<高村議員>
日本共産党県議団 高村京子です。
まず、現時点での米軍機の低空飛行及び10月にも沖縄に配備するとされるオスプレイの問題について伺います。
(1)最近、米軍機の低空飛行が県内各地で目撃されています。ものすごい轟音とともに頭上をかすめるように超低空で飛行するジェット機の飛来は、県民の皆さんの平穏な生活を脅かし、恐怖と不安をもたらしています。
8月19日私は、日本共産党オスプレイ配備反対闘争本部の井上哲士参議院議員とともに、公表されたオスプレイの訓練ルートである北アルプス上空などを通過するブルールートに関係のある自治体を中心に、県内6か所で地元の皆さんから聞き取り調査を行いました。
木曽町では、6月7月の2回木曽谷の山頂真上をかすめる2機編隊が目撃され、8月9日戸隠では、「支所の真上を轟音を立てて通過した機体の腹が窓から見えた」と証言があり、山と谷の観光地、戸隠に突然の至近距離での米軍機の飛来に、市の職員や観光協会事務局長、住民の皆さんから、大きな不安と怒りの声が聞かれました。同じころ、飯山市・木島平村・野沢温泉村でもジェット機の低空飛行が目撃されています。
白馬村では、1990年の2月、まさにスキー客で賑わう八方根ゲレンデをかすめるように米軍機が飛び、機体の一部を落下させていった経過もあります。信濃町では、「町全体が観光地であり、町の小中学生全員700人が学ぶ校舎の真上を通るオスプレイ飛行はやめてほしい」との町長や教育長の声、希少動物猛禽類への影響を心配する声も寄せられました。
飯山市では「オスプレイの飛行訓練では町中心部の上空が訓練域になることは看過できない」との不安の声が飯山市副市長からも聞かれました。
県危機管理部では、8月9日のジエット機の飛行について、石坂千穂議員の要請で防衛省に問い合わせていただき、米軍機であることを確認されました。最近9月14日も米軍機の飛来であることを確認いただきました。
このような米軍機による低空飛行について、危機管理部では、実態をどのように把握され受け止めおられるか伺います。
この間防衛省からは二度にわたって、長野県に説明に来たとお聞きしていますが、これらの低空飛行とオスプレイの訓練との関係についての説明はあったのでしょうか。久保田危機管理部長に伺います。
(2)続いて知事に伺います。このように、最近爆音を立てて突然現れる米軍機の危険な低空飛行については、県民の平穏な暮らしと命を守る立場から、米軍に中止を求めるよう国に要請すべきと考えますが、どのようにお考えですか。
<危機管理部長>
米軍のジェット機の低空飛行訓練についてのお問い合わせでございます。
低空飛行の訓練に関する県民からの苦情・問い合わせにつきましては、騒音につきましては環境部水大気環境課で、それ以外は危機管理部防災課で対応しているところです。平成20年度以降は、騒音に関する苦情が5件、それ以外については5件を把握しているところでございます。
また、低空飛行訓練やオスプレイ飛行との関連につきまして防衛省側から説明は受けておりません。
なお、低空飛行訓練に関する苦情や問い合わせについては、直接北関東防衛局に連絡すれば、その航空機が米軍機であるか否かの調査、その航空機が所在する機関へ苦情や問い合わせがあったことを伝える対応を取ってもらえるとなっております。今後とも、必要に応じて北関東防衛局と情報交換を行なって参ります。
<阿部知事>
米軍ジェット機の低空飛行訓練についてのお尋ねでございます。
米軍機の飛行訓練のあり方については、基本的には国が責任を持って対応すべき課題だと思っております。度重なる騒音など、住民生活に重大な影響を及ぼすような事態が生じた場合には、当然県民の安全を守るという立場から、国に対して飛行の中止など必要な対応を求めていきたいと考えております。
<高村議員>
最近になって長野県内での米軍機の低空飛行が頻繁になっているのは、オスプレイの訓練のための事前飛行ではないか?との県民の不安も寄せられていますので、ぜひその点の説明を求めていただきたいと思います。また新潟県が始めたように米軍機の飛行情報を県民から寄せていただくなど、積極的な周知や対応をしていただきたいと思います。
また、知事ですが、かつての1988から89年に県下で頻繁に米軍機の低空飛行がおこなわれ、県民の不安と抗議の声に、当時の吉村知事は「米軍は外務省に危険のない土地を探してくれと依頼してきているそうだが、危険のない地域など県内にはない」と3回にわたって在日米海軍司令部と外務省北米局長あてに飛行の中止を求めました。
また県議会でも「米軍機の低空飛行は県民を不安に陥れており誠に憂慮に堪えない」との意見書を1989年12月と99年9月の定例会で全会一致で採択しています。
どうか重大な事故がある前に、知事として県民の命と安全を守るために、ぜひ積極的な国に対しての働きかけをお願いしたいと思います。
(3)幾度も事故をお越し欠陥機ともいわれるMV22オスプレイはすでに岩国基地を拠点に訓練を開始し、10月にも沖縄の普天間基地に配備し、全国6ルートでの低空飛行訓練を開始する米軍計画のもと、日本政府及び防衛省は、全国各自治体や沖縄県知事および全県民を挙げての真剣な抗議声明にも関わらず、オスプレイの配備と低空飛行を関係自治体に受け入れるよう求める姿勢です。
全国のオスプレイの低空飛行区域にブルールートがあり、その中に長野県が入っています。防衛省からの説明を要請されましたが説明はどのようなものだったでしょうか。国から関係自治体にも詳細な説明を求めるべきではないでしょうか。
(4)つづいて知事にお願いします。沖縄では、9月9日に10万人以上もの県民が、世界一危険と言われるほど人口密集地のど真ん中にある普天間基地への配備反対を掲げ、抗議集会を行いました。県内でも8月30日に県市長会が「オスプレイの安全性への懸念が払拭されるまでは訓練飛行はさせないこと」を国に要請することを決めました。この9月の市町村議会では「配備と飛行中止及び安全性への払拭」を国に求める意見書が、昨日(9月24日)現在、訓練ルートが予定されている中野市や栄村など北信を中心に、県内18の市町村議会で採択されています。この意見書の採択数は沖縄県に次ぎ全国2番目に多い県となっています。県内・全国各地で反対声明が上がっています。
阿部知事はこのような現状にあって、オスプレイの配備と飛行訓練について安全性が払拭されない中、配備反対、飛行中止を明確に求めるべきと考えますが、知事のお考えと取り組みについて伺います。
<危機管理部長>
オスプレイの訓練についての防衛省からの説明について答弁いたします。
4回、防衛局から説明を受けております。1回目は6月15日でございまして、北関東防衛局の職員が来庁しまして、アメリカ軍が作成したオスプレイ配備に関する環境審査報告書についての説明がございました。主な説明の内容は、全国6つの訓練飛行コースの一部に長野・群馬・新潟県の一部が含まれると思われること、普天間基地配備に先立って山口県岩国基地に配備する予定であること、でございました。
その後も2回目として8月30日には、政府によりますモロッコでの事故分析の評価結果、3回目は9月12日に政府によりますフロリダでの事故分析評価結果の説明がありました。4回目は9月20日で、政府による安全性の確認とオスプレイの運用開始に関する説明がありました。
関係市町村への説明についてですが、北関東防衛局では市町村からの要望があれば説明を行なうことは可能という見解です。
県としましては、オスプレイの訓練飛行について、人口密集地とは具体的に県内ではどういうところが該当するのかとか、あるいはどのくらいの頻度で訓練飛行するのかとかなど、これまでの国の説明では十分に理解できない部分がありますので、より具体的な情報提供を求めて参りたいと思います。
<阿部知事>
オスプレイの配備についてのご質問です。7月2日に防衛大臣に対しまして、政府としてオスプレイの安全性を十分確認するとともに、確認結果、国民に分かりやすく説明すること、政府としてオスプレイの安全性への懸念が払拭されない限り、国内での飛行訓練が行われないようにすること、この2点について要請を行ないました。
9月19日、総合的に勘案し、MV22オスプレイの安全性が確認されたという日本政府の見解が示され、21日から岩国基地での試験飛行が開始されたところというふうに承知しています。ただ、今危機管理部長のほうからもご答弁申しあげました通り、政府の説明では人口密集地を避けて飛行するという表現とか、私どもとして内容についてさらにしっかり確認しないと、県民に対して私どもとしてもさらに説明できないのではないかという点がありますので、こうした点について確認をしていかなければいけないと考えています。
オスプレイの配備・訓練につきましては、政府が基本的に責任を持って対応していただく課題と思っていますが、県民の安全を守るという立場から、国に対してさらに具体的な情報提供・説明を求めて参ります。必要があれば群馬県・新潟県とも連携を図りながら具体的な対処をしていきたいと考えております。
<高村議員>
危機管理部長および知事からご答弁をいただきましたけれども、やはり全国の皆さんおよび阿部知事も含めた全国知事会の要請に対しても、住民が懸念している安全性についていまだ確認できていない、こういう状況です。市町村や県民の声を代表しまして、危機管理部および知事にはいっそうしっかりとした情報提供、および県民への説明、またはっきりと現時点での沖縄への配備と飛行中止を強く求めていただきたいと思います。知事にその点、強くお願いしておきます。
<高村議員>
(1)県は、良質なストック住宅を将来へ継続してゆくことが必要として、平成22年2月に「長野県公営住宅等長寿命計画」を策定しました。その計画に照らして現状の進捗状況はどうなっていますか。特に建て替え及び維持管理の状況はどうでしょうか。
建て替え予定であった上田市みすず台県営団地は、平成22年の8月から10月にかけて県は正式に上田市や自治会に建て替え計画を説明しましたが、昨年度も今年度も予算もが付かず、修繕は進まず、下水道設備は入らず、新しい入居者もいれず、生活環境が悪化する中で退去される世帯もあり、自治会活動など様々な困難の中に入居者の方はおかれています。入居者のみなさんからは県に対する疑問と今後の不安の声が寄せられました。どうして建て替えが進まないのでしょうか。これまでの経過について伺います。また今後のことはどのように考えて対応されるのか伺います。
<建設部長>
県営住宅に関するお尋ねです。長野県公営住宅等長寿命計画は、約15,500戸の県営住宅につきまして、平成22年度からの10年間にわたる維持管理方針を定めたものでございます。この計画では、外壁改修や流し台の取替えなどの修繕や下水道接続などの改善を行ないながら維持管理する戸数を約13,300戸、十年間の建替え戸数を1,400戸予定しており、残りの2,800戸を用途改修や市町村へ移管することとしております。
計画の進捗状況は、3年間で136戸の建て替えを実施したほか、改善予定の4,328戸に対して1,106戸の改善を行ないました。このほか屋根の塗装など、毎年約10億円の予算で必要な修繕によりまして、住宅の長寿命化を図っているところでございます。
県営住宅みすず台団地については、昭和39年度から42年度までに建設した住宅326戸の老朽化に伴い、平成22年度に当団地の建て替え基本計画を策定いたしましたが、財政状況などにより建て替えは困難な状況になっております。
今年度、団地自治会役員や入居者への説明を継続的に行なっており、今後の対応について役員の皆様等と協議を行なっているところでございます。
現在行なっています団地入居者へのアンケートにより、例えば住宅のバリアフリー化やトイレの水洗化のリフォームの要望を把握し、当団地の住環境の整備を検討してまいります。
<高村議員>
県営みすず台団地におきましては昨年度はまったく説明もしていただけませんでした。そして団地のみなさんが不安になって県の住宅課の方に出向いて状況や不安な思いを伝え、そして今担当の方によって意見交換会やアンケートをとっていただいて、これからどうするか、原点に戻った状態です。
ぜひ、長寿命計画に沿って建て替えや改修予算を確保し、必要な環境改善を図っていただきまして、入居者のみなさんが不安にならないように、責任をもって県は進めていただきたいと思います。
(2)今年2月に県は「心の豊かさが実感できる住まいづくりを目指す」として「長野県住生活基本計画」を策定しました。この計画がめざす方向及び現状の取り組みと今後の進め方について伺います。
県営住宅の建て替えや修繕が進まない中、深刻な雇用状況の世帯主が失業中であったり、母子家庭や少ない年金世帯などの困窮世帯あるいは、高齢者世帯が増える中、階段の上り下りなどに困難がありエレベーターがある住宅に変えてほしいなど、収入や身体・生活状況にあった住居を望む人々が増えています。
昨日知事は「公営住宅の提供は一義的には市町村の対応になる」と述べられましたが、県は、この計画に沿って県民の暮らしの土台である住宅の提供をどう進めるのでしょうか。市町村との協議や連携はどのようになっているでしょうか。建設部長に伺います。
<建設部長>
「長野県住生活基本計画」に関するお尋ねです。
この計画は、環境に配慮した住まいづくりや多様なニーズに対応できる住まいづくりなど、県民の住まいに関する総合計画として、平成23年から32年度までの10年間を対象に策定したものでございます。
県民の生活の基盤であります住宅の提供については、この計画の施策目標の一つに、誰もが安定した住居を確保できる体制づくりを掲げており、住宅の確保に対し特に配慮を要する方が適切な住宅を確保できるように、公営住宅の供給と民間賃貸住宅の入居支援の拡充に向けた取り組みを行なっております。
特に県営住宅の建て替えや修繕につきましては、地域の住宅施策を担う市町村と十分に協議し、意思疎通を図りながら連携していくことが重要だと考えております。
また、当計画の推進につきましては、計画に掲げる目標の実現にむけ、建設部のみならず庁内関係部局が連携を図りながら、高齢者や障害者が住みやすい住宅のバリアフリー化や環境に配慮した省エネ住宅の整備促進など、様々な施策に取り組んでいるところであり、県民の住生活の向上のため、引き続いて努力してまいりたいと考えております。
<高村議員>
(3)条件の良い新築された県営住宅には希望者が殺到し、20倍30倍のところもあります。倍率が高くて入居がままならない住宅困窮者に対し、県が民間の賃貸住宅を借り上げて、抽選に外れた世帯にも県営住宅の家賃と同程度の家賃で入居できるような支援制度の創設を検討してはどうでしょうか。
今後の公営住宅政策については幅広く県民論議をおこし、市営住宅や町村住宅など市町村との連携、および福祉事務所に寄せられる低家賃での住宅を求める困窮者等の状況も視野に入れて、総合的な住宅政策と計画を進めるべきではないでしょうか。また、民間賃貸事業者も含めての県内の住宅総数の2割が空いています。このように、民間賃貸事業者の状況や意見を聞いていただくなど、自治体と事業者も協力していただいて、県民が安心して入居できる住宅を保障する環境整備を行っていただきたいと思います。
また住宅に関する情報提供や入居希望者や入居者のニーズを丁寧に聞く体制を位置づけ「住宅総合相談窓口」等の設置など充実を図っていただきたいと思いますが、阿部知事いかがでしょうか。
<阿部知事>
公営住宅についてのお尋ねでございます。
まず、借り上げ公営住宅についてでございます。これは、災害時等の一時的緊急的な住宅確保としては有効と思っておりますが、恒久的な対策として考えたときには、借り上げた箇所が空き屋になった場合の借り上げ料の負担をどうするかといった課題がいろいろあると考えております。また、公営住宅は住民に密着した市町村が中心に取り組みを進めてきていただいておりますけれども、こうした制度については市町村との協議も必要と考えております。
こうしたことから、県としては、既存県営住宅の有効活用を基本に取り組んでまいりたいと考えています。
また、市町村や民間団体との連携でございます。今後の公営住宅政策に関しましては、県内71の市町村と長野県等で構成する公営住宅等推進協議会、こうした場において市町村との意見交換をしっかり行なっていきたいと思います。
また、高齢者、障害者、子育て世帯等の住宅の確保に、特に配慮を要する方々への民間賃貸住宅の供給に関する支援につきましては、民間賃貸住宅の事業者団体の皆さんと長野県居住支援連絡会議というものを設けております。賃貸住宅の情報の提供などに関して継続的に協議を行なって参ります。
また、入居者の皆様方に対しても説明会の開催あるいは県営住宅管理員が様々なご相談に応じるなど、できる限り丁寧な情報提供あるいはよりいっそうの相談態勢の充実に努めてまいりたいと考えております。
<高村議員>
ご答弁いただきましたけれども、今大変困窮する皆さんが増えているなかで、低家賃の住宅に入りたいけど、福祉事務所に相談してもそういった住宅はなかなか提供していただけないということがありますので、ぜひ総合的な住宅政策及び総合的な相談態勢なども市町村や関係事業者などとも相談していただきまして、進めていただきたいと思います。
<高村議員>
(1)まず県立上田染谷高校について伺います。老朽化して雨もりする体育館の改修要望が平成17年から出されてきましたが、今日まで抜本的な改修がなされず、今年3月の卒業式は天井が落下する危険があり、体育館を使用できずに急遽上田市民会館でおこなわれました。早急な改修工事を進めるべきですが、どうして6月補正も今9月補正にも工事費は盛られないのでしょうか。今年の卒業式には間に合うように改修を急いでいただきたいと思います。
改修が進まない状況と3月までの対策を山口教育長に伺います。
<教育長>
上田染谷丘高校の体育館の改修工事についてのお尋ねでございます。
この昭和43年に建設いたしました上田染谷丘高校の第一体育館は、耐震補強工事を実施しているため耐震性機能は有しておりますけれども、今ご指摘いただいた屋根につきましては多額に費用を要することから修繕に着手することができなかったものです。本年2月、雨漏りにより天井材がはがれてしまったため、学校では急遽、卒業式会場を変更しましたが、当該箇所は天井材を張り替える修繕を実施し、現在も授業等では使用している状況です。
通常雨漏り対策としましては屋根の塗装を行なっていますが、現地調査を実施した所、屋根材の劣化が最も著しく塗装では効果が期待できないことから、屋根材を取り替えることといたしまして、現在設計の入札を公告しているところでございます。設計が完了次第、予算の執行状況を見ながら対応を検討して参りたいと考えております。
<高村議員>
今年度3月の卒業式の日は上田市民会館は予約が入っており、借りられません。なんとしても体育館の屋根の改修を急ぎ、安全な卒業式ができるように間に合わせてください。
(2)同じ染谷高校の小体育館も老朽化し、床がささくれ立ったりゆがんでいたり、力いっぱい体育の授業をすると怪我をするような状況です。また上田東高校の体育館も老朽化が進み雨漏りがひどく、床が水浸しになり卒業式や学校行事にも不安や支障をきたす状況です。東御清祥高校の旧体育館も同じように老朽化がひどい状況です。
このように老朽化した体育館・校舎・トイレなど、改修を急いでほしいとの切実な要望が多くの高校から出されていると思います。生徒の安全や衛生面などを含めた学校運営に支障をきたすような現状は一日も放置できません。
修繕改修を必要とされる施設の現状把握状況と改修計画について、山口教育長に伺います。
<教育長>
修繕改修計画についてのお尋ねでございます。
修繕・改修につきましては、各校から多くの要望が出されているなかで、年度当初に担当者が全校を現地調査いたしまして、その現状を把握した上でより緊急性が高いと思われる箇所を選定し、年度計画をたてて実施している所でございます。
年度途中で、漏水とか漏電、あるいはポンプ等の機械設備の不具合等、突発的な事案が発生した場合は優先順位を変えて対応しなければならないケースもございます。さらに、突風、大雨といった自然災害による大規模な被害が発生した場合には補正予算をお願いし早急に対応しておるところでございます。
<高村議員>
屋代南高校では、文化祭の準備に追われていた8月30日、暴風雨に見舞われました。ひびがはいった外壁が15メートル上から落下し、真下の教員の車を直撃し損傷しました。もし生徒だったらとすると本当に心配です。網戸がつけられない古い鉄枠の窓に難儀をしています。また千曲市から避難所として指定を受けていますが、教室棟・管理棟体育館は耐震基準を満たしていないなど、一つの高校でもいくつもの改修箇所の要望が出されているのではないでしょうか。また県か複数の高校からトイレの改修や男女別々のトイレへの要望など当然改善されるべき改修が進まない実態にあります。
(3)高校施設管理上の問題から、もし事故があった場合には県教育委員会の責任と保障問題になると思いますが、矢崎教育委員長はどのようにこの現状を受け止め対処されるのか伺います。必要な予算を知事に求めていただいているでしょうか。
また阿部知事には、高校施設管理上の必要な予算について教育委員会とよく協議し、予算の確保をして頂くことを求めますがいかがでしょうか。
<教育委員会委員長>
老朽化した学校施設のお尋ねにお答えいたします。
ご存知のように、高校の施設建設は昭和30年代後半から40年代に集中をしてきました。そのために、現在老朽化している建物は非常に多くなっている。このことは承知をしているところです。
ご指摘のように、学習環境をより良いものにするためには、基本的には抜本的な解決方法として施設の大規模な改修や建て替えを計画的に実施する。そのことが必要となります。しかし今までも申しあげてきましたように、大変財政状況が厳しいところでありまして、財政ともそういう意味では話し合いを進めてきているところですが、当面教育委員会としましては、老朽化に起因する事故を未然に防ぐ為に、緊急性・危険性の高いところから補修等の対応を行いながら、ご指摘いただきましたような、施設の安全性を最優先に確保するというところ以上のお答えをできないのを残念に思いますが、ご理解をいただきたいと思います。
<阿部知事>
子ども達の教育環境を整備していくというのは、私は非常に基本的な県の役割だと思っています。毎年度毎年度の予算編成のなかで教育委員会予算の枠のなかでやりくりをしてきてもらっているわけですが、新しくファシリティマネジメントをやっていこうということで取り組みを始めています。短期的な視点だけではなく中長期的な視点に立って、計画的な大規模改修を行ったほうがいいものは、しっかりとそういう対応をしていくということも必要だろうと思います。教育委員会とはこれまで以上に問題意識疎通をしっかり行なって、子ども達の教育環境を、私としては優先順位が非常に高いと思っておりますが、限られた財源のなかでどういう工夫ができるか考えていきたいと思います。
<高村議員>
知事からは、学校の安全を守るのは、施設管理は基本的な事柄というご答弁をいただきました。阿部知事には、県教育委員会が緊急の改修が必要とされる全部の箇所を視野にいれていただき、年度当初の予算及び4半期ごとの補正予算にも必要な予算を暫時組んでいただくよう強く要望いたします。
<高村議員>
(1)現在県内には、在宅での特別養護老人ホームの入居希望待機者が5300人以上もいると言われます。この現状をどのように分析し受け止めておられるのでしょうか。現行の第5期高齢者プランではどこまで充実が図られるのか伺います。
高齢化率が上がってくる中で、高齢者のみの世帯や、お一人の世帯が今後もさらに増えてゆくと思われます。小規模多機能施設など生活スタイルに合わせた小規模な施設を促進することは大切なことですが、やはり最後まで安心して老いてゆける特別養護老人ホームの建設は引き続き促進していただく必要があると思います。今後の見通しや計画についてどのように検討されるのか眞鍋健康副支部長に伺います。
(2)今年度第5期の介護保険料改定が行なわれました。長野県内でも大幅な保険料の値上げとなりました。県の月基準額の平均は4920円となり、高いところでは5400円台のところや、率にして40%から50%台の大幅な引き上げをした保険者もあります。
介護保険制度開始時点の2000年からこの4月の保険料を比較すると2346円から4920円へと209%もアップし、長野県が全国一番の値上げとなっています。
県・市町村及び事業所の奮闘で、施設整備を充実すればするほどその負担が高齢者の保険料の負担となります。年金額が削減されるなかで、後期高齢者医療保険料とともに年金から引かれる保険料は、限界を超えています。
この点について、国に対して、強く抜本改正を求めていただきたいと思います。眞鍋健康福祉部長にご答弁をお願いいたします。
以上で私の質問の全部を終わらせていただきます。
<健康福祉部長>
私には、特別養護老人ホームの整備、それから介護保険制度の安定的な持続性ということについて、2点ご質問いただいております。
まず、特別養護老人ホームの建設についてお答え申しあげます。介護保険制度には、在宅サービスから施設サービスまでさまざまなサービスがございます。そのなかでも、特別養護老人ホームは最後の受け皿と言うか、終の棲家という位置づけとなっています。現在、その特別養護老人ホームの入所待機者ですが、議員ご指摘のとおり、平成24年3月末で5321人とされております。分析いたしますと、そのなかで要介護4から5の重度者については2351人という状況になっています。これらの方々は現在、在宅でいわゆる介護サービス、デイサービスとか訪問介護を受けていると承知しております。この待機者の解消は大きな課題と認識しております。
これもまた議員ご指摘のあるところですが、今後高齢者が増えるということは要介護者も増えるということが想定されるわけですが、今年度スタートしている第5期の高齢者プランにおきましては、保険者である市町村等の計画に基づいて、入所定員をさらに1865人増加となるように特別養護老人ホームの施設整備を進めてまいります。これによりまして、先ほど申しあげたような、入所の必要性や緊急性の高いと思われる方には、なるべく一年以内には入所できるように、そういったことを目指してまいります。
次期計画におきましても、これは第5期の達成状況などをみながら今後の整備を進めてまいりたいと思っております。
最後の、介護保険制度の安定的運営についてのお尋ねですが、現行制度におきましては特別養護老人ホーム等の基盤整備等充実に伴いまして、介護サービス利用料が増大します。結果的には介護保険料が上昇して、さらには地方財政負担も増加すると、そういう仕組みでございます。一方で、介護保険制度を将来にわたって安定的に運営するということはとても大事だと思っておりまして、県といたしましては、これまでも国に対しまして、国の責任において十分な財政措置が講じられるよう要望してきておりまして、これは引き続き行なって参りたいと思っております。