2012年2月定例会 3月13日 和田明子

平成24年度長野県一般会計予算案に対する修正動議提出者説明

 平成24年度長野県一般会計予算案に対する修正案の提案説明を行います。
 提案されております平成24年度長野県一般会計予算案中、浅川ダム建設にかかわる歳入、歳出それぞれ18億円を減額修正し、あわせて関連する平成25年度債務負担行為、地方債、それぞれの必要な減額補正を行うものです。

 提案事由の第一は、(今年度)23年度に20億円計上されました浅川ダム建設予算が、今定例会に出されました2月補正予算案で7億円は減額し、残りの13億円についても12億2900万円が繰越明許で翌年度以降に繰り越される。当初予算額20億円に対し、執行されたのはわずか3.6%です。
 浅川ダム建設予算は、平成20年度決算額7,600万円、繰越額1億7,400万円。平成21年度決算額3億1,200万円、繰越額15億6,200万円。平成22年度決算額16億1,300万円、繰越額22億5,100万円と3年連続の異常事態であることを22年度決算で指摘しました。
 23年度は決算を待つまでもなく、予算の執行状況は冒頭に申し上げたとおりであります。単年度に不測の事態により多額の繰り越しをせざるを得ないということではなく、4ヶ年にわたり予算額の5割以上を執行できないまま、24年度に18億円の予算の提案は道理のないものであり、議会として看過できないと言わざるを得ません。

 第二の事由は、建設途中のダム堤体直下に現れたFV断層はじめ、ダムの安全性について、県民に十分説明できる段階ではないことです。
 知事は、「県民の皆さんの中には東日本大震災の発生ということもあって、FV断層について不安を感じている方もおられると思い、説明責任を果たすべく改めて掘削を行いましてダム敷およびダム敷以外の場所も含めて、FV断層の安全性の再確認を行う」と言われ、知事の指示のもと10月30日に産業技術総合研究所の佃氏と吉岡氏による断層の新たな現地調査が行われました。その結果について佃氏は「活断層ではない」可能性が高いとしながらも、追加調査が必要といわれました。12月末まで行われた追加調査については、いまだに産業技術総合研究所から報告がされず、当初11月中に行う予定であった住民説明会も未開催であり、知事として説明責任を果たすことができないでおられます。

 一昨日3月11日は東日本大震災。昨日12日は長野県北部地震から一年という節目の日を迎えました。栄村では災害復興計画策定へ動き始めましたが、例年以上の豪雪に見舞われています。
 災害の規模を「想定」したハード事業では災害から人命は守れないと防災・減災の見直しがされ始めています。浅川ダム建設についても同じではないかと思います。

 以上の理由から浅川ダム建設継続関連予算の減額修正を求めるものです。
 見識ある議員各位におかれましては、冷静なる判断を持って、修正提案にご賛同をお願いいたしまして提案説明とさせていただきます。