2011年9月定例会 一般質問 9月28日 小林伸陽

  1. 放射性物質事故対策について
  2. 第5期高齢者プランにおける高齢者対策について
  3. 野生鳥獣被害対策について

1.放射性物質事故対策について

<小林県議>
  放射性物質事故対策についてお尋ねします。東電福島原発事故から半年が経過しました。いまだ事故の収束のめどがたたず、多くの人々に故郷からの避難を強要し、広大な地域の農業・観光業・商工業に打撃を与え、放射能汚染に国民は大きな不安を抱いています。
 県では福島原発事故をうけて「防災計画」の見直しをすすめているところですが、いまある「放射性物質事故災害等対策指針」に基づく見直しの中身と当面の対策について質問します。
 「指針」では、「長野県の地域にかかわる放射性物質の事故災害等に関する対策について、県民の生命、身体及び財産を保護することを基本とする」とあります。
 そこで実際の運用についてうかがいます。
 事故災害の予防対策として県が実施する事項のなかに、放射性物質取扱事業者の所在地、取扱物質の種類等の把握、発生源や運搬経路、その量、汚染量、処理方法、埋め立ての場合穴の深さ、埋土の厚さ、容器の種類、地下水汚染の可能性などの管理規定はどうなっているか。
 この作業に当たる作業員の線量計など防護体制、埋立地の管理体制、県はこれらに現場の立会などの管理体制、周辺住民の説明と納得を得るための手立てなど放射性物質の管理規則はどうなっているか。
 専門的知識を持った職員は何人いるか、原子力事業所が所在する県と情報連絡に必要な体制整備に努めるとありますが、現在、どうなっているのでしょうか。
 事業者は運搬中に事故が発生した場合に備え、モニタリングを実施することになっていますが、県内での運搬委託業者はおこなっているのでしょうか。
 また、県内事業所の放射性測定機材や測定要員、防護機材の保有状況を県は把握しているのでしょうか。
 次に対策の内容にかかわって、県は「放射線被ばく線量検出及び、救助・救急活動に必要な防災機材の整備」をおこなうことや、市町村は事故災害に備えて、あらかじめ避難所を指定することと、平常時からの避難誘導体制を整備するとしていますが、現状はどうなっているのでしょうか。
 飯山市では、新潟県柏崎市にある東京電力柏崎刈羽(かしわざきかりわ)原発から50キロ圏に入ることから、原発事故を想定して安定ヨウ素剤を独自に購入することを決めました。
 このように住民の不安を取り除くために独自の対策をとる市町村がでてきています。県は「防災計画」をどの様に策定し、どの様な対策を講じるのか危機管理部長にお尋ねします。

<危機管理部長>
 放射性物質の事故対策ということで様々なご質問をいただきました。通告いただいていないご質問のなかで私の管轄でない部分がかなり多いので、管轄部分を申し上げたいと思います。
 放射性物質の取扱事業者の連絡体制ということです。放射性物質の取扱事業者というのは、同位元素の取扱事業者と原子力事業者というのに分類されるわけです。まず放射性同位元素の取扱事業所というのは、レントゲンを使用する医療機関でありますとかガスクロマトグラフの検査機器を使用する大学あるいは研究所といったもの、それらを販売、賃貸するような会社などでして、県内に94の事業所があります。これは放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律というのと、放射性物質事故災害等対策指針、これは県の指針ですが、これによりまして放射線障害が発生する恐れのある場合、または発生した場合にはその事業者からただちに警察署あるいは消防本部に通報されてそこから県へ伝達されるという情報伝達の仕組みになっています。
 一方原子力の事業所というのは原子炉の運転を行う工場・事業所、これは県内にございませんけれども、運搬中の事故で漏えい事故があった場合等には事業者は、今度は原子力災害対策特別措置法というのに基づいて国・県に通告すると。県はその周辺の市町村や関係機関に連絡するという仕組みになっております。さらに県外の原子力事業所での事故が発生した場合、先ほどの指針では、県は情報の収集に努めるということが書いてあるだけですが、今後はこの間の事故も受けまして原発事故に対応した総合的な防災体制を検討しておりますので、そのなかでしっかりした連絡体制を構築していくと考えております。
 それから、防護機材、測定器具等の保有状況の把握というご質問です。先ほど申しました放射線障害の防止法ですが、このなかで安全管理というのは事業者の責任で行うとされていまして、事業者は許可申請に加えて放射線障害予防規定というのを策定し、文部科学省に届け出るということによって初めてその施設が使用可能ということになっています。また、文部科学省が立ち入り検査等を行うわけですが、その時に事業者が普段から測定している放射線数量をチェックすることで安全を担保するという仕組みになっております。従いまして県だけでなく文部科学省自体も測定機材等自体の保有状況を把握していない状況です。ただ、事故があった場合には今申し上げたような手立てで持ってそれぞれ通報がなされるという仕組みになっています。
 避難誘導体制の話です。我々の仕事はどちらかというと災害が起きた後どうするかという議論でして、放射性の物質事故等の対策指針、県の指針では、内閣総理大臣から屋内退避や避難に対する指示があった場合、あるいは被曝から地域住民を防護する必要があると判断をした時には、市町村長が住民に対する屋内退避あるいは避難の勧告・指示をすることになっています。避難誘導につきましては、災害対策基本法でやはり市町村長が実施するとされていまして、これを受けて市町村ではそれぞれの防災計画でそれぞれの実情にあった体制を定めているという現状です。
 しかしながら放射能の事故ですので、状況によっては非常に広範囲に及んだり、風向き等によって違う方向に拡散するという話もあります。それから、市町村長が避難をどのタイミングで判断するかということは普通の災害と違って非常に迷うという事例もございますので、今後、国・県・市町村の役割分担等も踏まえながら避難に関する広域的な対応、放射能の拡散を予測できる専門家との連携も含めて検討していきたいと考えています。
 防災計画ですが、これは今、原子力事故を想定した災害対策ということで、防災会議に専門家も含めた専門部会を設置して年度内には計画を策定していくといいう予定にしておりまして、中身については今後ということになりますが、計画策定中にも事故が起こり得るわけでして、そういった場合は現行の指針だけだと明確に規定されていない部分もありますが、そのへんは、例えば情報の連絡でしたら職員を被災地の対策本部に派遣するとか、モニタリングの機器等も徐々に整ってきておりますので、空間放射線量の測定、飲料水・農畜産物の濃度測定、こういったものを状況に応じて対応していくと。その中で国や市町村、消防、警察、関係機関との連携を密にして安全対策を講じていかなければならないと感じているところです。

<小林県議>
 原子力事故に対する対応はこれから具体的な対策を講じていくと思う答弁でしたが、特に、市町村がやるべき課題だと言いますが、今回の放射能事故で市町村が機能しなくなったというのは大変大きな課題で、県がどれだけ関与していくということが大きな課題にもなってくるわけです。
 そこで、昨日藤岡議員への知事答弁では8000ベクレル以下の汚染物は県外のものも受け入れるとの答弁でした。長野県が放射性物質の規制が弱いと言う風評広がれば、長野県中が放射能汚染物質のゴミ捨て場になってしまうと、危機を感じています。このようになれば長野県の観光、農業に甚大な風評被害を与え、長野県は決定的なダメージを受けてしまいます。
 そこで提案ですが放射能物質の管理条例の制定をきちっとして県の責任を明確にしていくことが重要ではないか、それまではこの種の物の持込を拒否すべきではないか。前任地の横浜市では大変厳しい規定を作っているようでありますが、その辺について知事の所見を伺います。
 昨日藤岡議員への知事答弁では8000ベクレル以下の汚染物は県外のものも受け入れるとの答弁でした。長野県が放射性物質の規制が弱いと言う風評広がれば、長野県中が放射能汚染物質のゴミ捨て場になってしまう危険にさらされる。
 このようになれば長野県の観光、農業に甚大な風評被害を与え、長野県は決定的なダメージを受けてしまいます。うそこで提案ですが放射能物質の管理条例の制定をするべきではないか、それまではこの種の物の持込を一切拒否すべきではないか。危機管理室に放射性物質の取り扱いの専門職を配置すべきではないか。知事の見解をお尋ねします。

<阿部知事>
 横浜の事例は十分承知していないわけですが、横浜は大きいとはいっても基礎自治体でありまして、自前で一般廃棄物の収集・運搬・処分を行っているわけでして、そういう意味では県の立場はやや違う立場かなと思っております。
 先ほどありました、条例を作って放射性物質の管理をしっかりする方向が望ましいのではないか、すべきではないかというご提案ですが、まず私としては、昨日もご答弁申し上げましたけれども、長野県の規制が弱いということではないと思っています。国の基準を前提としておりますが、事業者、県独自のモニタリングもしっかり行っていきますし、国の基準というのは処分場の外には基本的に影響がないという前提でありますから、万が一でもそういうことがあれば搬入を停止するとか適切な措置を講じていこうということでありますので、今お話をありました、長野県の規制が弱いという風評が立つような話ではないと私は思っておりますし、ぜひご理解をいただかないと、逆にそういう議論が行われること自体が風評になってしまってはいけないと思っております。そういう意味で放射性物質の取り扱いについては国の方でまずきちんとした基準をつくって、それに全国統一的にやらないと、あちらの県はこういうレベル、こちらの県はこういうレベルということで、これは経済活動の支障にもなりますし、返って国民全体の不安感を増すということにつながりかねないと思いますので、引き続き政府に対しては踏み込んだ規制なり取り組みを県としては強く求めていきたいと思っています。

<小林県議>
 国の基準をあまりにもいいかげんだということで国民が大変苦労しているし自治体も大変苦労しているわけです。だからこそ、地方自治体やそれぞれの県が独自の基準を設けて対応せざるを得ないという状況を知事はどう考えておられるのか、もう一度お聞きします。

<阿部知事>
 先ほど申し上げました通り、国において適切で本当に国民が安心できる基準を全国統一的に作ることが基本だと考えています。

<小林県議>
 国が基準を作るべきだというのは誰もが考えていることですが、まだそういう方向が出来ていないなかで県がどう対応していくかというのが問われているわけです。そういう点で知事は国と言いますが、国の基準すら定まっていないなかで、県民の生活や財産を守るという観点で、知事にもう1回お尋ねします。

<阿部知事>
 放射性物質の基準の話ですが、何度も繰り返して申し訳ありませんが、私はなんでも国がやるべきだとは考えていません。しかしながら放射性物質の取り扱いについては、電力会社やあるいは国においてこれまで蓄積されていた知見があるわけですから、そうしたものをふまえて基準をつくるべきだと。なおかつ長野県はこういう基準、山梨県はああいう基準、新潟県はこういう基準と、かりにバラバラな基準設定がなされたときには、国民の不安が今より増大してしまうのではないかと思いますので、そういう意味で政府において統一的しっかりと定めていくということが基本だと考えております。

2.第5期高齢者プランにおける高齢者対策について

<小林県議>
 第五期高齢者プランについてお尋ねします。敬老会が各地で開催され、私も多くの地域に参加しており、参加者は70歳代から90歳代の大変元気な皆さんです。高齢者でありながら「老後のために節約して暮している」との話は共通しています。参加者から出された要望を基に質問します。
 厚労省の統計調査では75才以上の高齢者は平成2年には580万人が平成21年には1240万人と急増しています。
(1)長野県の高齢者世帯の動向と10年後の推計をどの様に見ているか。その中でとりわけ独居高齢者の実態についてお尋ねします。県内の独居老人の特養ホームへの入所待機者の実態をどの様に把握して居られるかもお尋ねします。
 最も多くの皆さんから寄せられた不安は、今後、老人ホームや介護施設の利用の際の財政的負担の問題です。介護保険はかってに引き上げ年金から天引きしているのにいざ介護を受けようとすれば、施設は満杯で入れず。いざ入所となったら費用の負担が重くて入所ができないでは、サギではないかとの怒りの声、特別養護老人ホームに中々入所できないことと入所費用などの施設不足と費用の軽減の要望です。生活保護世帯など負担の軽減制度はありますがなかなか対象にならず。負担は13万円か15万ともいわれ、僅かな年金では入所すらできないとの悩みは深刻です。
(2)独居で低所得者の支援と施設整備の具体的対策について健康福祉部長にお尋ねします。

<健康福祉部長>
 今後の一人暮らし高齢者の推計と整備計画のお尋ねです。
(1)平成22年の、県内で一人で暮らす高齢者数は約7万1千人、総世帯に占める割合は9.2%です。国の推計では10年後の平成32年には8万9千人ということで1.2倍と推定されています。総世帯に占める割合も11.6%に上昇すると、そういった急速な増加が予想されています。このため、現在策定中の5期プランにおきましては、高齢化の進行や在宅での介護力の低下、介護に要する負担の増加といった諸課題について、中長期的な長野県の姿も念頭におきながら必要な施策を検討しております。
(2)次に施設整備計画ですが、特養の施設整備計画につきましては現在の4期の計画で、計画の60%を上回る規模で前倒しておりまして、積極的に進めているところです。第5期では平成23年3月末で5200人を超える入所希望者がある現実、そして市町村のご意向等を踏まえまして整備計画を検討してまいりたいと思います。
 また、お尋ねの特養等を利用される低所得者に対する財政的な支援ですが、保険制度のなかに所得に応じて利用者負担を軽減する制度が設けられておりまして、最大で約7割程度軽減されることになっております。平成21年度の実績で申し上げますと、これらに要する経費、県全体で71億円の給付ですが、この12.5%に相当する9億円を県で支出しているところです。さらには市町村においても地域の実情に即して独自の減免措置を講じているところもあります。こうした負担の軽減はサービス利用者にとって大変重要な制度ですので、県としても利用促進のための周知等、さらに努めてまいりたいと思います。

<小林県議>
 独居老人が22年には7万1千人、10年後には8万9千人と大変な増加をするわけですが、10年後の8万9千人は独居ですから必ずそういう施設に頼らざるを得ないという点から今の計画で本当に対応しきれるのか、そういう点でもう一度お尋ねします。

<健康福祉部長>
 今申し上げた数字は、国の推計に基づく置き換えでございまして、具体的には現在進めているプランの策定の中で県内の実情、地域的な様々な要望等をしっかり聞きながら、その方々を支援できるような具体的な計画を策定するなかで対応してまいりたいと思います。

3.野生鳥獣被害対策について

<小林県議>
 県が有害鳥獣被害の実態を公表しました。昨年の被害を下回り対策が着実に成果を上げているとの報告でしたが、その実感は無いとの声が沢山寄せられました。
 8月に大鹿村の皆さんの要望で山林と農地の現地調査に行ってまいりました。山林には残された草はシカの食べない二人静のみ、山肌は露出し山林崩壊の危機にさらされている。僅かな農地をトタンや金網などの様々なもので柵を作り耕作している柵の周りの草は食い尽くされ、柵の中に入るのは時間の問題と言います。どこに行っても耕作放棄地が広がっています。
 耕作放棄地は被害額に反映されているのでしょうか。反映されていないなら耕作放棄をすれば被害額ゼロになります。
(1)一方全村防護柵で囲い被害の減少に成功している自治体も生まれています。被害の実態をどの様に把握しているかお尋ねします。
 ニホンジカの捕獲は第一期では31000頭、第二期では53000頭を捕獲してきたが、第三期計画では157000頭と三倍です。南アルプス地域の初年度目標15000頭、目標達成のために大変なご苦労をいただき、先日猟友会の皆さんと懇談する機会がありました。地元、上伊那猟友会は箕輪、辰野などはほぼ年間目標数に達成し、他市町村に支援をし、広域捕獲に取り組み成果を上げているが、県は計画を示したものの本気でやる気があるのか疑問との超えも寄られました。
(2)「捕獲報奨制度を見ても県は5000円の半額支援としているが市町村は阿智村の4万円、阿南町や平谷・下条・売木村の3万円長野市でも15千円の支給です。平均しても一万円を超えている。それでも現場は大変です。箕輪の猟友会の捕獲作業の実態120頭の捕獲に従事する人は400人日かかり、県の水準では一日1500円にもならないのが実態です。県も本気なら1万円以上にすべきではないか。緊急雇用創出事業での雇用は昨年60人なのに、今年は48人と削減、これでは県の姿勢が問われます。3倍くらいに増す県の姿勢を示すべきと思いますが林務部長にお尋ねします。

<林務部長>
(1)はじめに平成22年度の野生鳥獣による被害状況についてのお尋ねです。野生鳥獣による農林業被害額はここ数年で年間15億円から17億円の間で推移しており、昨年度の被害額は14億9千万円、対前年度比92.9%とわずかに減少しているものの、依然として深刻な状況にあります。なお、議員ご指摘の耕作放棄地は、被害額のなかには含まれておりません。
 特にニホンジカによる被害額は農林業全体の約4割に相当する5億4千万円余となりましたが、対前年度比で見ると76.6%と減少しております。これはニホンジカの被害額が大きかった下伊那地域で対前年度比89%、同じく佐久地域で35%と大幅に減少したことによるものです。両地域とも広域的かつ適切に防護柵を設置したことによるものが大きいと分析しておりますが、特に減少幅が大きい川上村では村内全域を防護柵で囲うことにより、農業被害額は対前年度比約8割の大幅減となりました。また、市町村連携による広域的な捕獲に取り組んでいることなども被害額現象につながったと考えております。
 しかしながらニホンジカ以外のイノシシやニホンザルなどの被害額は増加傾向にあることから、引き続き効果的な防護柵の設置や効果的な捕獲対策を市町村と進めてまいります。
(2)次に、ニホンジカの捕獲頭数が大幅に増えるなかでどのような態勢強化をしているかというお尋ねです。目標を達成するための捕獲推進につきましては環境庁、林野庁、隣接県と連携した広域捕獲体制を整備するとともに、ニホンジカの生息分布を拡大させないよう分布先端地域での捕獲技術の普及を図ってまいります。また、今年度のニホンジカ捕獲普及伝承事業、これは緊急雇用基金を事業したものですが、これについては8月に各猟友会及び地方事務所、市町村担当者を対象にして獣道にあらかじめくくりわなを設置し勢子(せこ)が追い込む、追い込みわななど効率的な捕獲の研修を実施しており、今後地域ごとに研修会を実施するなかで、こうした捕獲技術の普及を図ってまいります。さらにこの事業を通じて、南アルプスなど高山帯での捕獲を推進するとともに、簡易なくくりわななどの普及も行いニホンジカの捕獲を進めてまいります。

<小林県議>
 耕作放棄地は被害に算入されていないと言われましたが、それでは有害鳥獣による被害で放棄された農地をどの程度と把握されているのかお尋ねします。
 また、捕獲奨励金ですが、1日1500円程度で捕獲に従事しているみなさんがほとんどです。そういう実態の改善を求めたのですが、そういう気はないのか、もう一度お尋ねします。

<農政部長>
 鳥獣被害における耕作放棄地との関係ですが、鳥獣被害によりまして耕作放棄地になったか否かという調査はしておりません。

<林務部長>
 捕獲報奨金が1日あたり1500円程度でいいのかと、もっと改善しろとのお尋ねです。
 平成23年度、県においてはメスジカ1頭あたり2500円、それの対象頭数を6千頭分、予算額1500万円を計上しているところです。これが現場でどのように活用され、どの程度のハンター方々の負担を強いられているかということを今後また調査して検討してまいりたいと思っております。

<小林県議>
 シカの害によって農地を放棄せざるを得ない。本当に切実な願いがたくさん寄せられているわけです。しかしその実態は調査の対象にないということですが、ぜひこの実態を調査してそういうみなさんに具体的な支援をどうするか、本気で議論をしていただきたいというふうに思いますし、先ほども言いましたように、1日120頭捕るのに400日出ているんです。この実態を考えずに本当に対策が進むのか、その点もう一度お尋ねします。

<農政部長>
 鳥獣害被害を理由に耕作放棄地になったか否かという調査はしておりませんというふうに申し上げたわけでして、鳥獣害被害におけます現場の実態は重々承知しております。

<林務部長>
 大変なニホンジカによる被害のなかで、ハンターの皆さんには大変なご苦労をいただいていることは重々承知しております。ただ、捕獲報奨金だけがすべてだとは考えておりません。さまざまな対策をきめ細かく総合的に対応するなかで何とか被害の軽減を図っていきたいと考えておりますのでよろしくお願いします。

<小林県議>
 放射能事故は想定外といっている時代ではありません。また、高齢者の深刻な事態も待ったなしであります。さらに、有害鳥獣の被害の撲滅も本当に県民の強い要望であります。
県の本気の姿勢の発信をこれからいっそう求めて質問を終わります。