○県の窓口への県民からの情報提供や問い合わせはどんな現状か。
○米軍の新型輸送機オスプレイの本土訓練開始にあたり、住宅密集地の上空は飛行しないなどの日米政府間の合意事項が守られない限り訓練は中止すべきであることを政府に申し入れていただきたいがいかがか。
<石坂議員>
米軍が沖縄の普天間基地に配備し、本日から本土での飛行訓練も始まる新型輸送機オスプレイの飛行訓練についてお伺いします。
オスプレイはヘリ・モードなどへの切り替えによる不安定な飛行で相次ぐ墜落事故を起こし、離着陸時の爆風による環境破壊などの影響で本国アメリカでは訓練もできない状況で、安全性に対する納得のいく説明が無いまま、仮配備された山口県岩国でも、その後に配備された沖縄でも、日米両政府の合意にも反して、住宅地や学校などの上空を轟音を立てて低空飛行しています。長野県も、北アルプス上空から新潟県へ抜けるブルー・ルートが訓練ルートとされており、県民の平穏な生活が脅かされるのではないかと危惧されます。昨年から今年にかけて、しばしば住民からの米軍機と思われる飛行機の低空飛行の情報が寄せられ、オスプレイの本格的な飛行訓練との関係も心配されています。
県は、米軍機やオスプレイの訓練飛行の実態を把握するための県民からの目撃情報の窓口を設置しましたが、現在までに、県民から県に対する情報提供や問い合わせの状況はいかがでしょうか。危機管理部長にお伺いします。
<危機管理部長>
オスプレイ等の目撃情報についてのご質問でございます。
オスプレイの飛行訓練の実態を把握するために、昨年の12月10日から、県民から目撃の日時、場所、飛行高度などの目撃情報の収集を行っております。昨日3月5日までに機種は不明の目撃情報でございますけれども、県民から17件寄せられています。
地域別には、東信で1件、南信で7件、中心で6件、北信で3件となっております。
<石坂議員>
この間、私たちのもとにも、幾度か県民の皆さんからの情報提供や問い合わせがあり、その都度、危機管理部消防防災課に問い合わせてきましたが、防衛省北関東防衛局を通じて、確かに米軍機であるとの答えが来た場合もあれば、結局わからずじまいのものもありました。もちろん、事前の連絡はありません。
すでに沖縄の普天間基地に配備されている垂直離着陸輸送機MV22オスプレイは12機、今年7月までに、もう12機が追加配備されることになっており、さらに2014年から2016年にかけて嘉手納基地に特殊作戦用離着陸輸送機CV22オスプレイの配備計画もあきらかになりました。沖縄では、オスプレイが配備された昨年10月、11月の2ヶ月間だけでも、県や市町村による監視活動で300件を超える安全確保違反が目撃されており、日米合意は早くも破綻しています。
いよいよ本日からオスプレイの本土訓練が開始されるにあたり、住宅密集地の上空は飛行しないなどの日米政府間の合意事項が守られる保障がない限り、訓練は中止すべきであることを、知事には国に申し入れていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
<知事>
オスプレイについてのご質問でございます。
オスプレイの飛行訓練に当たっては、県として県民の安全を守るという立場で対応していきたいと考えています。昨年9月、政府として安全性の確認がなされたわけでありますが、安全性に対する懸念が完全に払しょくされたとは言い切れないというふうに思っております。
本県では、飛行訓練ルート或いは訓練内容の詳細について、北関東防衛局に質問書を提出いたしました。全国知事会でも、オスプレイの安全性について関係自治体、地域住民の不安は未だ払拭されておらず、このまま本格運用が開始されることがあってはならない。政府において訓練計画、安全確保対策について、関係自治体等に対する説明を尽くし、責任ある対応を取る様、求めたところであります。
県として、オスプレイの安全性について県民の不安が完全に払しょくされたという認識ではありませんので、オスプレイの安全性に関する説明、あるいは日米合同委員会の合意を順守した具体的訓練の運用について、改めて要請してまいりたいと考えています。
<石坂議員>
今日からの本土訓練も当初の連絡では、九州のイエロールートという事でが、昨日突然四国から和歌山へのオレンジルートへの変更というような事で、勝手きままという感じで不安がつのります。是非引き続き注視をしていただき、必要な働きかけをお願いしたいと思います。
危機管理部長から17件情報がよせられたというお話があったんですけれども、戸隠などへの低空飛行の場合は、本当にはっきり機体の腹が見え、非常に耳をつんざく轟音で心臓が止まりそうだったというような情報も寄せられています。もう少し具体的な中身が分かりましたら、お答えをお願いします。
<危機管理部長>
目撃情報の詳細な内容という事でございます。
ジャンルで分けますと、危険が及ぶような低空飛行は無かったようであります。又、騒音について、大変うるさかったというのがその内2件であります。その他は、飛行があったというこういうような状況であります。
○県の認可外保育所への支援事業に、発達障害児の受け入れが増えている現状に見合う支援策を位置づけていただきたいがいかがか。
<石坂議員>
認可外保育施設への支援の充実について、お伺いします。
少子高齢化が深刻な社会現象となるなかで、未来への希望ある社会を実現していくうえでも、子育て支援はいっそう重要な課題となっています。
いわゆる認可外保育施設は、保育所への入所時期や保育時間の問題をはじめ、様々な事情によって認可保育所にはいることができなかった子ども達を受け入れて、働く母親達をサポートする重要な役割を果たしているところですが、近年、発達障害児の受け入れが急増しています。
先日、長野県無認可保育所連絡協議会の総会でお伺いしたお話では、ある保育所では、20名の園児のうち発達障害児が4名という現状で、多動をはじめ手が掛かる保育のために職員が振り回され、職員を増員せざるを得ないが資金的な保障はなく、運営に苦慮している状況が報告されました。認可外保育施設の宿命でもありますが、年度始めの4月は園児が少なく、年度途中で認可保育所へ入園できない園児を受け入れ、新年度になると認可保育所へ移る園児が減ると言う不安定な運営を余儀なくされている施設も少なくありません。
長野県では、認可外保育施設の果たしている役割を評価し、県として認可外保育施設児童処遇向上事業等での支援を行なっており、他県に比べても手厚い補助が行なわれていることは評価していますが、市町村を通じて申請するこの事業は、乳児から4〜5歳児までの年齢別の一般生活費分と保育士人件費分、児童用採暖費、延長保育事業、夜間保育事業、休日保育事業、一時保育事業、施設整備事業等のメニューになっており、いわゆる障害児保育加算などのメニューはありません。
発達障害児、発達障害者への支援が乳幼児期から対応できることは、ひとりひとりの子供たちの健やかな発達、成長にとって有意義なことであり、認可外保育施設が、認可保育所などで対応しきれない子ども達の保育で重要な役割を果たしていることに配慮し、認可外保育施設への支援事業に、発達障害児の受け入れに見合う資金的支援を是非とも位置づけていただけないでしょうか。健康福祉部長にお伺いします。
<健康福祉部長>
私には、発達障害児の受け入れにかかる認可外保育施設への支援についてというお尋ねでございました。
県では認可外の保育施設に対しまして、入所児童の向上を図る為、その運営や施設整備に対する要する経費につきまして、地域福祉総合助成金の中で助成を行っているところでございます。これは、県が1/2市町村が1/2でございますけれども、発達障害児の対応につきましては、近年認可保所におきましても課題となっているところでございまして、認可外の保育所におきましても、同様の状態にあるものというふうに推察しているところでございます。
県といたしましては、認可外保育施設の職員を対象とした発達障害に関する研修等のこういった側面的支援を、引き続き実施していく他、今後現状を把握した上で、必要な支援につきまして、これは1/2市町村負担でございますので市町村とも相談した上で、検討してまいりたいと考えております。
<石坂議員>
健康福祉部長から、市町村と連絡をとりながら積極的な検討をしたいという、前向きな答弁をいただいたと受け止めましたので、是非とも研修ばかりでなくて、資金的援助の積極的検討をお願いしておきたいと思います。
○県教委の調査結果で学校徴収金が過去最高額になったとのことだが、県教委の方針がなぜ現場で生かされていないのか。
○学校徴収金のうち、PTA会費の支出内訳で中学校では31%、高校では65%が教育のために支出した経費になっている。小学校等での個人持ちの教材の備品化と合わせて、教育予算の増額で学校徴収金の減額を図ることを検討するべきではないか。
<石坂議員>
学校徴収金についてお伺いします。
(1)2月25日付の県民新聞では、県教育委員会が行なった「学校納入金等調査」の結果、公立小中学校の保護者が平成23年度中に払った学校徴収金が、小学校で年間約8万円、中学校で年間約12万円で、ともに過去最高額になったことを報道しています。また、高校でも全日制で年間約5万1千円で上昇傾向にあり、過去3番目の高さとなっています。県教育委員会は、平成22年3月に「学校徴収金の基本的な考え方」を示して保護者の負担軽減を求めてきたはずでしたが、この方針が、なぜ学校現場で生かされていないのでしょうか。教育長にお伺いします。
(2)また、学校徴収金のうち、PTA会費の支出内訳を見ると、中学校では31%、高校では65%が、本来のPTA活動運営費ではなく、設備・整備充実費や部活動への補助として、教育のために支出した経費によって占められています。設備・整備充実費は、本来公費から支出するべきであると思われますし、従来から問題視されてきた小学生の算数セットやリコーダーなどの楽器をはじめ個人持ちとされている教材の学校での備品化等とあわせて、教育予算を増額して学校徴収金の減額を図ることを教育委員会の側から政策的に予算提案することを検討できないのでしょうか。教育長の見解をお伺いします。
<教育長>
学校徴収金についてのおたずねが二つありました。
(1)先ず最初に、学校徴収金の負担軽減についてのおたずねでございます。
県教育委員会では、学校徴収金の基本的な考え方について、を基にいたしまして、市町村教育委員会とともに小中学校における学校徴収金の負担軽減について取り組んでまいりました。この方針を受けた取り組みによりまして、小中学校において平成22年度にはわずかではありますが、学校徴収金が減額になりましたけれども、23年度におきましては、小学校で776円、1.0%相当でありますが、増の79,373円、中学校では918円、0.8%相当の増120,653円となっております。
この内訳でございますが、学校給食費は増加しておりますけれども、これは、食材の値上がりや、地域からの要望による地産地消の促進による負担増を理由としてあげられ、この生産者の顔の見える安全安心な学校給食にしたいという願いにも関わるものとしてとらえております。
一方、教科活動費についてでありますが、教材購入の見直しやテスト等の印刷費の節減の取り組み等によりまして、僅かではありますが、減額になっておりまして、方針の下にそれぞれの学校が地道に取り組んだ事の現れと考えております。また、遠足、修学旅行費についてですが、これはちょっと増になっておりまして、小学校で4%中学校で2%ほど増額になっています。この理由を学校に問い合わせたところ、いくつかの特色がございました。一つはですね、児童生徒数や学級減によりまして、借上げバスの一人当たりの単価が増加した例がございます。それから保護者や生徒の要望を受けまして、スキー教室や能楽鑑賞会などを新たに加えたというケース、あるいは東日本大震災の影響で、時期をずらして実施しようとしたところ、いろんな交通事情の関係で新幹線とバスの組み合わせをせざるを得なくなったという風なことで、交通手段の変更で増額になった例等がございまして、この部分が微増といいますか、増えた部分でございます。
なかなか目立った結果として出てこない部分もあるわけですけれども、今後は更に学校徴収金の負担の軽減が進むよう、小中学校につきましては保護者の意見を積極的に聞く場を設けることや、学校関係者評価の項目に加えることなどについて、市町村教育委員会や校長会に働きかけてまいりたいと考えております。県立学校につきましては、本年度より、学校ごとの学校徴収金の支出金額を公表しまして、各学校がそれぞれの項目について他校と比較してどこに工夫の余地があるのかというふうな事を考えてもらい、負担軽減が図られるよう徹底してまいりたい、こんなふうに考えております。
(2)次に学校徴収金減額のための予算提案についてのおたずねでございます。
議員ご指摘の様に、PTA支出の中の65%が教育のために支出した経費という形で括っている訳ですが、その中身を申し上げますと、部活動への補助などに充てられた学習活動費の割合が最も高いと。およそ1/2強。全体のこのPTAの支出のなかに占める割合についても、35.4%というふうになっております。それから施設設備費充実とのご指摘でございますけれども、こちらは全体のなかで言いますと1.7%相当でありまして、主に100周年記念事業等の周年事業の時に支出をいただいたとこういったものでございます。
学校徴収金につきましては、学校徴収金の基本的な考え方の中で、公私の負担区分を明示しておりますけれども、部活動への補助は利益が個人に還元されるために、原則として私費負担とする経費として分類しているところでございます。また、備品の補充につきましては、その共通の水準を質的量的に上回る部分については、私費負担も可能としておりまして、何れも公費負担の対象には当たらないというふうに考えております。
<石坂議員>
かつて、小学校の机が木製からスチール製に企画が変わり、引き出しのない机となりました。引き出しがなければ、お掃除などで机を持ち上げた時には、中に入れてあるものが飛び出してしまうし、整理整頓もしづらく、やっぱり引き出しは必要と、プラスチック製や木製の机の引き出しが、家具屋さんやスーパーマーケット、雑貨屋さんの店頭に並ぶことになり、保護者は学校の指示で、その机の引き出しを子ども達のために買わなければなりませんでした。小学校の6年間使っても壊れない机の引き出しを、卒業する時には各家庭に持ち帰りましたが、結局はごみになる運命です。こんなことは不合理ではないか、机に引き出しがあるのは当たり前のことなのだから、学校の備品にしてほしいと言うお母さん達の運動が行政を動かし、徐々に各市町村が自治体負担の公費で机の引き出しを用意することになり、個人が入学する時に机の引き出しを買うと言うことは必要なくなりましたが、そうなるまでには長い年月が必要でした。
これは、私自身が、自分の子ども達の子育て時代に経験したことですが、一般の常識とは少しずれている学校独特の世界、机に引き出しはあってあたりまえなのに、規格品の机には引き出しがなく、それを補う引き出しは、当然のことのように保護者に購入させるというような、上から目線の学校の論理は改めていくべきではないでしょうか。
数を学ぶのに必要な算数セットも、小さいたくさんのコインのような形をしたものや何本もの棒状の物に、ひとつひとつ名前のシールを貼るのに保護者はかなりの時間を費やさなければなりませんが、使うのはわずかの期間で、使い終わった算数セットを自宅で使う機会などはほとんどなく、これもごみになる運命で、学校で教材として用意しておき、無くなった分だけ補充すれば、名前のシールをひとつひとつに貼り付ける必要もないのにという声がありながら、何年たっても個人での購入が義務づけられる現状は変わりません。
また、市町村ごとに対応が異なりますが、学校での教材や保護者へのお知らせなどに使う紙代も、公費で負担しているところもあれば、学年費などの保護者負担にしているところもあります。
義務教育は本来無償の原則がありながら、さまざまな保護者負担をさせている現実を、学校徴収金の負担軽減のための見直しで、本来のあるべき姿を検討していくことが必要ではないでしょうか。
<教育長>
基本的なお考えをお聞きしました。
私共、原則公費で充てるべきもの、原則個人私費でやるべきもの、そしてちょっと曖昧な概念の部分でありますけれども、基本的には公費でありつつ、私費も上乗せしてもいいんじゃないかとそういう部分、この三つの基準について示した訳でございます。そうゆう中で議員ご指摘の様な、公費の考え方そのものを発想転換してどうだ、というご指摘もございました。
現在のところは、3年前に基本的な考え方を定めまして、本当に必要なのかどうかという教材についてもいろんな具体例をお聞きしましたけれども、本当に必要なのかどうなのかというふうなことをですね、先ほど申し上げたように、保護者の方とかあるいは学校に対する評価というような形で、保護者の方の意見を吸い上げる中で、やはり検討していくというふうな作業を先ず必要ではないかと考えておるところでございます。
<石坂議員>
かつて長野県内でも、例えば上伊那地方で、ブラジル人の労働者の大量離職を生み出すなど保護者が不況の嵐に襲われ、学校給食があるウイーク・デーは何とか過ごしている子ども達が、満足に食事も取れない土曜日、日曜日を家庭で過ごしたあとの月曜日には青い顔をして登校してくる子ども達がいることに心を痛めた当時の伊那北小学校の校長先生が、校長室にカップラーメンなどを用意して子ども達に食べさせたり、日本語とポルトガル語で憲法と教育基本法の教育を受ける権利についてプリントした学校通信で、まだ使える楽器やランドセルをはじめとする個人もちの教材の提供、リユースなどを呼びかけて、生活用品も含めた学校ぐるみの暖かい助け合いのネットワークが広がった経験がありました。
今、大企業の増え続ける内部留保が260兆円を超える一方で、日本の労働者の平均賃金は14年間で約70万円減り、男性では3人にひとり、女性は2人にひとりが非正規雇用の労働者となり、長野県の有効求人倍率もいまだ0.83倍で、働きたい人ひとりにひとり分の仕事がありません。就学援助を受ける子供たちも急増している現状の中で、義務教育無償の原則が生かされ、子供の学ぶ権利が経済的に脅かされることの無いように、教育費の保護者負担の軽減、学校徴集金の軽減のために、本腰を据えて取り組んでいただきたいと思います。厳しい県財政の現状ではありますが、教育予算の確保、増額に決意をもって取り組んでいただきますように、山口教育長、阿部知事に、それぞれお伺いしたいと思います。
<教育長>
教育予算の確保についてのおたずねでございます。
十分な説得性、説得力とかですね、それを裏付けるエビデンスと言いますが、そういったものをきっちり整えて、お願いしていきたいと、これは全ての教育予算についてそういった考え方でやっていただきたいと考えております。
<知事>
教育予算増額への決意というご質問でございます。
厳しい財政状況とはいえ、生徒の子どもたちの学習環境は、優先的に考えなければいけない問題だというふうに思っております。学校徴収金の問題、私もかつてご質問を受けてですね、教育委員会からお話を聞くという、答弁をさせていただきましたが、この問題、いくつか論点があるのじゃないかなと思います。
一つは本来、行政、税で予算措置すべきものがどこまであるのかどうかを、先ずはっきりさせなくてはいけない、と思いますし、また公費いわゆる税、あるいは負担金という形の公費にならない訳ですので、その金額決定とか、どのレベルにするかこの意思決定のプロセスというものも実は、もっと真剣に考えなければいけないのじゃないかと思いますし、先ほどのご質問の中にもありましたけれども、やはり2回3回活用できるようなもの、リユースの余地、本当にないのかということ、それから経済的に困窮されている方々に対しての配慮というものが充分行なわれているか、こうゆうことはやはりしっかり考えていかなければいけないだろうと思います。
教育委員会に対しては、先般も質問に答えて、例えば灯油代の問題とか、図書費の問題とか、様々この教育に必要な予算というものがある訳でございますが、是非しっかり、他の県の状況とか客観的に先ず分析をしていただいて、そうしたなかで見直すべき点をしっかり見直して、子どもたちに対してしっかりと良い学習環境を構築できるように、教育委員会と連携して取り組んでいきたいというふうに思います。
○設立準備委員会は長期にわたって開かれず、県民に見えなくなっている現状は異常である。良い基本構想案を策定するためにも、開かれた議論の場所を早期に保障するべきではないか。
○新県立4年制大学が目指すべき大学像の基本には、今日までの議論の歴史的経過と到達点をいかし、現短期大学の発展的改組であると言う点を揺るがず据えるべきではないか。
<石坂議員>
県立4年制大学についてお伺いします。
4年制大学設立準備委員会は昨年9月に第4回委員会を開き、県が提案した基本構想素案を公表してパブリック・コメントをとることを確認し、公表された素案に対する700件を超えるパブリック・コメントや県議会の議論等から修正を余儀なくされたまま、5ヶ月以上にわたって開催されず、検討の状況が県民から見えない異常な状態になっています。議論を取りまとめて調整し、方向性を提案していく事務局の役割は重要ですが、事務局案が提案できないから準備委員会を開かないというのでは、開かれた県政とは全く逆行するものです。準備委員会を早期に開催するべきだと思いますが、責任者である和田副知事のご見解をお伺いします。
また、改めて、阿部知事に、めざすべき県立4年制大学像についてお伺いします。
昨年9月に提案された基本構想案素案が大きな波紋を呼び、議論続出の様相となった大きな原因は、今日までの歴史的経過と到達点が事実上無視され、かみ合わないものとなったからではないでしょうか。同時期に設立された他県の短大はほとんどが4年制大学となり、人材育成で果たしてきた役割も時代の流れの中でかみ合わなくなりつつある中で、県短大の4年制化を願う請願が県議会で全会一致で採択されてから、もう20年以上の歳月がたちました。前村井知事の時代に、包括外部監査からの「管理栄養士養成過程を軸にした四年制大学とすることが必要」との報告を受け、検討委員会でのケンケンガクガクの議論を経て初めて庁内に4年制大学検討のための専任の職員が配置されました。その後の阿部知事の決断、顧問の委嘱、設立準備委員会の議論へと進んできたわけですが、新県立4年制大学が目指すべき大学像の基本には、今日までの議論の歴史的経過と到達点をいかし、現短期大学の発展的改組であると言う点を揺るがず据えるべきではないでしょうか。知の拠点として、イノベーションをおこすグローバル人材の育成を大きくかかげつつ、そもそもの出発点が揺らいでしまえば、毎年、高校生の8割、2000人もの学生が県外に流出してしまうと言う現状を打破し、県内の国公私立大学とも連携しながら、よい意味で競い合って長野県での人材育成の役割を担っていくことはできません。知事のご見解を改めてお伺いします。
また、管理栄養士養成課程などの問題で私学との競合が問題視されているかに思われますが、卒業後の進路の選択肢を新しい中期総合計画が描く長野県の未来につなげていく、例えば「健康長寿世界一」を達成していくための人材育成などの課題を、開かれた議論の場所を保障して大いに議論するべきではないでしょうか。私学関係者との丁寧な合意作りは大切なことですが、良い基本構想案を策定するためにも、何度も仕切りなおしはできません。県と私学が水面下でと言うことにとどまらない、県民に開かれた議論の機械が必要ではないかと思いますが、知事の所見をお伺いします。
<和田副知事>
設立準備委員会の開催についてでございますけれども、直近の設立準備委員会は今お話にありましたように昨年9月に開催いたしまして基本構想素案についてご議論いただいたところでございます。その後県議会でのご議論あるいはパブリックコメントを通じまして、大変広く県民の皆様からご意見を頂戴したところでございまして、また高校の関係者、経済界、県内私立大学等の関係者の皆様の他、設立準備委員の皆様からも個別にご意見をいただきながら検討を深めているところでございます。引き続き大学関係者との意見交換を重ねますとともに、お尋ねの設立準備委員会を開催しまして、これまでいただいたご意見の中から見解の分かれているものなどを委員の皆様にご説明し、基本構想策定に向けた議論をお願いしたいと考えております。
<阿部知事>
県立大学についてのご質問でございます。4年制化につきましては、県短を改組して新しい4年制大学を設置するということにしたわけでございます。新しい県立大学の設置にあたりましては県短期大学がこれまで果たしてきた役割を評価しつつも新しい時代の要請に応えていくという観点が重要だと思っています。グローバルな視点を持ち社会にイノベーションを創出していく人材の育成、そして知の拠点として地域を牽引していくことのできる大学としていきたいと考えております。基本構想の策定について開かれた議論の機会をというご指摘でございます。素案、準備委員会に提出されて以来さまざまご意見を頂戴してきたなかで検討、関係者との意見交換ということを行ってきているわけですが、この間の議論が県民から見て見えづらくなっているというのは私も率直に認めなければいけないと思います。今後県立大学設立準備委員会でも素案からの検討状況あるいは意見交換を踏まえた状況をご報告してご議論いただいて、ぜひ県民の皆様方にも見える形で基本構想の策定を進めていきたいと考えております。
<石坂議員>
県民から見えない議論になっているのは良くないと、見える形で基本構想案の策定を議論したいと、知事からご答弁いただきましたので、ぜひその方向を進めて頂きたいと思うわけですが、私もその9月の第4回の準備委員会を傍聴させていただきました。パブコメにかけられる段階での素案について準備委員会の委員さんの全てのメンバーがこれで行きましょうという状況では実はなかったのが事実だと思います。でもとにかくパブコメをとってみましょうという事務局案を了承したという形で、その後のパブコメの状況が今ずっと経過を確認させていただきましたがそのような状況です。
であるならば、改めて副知事に準備委員会の開催時期を含めてその開き方についてお聞きしたいわけですが、これだけのパブコメが出たと、個々に今事務局が非常に苦労していただいて色んな関係者に説明されたり意見を聞いていただいている、そのことはご努力は承知しているわけですけれども、その開かれた場所でこれだけ出たパブコメをどう受けとめるのか、どう活かすのか、どう評価するのか、また違うのか、その議論をすればいいじゃないですか。次の準備委員会はいつ開催するのでしょうか。もう本当にそこが先が見えないということが苛立ちにもなっている状況なんですけれども、責任者の副知事としてはこの努力をいつまで続けて見える状況をつくるのか、いつごろの開催を、早期にとはおっしゃっていただくんですけれども、こんなことで本当に大学ができるのでしょうかと県民からは心配の声も聞かれてきますので、事務局が案をまとめられなければ開けないということじゃなくて、ぜひ開かれた議論をしながら作っていく、そういう民主的な議論の場を県が提供することが必要だと思うんですが、その点をお伺いしたいと思います。
ちなみに第4回準備委員会である委員さんがそういう意味での基本構想案につながる自分なりの提案をプリントで配って議論してもらおうと思ったら、それはちょっとやめてと事務局から言われたとお聞きしました。そうやって開催された第4回準備委員会なのに、他のある委員さんはあれあれというふうに自分の意見表明したい関係資料を配って表明するというようなとてもちぐはぐな運営もありましたよね。全体としてせっかくお願いした準備委員のみなさんが県民に見えるところで開かれた議論、それを保障するのが責任者である副知事の役割と思いますが、いかがでしょうか。
<和田副知事>
まず開催時期のことですが、この時期、委員の皆様の日程調整が大変難しい時期で、そういう難しい面もございますけども、私どもとしてはできる限り早く開催してまいりたいと思っています。それから、開催のなかでどのようなやり方でというお尋ねでございますが、多くの意見を頂戴する中でやはり見解がかなり分かれているものもなかにはいくつかございます。私も実はそういった点を分かりやすく資料としてお示しする中で、県民の皆様にも分かりやすい形でお示ししながら、委員の皆さんにはその辺を活発にご議論いただきたいと考えている次第です。
<石坂議員>
くれぐれもお願いしたいと思います。
確認で知事にお伺いしたいと思いますけれども、すでに提案されている「長野県総合5カ年計画」(案)では、「教育再生プロジェクト」の「アクション5」で、「・・・県内の高等教育全体を振興するとともに、県立4年制大学を設置します」とし、「主な取り組み」として、「グローバル社会に対応し、地域や産業にイノベーションを創出していく人材を育成するため、長野県短期大学を改組し、新たな県立4年制大学を設置します。」と位置づけられています。現時点で、設置時期を含めて先行きが見えにくくなっているかに見える県立4年制大学ですが、知事は、平成25年から29年度までを計画期間としている次期5カ年計画実施期間中の早ければ3年後の平成28年4月に、遅くとも計画最終年度の平成29年4月までには、新県立大学を開学すると言う覚悟を持って、この懸案事項に取り組んでいるという理解でいいのでしょうか。知事のご見解をお伺いします。
<阿部知事>
4年制大学の開学時期についてですが、今検討中でありまして、私もいたずらに議論を繰り返すつもりはありません。しっかり論点をはっきりさせて様々なご意見の中でどういう道を選択するかと言うことをきっちり固めていかなければいけないと思っています。その上で中期計画に記載させていただいているわけでありますので、計画期間中に開学することを目指して全力で取り組んでまいりたいと思っております。
<石坂議員>
今が生みの苦しみという時期と思いますけれども、この苦しみを乗り越えてぜひ県民が期待できる素晴らしい4年制大学をつくっていただきますように心から期待いたしまして、全ての質問を終わらせていただきます。