<和田議員>
日本共産党県議団を代表し、代表質問をおこないます。
安倍政権発足後に行われた県民世論調査で、安倍政権に一番やってほしいことは、震災復興75%、第二は景気・経済対策68%です。
○まず震災復興についてお伺いします。
<阿部知事>
○経済政策について
<和田議員>
安倍総理の経済対策「アベノミクス」は「大胆な金融政策」、「機動的な財政政策」、「民間投資を喚起する成長戦略」を「3本の矢」といい、「円高・デフレ不況から脱却し、雇用や所得の拡大を目指す」と繰り返し言われています。
安倍政権発足から2か月、株高・円安に動いていますが、株高・円安が進行している状況を景気回復ととらえていいのでしょうか。現在進行している株高は投資部門によるものです。先月25日までの2か月間の株式売買で約58兆円の売りに占める海外投資家の割合は約34.6兆円と6割で、週末に利益を確保する売買が中心です。さらに、急激な円安で輸出関連企業は利益を確保したと言われていますが、逆に多くを輸入に依存しているエネルギー・食糧・資材などの高騰を招き、国民生活や企業活動を直撃しています。
アベノミクスでデフレを克服するとしていますが、10年以上にわたってゼロ金利政策を続け、日銀が大量の国債を買い入れる量的金融緩和を行ってもデフレ不況を克服できずに今日に至っています。公共事業については経済波及効果は1.63倍程度にとどまっています。国庫補助事業は県も県債の発行が伴い厳しい県財政に拍車をかけることにつながりかねません。成長戦略の具体化はこれからのようでありますが、大企業への減税や、海外進出企業への支援などで実効ある経済政策といえるのか疑問です。景気・経済対策において、アベノミクスが景気浮揚に結びつくのか疑問であります。
「デフレ不況から脱却し、雇用や所得の拡大を目指す」には、デフレの原因をつかんで対策することが必要です。
昨年の勤労者の平均賃金は、1990年以降で最低になり、ピーク時の1997年より年収で70万円も減っています。総務省が発表した2012年の労働力調査で非正規雇用労働者は35.2%と過去最高になり、年収200万円にも満たない労働者が1000万人を超えています。10年余りの間に、平均でも月給2か月分程度収入がなくなったことになり、ローンや教育費などが家計に重いものになっています。労働者の暮らしの悪化は深刻です。賃下げ、非正規雇用の拡大がデフレ不況の悪循環をつくりだしている最大の要因と考えます。デフレ脱却のためには、賃上げと安定した雇用の拡大が重要と考えます。知事の所見をお伺いします。
<阿部知事>
賃上げと雇用の拡大についてのご質問です。長引くデフレのなかで企業の売り上げが減少、収益率が低下するなかで人件費が抑制されてきた状況が続いてきたわけです。今後、長野県経済の成長を確かなものにして、安心安全な県民生活を実現していくという上では、デフレからの脱却は喫緊かつ重要な課題だと思っています。そうした観点で今回国の経済対策を最大限活用した経済対策をとったわけですが、くわえて新しい産業づくりあるいは雇用の創出、中期計画のなかでも貢献と自立の産業構造への転換を掲げていますし、女性や若者、障害者あるいは高齢者の雇用と社会参加、これは部局横断的に推進していきたいと考えております。こうした取り組みを総合的に行うなかで県民の暮らしを守っていきたいと考えています。
○消費税について
<和田議員>
安倍内閣は、日銀と共同して、インフレ目標を2%に定めて、金融緩和と財政出動によって2%目標を達成しようとしています。しかし、デフレ不況にたいする「処方箋」をあやまれば一層、格差と貧困を拡大してしまいます。
現状では、内需を下支えする国民所得が上向く要素はありません。円高によりじりじりと物価は上がり始めていますが、賃金も年金も下がるばかりです。さらに社会保障の給付の削減、負担の増加で可処分所得は減るばかりです。こういう状況のまま、2014年4月から消費税8%に引き上げられれば景気の底が抜けてしまうのではないかと危惧しています。消費税増税は中止すべきと思います。知事のご所見を伺います。
<阿部知事>
消費税の増税についてです。この場でも何回も申しあげておりますけれども、県においても社会保障費の増加は毎年毎年多額なわけです。日本全体、将来にわたって国民が安心して生活していける社会をつくっていく上では、この社会保障制度の安定は不可欠であります。そのための方策として広く国民の皆様方にご負担をいただく消費税の増税というのは、私は避けて通れないと考えております。ただ、消費税法の改正においては、増税を行うという最終的な判断は経済状況の好転を条件にしていますので、導入にあたっては政府において経済情勢の見極めをしっかり行っていただきたいと思います。また、消費税は低所得の方ほど負担感が大きいということで、低所得者の皆さんへの十分な配慮、国においても検討されておりますが、しっかりと行っていただくということが必要だと考えています。
○公務員の給与について
<和田議員>
国家公務員と同様に地方公務員の給与引き下げを国が地方に求めることは地方自治法違法ではないかと思います。しかも、国家公務員の給与削減は東日本大震災の財源の一部にあてるためとして2年間限定で引き下げられるというもので、これに連動させて地方公務員の給与削減を国が求めるのは二重三重に通らない話であります。
長野県では、すでに行財政改革によって職員を減らし、給与・手当等を引き下げてきました。
国が地方公務員の給与削減の手段として交付税を減額するようなやりかたは交付税の補助金化だと指摘されるように交付税の趣旨からも逸脱しています。
また、長野県では直接影響はありませんが、退職手当債の発行可能額を圧縮して国主導で地方公務員の退職にまで国が踏み込むのは地方分権に逆行するものであり、地方の裁量権が著しく奪われるものとして看過できません。地方公務員の給与引き下げは、デフレ不況に拍車をかけるものです。国が交付税減額によって強引に押し付けることは、地方自治の根幹を壊すものではないでしょうか、知事のご所見をお伺いします。
<阿部知事>
地方公務員の給与の引下げです。これもこの場でお答え申しあげてきているわけですが、地方公務員の給与は、給与条例主義でありますが、地方公共団体が独自に、最終的には県議会の皆さんの条例の議決をもって定めていく、地方自治体が主体的に判断すべき事項だと考えています。今回交付税の削減とセットで国から地方への給与削減要請ということは、地方自治の根幹に関わる問題だと私は考えております。ただ、現実の問題として交付税が削減されるなかで、現実の財政運営をどうしていくかということについては、しっかり考えなければいけないと思っています。今後本県としての対応を検討してまいります。
○憲法に対する知事の姿勢について
<和田議員>
安倍首相が国会質問で憲法問題について問われ、憲法96条をまず改定すると答弁しています。憲法96条は憲法改正の手続きを定めた条項で、「この憲法の改正は、各議院の総議員の3分の2以上の賛成で、国会が、これを発議し、国民に提案してその承認を経なければならない」としています。この3分の2以上から2分の1にハードルを下げる、発議要件の緩和をすることで、改憲を進めようという狙いは明らかです。
安倍政権は6年前の第1次政権のさい、国民投票の手続きを定めた改憲手続き法の制定を強行しました。発議要件の緩和は、それに続くものです。第1次安倍政権で改憲手続き法の制定から、憲法9条を含む改憲に突き進もうとしたことに対し、国民的に改憲を望まない世論のなかで憲法9条を守ろうと9名の著名人が呼びかけて「九条の会」が全国津々浦々に広がり、第一次安倍政権は改憲を断念しなければならなかったという経験をしています。
日本国憲法は、第二次世界大戦でアジアの人々2千万人、日本国民310万人が尊い命を亡くしました。こんな悲劇を繰り返さないため、憲法9条を含めて制定されました。
特に、長野県は満蒙開拓団や青少年義勇軍に3万人を超える人々を送り出し、その数は全国一です。およそ半数の人々は祖国に帰れませんでした。
そういう歴史がある、長野県民は平和への思いは強く、長野県内では200を超える憲法9条を守る会がつくられ、県民過半数署名にとりくみ、講演会や憲法学習会など様々な活動が行われています。県民世論調査の結果で安部政権にやってほしくない政策の一番は改憲です。知事の所見をお伺います。
<阿部知事>
憲法96条の改正についてです。私もずっと公務員をやっておりましたので、日本国憲法を順守ということで宣誓等重ねてきております。今の法体系、憲法に基づいて構築されてきているわけでありますし、国民の間に定着してきていると考えております。憲法96条は憲法改正の規定であります。私は、憲法の改正規定というのはある意味で憲法の本質的な部分だろうと考えております。そういう観点で、ぜひここの部分については国民的議論のうえで慎重の上にも慎重な議論を行なっていかなければいけない部分ではないかと考えているところです。国民の間にも様々な意見もあるわけですので、国会においてはぜひそういう部分をしっかりと反映した検討が必要だと考えております。
<和田議員>
<阿部知事>
まず予算の関係のご質問です。
○人口減少に対する認識と対策について
<和田議員>
(中期総合計画)総合5か年計画について伺います。
今後20年間に県内で30万人もの急激な人口減少が見込まれております。
5か年計画の現状認識、時代の潮流で、到来した人口減少社会とされており、「人口減少」は避けて通ることができない「宿命」のように記載されています。
我が国の総人口の伸び率は、未婚化・晩婚化の進展などに伴い昭和49年以降の長期的な出生率の低下により、徐々に鈍化してきた、と状況分析があります。それは、結婚・出産に対する価値観の変化によるものであり、個人的な理由に基づく、結婚に対する意識の変化と、個人の価値観に置き換えてしまおうというものです。
しかし、いま若い世代の2人に1人は非正規雇用で、不安定な雇用とワーキングプアが1000万人といわれるように低所得に置かれています。親の元に居れば何とか暮らせるという状態から抜け出せない状況に置かれています。とても結婚して家庭を持つことができない状態ということが大きな要因として挙げられます。
結婚・育児をとりまく環境の悪化など人口減少に至る現状認識を持っておられるのでしょうか。要因の分析がされてこそ、有効な対策を講じることができるのではないでしょうか。知事に伺います。
<阿部知事>
中期計画の関係で人口減少抑制するというご質問です。
人口政策、極めてこれからの長野県にとって重要な課題だと思っています。要因というご質問ありましたが、国立社会保障人口問題研究会2010年の出生動向基本調査に基づくデータだと、未婚者の方にどうして独身なのかということを尋ねた調査によれば、男女とも「適当な相手に巡り合わない」と「出会いの機会がない」ということが半数近くを占めております。かつてのようにお見合いという形態が著しく減少して、友人あるいは兄弟を通じてあるいは学校でという形の出会いが増えております。そういう観点で私どももまず男女の出会いをサポートしていく必要があるだろうということで、活動人口増加プロジェクトのなかで「出会いサポーター制度」仮称ですが、こういった制度の創設で出会いの機会を充実していきたいと考えています。
また、近年夫婦でもうける子どもの数が減少しているということで、2人目、3人目の子育てを支えるという観点で、休日保育など多様なニーズに応える保育サービスの充実、あるいは男性の家事・育児参加にむけた取り組みを進めてまいります。
また、若者の雇用の不安定化というものも未婚者の増加に影響を与えていると考えておりますので、雇用社会参加促進プロジェクトで、若者を対象としたキャリアコンサルティングなどを行うジョブカフェ信州の充実等によって、若者の雇用の促進にも引き続き取り組んでまいります。こうした施策を総合して進めるなかで長野県の人口が少しでも減少基調が抑制されるよう取り組んでまいります。
○男女共同参画について
<和田議員>
5か年計画の男女共同参画社会の実現の達成目標として数値目標が明記されました。
県職員の係長以上に占める女性の割合を、現在9.4%から28年度12%(5か年計画ですが、H29年度の目標値は次期長野県男女共同参画計画の策定に合わせて検討するということで4か年間の目標がしめされています。)
また、公立学校の女性校長・教頭の割合は、H29年度目標で、小中学校で12.7%から15%。高等学校で6.2%から7.0%と数値目標が明記されました。
ちなみに、民間企業の課長相当職以上に占める女性の割合はH22年度9.1%からH29年度は13.0%と目標が記されています。
県が次期の男女共同参画計画の策定との関係でH28年度までの目標12%になっていますが、12%を着実に28年度までに達成し、民間企業がH29年度までの目標値13%をめざしているのですから、県職員の目標は29年度には民間企業以上の目標を実現していただきたいと思いますがいかがでしょうか。
3年前の私の代表質問に対して、当時の県警察の女性警察官の警部・警部補などへの昇任についていただいたご答弁では、県警察は男女の如何を問わず、競争試験によって昇任が行われていること。県警察の女性警察官の採用は、平成元年から開始し、平成21年度女性警察官は180名、その比率は警察官の5.3%、またその平均年齢は約30歳であり、男性警察官の約40歳と比較して、若いが、女性警察官180名のうち、巡査部長に36名、警部補に4名を登用しております。また平成21年3月には、警察署の課長として、実働部門の指揮官となる警部が女性警察官から初めて登用されます。とご答弁をいただき、その後も着実に進んでいると思われます。それは、実効性を担保する人事制度になっているからだと考えます。
5か年計画には、男女共同参画で達成する目標を盛り込んで、県自ら率先して目標を達成していくために、実効性を担保することが肝要です。その方策はあるのか。総務部長・教育長にそれぞれお伺いします。
<総務部長>
男女共同参画について、目標達成の実行ある方策はというお尋ねをいただきました。
男女共同参画社会の実現にむけては、県ではご指摘の通り、県職の係長級以上に占める女性の割合を平成24年度の9.4%から28年度12%に引き上げるという目標を掲げているところです。目標の達成にむけては、女性職員が多様な経験を重ねていくことが必要だと認識しておりまして、例えば、国、市町村、民間企業への派遣研修派遣を行って能力開発に努める、あるいは政策や方針などの意思決定過程に参画する、企画や事業部門への配置をして職域を拡大していく、こうした具体的な方針をもって取り組んでいるところでして、今後ともこうした女性職員の人材育成着実に進めて、意欲と能力のある職員の役職者への積極的な登用に努めていきたいと考えています。
<教育長>
男女共同参画社会の実現のための実効性の確保についてのお尋ねです。
この男女共同参画社会の実現にむけて、公立学校における女性校長・教頭の割合は、大変重要な指標であると思っています。現行の中期総合計画の目標達成のため、女性教員を教務主任あるいは副主任等の指導的な立場に任用するよう、市町村教育委員会や校長会等に働きかけるとともに、学校組織マネジメントにかかわる研修講座へ女性教務主任等の参加を促すなどして、管理職として必要な資質の向上に努めてまいりました。こうした取り組みの結果、女性管理職の割合は、平成24年度には小中学校で12.7%、高等学校6.2%まで高まりまして目標を達成したことから、新たな総合5ヵ年計画では29年度の目標を小中学校15%、高等学校7.0%としたところです。新たな目標達成のため、これまでの研修等の取り組みを充実させるだけでなく、国の中央研修等への女性教員の派遣割合の拡大、あるいは勤務地と自宅の距離を考慮した配置の推進等に取り組み、男女共同参画社会の進展に努めて参りたいと考えております。
<和田議員>
男女共同参画の目標を達成するうえでも、先ほど3年前に県警本部のご答弁いただいたことも参考にさせていただいたわけですが、人事の面では公正といいますか、試験を通したりして誰の目にも明らかになって、男性・女性の違いなく上がっていけるような、そういうシステムの構築も含めて、担保していただきたいと思っておりますので、ぜひ検討をお願いしたいと思います。
○子どもの医療費窓口無料化について
子育て先進県と言われますが、経済的な子育て支援も必要と知事は認識されておられると思います。県民の要望も多く、県内の自治体では県の対象年齢に上乗せして独自の努力をして対象年齢の引き上げをして頑張っておられます。子ども医療費の窓口無料化を繰り返し求めてきたが、いまだ実現に至らず大変残念であります。厳しい財政ではありますが、中期総合計画の策定や新年度予算編成の際は何らかの検討されたのかどうか、健康福祉部長にお伺いします。
<健康福祉部長>
私には子育て支援としての子供医療費の窓口無料についてのお尋ねです。
子どもを含め国民が安心して医療サービルを受けられる環境の整備は社会保障政策のなかで国の責任において行われるべきものと考えております。県としましてはこれまでも国による子供医療費助成のそういう制度の創設と、窓口無料化を行った場合に国が行っている国保の減額調整措置の廃止を繰り返し求めてきたところです。しかしながら、現状では受給者の実質的な経済負担は変わらないにも関わらず、国保の減額調整措置により市町村に新たな費用負担が生じるという状況には依然変化は見られないということでして、現段階で計画や予算に反映できる環境が整ったとは言えないと考えております。
子育て支援ということで、安心して子どもを産み育てることができる環境づくりは、単に子どもの医療費の給付方式変更だけではなくて、県としましては今後も産科あるいは小児科の医療提供体制の整備や子育て支援体制の充実など、そういった施策を総合的に進めていく必要があると考えております。
<和田議員>
自然エネルギー分野は、ものづくりの観点からも市場として、特に内需拡大が期待でき、有望な分野のひとつと位置付けて、長野県ものづくり産業戦略プランにおいても、今後の産業振興の重点分野の一つとして環境分野を位置づけています。
工業技術総合センターで企業から様々な相談を受け、具体的な技術的助言をされていますし、長野県テクノ財団においても、ものづくり産業の優れた超精密加工技術などを活用して進出すべき分野を選んで、地域産業への指導や研究活動を展開されているところです。自然エネルギー産業の振興に積極的に取り組んでいただいております。
長野県の製造業は、全国的に製造業の集積地といわれている東京都大田区や大阪府東大阪市と比較しても、諏訪地域や上伊那地域は、従業者数や製造品出荷額は上回り、引けを取らない実力があります。「ものづくり信州」が裏打ちされています。製造業の集積した力と、部品製造の実力はいくつもの指標で全国トップレベルを占めています。
自然エネルギーに関連した産業を県としても産業振興の重点分野と位置付けているわけです。さらに、5ヵ年計画には自然エネルギーによる発電設備の容量でみるエネルギー自給率を平成22年の58.6%から、70パーセントという目標が明記されています。
この目標を達成するために、県内に多く存在する技術力の高い製造業の技術を集積して、大企業の下請けではなく成長分野である自然エネルギー分野での産業と雇用の創出、県内製造業が主体的に関わっていけるように県が積極的にコーディネートを行うべきと考えますが、商工労働部長にお伺いします。
<商工労働部長>
自然エネルギー産業に主体的にかかわっていけるコーディネートについてのご質問です。長野県ものづくり産業振興戦略プランにおいて、自然エネルギー分野を県内企業の部品製品の高付加価値化をもたらす有望な成長分野のひとつと位置付けているのは議員ご指摘の通りです。
県では、県内中小企業がこうした成長産業分野に進出するために必要な研究開発やその成果の早期事業化を支援する様々なコーディネート活動を積極的に展開しているところです。
具体的には工業技術総合センターにおいては、例えば高効率の蓄電池充電システムの開発、また企業で応用可能な技術進出の提案から研究開発の実施に到るまでの一貫したコーディネートを行っております。長野県テクノ財団においては信州大学等と連携して例えば畜産系廃棄物の熱分解によるガス化技術の開発など大学の先進的な知見を活用した産学官共同研究開発のためのコーディネートを行っております。
さらに長野県中小企業振興センターにおきましては、自然エネルギー関連機器等の販路開拓を促進するため、エネテックジャパンなどの国内外の環境エネルギー分野の展示会への企業の出展支援を行っているところです。これらに関わる県内中小企業は、自然エネルギー分野に進出し、他にない新しく高度な製品や部品を生みそうとしている意欲のある企業でもあります。
今後も自然エネルギー分野への進出に意欲的な企業のニーズに応じて、さまざまな支援メニューを効果的に活用したコーディネート活動を展開し、本県の自然エネルギー産業の振興に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
<和田議員>
すでに、全国各地で問題が表面化している公共構造物の老朽化への対策について伺います。
社会資本の老朽化対策の必要性は以前から言われていましたが、道路・橋梁など建設には補助金がついても、維持管理費は地方自治体が負担するということで、維持管理・改修は遅れているなかで、昨年12月に起きた中央自動車道・笹子トンネルの天井板崩落事故をきっかけに社会インフラの老朽化の対策が差し迫った課題になっています。高度経済成長期に大量に造られた道路・トンネル・橋梁はじめ県有施設などがいっせいに寿命を迎え、安全に使い続けるためには維持管理や改修にかかる莫大な費用をどう確保するのか、国・地方自治体に迫られています。
安倍政権は、経済対策に老朽化対策を含めて公共事業に重点的に投資をするとしていますが、県は社会インフラの老朽化の全体像を把握し、維持管理や改修の長期計画をもって進めていかなければなりません。社会資本の長寿命化対策をすでに検討されてきましたが、全体の状況を把握しているのか、お伺いします。
東京の府中市は、インフラの老朽化状況を詳しく調べたうえで、比較的短いスパンで定期的に修繕など計画的な維持管理を行って少ない予算で寿命を伸ばすという、「インフラマネジメント計画案」をまとめたとお聞きしています。社会資本の老朽化対策について、国の経済対策に社会資本の重点的な整備と適切な修繕が盛り込まれていますが、長期計画をもって進めていくために、老朽化している社会資本の情報を整理・把握し、改修と計画的な維持管理を図るための制度の構築と、県が管理する社会資本の改修工程表を整備して、確実に改修を進める必要があります。あわせて、そのための財源の保障が必要です。
維持管理が地方任せになっている国の体制、補助制度の見直しを国に求めるべきと考えますが、建設部長に伺います。
<建設部長>
老朽化する社会資本への対応についてのお尋ねです。県民の生活を支える道路河川などの各種施設の高齢化・老朽化は、現代社会の抱える大きな課題であり、今後さらに顕著となっていくことが懸念されております。一方、抜本的な整備が必要な箇所も多く残されている当県にあっては、老朽化した社会資本、特に高度成長期に集中的に整備された多くの構造物について、建設から将来の維持管理を見据えたライフサイクルコストを踏まえるなかで、改修や更新、また計画的な維持補修を行うことにより、既存の社会資本を有効に活用していくことが必要でございます。
そのため、各施設の点検等を行うことにより、施設の老朽化や損傷の状況を把握し、また、施設の重量等を勘案するなかで各施設の長寿命化計画等の策定を進めております。
昨日風間議員のご質問にお答えしたとおり、この計画で定める工程に従い、適切な時期に的確で効率的な修繕を行うことにより、改修、更新を含め、維持管理費を平準化し、ライフサイクルコストの縮減を図るよう、引きつづき努力して参りたいと考えております。
また、策定された計画につきましても定期的な点検や効果の検証結果を反映し、さらに新技術の活用なども踏まえ、適宜見直しを行なうマネジメントサイクル手法を取り入れ、長期的な視点からその効果をより確実なものとしていくことが重要であると認識しております。近年は国においても河川施設や公園施設を含め、維持管理に関する補助制度が拡充されてきておりますが、計画に沿った事業を実施するため、必要な予算が確実に確保されるよう、補助制度の拡充や財源の確保について機会をとらえて国等への働きかけを行うなかで適切な維持管理を行い、県民の皆様の安全安心な暮らしの確保に努めてまいりたいと考えております。
<和田議員>
社会資本整備のことでは、国の制度の拡充を求めているということでありました。こういうことで身近な公共事業、これが地元の業者の仕事として確実に増えるわけでありますし、県民の安全も確保されるわけでありますから、いっそうご努力をお願いしたいと思います。
<和田議員>
共産党県議団は、繰り返し知事に対し経済対策としての住宅リフォーム助成制度の実現を求めてきました。しかし、知事は「単なる経済対策だけでなく、明確な政策目的を持って実施することが必要」とのべて、県産材の利用拡大を柱として制度を構築し、今年度実施されました。住宅リフォーム助成制度の予算額5000万円の執行状況はいかがか。建設部長にお伺いします。
<建設部長>
住宅リフォーム助成制度に関するお尋ねです。信州型住宅リフォーム助成金につきましては県産材の利用拡大を柱として今年度制度を創設してものです。
各種媒体を使った広報等により制度の周知を図ってきたところですが、1月末現在で当初予定していました助成件数の約4割の83件の利用となっております。
そこで地域の工務店さん等から意見を聞く等して県民の皆様がより使いやすい制度への見直しについて検討してまいりました。
平成25年度については昨日の竹内議員のご質問に知事が答えたとおり、これまでの県産材の使用量に応じた助成から工事費用総額の20%の助成に変更するとともに、構造材の使用要件を20立方メートルから1立方メートルに引き下げるなど要件を単純化し活用しやすい制度となるように見直しを行なったところです。
<和田議員>
今年度5千万円の予算で組んで執行状況を今お聞きした所、大変残念な執行状況に留まっておりまして、これはやはり政策的に残念な、失敗してしまったのではないかという印象を拭えないわけです。
そういう点で今私たちは、使い勝手の良いシンプルな、利用条件を様々つけないと。対象新年度は制度のリフォームをされるようですが、もっとシンプルなものにして運用ができることを望んでいるわけですので、もう一度建設部長に伺います。
また一方で、住宅への県産材利用促進も重要な課題であると思いますので、この新たに県産材を活用した住宅への支援ということについては、林務部長に伺いたいと思います。
<建設部長>
もっとシンプルな制度というご質問ですが、25年度においての変更については先ほどご説明した通りでございます。
しかしこの住宅リフォームにつきましては経済活性化と県産材の利用促進という柱を持ってやったものでございますけれども、しっかりとした、限られた予算のなかで単なる経済対策ではなくて明確な施策目的をもって実施することが必要と考えております。新年度においても県産材の利用促進と併せて既存住宅の省エネ化による温暖化防止策を進めることを明確な施策目的として、一層の利用促進拡大に努めて参りたいと考えております。
<林務部長>
県産材を活用した住宅等への支援策についてご質問をいただきました。住宅分野は県産材の需要先の約6割を占める重要な分野ですが、住宅等への支援策については先ほど建設部長からお答えしたとおり、政策目的を明確にして実施していく必要があると私どもも考えております。
林務部の住宅分野への取り組みとしては、これまで3年間かけて工務店・建築士等の方々に県産材等の良さ等を理解していただくための研修会を開催してまいりました。
来年度については県産材の利用促進等に具体的に取り組んでいただける方を信州ウッドマイスターとして登録する取り組みを行い、県産材の認知度向上や確実な販路拡大を図ってまいります。
また平成25年度の国の補正事業のなかに木材利用ポイントが、これは国の直接補助事業として計画されています。これは地域材を活用した木造住宅や木製品についてポイントを付与し、地域の農林水産物との交換を行うことで地域材の需要を喚起する事業です。この事業については現在国において細部を調整中ですが、こうした国の事業を積極的に活用し、建設部と連携しながら住宅等への県産材利用拡大を図りたいと考えております。
<和田議員>
住宅リフォーム助成制度の質問はこの間何度かさせていただきまして、その際、幾度かご紹介してきた秋田県の施策でありますが、すでに秋田県は今年度まで3年間実施してきました。秋田県の制度は、工事内容を特定せず、工事費の10%、限度額20万円、ただし一世帯につき20万円以内であれば制度を何度も利用できるというものです。秋田県内の25市町村で22市町村が定めた制度との併用ができます。この結果、制度開始から34カ月で、3万9,539件の申請があり、合計補助額は53億6778万円。工事額は790億1522万円。補助効果は14.7倍。経済波及効果は23倍、1240億円にもなっています。
この制度を通じて、秋田県知事は○県民の住環境が改善された。○中小工務店の受注で県内経済の活性化に寄与した。○全国から注目され(視察も多い)全国各地に制度が広がった。と「一定の成果を上げた」と言われ、4年目になる2013年度も13億9000万円の予算を計上し事業の継続を提案されました。
知事は、住宅リフォーム助成制度と県産材の利用促進を今一度整理して、それぞれ効果の高い制度として進めていこうという考えはないのか、改めて知事にお伺いいたします。
<阿部知事>
住宅リフォームのご質問はかねてからずっと頂戴しているわけですが、さきほど質問のなかにも引用していただきましたように、私としてはここは単なる経済対策に留まらない施策として取り組んできていますし、これからもそうしていきたいと思っています。
来年度においては県産材の利用拡大ということに加えてエネルギー戦略もつくりましたが既存住宅の省エネルギー化の促進ということも目的に加えて、そうした利用をよりしやすいように要件の単純化もして利用促進を図っていこうと考えております。秋田県の取り組みは秋田県の取り組みとして、長野県は長野県でしっかりとした政策目的を持った施策を推進していきたいと考えています。
<和田議員>
県産材の利用促進という政策目的をもって進めていかれるということでありましたが、今新築着工件数を軒並み下がっておりまして厳しい状況です。また、住宅リフォームということについてはニーズが大変大きいわけです。このように実際の住宅リフォーム助成制度が活用されているところでは、それに伴って県産材も相当量が使われることは明らかです。こういう点も踏まえて、知事にはもう一度ご検討いただきたいと思います。実は長野県建設業協会のみなさんが行われたアンケートでは、県下の自治体で行っている住宅リフォーム助成制度を活用した際感じておられることは、助成制度の拡大と手続きの簡略・迅速化、これが今一番求められている、圧倒的な方がそう思ってらっしゃいますので、やはり制度・予算の拡大と簡略な手続き、迅速化に踏み込んで検討していただきたいことを要望しておきます。
<和田議員>
従来は7つの個別の計画であったものを、今回一体化して「信州保健医療総合計画」として取りまとめ、示されました。「長生き」から「健康で長生き」へと目指すべき姿も示されました。
長野県は、全国トップクラスの長寿県であります。それは、地域に根ざして、生活改善活動や予防医学まで取り組んできた地域医療や保健補導員や食生活改善推進員の方々の活動によるところが大きいものがあります。今後もその力によるところを県として再確認して、支援を強めていただきたいと思います。
また、計画案では、がん、脳卒中、心疾患といずれも療養は、在宅療養を打ち出しています。さらに、患者の生活を支えるため、医療保険サービスと介護保険サービスを連携させ一体的にサービスを提供する、地域包括ケア体制の整備も打ち出されました。これらのサービスは患者の立場にたって充実させることが肝要であります。しかし、現実には、社会保障費の抑制のため、医療機関の基準病床の削減ありき、医療費の削減ありきではないのかと懸念するものであります。
地域包括ケア体制を整えるとのことですが、今以上にマンパワーの拡充が必要になります。県下各地の医療機関では医師・看護師の絶対数は不足しており、医師・看護師の確保に大変ご苦労されています。介護の現場も介護職員の慢性的な不足に悩まされています。
地域的な偏在の問題も含め、人材の育成と確保を、県として今後どのようにされるのか健康福祉部長にお伺いします。
<健康福祉部長>
私には2つおたずねいただいてございます。順次お答え申し上げます。
まず、来年度から長野県の保健医療計画の中の医師・看護師の人材の確保のおたずねでございます。医師確保につきましては、医師の絶対数が不足しているとこういう認識でございます。あるいは診療科ですとか、地域間の偏在があるということ、これも認識してございます。これを何とか解消していくことが大事だろうと思ってございまして、一昨年の10月に発足いたしました信州医師確保総合支援センターを中心にドクターバンク事業ですとか医師研究資金貸与事業、医学生修学資金の貸与事業こういったことによりまして、総合的に解消に取り組んでいきたいと思ってございます。
また、看護師対策でございますけれども、看護職員の新規養成数の確保に努めるとともに、ナースバンク事業をおこなってございまして、再就業等の支援等に取り組んでおります。地域的な偏在の解消ということに向けましては看護職員の修学資金貸与という制度がございまして、これによりまして過疎地域の病院ですとか、中小規模の医療機関への就業の誘導を図っていくところでございます。
さらに、ご質問の中で在宅医療というご指摘ございましたけれども、こちらを担っていく人材育成ということでございますけれども、県では今年度、長野県医師会と連携いたしまして地域から選出されました郡市医師会の役員の方々、在宅療養支援診療所や病院の医師の方々、市町村の地域包括支援センターの介護支援専門員等を対象に在宅医療の地域リーダーとして活躍していただくための養成研修を実施しているところでございます。
今後これらの方々を中心にそれぞれの地域におきまして、多職種の人材育成を図ってまいります。その連携によって在宅医療を面的に展開していく仕組みづくりを推進してまいりたいと思っております。
<和田議員>
生活困窮者支援と生活保護について伺います。
はじめに昨年度、今年度と実施していただいた生活困窮者の「絆」再生事業は来年度も継続していただくことになりました。先日、私たち共産党県議団が主催するかたちで「ストップ!格差・貧困 生活支援ネットワーク交流集会」をおこないました。
反貧困ネットワークの活動は、リーマンショックで多くの派遣労働者が職を失い、住まいもないという事態をうけて、2009年末に東京日比谷で年末派遣(テント)村に始まって、県下各地で生活困窮者支援の相談会や年末絆村などにとりくまれてきた活動の交流会であります。県の絆再生事業も活用してがんばっていることやパーソナルサポート事業も大変大事な事業であることを再確認しました。県が事業の継続をすることは地道な活動をしているみなさんに大きな支えであると思います。さらに、新年度は自立のための寄り添いサポート事業で、寄り添いサポーターがアウトリーチで支援することになり大変うれしく思います。
しかし、国は生活保護予算を削減する方針を決めたことは、憲法に謳われている「最低限度の生活」が際限なく切り下げられるのではないかと懸念しています。
厚生労働省は、生活保護の生活扶助を2013年度から2015年度まで3年間かけ、現行基準から6.5%引き下げるというのは、生活保護制度が始まって過去2回の引き下げ2003年0.9%、2004年0.2%と比較にならない大幅な引下げです。
削減する670億円のうち580億円は08年から11年までのデフレ分を反映させるということで、削減額は
低所得者にとって食費や水光熱費、灯油など基本的な生活費はデフレどころか円安の影響で値上がりが心配されるところです。
生活保護基準は、最低賃金、課税最低限、就学援助制度はじめ様々な基準を定める際にも用いられており、国民の最低生活を守る岩盤として、社会保障制度の要です。
低所得者世帯の消費水準と比較して生活保護基準が高いからと、生活保護基準を引き下げれば、国民の最低生活を守る岩盤の意味を失い、際限なく国民の生活水準を引き下げるデフレスパイラルに陥る状況をつくりだすものです。
社会保障と税の一体改革の「社会保障改革推進法」では、自助、共助が前面に打ち出され、国による生存権の保障である憲法25条を解釈改憲するものであるともいわれていますが、厚生労働省が示した生活保護基準の引き下げの方針はまさにそのものではないでしょうか。
国に対して、県から生活保護削減の方針を見直すよう要請してほしいと考えます。健康福祉部長に伺います。
<健康福祉部長>
次に生活保護の見直しについてお答え申し上げます。
議員ご指摘のとおり国では生活扶助基準につきまして、社会保障審議会・生活保護基準部会の検証結果をふまえまして、平成20年以降の物価下落を勘案いたしまして、平成25年8月から3年程度で段階的に見直しをおこなうとしているところでございます。
県といたしましても生活保護制度が国民の信頼にこたえうる制度であり続けるためにはその時々の社会情勢を反映させた見直しというものはある程度必要なものと考えておりますが、生活保護自体は最後のセーフティネットとしてそれを必要とする方には確実に保護なされるということが重要であると思ってございます。
また、見直しにあたりましては、昨日竹内議員のご質問に知事からお答えしたとおりでございまして単に財政的な視点だけではなくて、併せて生活保護受給者の実態をふまえて生活困窮者の自立、就労支援等を強化するための対策に総合的かつ速やかに取り組むことが重要と認識してございます。
なお今回の生活保護制度全般の見直しにあたりましては、全国知事会を通じまして、国に対しまして国と地方の役割分担を維持したうえで扶助の適正化と自立の助長をいっそう促進するとともに最後のセーフティネットとしての機能が十分に発揮されるよう要望したところでございます。
<和田議員>
<佐々木警察本部長>
<和田議員>
<山口教育長>
<和田議員>
教育委員会は、この年度内に、あり方検討会議からの提言を受けて、具体的な行動計画を早急に策定するとしているが、あり方検討会議の議論の経過も知事は教育委員会から聞いているのでしょうか。検討会に拙速な結論を求めず、もっと十分な議論を尽くすことも必要ではないかと考えるものですが、知事はいかがかお伺いします。
<阿部知事>
あり方検討会議での十分な議論というお話でございます。昨年7月に検討会議設置して以来、今の山口教育長の答弁にもありましたが4つの部会で本体会議と合わせて22回開催してきております。私も途中で参加をさせていただいたり、議論の内容を聞いていますが、かなり本質的なご議論をしていただいていると考えています。
あり方検討会議でも私も申し上げましたけれども子どもを中心に考えてくれと、確かに学校の先生大変だっていうことはよく出てくるけど、それはそれとして私はそんなことはないとは思いませんけれども、やはり子どもたちのことをまず第一に考えて欲しいと委員の皆様方にお伝えをして、その方向でご議論をいただいてきていると思っております。
長野県の教育、私は危機的な状況だと、本当に学校の信頼回復しっかりやらなければいけないと思っておりますので、さまざま議論の過程で課題が出てきているものを放置しておくことはできないと考えています。そういう意味で着実に、かつ迅速に不祥事防止対策というのは待ったなしでやっていかなければいけないと思っておりますので、あり方検討会議の提言は予定通り是非年度内には取りまとめていただきたいと思いますし、また、それに基づいた行動計画策定は早急に策定して改善すべき課題については速やかに対応していくことが必要だと考えております。
<和田議員>
今、検討会議で出された提言に基づいて行動計画を策定していくということでありまして、その部分の評価や採用・人事については学校現場や保護者などの議論も踏まえて続けていくということであります。広く県民的な議論を保障するように求めたいと思いますが、答弁をお願いします。
<山口教育長>
まず、最初にあり方検討会議の提言を受けた後の行程表にかかるご質問でございます。これはですね、提言を受けた後、それをどう具体化していくかということが最大の課題でございますので、当然のことながら関係する方の参画、そして見えるところでの議論、有識者の方はもちろんでありますけれども、今申し上げたように教育の関係者の方を交えた議論を県民の皆さんの見えるところでやっていくとこれが大原則であります。
<和田議員>
<山口教育長>
<和田議員>
体罰のところで「有形力」ということで、ここが微妙なニュアンスでご答弁があったかと思いますが、これも含めて、これは体罰というふうにみなすのかどうかが鍵なのではないかと思います。この点についてもう一度ご答弁をお願いします。
部活の指導については、先生方は大変に、時間的にも経済的にもご苦労されております。部活動と社会体育と分けて、社会体育を入れることによって先生方の負担が軽減されるかと思ったけど実際にはそうならなかったということではないかと思います。いずれにしても部活動のあり方を今いろいろな分野の専門のみなさんの力も借りながら改善をしていくことを期待しますが、現場で部活動を指導されている先生方が本当に苦労された上に、「勝つために」が至上命題として様々なご苦労をされていると思いますので、「結果が求められる」ということが最大の目的ではないということも含めて、子ども達の成長・発達段階に沿って部活動が進められるような、そういう点も引き続きすすめていただきたいと思いますのでよろしくお願いします。
<山口教育長>
「有形力」の行使と呼ばれるものが体罰にあたるかどうかということは、私は極めて難しいと思っております。なぜかと言いますと体罰というものこうであるということを文字で定義してそれがすべての現実的な教育指導が判別できるかというと、それはできないと思っております。そういう意味で申しあげました。実際に判例も現実を踏まえての判例だと理解しております。
<和田議員>
今、大変に難しいということでしたが、体罰ということは絶対にあってはならないという立場でこれからも進めていくわけでありますので、曖昧なところも含めて現場や社会的にも保護者にも意識改革が進められていくような取り組みがしていただくことを要望しておきたいと思います。
長野県内にはいくつものプロスポーツチームができ、大変活躍しています。スポーツ振興にこのスポーツチームが地域活性化などメリットがあり、将来の自分を重ねて子ども達も夢を抱いてスポーツに取り組んでいます。
しかし、体育施設が不足しているために、プロクラブチームに練習グランド、体育館が占有され、既存の地域のクラブ活動を充足できないという声もままお聞きします。
地域クラブで長年にわたって地道な活動をしている指導者は、スポーツを通して、心も体も一流の人を育てたい、そういう思いで小中学生を中心に地域クラブの指導に熱心に取り組まれておられます。地域クラブから卒業していった子たちが、成長してやがてまた地域に戻って一緒にクラブの指導者になるという循環の中にやりがいを感じて地道に取り組んでおられる方が県内にもたくさんおられます。勝利至上主義ではなく、いろんな個性があるから、いろんな個性を大事にしながらの指導をされます。
しかし、施設の不足や高すぎる利用料などに苦慮されていることも現実にあります。スポーツ文化をはぐくみために県として施設の拡充などしていただきたいということもお願い申しあげて、質問を終わります。