<高村議員>
長野県がめざす新たな「総合医療5か年計画」が策定され、7つの分野を統合し健康医療の方向を総合的具体的に示されました。長野県は「健康長寿日本一」となりました。すべての県民がさらに健康で安心して老いてゆける長野県へと願います。
平成21年から5年間にわたり、特に地域医療の疲弊が強い上小と上伊那地域に配分されている25億円の地域医療再生基金が、25年度をもって終了します。
上小地域では、基金25億円に地域市町村でさらに上乗せをし、開業医の協力による夜間救急センターの充実や10の輪番病院の支援、信州上田医療センターに信大の支援による医師研修センターの設置、東御助産所開設・上田産婦人科病院の新築、上小地域診療情報ネットワークシステム導入などに活用され、1次から2次医療まで完結できるよう体制が整いつつあります。しかし医療圏で必要な「周産期母子医療センター」や「地域がん診療拠点病院」はまだ実現せず再生の途上にあります。
上伊那地域ではどうでしょうか。上小地域と合わせて医療再生基金の活用状況とその成果と課題について、さらに今後どのような取り組みを考えておられるのか健康福祉部長にうかがいます。
<健康福祉部長>
私には地域医療再生計画の一次分の上小・上伊那地域の進捗状況についてのお尋ねでございます。
平成21年度に策定いたしました一次分の地域医療再生計画のうち、上小医療圏の計画ですが、医師確保、救急医療及び周産期医療の体制整備を柱にしました。上伊那医療圏の計画は公立3病院の機能再編を柱に据えて、各々医療を推進してまいりました。
上小医療圏ですが、今ほとんど議員にご指摘されてしまったところですが、これまでに上田市立の産婦人科病院の移転・新築とか東御市民病院の院内助産所整備が完了しました。周産期医療体制が整備されてきていると思っているほか、内科の初期救急医療施インターや二次救急医療を担う輪番病院、こういった支援によって救急医療体制が強化されてきたところです。
一方上伊那圏域ですが、伊那中央病院の救命救急センターの整備です。これまで昭和伊南総合病院が救命救急センターとして指定を受けていましたが、今回の再生計画役割分担を踏まえて伊那中央病院に救命救急センターを設置することとしました。逆に昭和伊南総合病院においては回復期の機能を担うということで、回復期のリハビリテーション機能の整備を行われ、さらには町立辰野病院については移転・新築による回復期機能の整備が図られるということなど、公立3病院の機能分担と連携が着実に進んでいると思っております。
また、両医療圏とも各々の計画に基づいて信州大学との連携によって医師の確保が図られているほか、修学資金の貸与事業等を通じた看護師の確保も行っているところです。
これも議員ご指摘の通り、平成25年度が最終年度ですが、今後事業が確実に完了するよう支援していくこととともに、平成26年度以降も計画による効果が継続するよう、これは圏域内での取り組みについて、圏域の自治体も含め関係者間の検討協議を検討して促進してまいりたいと思っています。
<高村議員>
地域再生計画の活用によっても、まだまだ上小と上伊那さらに木曽地域では医師の不足状況は深刻です。今後の医師確保について、特に底上げの支援と医療再生にむけての引き続きの支援をお願いしておきます。
県の医学生奨学金制度規定では、6年間奨学金を受けた場合、返還免除を受けるには、1.5倍の9年間長野県内の公的病院で働くこと義務付けられています。基礎研修2年専門研修3年の後の4年間の病院配置は公立・公的病院のみが対象とされています。医師確保の県の支援策の対象は狭い意味での公的病院にとどまらず、救急医療体制にくみこまれている病院等も対象とするなど、全県的なレベルアップにつながる支援に前進させるべきではないでしょうか。
看護学生奨学金の仕組みはそのようになっているとお思いますがどうですか。健康福祉部長に伺います。
<健康福祉部長>
医師・看護師の確保について2つお尋ねです。
まず医師確保についてですが、先ほど金子議員のご質問への回答にも関連するのですが、平成22年末の人口10万人あたりの医療施設のを見ると、平成20年末の前回調査に比べて上小医療圏域では上回りましたが、上伊那圏域・木曽圏域では下回ったということです。このため診療機能を維持向上させていく必要があることから、信州総合医療計画においてはすべての医療圏で平成29年度には現状維持以上とすることを目標としたところです。今後とも地域偏在の解消を目指して地域医療再生事業の推進とともに、信州医師確保総合支援センター、これは一昨年10月から設置していますが、におきまして、分室が信大と県立病院機構にありますのでこういうところの連携を深めてドクターバンク事業や医師研究資金貸与によって、公立・公的病院のみならず民間病院等も視野に入れた総合的な医師確保に取り組んでまいりたいと考えております。
また特にご指摘の医師修学資金貸与ですが、当面配置できる医師の数というのは限られておりますのでまずは公立・公的病院を配置対象としておりますが、将来的に廃止の充足状況あるいは配置可能数を見ながら、配置先の拡大も検討していきたいと思います。
次に看護師確保ですが、議員ご指摘の3つの医療圏、上小・上伊那・木曽地域については平成22年末の人口10万人当たりの看護師数が全国平均を下回っているということですが、信州保健医療総合計画においては、平成29年度に向けて全国水準を目指すことを設定したところです。県ではこの3医療圏について、地域医療再生計画に基づく地域独自の修学資金や看護師養成学校の整備、充実に支援を行うことによって看護師確保対策に取り組んでいるところです。
地域の中小規模の医療機関への就業の誘導策としては、看護職員の修学資金貸与事業を実施しており、平成24年4月にはこの貸与を受けた64人の看護師さんが中小規模の病院や診療所に就職しています。さらにこうした従来の取り組みに加えて今年度は県内医療機関の求人情報を全国に発信するホームページの構築に取り組んでいます。平成25年度は県内外の学生の就職ガイダンスと中小規模の病院見学会を組み合わせて新たな事業を実施するなど、よりいっそうの確保対策を講じてまいりたいと思っています。
<高村議員>
医療現場は、24時間の体制が必要です。体制が薄くなる夜でも入院患者のケアー、救急患者の対応や緊急入院手術など対応に大変なご苦労をいただいております。夜勤と子育ての両立なくして、医療現場は成り立ちません。最近は女性医師の比率が増えています。お産は夜から明け方のケースが多く発生しています。夜勤と子育てが成り立たず、子育てに専念せざるを得ない女性や再就職に踏みけれない方もいます。医師・看護師確保策として次のことを提案します。
命を守るために24時間体制で働く女性医師や助産師看護師などを地域全体で支えるために、市町村とともに医療機関等とも協力して、休日や夜間の保育・託児所の体制を整備してゆく必要があると考えますが、いかがでしょうか。
健康福祉部長に伺います。
<健康福祉部長>
現場で働く女性のための保育・託児所の体制整備というご質問です。保育の提供は一義的には市町村が行うとされていますが、県では市町村からの要望に応じて休日保育等に対する財政的支援を行っています。昨年度においては18市町村23カ所において休日保育が実施されました。
なお病院内保育への支援については平成24年度は28病院に対して運営費の助成を行っています。そのうち10病院が200床未満の中小規模の病院です。この10病院のうち3病院に対してはさらに休日や夜間の保育の実施も助成しているところです。県としてはこうした取り組みを続けて、医療現場で女性が働き続けられる環境づくりを引き続き支援してまいりたいと思っています。
<高村議員>
活力ある長野県を維持するためには、人口減少を抑制する少子化対策が必要です。新しい命を確実に受け止める体制が求められています。しかし県内でお産ができる医療施設は平成14年61施設から平成22年には45施設と減っています。一方産科で働く医師は186人から191人と増加し少しずつでも改善の兆しが見えてきました。
今後の方向を示す「総合医療5か年計画」では「県内で里帰り出産を希望する妊婦は、制限せずに受け入れられる体制の確保に努めます」と目標を掲げたことを歓迎します。高齢出産も増えておりリスクを背負ったお産から自然な環境でお産を希望する方など、高度周産期医療施設や地域の病院・診療所を、さらに助産師による助産所や在宅出産など、すそ野を広く重層的なお産の仕組みへ、施設整備の方向を強める時期に来ているのではないでしょうか。
健康福祉部長にご見解を伺います。
<健康福祉部長>
分娩を取り扱う施設の整備に関するお尋ねです。
分娩を取り扱う県内の病院診療所及び助産所の数は、産科医・産婦人科医の減少に伴って平成20年に59の施設まで減少しましたが、その後徐々に回復して平成24年12月現在63施設となっています。さらに平成25年度中には2つの病院で分娩の取り扱いが再開されると聞いております。
これは、医師確保対策とかそういう関係機関の努力によるものと認識していますが、県としては引き続き産科医・助産師等の確保に取り組むとともに、分娩を取り扱う医療機関の整備・運営の支援を行ってまいりたいと思っています。
また本県では正常分娩からハイリスク分娩に到るまでの周産期医療機能の分化と連携を図っていく、周産期医療システムと呼んでいますが、これは今のところ円滑に動いている状況です。引き続きこのシステムの効果的な運用を図るとともに安心して分娩のできる周産期医療の提供体制を確保していきたいと思っています。
<高村議員>
地域のお産を扱う病院や診療所の充実、助産師の活動支援によって、いつでもどこに住んでいても里帰り出産でも、安心してお産ができる長野県へといっそうのご尽力をお願いします。そして子育て日本一を目指す長野県はこども医療費の窓口無料化への実現も合わせて要望しておきます。
<高村議員>
次にガソリンスタンドなどの地下タンク改修への対応について伺います。
県消防課は、地下タンク流失事故防止対策に関わる措置状況について、経過措置期限の1月31日時点での調査を行い、実態が明らかになりました。先日の一般質問に久保田危機管理部長から報告がありました。
宿泊施設等の事業所では措置対象1009施設の内、改修済みは80施設、改修率7,1%、ガソリンス改修率48,7%、灯油販売所などでは、措置対象94施設の内、改修済みは19施設、改修率20、2%です。
経過措置期限を過ぎてもなお、改修が進んでいない現状をどのように受け止め、対策をとられるのか、大変に悩ましい思いをしておられると察しますが、危機管理建設部長に伺います。
<危機管理部長>
ガソリンスタンド等の地下タンク改修に関する質問です。
県としての受け止めということですが、地下に埋設されたタンクは外から見えにくいということですので、油類の漏えいの発見が遅れる可能性が高く、また事故が発生すると火災の危険はもとより周辺環境への影響、多額の汚染修復費用が掛かるなど、深刻な事態を招きかねないと考えております。
私のほうは消防法を所管する立場でございますので、安全確保のために改修が終わっていないタンクについては早急に対応すべきものと認識しております。
なお、期限までに改修を終えていない施設については所管の消防本部において立ち入り検査の実施や改修計画の提出などの指導を行っております。また、やむを得ず改修までの期間が長期化する場合には消防本部からタンクを所有する事業者に施設の定期点検やタンクからの油漏れの頻度をあげるよう指導するなど一律でなく実情に応じた対応を行っております。
<高村議員>
消防課のまとめでは、県内34のガソリンスタンドが休廃止の意向を示しているとのこと。すでに、価格競争や深刻な地域不況の影響を受け、多くのGSが閉鎖をしています。またここにきてガソリンや灯油の値上げが著しく、利益の縮減などぎりぎりの経営努力を行なっており、今踏ん張っている事業者も、改修に必要な数百万から数千万円の改修費用の負担は、重くのしかかっています。
またホテル旅館などの観光業者も厳しい経営を余儀なくされていますが、自家灯油タンクの改修も見込めず、苦しんでおられると察します。観光立県長野としても放置できない現実です。
また車を運転できない人や高齢者は、灯油の配達を依頼するとリッター5円から10円など配達料金が上乗せされてしまいます。
上田市内の方の声です。「一人年金での倹約生活です。灯油はタクシーを使って買いに行きます。先日いつものところに行ったら、灯油の値上がりにびっくり、その上来月からお店を閉鎖すると言われたの、これからもっと遠くのGSに行かなければならなくなりました」とのこと。
地域になくてはならない給油所を守り、観光や暮らしを守るために、県はどのような支援や対策をとられるのか、商工労働部長に伺います。
商工労働部と危機管理消防課・観光部とも連携して相談窓口や対策強化会議などの対策を早急にとって改修促進を図っていただきたいがいかがか。商工労働部長に伺います。
<商工労働部長>
ガソリンスタンド等に対する支援の関係です。
ガソリンスタンド等地下タンクの改修に関わる支援策については、先日小池清議員のご質問にお答えしたところでして、地下タンクの改修を促進するため、新事業活性化資金の貸付対象者に地下タンクの流出防止対策を講じようとする方を新たに追加して4月1日から利用を開始するところです。
貸付率については一般的な資金を0.2%下回る2.1%にして支援保障料の8割を県市町村が補助することによりまして中小企業の負担軽減を図るとしたところです。
また、中山間地域など県民生活に欠かせないガソリンスタンドの存続が危ぶまれる地域につきましては地域の生活基盤としてのガソリンスタンドをどう守っていくかについて市町村、地域を中心に十分な議論を重ねることが必要だと思っております。県内には住民主体で設立された株式会社などが廃止予定のガソリンスタンドの経営を引き継いだ例があることも承知しております。主として下伊那郡です。こうした場合には創業支援基金を含む県の創業事業に関する支援策をご利用いただくことも可能でして、事実、そのうちのひとつについてはこの創業支援基金を利用していただいています。
また、ホテル旅館等経営に不安を抱える事業者の方には、中小企業振興センターによる経営相談や専門家派遣等の支援策も用意していますので、ご相談を賜りたいと思っています。県民生活の重要な基盤となっているガソリンスタンドや地下タンク貯蔵所を有する旅館ホテル等について引き続き支援をしてまいりたいと考えています。
<高村議員>
さらに知事には、この事態をどのように受け止めておられるでしょうか。市町村とも連携した改修への対策をとっていただきたいことと、国に対し、改修に必要な費用補助など積極的な救済対策を求めていただきたいと考えますが、いかがですか。知事に伺います。
<阿部知事>
ガソリンスタンド等の地下タンクへの考え方対応についてのご質問です。
先ほど危機管理部長、商工労働部長からそれぞれ答弁申し上げた通り、県の立場は二通りあります。
一つは規制をしっかり守ってもらうように消防本部等通じて徹底をしていくということ。もう一つは地域のある意味で拠点としてのガソリンスタンドを維持存続、出来るだけしていただけるように取り組んでいくという、二つの側面があろうかと思います。
一点目の側面については先ほど危機管理部長が答弁したように立ち入り検査、改修計画の提出などしっかりやっていきたいと思いますが、その反面実情に応じた対応も必要だと思っています。
地下タンク改修への支援については商工労働部長から答弁させていただいたように長野県として、私もご要請いただきましたので具体的な対応を必要じゃないかということで、まずは実態を調査させていただきましてそのうえで先ほど商工労働部長から答弁したような、県制度資金の拡充という措置を講じることとさせていただきました。創業支援基金等の活用も含めて、まずは今回新しくこの新事業活性化資金の地下タンク流出防止対策については、金融機関等と相談したうえで4月1日からスタートしたいと思っていますので、その利用状況を聞きつつ、また市町村等のお考えも聞く中で必要な対応があれば考えていきますが、まずは私どもとしてはこの措置についてしっかりと普及して活用を促進していきたいと考えております。
国に対しては政府がこういう基準を作ったわけです。これについては私どもとしては、まずは基準をしっかり守らなければいけないと思いますが、ただこれはおそらく、都会の観点と長野県のように非常に自動車依存が高い、あるいは地域の灯油等の供給の核となっているガソリンスタンドの数が面積当たりの数としては少ない地域においては必ずしも実情が同じじゃない部分もあるかなと思います。私どもとしてはできる対応をしているわけですが、少し制度的補助金等の対応も含めて必要があれば考えていきたいと思いますが、まずは地域の皆さんの主体的取組そして私どもが新しく講じた制度についての普及をしっかりと行っていきたいと思います。
<高村議員>
県道路公社管理の三才山、新和田、上田市内の平井寺トンネル料金は上小地域住民にとってその負担は大変に重いものがあります。
昨年5月に建設部が実施されたトンネルアンケートでも、通勤通学受診等での利用が大半を占めております。深刻な経済不況によって各事業所や家庭収入も落ちている現状の中、特にこの三トンネルを日常的に利用せざるを得ず、普通車往復で三才山は1000円、新和田は1200円、平井寺は400円です。この料金の軽減化への願いは切実なものがあります。
昨年10月24日、菅谷松本市長と母袋上田市長は、三才山トンネル料金の無料化を阿部知事に要請されました。
また、2月22日、平野議長を先頭に上小地域5人全員の県会議員と松本地区県会議員、上田東御長和青木村の村議会議長をはじめ担当常任委員会議員、鹿教湯地域の地域観光商工関係の方、鹿教湯三才山リハビリセンター幹部の方など総勢36名の皆さんが、知事あてに三トンネルの早期無料化ないし軽減を求めて要望を行いました。三トンネルの無料化ないし料金軽減についてどのようにご検討いただいていますか。建設部長に伺います。
<建設部長>
有料道路の無料化または利用者の負担軽減についてのお尋ねです。
有料道路事業は県出資金、政府貸付金、金融機関等からの借入金により道路の建設を行っているものであります。このため有料道路の早期無料化にあたっては道路公社の未償還金を県が負担する必要があり、財政上の理由から実施は困難と考えておりますので、現在利用者の負担軽減策の検討を行っているところです。
昨年5月に有料道路の利用実態調査を実施しまして、通勤・通学・通院を目的として利用されている方、また一週間に複数回利用されている方の割合が多く、生活道路として利用されていることが明らかになりました。
負担軽減策を実施するにあたっての財政負担や財源の問題など様々な課題がある中で、有料道路を日常的に利用されている県民の皆様の負担軽減に向け、利用されている方が多くお住まいの沿線市町村と連携した負担軽減策について検討をしているところです。
<高村議員>
当初、三才山トンネルの無料化は平成18年10月30日、新和田は平成20年10月3日とされていました。のちに建設した松本トンネルは昼間100円夜無料ですし、岡谷への延伸とする3本のトンネルは、料金所がなく料金を徴収していません。
さらに、三才山・新和田・上田市内の平井寺トンネルは、建設料金の内政府貸付も市中銀行の償還もすでに終了しています。
県道路公社の理事長でおられる和田副知事にどのようなご認識か伺います。
<和田副知事>
三才山新和田平井地3トンネルはもう償還が済んでいるではないかというお尋ねですが、平成23年度末において三才山有料トンネル道路全体では68億円、新和田トンネル有料道路では約104億円、これは県出資金、政府貸付金、金融機関借入金の合計でございます。
また平井地トンネル有料道路では約11億円の県出資金がそれぞれ未償還金として残っている次第です。
この三才山トンネル有料道路については平成6年に松本トンネルを加えまして、また新和田トンネル有料道路については平成16年にコウフクトンネルなどを延伸したわけです。これは利用者の多くが共通していて一連として利用されるなど交通上密接な関係にある区間については一帯の有料道路として扱うことが適切であるとの判断、あるいは新設不安の採算性などを考慮した結果でございまして、それぞれ県議会による議決あるいは国の許可といった手続きを経て進めたものです。
この結果、それぞれ料金徴収期間が当初よりも長くなりましたが、この対応によって松本トンネルやコウフクトンネルなどの整備が可能になったものと考えています。
<高村議員>
北信地域の県管理道路は、多くが昼間100円夜間無料と軽減されています。この三トンネルの平成23年度の料金収入は約25億円で、全トンネル料金収入総額32億円の75%も占めています。上小地域住民は公平ではない重い負担が長く課せられていると感じています。
鹿教湯三才山病院には、重症筋ジスの患者さんが療養される「指定療養介護事業所かりん」があります。三才山病院で今年の1月患者さんからアンケートを取ったところ、中信地区からの利用者は117人で利用者全体の52%つまり半分以上の方は三才山トンネルを利用して通院しています。
ご家族の中には、毎日来院されている方がおられ、年間のトンネル代はなんと36万5千円にもなります。また三才山病院が行う通所リハビリでの送迎では年間200万円以上の料金経費がかかります。
上田松本地域間では、信大への受診など通院のほか、医療や介護を支える医師や職員、家族も多くいます。平井寺トンネルでは高校生の通学に毎日家族が通行するなど負担がります。是非心ある軽減策を具体化してください。
阿部知事に強く具体的な決断を求め願いますがいかがですか。
<阿部知事>
有料道路の通行料金減免についてのご質問です。
ご質問にもありました鹿教湯リハビリテーションセンターの通院患者さんをはじめ、日常生活の交通ルートとしてこの有料道路を利用されているみなさんの負担は大きいと考えています。そういう観点で先ほども建設部長からご答弁申し上げましたが、これは有料道路という形で運営してきているわけですが、ぜひ様々な工夫、市町村との協力のなかで負担軽減できないかということで今検討を行っているところです。いくつか課題があるわけですが、そうしたものを乗り越えて結論を出したいと考えています。
<高村議員>
最後に東御清翔高校の校舎改築計画について伺います。
県立高校全体の耐震化改築計画はどのようになっていますか。特に東御清翔高校の改築計画はいつになるのでしょうか。
東御清翔高校の耐震化改築の早期実現を願い、東御市民をはじめ、高校関係者も心配をしています。教育長に伺います。
<教育長>
県立高校の耐震化・改修についてのお尋ねですが、東御清翔高校の校舎改築計画について2点ご質問いただきました。
はじめに県立高校の耐震化改修計画についてですが、県立高校の耐震化は、補強工事については建設部で、改築については県教育委員会でそれぞれ予算化して平成27年度までに耐震化が完了するよう計画的に進めているところです。
東御清翔高校については、管理教室棟は補強工事を、特別教室棟は改築を行う予定になっておりまして、平成25年度当初予算案では地盤調査を計上しているところです。
<高村議員>
東御市では、東御清翔高校高内に市道を建設して市行政の効率化を図りたいとして再開発計画を進めています。
この計画との関係で、東御清翔高校の耐震化計画に影響はないのでしょうか。東御市が計画する市道は、当初の改築校舎のみならず体育館もかかりますので敷地が狭くなります。建設計画に支障は出でないのですか。本来の建設計画に沿っても改築計画の具体化をする時期に来ています。東御市へ敷地を提供する場合はどのような課題がありますか。東御市との協議はどのように進めておられるでしょうか。教育長に伺います。
<教育長>
市道建設計画への対応についてです。昨年度東御市から管理教室棟と新体育館を通る市道の整備計画と、それに伴う学校用地の譲渡についてお話がありました。学校用地は大きく減少することになりますが例えば管理教室棟と特別教室棟の合築棟を現在の特別教室棟の場所に建設して、また新たに市で考えてらっしゃる指導整備後に廃道となる予定で今学校の校地内に市道が通るわけですが、その学校北側の市道に新たな体育館を建設すると、こういうことができれば現在の学校の機能はその敷地内で十分機能できると、確保できると考えています。
しかしながらそうした改築等を行うためには多額の費用を要しますので、市道の事業主体である東御市から適正な補償をいただく必要があります。現在市が補償額の算定を行っていまして、その結果をお聞きしたうえで改築計画を具体化してまいりたいと考えています。
<高村議員>
東御清翔高校の耐震改築は、県立高校では、一番最後になります。東御清翔高校敷地内に市道を通す計画は、市民の要望とは一致していないと反対運動に立ち上がり、裁判に訴えておられる方々もおります。「地方財政法」の国と県、市町村との財政区分からも問題ではないかと指摘をされています。県は実施主体者として無用な混乱を起こさないためにも東御市との協議を図り、責任ある対応を求めます。