<高村県議>
議第2号「地方財政の充実・強化を求める意見書」案に対して、日本共産党県議団を代表して賛成討論をいたします。
東日本大震災や県北部地震などの被災者の方々の生活と雇用生業の再建そして地域社会の復興が急がれています。また福島原発事故による放射能汚染のため、故郷を追われ不自由な避難所生活を強いられ、暮らしと健康を脅かされた方々への保障に対しては、東京電力の責任が問われることはもとより、政府と国民が総力を挙げて復興再建支援に取り組まなければなりません。
震災前の地域経済は、回復基調にあったとはいえ、今年2月の失業率は4,6%で失業者は302万人、非正規雇用など年収200万円以下の貧困層の増加、生活保護受給者の増加など、国民生活は厳しい中におかれていましたし、現在もこの状況は続いています。
こんな中で、地域経済の土台である中小企業振興、農林業振興「人間らしく働ける雇用」の確保、そして安心してかかれる医療・介護・福祉制度の充実など、住民の命と暮らしを守る地方自治体の果たす役割は大きなものがあります。
そのための地方財源、地方交付税は、この間さまざまに必要財源の縮減が行われ、厳しい県財政運営を強いられてきました。
県財政の健全化に向けて、不要不急の事業は中止するなどの決断が県理事者や県議会に求められていると思いますが、同時に今、本県議会の総意として地方交付税を含めた地方財源の充実・強化を国に求める意見書を上げる必要があり、賛同いたします。
ただ意見書案にある、「地方消費税の充実を求める」文言に危惧する点がございます。
政府与党は、昨日夕刻、「社会保障改革検討本部」を開き、社会保障を切り捨てる一方で、消費税率を2010年代半ばまでに段階的に10%まで引き上げることを決めました。
また「復興構想会議」も、復興財源を基幹税の臨時増税措置に求めようとしており、消費税の増税が危惧されます。
消費税は、低所得者にもっとも負担が重くのしかかる、逆進性の強い不公平税制です。今もっとも支援が必要な震災被害者にも重い負担となります。福祉を必要としている弱い立場の人々や中小零細企業・庶民にとって消費税の増税は最悪の選択肢であり、地域経済と暮らしにさらに深刻な事態を引き起こしかねません。
政府においては、地方自治体財源の確保に、被災者や県民に重い負担を強いる消費税増税によっての財源確保に求めるのではなく、米軍への思いやり予算や大型開発などの無駄使いをやめ、法人税の減税でかつてない内部留保をためている大企業や証券優遇税制、高額所得者へのゆきすぎた減税を見直すことなどによっての財源確保をこそ求めるものです。
その点で意見書案に盛られた「地方消費税の充実」については、地方自治体への現行5%の税率のうち、地方への消費税の配分比率を高めることの検討に努めるよう求めることであることを踏まえて賛成討論といたします。