平成24年度予算は、東日本大震災、県北部震災、原発事故を乗り越えて、県民の切実な願いにこたえ、希望を作り出すものにしなければなりません。
長引く不況や雇用不安、円高は県内経済や県民の暮らしを直撃し、県税収入は対前年比横ばいですが、法人2税が41億円の減、地方交付税が11億円の減の一方で、県債発行は38億円の増となり、2008年度から再び増え始めた県債残高はついに1兆7247億円と過去最高に膨れ上がってしまいました。厳しい財政運営の中で、予算配分の優先順位や重点化を県民の目線で行うことが今まで以上に求められています。
新年度予算では、経済・雇用対策の一環でもある社会資本整備で、県有施設の耐震化、交通安全施設、警察署、学校等の整備に前年度並みの事業量が確保されていること防災体制の強化、自然エネルギーの推進、中学校の30人規模学級の推進などきめ細かな対応への配分が重視されたこと、経済対策関連基金事業の一部終了により民生費、労働費、総務費などが減額となりましたが、県民の強い要望で子宮頸がんワクチン接種促進事業や生活困窮者支援のためのパーソナル・サポート事業、「絆」再生事業などが継続充実することになりましたことは評価します。
その一方で、浅川ダムは、先ほど和田議員が修正案の提案説明で述べましたように、東日本大震災以降の新たな視点での見直しもされないまま、今年度の予算執行率3.6%の事業であるにもかかわらず、来年度18億円も新たな予算計上は到底認められません。
新年度、県は県産材活用の住宅リフォーム助成制度がスタートしますが、我が党県議団が提案した景気対策としての住宅リフォーム制度は、県下の自治体で取り組みが進んでいます。2月4日には松本市で住宅リフォーム制度の交流集会を開催、参加者は予想超える盛況でした。集会には秋田県や佐賀県からも参加いただき県の取り組みと、松本市、箕輪町からも取り組みの現状とその成果が報告され、経済効果の大きさと、景気対策の有効性が検証され、県の制度の創設に大きな期待が寄せられました。新年度は県下19市を含めて、50以上の自治体が取り組む事を予定しており、県の上乗せ支援を強く求めておりましたが、今回の県の制度は期待に反するものでした。
又、創設されたと言え5,000万円とあまりにも小額で私たちの求めた景気対策とも、市町村のシンプルで使いやすい制度との要望からも大きく乖離したもので残念でなりません。引き続き秋田県や佐賀県のように県内業者や自治体、県民から歓迎される制度に改善を図り予算の大幅増額を求めるものです。
屋代高校付属中学校の受験の各質問の正解率が10%を下回るものが80%を超える異常な結果、多くの父母や生徒から大変難しい試験、入るには高い水準の学力が求められると塾がよいとの声も聞かれ、中高一貫校は受験競争の低年齢化、エリート校化の心配が現実のものとなってしまいました。屋代付属中学の検証をする事なしに諏訪清陵高校の推進には賛成できません。
又、県の行財政改革の方針で、1308人の職員削減の計画だが、大震災の教訓からも、自治体職員の果たす役割は大きく、安易な職員削減は慎重に対処する事を求めます。議員各位の賛同を求めて反対の討論と致します。