<両角議員>
2009年12月に施行された、円滑化法の適用は全国で、約40万社に上ります。関東財務局の発表資料によると、長野県内、中小企業金融円滑化法に元づく融資の状況は、融資実行件数64,940件。融資金額は1兆2,903億円であります。長野県の年間の一般会計より多い金額であります。来年3月には期限切れを迎える円滑化法。県内でも倒産件数急増の恐れも心配されています。県として、国に再度の延長を要請する。また、県独自の施策の確立など、今から救済策を立てる必要があると考えますがいかがでしょうか。
金融担当大臣談話によると、金融庁としては、円滑化法期限到来後も、貸し渋り・貸しはがしの発生や倒産の増加といった事態が生じないよう、引き続き、日常の検査・監督を通じて金融機関に対し、他の業態も含め関係金融機関と充分連携を図りながら、貸付条件の変更等や円滑な資金供給に努めるよう即してまいりますとし、何ら変わることはないと強調しています。
変わらないのであれば、続ければよいと誰しも思うと思いますがいかがでしょうか。国会の委員会の様子を見ますと、この法律がなくなると、金融機関からの報告義務がなくなる。今まで金融機関が中小企業の相談に応じてきたのは、報告義務があるからで、どのように対応したのかということを報告しなければいけなかった。このことで一定の大きな効果があったわけですがそれがなくなる。
いくら、号令をかけても、中身の報告をしなくて済む、法律でのしばりがなくなる。したがって、実効性が伴わないのではないかとし、国会委員会においても再延長をとの議論があります。
松本市内の業者の方のお話ですと、円滑法がなくなると大変困る。現在金融機関から借りては返し、借りては返し、そして借りている。この間にいい仕事をと思っているが全体の仕事量も減り苦戦している。放漫経営をして来たわけでもなく、現在もしていない、せめて従業員の給料はとの思いでいっぱい。自分は夜遅くまで仕事をしている。景気さえ良くなってくれれば何とかなると頑張っているが、ここで円滑化法がなくなり法律の後ろ盾がなくなったら大変です。と話してくれました。
国内を見ますと、県市区でもすでに手を打っているところもございます。
千葉県では、今年の9月補正で、円滑化法が、来年3月末に終了することを踏まえ、総額20億円に上る「中小企業再生ファンド」(基金・資金)の創設を盛り込みました。山形県でも、県の制度融資の中に「金融円滑化対応の貸付」制度を創設し、今月26日から実施。経営改善計画に取り組む中小企業の資金繰りを支援することを始めています。
長野県も国に再度、延長を要請するとともに、このことに対する、県独自の施策を確立する必要ありと考えますがいかがでしょうか。知事に伺います。
<阿部知事>
金融円滑化法についてのご質問でございます。
25年3月に法の期限切れを控えて、県内事業者の方々の間には、条件緩和が認められず倒産・廃業に直面する企業が増加するのではないかという不安の声があるということは承知しております。
他方で、金融庁は11月1日に円滑化法の期限到来後の検査・監督の方針を公表して、金融機関の役割として貸し付け条件の変更等や円滑な資金供給に努めるべきことは、期限後も何ら変わるものではないということを明示しております。この方針において、期限到来後も、貸し渋り・貸しはがしなどによる倒産の増加等が生じないよう、検査・監督を通じて、金融機関に貸し付け条件の変更等の取り組みを促していくということを明確に示しております。
県内中小企業の資金繰りに支障が生じない様、関係機関等と連携図りながら今後対応してまいります。
中小企業に対する金融支援策として、県制度資金の「中小企業振興資金」に緊急借換対策枠を設けている。県内企業の借換事業に対応してきておりますが、現在このメニューの取り扱いは今年度限りとしているが、来年度以降の取り扱いについて、制度資金全体の制度設計の中で検討しています。弾力的に考えていきたいと思っております。
年末資金の借り入れ、金融円滑化法終了を見据えた資金繰り等の相談に応じるため、昨日から「年末金融円滑化対応窓口」を県庁の経営支援課、あるいは各地方事務所商工観光課に設置しております。同時に相談窓口を開設している県下70の商工会などと連携しながら県内経済の下支えに取り組んでまいりたいと考えております。
<両角議員>
新建新聞9月25日付・10月15日付で「史上最大の危機迫る!!」の記事が掲載されました。円滑化法期限切れと消費税増税がダブルパンチ。中小企業が生き残る道の大変さがにじみ出た記事でした。今回問題にしている円滑化法ですが、そもそもこの法律に該当せず、それ以前、棚上げになっている事業者の皆さんがいることが分かりました。没収され競売にかけられても売れないからそのまま。再建会社に掛かっても何も言ってこない。遅延の利率は14.6%。1億円あれば年間1460万円プラスに。1億円の元金を返す、年間100万円ずつ返済しても100年。客相手の業者は日銭で生活し金融とは借金があってもお互いに係わらない。借りたほうも、貸したほうもお互いに大変。なんとしても景気を良くする手立てを考えなければなりません。
知事は、今定例会議案説明の中で、本年度下半期から来年度当初にかけて県発注事業が切れ目ないように、そして、景気浮揚による一日も早い地域経済の立て直しに向け、今後とも経済・雇用情勢を注視しつつ機動的な対応を行ってまいります。と言われましたが、末端でお困りになっている業者の皆さんをどう救うか。大変重要はことでありますが、知事の所見を伺います。
<阿部知事>
先ほど申しあげましたように、金融支援あるいは経営相談などの中小企業支援あるいは中小企業振興センター等の支援機関とも連携して、総動員体制で取り組んでまいります。また、過剰債務により経営の悪化した中小企業の再生を目指して、地域の金融機関と中小企業基盤整備機構が出資する「事業再生ファンド」設立が検討されております。
長野県でも県内の金融機関共同で来年3月を目途にファンドの設立が予定されています。現在詳細調整中です。この検討している金融機関等で構成される信州再生支援ネットワーク会議に県も参画していますので、県としてもメンバーの皆さんと一緒に知恵を出し合って、効果的かつ機動力あるファンドの設立によって県内の過剰債務により経営が悪化している中小企業の再生支援を図って参りたいと考えております。
<両角議員>
今、ファンドを立ち上げるということでございましたが、ファンドについては歓迎したいと思います。我々、経済対策の一つとして使い勝手の良い住宅リフォーム(助成制度)をずっと提案しております。今こそ実施してくださいと申し添えておきます。
<両角議員>
現在、来年度に向けた予算編成時期であり、機会あるごと、繰り返し求めてきた福祉医療の実施について改めて伺います。先に、親御さん、障害をお持ちの皆さんなど利用者の声や実施主体の市町村や医療関係者などの当事者の意見を反映させる場づくりを提案いたしましたが、その後の取り組み状況はどうか。健康福祉部長に伺います。
<健康福祉部長>
福祉医療制度に関する窓口無料化についてお尋ねです。
窓口無料化にあたっての最大の課題の一つは、国が市町村に対して行っている国民健康保険の国庫負担金の減額措置にあると考えています。全国知事会では国への提案要望で、この措置の廃止を求めました。11月に厚生労働大臣から「国保の国庫負担の措置につきましては、限られた財源を公平に配分する観点から補助金を調整しているものであり、市町村間の公平性の確保なども考慮しなければならず検討が必要な課題と考えております」との回答がなされたところであり、窓口無料化に向けた環境に変化があったとは言えない状況と考えております。
福祉医療の見直しにあたっては、国が社会保障制度改革国民会議において議論するとしている医療保険改革とかあるいは社会保障・税一体改革による地方財政への影響等、これらも見極める必要がある。こうしたことから、現在の状況では直ちに見直しを行う状況にないと考えておりますが、今後、福祉医療のあり方を検討する際には幅広くご意見を伺うことが必要と考えております。
<両角議員>
利用されるみなさんの実態を反映させる場作りということを提案しておりますので、そのことについてはもう一度答弁をお願いします。
よく例に出ます群馬県の本年6月に行われた県議会定例会「一般質問」のやり取りの一部ですが、群馬の健康福祉部長の答弁を紹介します。
「お尋ねの子どもの医療費の無料化でございますが、2年半前、平成21年10月からは、県内すべての子どもたちが中学卒業まで安心して医療を受けられるようになったところでございます。この群馬県の仕組みは、入院、通院とも所得制限がない、あるいは自己負担がない、しかも窓口での支払いを要しない、そういったところから全国の中でも最も手厚い制度となっているところでございます。
対象年齢を拡大いたしました平成21年は、秋以降、本県では新型インフルエンザの患者が急増したところでございますけれども、多くの子どもたちがこの医療費無料化の制度を利用していただきまして受診ができたのではないかというふうに考えてございます。
このあたりのところが効果というところなんですが、引き続いて何点か御紹介させていただきますと、医師の皆さんからも評価をいただいおります。 特に慢性疾患などは早期の受診により重症化の防止に役立っているのではないかという観点。それから本県、小中学校の虫歯の治癒率でございますが、この拡大まではほぼ全国平均と同じような水準でございました。一方拡大後は全国平均を大きく5から10ポイントぐらい上回って治癒率が向上してございまして、子供のときから歯を健康な状態に保つことは生涯の健康にとっても、とても大切なことでありまして、ひいては医療費の抑制につながるというふうに、考えてございます。こうした取り組みによりまして、子供が安心して医療を受けられる環境が整えられているものと考えてございます」
この長野県で、この議場でもこのような答弁が聞けるとよろしいのですが。
群馬県の予算を見ますと、平成23年度当初予算約6700億円。子供・重症心身障害者・母子等福祉医療費計約82億円。全体に対する福祉医療費の割合は1,22。平成24年当初は前年比50億円減って約6650億円。そんな中でも福祉医療費は、約5千万円増額しています。福祉医療に掛ける、群馬県の心意気を数字の上からも感じます。
さてそこで、長野県。福祉医療の窓口無料化を実施した場合の県の負担額はどの程度と、予想されるのか。その負担額を予算化していただきたいが、いかがでしょうか。できないとすればそれはなぜなのかを伺います。以上、健康福祉部長答弁を願います。
<健康福祉部長>
私の答弁に対する再質問のほうからお答えいたします。当事者の意見を反映させる仕組みづくりということでございます。これは窓口無料化あるいは福祉医療全体を見直す時期が来たときには考えなければいけないと考えております。ただ、常日頃から我々もいろいろな患者団体さんなどから意見を聞く窓口は設けております。そういうところを通じて、両角先生と同様の趣旨の要望もいただいているところでございます。
次のご質問ですが、窓口無料化にかかる費用についてです。先ほどもお答え申しあげましたとおり、窓口無料化をしますと市町村に対して交付される国民健康保険の国庫負担金の減額措置が行われます。粗い試算ですが、減額される市町村への国庫負担金ですが、約8億円程度と見込まれるところでございます。加えて窓口無料化に伴って健康組合や共済組合などは窓口に付加的な給付等も行なっておりますので、これも含めて考えますと、くわえて約3億円程度の新たな費用負担が生じるものであろうかと考えております。
こうしたことから福祉医療の窓口無料化にあたりましては、事業の実施主体であり財政的な影響を大きく受けることになる市町村の意向を尊重する必要があると考えているところです。
<両角議員>
再質問します。確かに国は、県や市町村が窓口負担のない、現物給付により福祉医療を実施すると医療費が増加するということで、市町村国保に対する国庫負担金等の一定額の削減。これは、国保運営上大きな負担。群馬県では、平成22年度で、11億8千万円。内訳は、子供・母子家庭・重度心身障害者の内、障害者分が、7億7千万円と3分の2を占めています。医療を必要とする社会的に弱い立場にある方、こうゆう方々を支援する観点からも削減措置については早急に廃止されるべきと声を大に致します。
先ほどの群馬県定例会6月5日の一般質問答弁の中で大沢知事は、「福祉医療制度は、本来であれば医療に係るセーフティネットとして国が責任を持って社会保障政策の中に位置づけるものであると思っております。国の取り組みが不十分の中でこの国庫負担金等削減措置(ペナルティー)が継続されることは、保険者であります市町村に多大な負担を強いることでありまして、国の制度を補完する地方自治体の取り組みをまさに阻害するものであります。また、重度心身障害者など、社会的に弱い立場にある方々を支援する観点からも、断じて見過ごすことはできないことであります」と言い切っています。
阿部知事も本来国がやるべきことと言われていますし、全国知事会でも国に要望していることも存じていますが、群馬県では、国がやらないから11億円、12億円と削減されてもペナルティーを科せられても県民のため、県がやる。
すごいことだと思います。
さてそこで長野県、子育て先進県をいうなら、せめてこのくらいは、の思いから知事に伺います。知事は、「経済支援」が、「子育て支援」にとって重要と今年の9月5日、9月定例会を前にしての、私たち会派での申し入れの席上、福祉医療に関しての部分でいわれました。
子育て支援は、出産から、保育、教育等多岐にわたりますが、何か具体的に示していただけるのであればここで示していただきたいことと、診療報酬明細書(レセプト)1枚につき500円の負担金を課しているのは県です。せめてこの部分を見直すとの決断を示していただきたいがいかがでしょうか。知事の答弁を求めます。
<阿部知事>
福祉医療の自己負担金の廃止についてのご質問です。これは、どこの県でも、国の財政が厳しい中で社会保障負担をどうしていくかが大変重要なテーマであります。さきほど消費税のご質問等もありましたけれども、結局給付を増やすということは誰かが違う形で負担することになるわけです。社会保障関係経費は平成24年度の予算ベースで約1千億円近くなっております。年々予算総額に占める割合も拡大しておりまして、ここ数年は5%前後の高い伸びを示しているということで、今の制度を維持するだけでも社会保障の負担はかなり重くなってきております。その負担をどういう形で賄っていくのかということ抜きにこの問題は考えられない。
もちろん、住民の立場、お子さん抱えている皆さんの立場からすれば負担が少なければ少ないほどいいのが当然と思いますし、その思いはおかしいとは思いません。ただ、県財政を預かる立場からすれば皆さんが喜ぶから進めるということには、なかなか単純にはいかないと思っています。自己負担金500円を仮に廃止すると16億円程度新しい費用負担が出てきます。これは後年度の負担にどこかにしわ寄せをするか、他の事業を無くすか、新しく負担を求めるかということで対応していくわけです。本当にそうゆう形が大勢の県民が望むものか見極めなければいけないと思いますし、とりわけこの福祉制度は県だけではなく市町村と共同で運営しているといってもいい制度です。市町村の財政のきびしい中で、制度の持続可能性等も考えあわせると、今直ちに受給者負担金を引き下げると申しあげるというふうにはいかない状況と考えています。
<両角議員>
この項目、なかなか噛み合いませんが、知事が決断を下したモデル事業といわれるようお願いし、次の項目に移ります。
<両角議員>
2012年は自然エネルギーの本格的展開の信州自然エネルギー元年と位置づけ、100パーセント自然エネルギーコミュ二テイ構築に向けた布石として1村1自然エネルギープロジェクトを始動するなど宣言したが、この事業の、現在の到達状況と成果について伺います。また、今後どのように推進していくかも知事に伺います。
<阿部知事>
1村1自然エネルギープロジェクトについてのご質問です。本年度を信州自然エネルギー元年と位置づけのもと、1村1自然エネルギープロジェクトを進めてきております。具体的には、自然エネルギー自給コミュニティ創出支援事業、グリーンニューディール基金事業などを通じまして、46市町村で具体的な取り組みへの支援を開始しております。
上水道施設での小水力発電、雪氷熱利用による農産物の貯蔵コストの低減、高付加価値化、地中熱利用による省エネ住宅の普及の取り組みなどそれぞれの地域の特性を活かした事業が進められております。
また、こうした取り組みを「見える化」を進めると同時に更なる支援を行っていくという観点で、10月から1村1エネルギープロジェクトの登録制度を開始しました。
また、本年度策定予定の環境エネルギー戦略におきましては、自然エネルギーの導入目標を設定して、1村1自然エネルギープロジェクトを始めとするエネルギー自立地域づくりを進める、体系的な自然エネルギー推進施策を盛り込んで参ります。
また、この1村1自然エネルギープロジェクトをさらに進めることによってそれぞれの地域の特性、地域主導型の自然エネルギーの普及を進めてまいりたいと考えております。
<両角議員>
自然エネルギー活用について再質問いたします。
自然エネルギーを活用しての事業が産業として成り立つ仕組みづくりについても県が中心になって行う必要があると考えていますし、そう提唱してきました。このことについて、自然エネルギー確保のために動き出した企業局に大いに期待をいたします。自然エネルギー全体を見据えた立場でダイナミックに活動していただきたいわけですが、手始めに、せめて、中小規模水力発電の分野では、企業局が核となり、自然エネルギーの普及拡大に寄与してほしいと思いますがいかがでしょうか、企業局長に伺います。
<公営企業管理者職務執行者>
中小規模水力発電の普及拡大についてのお尋ねです。
本日知事から風間議員にお答えしましたとおり、県の自然エネルギー推進施策、特に水力発電の分野では、企業局が重要な役割を担っていく必要があるものと認識しております。具体的な対応としては、平成25年度から、高藤発電所及び奥裾花第2発電所の新たな発電所建設に取り組むほか、更なる開発の可能性についても調査検討を進めてまいりたいと考えております。
また、市町村等において小水力発電の推進が図られる様、技術支援チームの充実強化を図るなど、今後さらに関係各部と連携をはかりながら自然エネルギーの普及拡大に努めてまいりたいと考えております。
<両角議員>
豊かな自然に恵まれた長野県での自然エネルギー産業は、将来有望であり、雇用創出にもつながると考えます。水車や発電機に限らず、先ほどの藤岡議員の質問にもありました、薪ストーブ、ボイラー等、単に電気を起こすだけでなく、熱エネルギーを取りだす、お湯にする等、この分野、雇用促進のためにも、県が指導して産業の開発を進めていただきたいがいかがでしょうか。商工労働部長に伺います。
<商工労働部長>
自然エネルギー産業の開発振興についてお答え申しあげます。
自然エネルギー分野は、ものづくりの観点からも市場として、特に内需拡大が期待できるとあって、有望な分野のひとつであります。
長野県ものづくり産業戦略プランにおいても、今後の産業振興の重点分野の一つとして環境分野を位置づけています。既存の自然エネルギー関連機器に比べて性能あるいは価格において優位性を有する機器を開発製造することは、本県ものづくり産業の発展に加えて、その機器を活用する、例えば自然エネルギー発電事業者などの収益性の向上にも大きく貢献するものと考えております。
すでに工業技術総合センターにおいては、太陽光発電、小水力発電、バイオマス発電あるいは廃熱利用などについて企業から様々な相談を受けておりまして、具体的な技術的助言を行っているところです。
また、長野県テクノ財団においても本県ものづくり産業の優れた超精密加工技術などを活用して進出すべき分野として、マイクロエネルギー、バイオマス発電、地熱発電などの分野を選出いたしまして、地域産業を指導している研究活動を展開しているところです。
今後も自然エネルギー分野への進出に意欲的な企業のニーズに応じて、工業技術総合センターや長野テクノ財団など、様々な支援メニューを効果的に活用して、本県の自然エネルギー産業の振興に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
<両角議員>
県内でも多くの市町村が、個人向け家庭用の太陽光発電への補助を行っています。塩尻市の補助金の募集では、応募が殺到との新聞報道もありました。県民の要望は極めて高い。従来から要望しているように、まだ遅くはありません、県も市町村の補助金に上乗せして補助していただきたいがいかがでしょうか。
また、例えば、県が太陽光パネルを大量に安く買い取りそれの現物支給を、市町村にというような発想も含め、知事に伺います。
<阿部知事>
個人向け太陽光発電の補助についてのご質問です。
このことについてはこれまでもご質問いただいていると思いますが、国の補助制度あるいは余剰買取制度によって長期的には採算が取れる仕組みになってきていると考えております。
長野県は日照率が全国的に高いということもありまして、平成23年度末時点で、都道府県別住宅用太陽光の普及率は全国で6位です。最近の普及状況を申しあげると、平成23年度上半期3,426件、平成24年上半期4,361件ということで、今年度も着実に普及が進んでいると考えております。
ただ、太陽光発電の広い県民への普及のためには、多くの初期投資が依然として障害であるということも事実であると思っています。自然エネルギーを拡大するなかで、補助金に頼るのではなく、新しいビジネスモデル、仕組みによって対応していきたいと私は考えております。
飯田・松本・上田においては初期投資を軽減しながら導入を可能にする太陽光発電ビジネスモデルの取り組みが進められてきたところです。また、県としても自然エネルギー自給コミュニティ創出事業などを通じて太陽光発電の初期投資を軽減しながら設置するビジネスモデルなどの立ち上げ支援を行なっていくこととしています。
くわえて、来年度条例改正による導入を検討していますが、「建築物の新築時における自然エネルギーの導入検討制度」、こういった新しいビジネスモデルや制度により、太陽光発電の設置を促し導入を加速させていきたいと考えております。