと思っています。
現状、政府においては震災対策が優先されTPPに関する国レベルの議論、国民への説明が止まっている状況です。TPPへの対応は慎重にすべきという私の立場は同じでございます。
今後とも国の状況を注視していきたいと考えています。
<藤岡県議>
TPPについては、いま欲しいのは、農業復興に向けた力強い希望のメッセージとスピードです。そして長野県では知事が、原発の質問のときも訴えましたが、「長野県の農業を守る」という力強いリーダーシップの発揮をとられることだと思います。県内の農産物も震災の影響により売り上げが落ちているというお話です。ぜひ、強いリーダーシップをと要請しておきます。
<藤岡県議>
つづいて、佐久地域医療をどのように県として支援していくのか、各種医療機関の整備・充実について、また各医療機関の連携や機能の強化についてもどのように支援していくのか順次質問いたします。
次に、県厚生連佐久総合病院の基幹医療センターの事業計画への支援策について質問します。佐久地域はもとより東信地域はこの間、医療崩壊ともいうべき深刻な状況にありました。こうした中、救急医療やガン治療においても佐久総合病院の果たしてきた役割は非常に大きなものがあります。同時に東信地域の患者の集中、医師や看護師などの職員の過酷な勤務状態、老朽化した病棟など現状は深刻であり、佐久総合病院再構築は早急の課題です。
高度医療及び救命救急医療機能の強化を担当する基幹医療センターの事業計画が実現すれば、東信地域だけでなく、長野県全体の地域医療の維持・発展につながっていくと確信しています。この事業計画に対して県はどのような支援策を考えているのか、以上の質問については、健康福祉部長お答えください。
<健康福祉部長>
佐久の地域医療に対する評価と問題意識についてお尋ねをいただきました。
佐久地域には拠点病院である佐久総合病院をはじめとして佐久市立国保浅間総合病院、小諸厚生病院など14病院、141の診療所があります。特に佐久総合病院は県内で最も病床数が多い、821床の病床を有していまして、救命救急センター、災害拠点病院、がん診療連携拠点病院等の、拠点病院としての役割も担っております。そうした意味で、東信地域のみならず県内の医療提供体制において非常に重要な役割を果たしていただいていると認識しております。しかしながら、議員ご指摘の通り、佐久総合病院においては上小地域からの患者の流入、1次から3次まで医療を担っていることによる医師の疲弊、及び施設の老朽化・狭隘化など様々な問題を抱えているということも認識しています。
そのため、佐久総合病院では機能を分割し、救急、急性期医療、専門医療に特化した基幹医療センターと、1次医療から2次医療までを担う地域医療センターに再構築することとされております。佐久地域ではこの再構築を契機に佐久総合病院と他の医療機関が役割分担し、相互の連携体制を構築することによりまして、この結果、病院完結型から地域完結型医療へと転換がはかられ、住民が安心できる医療提供体制ができるものと期待をしております。
次に基幹医療センターへの支援等についてお尋ねを頂きました。佐久総合病院の基幹医療センター整備計画は、高度専門医療に特化した病院として、救命救急医療機能やがん医療センター機能など、充実を図るものとなっております。
昨年度、国の経済危機対策として、地域医療再生臨時特例交付金が補正予算で措置されまして、今年度全国で総額2100億円が交付されることとなっています。この交付金は高度専門医療機関や救命救急センターの整備・拡充など、県単位の医療提供体制の課題を解決するものでございます。本県では要望額120億円の地域医療再生計画を策定し、このたび国に提出しております。基幹医療センターの整備計画もこの交付金の趣旨に沿うものであることから、今回の地域医療再生計画に位置付けておりまして、このなかで必要な財政支援等を行って参りたいと考えております。
<藤岡県議>
つづきまして佐久総合病院が2016年度の開設を目標にされている地域医療センターについて質問します。
地域医療センターはどのような病院を目指しているのか、関係者の方からお話をお聞きしてきました。従来の佐久総合病院らしさを受け継ぎ、地域の医療機関と連携し「いつでも、どこでも、だれでも」必要な医療サービスが受けられる体制を目指すとともに、在宅部門では地域ケアセンターを中心に「命に対する援助と、生活に対する援助」の両面からのケアを行う病院を目指すとのことです。
地域社会との関係では、住民との交流を通じて、ともに地域の発展に貢献する関係を築く、開かれた病院にしたいとのお話でした。
2025年は団塊の世代が75歳以上になり多数派になる年です。老人医療、要介護の人達への対応、超高齢化社会に対応できる地域病院としても役割を果たしていくのではないでしょうか。
一方で、「地域医療センターに小児科や産婦人科が配置されないのでは」といった不安の声も聞かれます。
全国的な医師不足と、これまでの政府の医療費抑制政策により、多くの病院・診療所が経営困難・閉鎖に追い込まれています。小児科・産婦人科の配置といった機能の充実は、佐久総合病院の努力だけでは厳しいという現実もございます。
以上のことから、地域住民の生活と結びついた医療機関のモデルとして、地域医療センターを評価し、県としても地域医療センターもしっかり財政的にも医師や看護師確保といった面でも、支援していくべきだと考えますが、知事の見解をお伺いします。
<阿部知事>
地域医療センター整備の支援についてのお尋ねでございます。
佐久総合病院の再構築によりまして、基幹医療センターと機能分割して行われる地域医療センター、地域に密着した市民の病院として1次医療から2次医療を担うものと伺っています。
現時点では、地域医療センターは構想段階ということで基本計画もまだ策定されていない状況と伺っています。今後計画が具体的になってくると思いますので、関係者のお考え、ご要望をよく伺って上で県としてどのような対応が必要なのか考えてまいりたいと思います。
<藤岡県議>
知事から具体的な支援の内容はこれからという答弁でした。6月3日には、佐久広域連合から県厚生連へ「佐久総合病院再構築に掛かる財政支援について」という文書がわたされています。そこには「基幹医療センターの整備と平行して、地域医療センターの機能及び整備計画を示すこと」。つまり、佐久広域連合は基幹医療センター・地域医療センターの両方セットで整備することを求めています。
また今後、県下の公的病院の建設について、県民に分かりやすく県が支出するルールを定めるべきではないかと思いますがいかがでしょうか?もう一度知事に見解を伺いします。
<阿部知事>
佐久地域の医療体系の整備という話は、私もいろんな形で状況を伺ってきております。今、お話がありましたように、これから長野県全体の医療機関の再編整備、さまざまな事業が出てまいります。そうした際に県としてどういう対応をしていくのかということは、基本的な考え方を持っておくということも重要だと思いますので、今後、当面予定される県内の医療機関の整備あるいは改築、そうしたものと県の財政的な余力等を見据えながら県としての関わり方、これは市町村との分担の話もありますので、広域的なものであるとか、例えば防災拠点病院になっているかどうか、いろんな形の関わり方がありますので、そういった意味も含めて今後考えていきたいと思っています。
<藤岡県議>
今後、地域医療センターの事業計画についての要請が県にもあるかと思いますので、ぜひ、佐久地域全体の願いであります。よろしくお願いしまして、私の質問を終了します。