2013年6月定例会 6月27日 一般質問 石坂ちほ

  1. 県職員給与の引き下げについて
  2. 浅川の内水対策について
  3. 県立四年制大学について

1.県職員給与の引き下げについて

1、 地方自治体の権限をおかす今回の国の動きに対して、他の都道府県と協調して実施しない環境を作ることはできなかったのか。長野県として、どのようなはたらきかけを行なったのか。
2、 県職員の待遇に関する提案は、労使の合意が前提であると考えるが、合意に至らない状態での提案は、見切り発車ではないのか。
3、 今回の給与引き下げによる県内経済や県民生活への影響について、どのように試算しているのか。
4、 人事委員会の勧告に基づいて職員の給与を決定すると言う原則を無視した今回の給与決定のあり方についてどのように考えるか。また、人事委員会勧告制度を尊重するように国に対して働きかけや意思表明をしてほしいが、どうか。

<石坂議員>
 最初に、追加提案されました県職員の給与引き下げについて、お伺いします。
 今回の提案は、地方公務員の給与引き下げを前提として国が一方的に地方交付税の給与費相当を削減すると言う状況のもとで行なわれました。地方交付税法は「国は使途を定めてはならない」としており、地方自治体の役割や地方交付税制度のあり方をゆがめる前代未聞のやり方です。地方自治体の権限をおかす今回の国の動きに対して、知事は、他の都道府県と協調して、このような不当な強要による地方公務員の給与引き下げを実施しない環境を作ることはできなかったのでしょうか。長野県として、他の都道府県や国に対してどのようなはたらきかけを行なったのでしょうか。知事にお伺いします。

 また、本来、県職員の待遇に関する提案は、労使の合意が前提であると考えますが、今回の交渉の中で、期末手当、勤勉手当などに給料の減額を反映しないなどの歩みよりはあったものの、合意に至らない状態での提案は、見切り発車ではないのでしょうか。7月1日実施にこだわるあまりの交渉終結だったとも受け取れられかねないわけですが、総務部長、その点はいかがでしょうか。
 
 今、デフレ経済からの脱却と景気回復が多くの県民の願いでもある時、県職員の給与引き下げは、県内の市町村や関係団体、民間給与にも大きな影響を与え、地域経済を冷え込ませることも心配されます。今回の県職員給与引き下げによる県内経済や県民生活への影響について、県としてはどのように試算しているのでしょうか。企画部長にお伺いします。

<阿部知事>
 公務員給与の引き下げに関連して、国に対する働きかけについてのお尋ねです。今回の国の対応大変問題があると再三申し上げてきておりますが、国に対しても知事会を通じていろんな働きかけをこれまでもさせてきていただきました。
 今年の1月23日、それから4月22日全国知事会が開催されましたが、私からは地方自治の観点等を踏まえると問題だということで、ご指摘をさせていただき、そうした中で各都道府県知事とも認識を共有して、全国知事会として地方との協議を十分に行うよう、国に求めてまいりました。
 1月23日知事会開催後、知事会長から総務大臣に要望しておりますし、またその後地方6団体としても25年度地方財政政策、地方公務員給与についての共同声明を出しております。4月22日の全国知事会の開催の後も、一応6団体として総務大臣に要請をしてきている訳でありまして、こうした働きかけ、全国組織を通じて行ってきました。又長野県としても総務省或いは県関係の国会議員に対して、今回の地方への給与引き下げ要請の撤回、必要な財源総額の確保等について要望を行ってきました。
昨年の12月26日と今年の5月21日には、私が直接県選出の国会議員の皆様方にお願いをさせていただいたところであります。又、5月16日にはこれ知事会の活動の一環として、参議院の通常選挙の選挙公約、各政党申入れをしてきておりますが、その中にも地方公務員給与を要請する手段として、一方的に行った地方交付税の削減を二度と行なわない様にということで、各政党に申入れをしております。私も時間の都合上、自民党にのみ行きましたけれども、自民党への申入れに関しては、私も知事会長と一緒にお伺いをさせていただいているところであります。
 今後も他の都道府県や市町村とも連携して二度とこうした対応が無いように、強く求めていきたいと考えております。

<総務部長>
 労使合意についてのお尋ねをいただきました。職員の権利労働条件の変更については、職員団体との合意を前提にしております。
 今回の職員給与の減額につきましても、私どもとしては誠意を持って交渉に当らせていただき、合意に向けた努力を続けたところでございます。県としては、今までの行革努力に対する職員の協力に配慮をいたしましてラスパイラル指数100を基本に致しまして、給料の減額率を国よりも圧縮したり、期末勤勉手当については、減額をしないということにしたり、給料減額の諸手当への反映についてもしないという事で、最終段階の協議を行ったところでございます。
 しかしながら今回の国の要請を受けての、給与そのものに対するお互いの立場の違いから、最終的な合意には至らなかったという事でございます。しかしながら、お互い合意に向けて誠意を持って交渉を行ったところでございますして、一定の共通認識ができたということから、交渉は決裂ではなく終結であるということで確認をいたしまして、また、引き続き良好な労使関係を継続していくことを相手方に確認させていただいたところでございます。
 この交渉の終結を受けて条例改正案でございますけれども、交渉の最終段階での協議内容に基づくものとしたところでございまして、決して見切り発車という事にはならないというふうに考えているところございます。

<企画部長>
 県職員の給与引き下げによる県内経済等への影響に関するご質問でございます。
今回の給与引き下げによります、警察教育職員を含めた県職員約28,000人の給与費の減少額は、約44億6000万円でございます。
 がこの内、所得税や社会保障費等を除いた上で消費に回ると推計される額、これは25億9000万円となります。これを基に直近の長野県産業連関表を用いて推計致しますと、県内で39億円の生産の減少が生じるという事になります。ここから原材料等を控除したいわゆる付加価値ベースでとらえますと、25億円の減少となりまして、これは平成  年度の県内生産高8兆240億円余の0.031%に相当致します。
 いずれにいたしましても、今回の職員給与の引き下げは、県内経済に少なからず影響を与えると考えております。しあわせ信州創造プランを着実に推進するなど、県内経済のいっそうの発展に取り組んでまいりたいと考えているところでございます。

<石坂議員>
 人事委員会委員長にお伺いします。人事委員会の勧告に基づいて職員の給与を決定すると言う本来の原則である人事委員会勧告制度を無視した今回の給与決定のあり方についてどのようにお考えでしょうか。人事委員会の勧告によらない給与引き下げは、労働基本権制約の代償措置としての制度の根幹を揺るがすものであり、財政的な事情などがあれば、今回のようなやり方ができると言うことになれば、人事委員会の存在意義が否定されかねません。二度とこのような事態をひきおこさないように、人事委員会勧告制度を尊重するよう、国に対して働きかけや意思表明をしてほしいと思いますが、いかがでしょうか。

<人事委員会委員長>
 先ず今回の給与決定のあり方についてのお訊ねでございますが、議会からの意見聴取に対して、既に書面でお答えを致しているとおり、今回の給与減額措置は、地方公務員法に定める給与決定の原則に照らしても誠に残念であると考えております。
 しかしながら、国による地方交付税等の削減に伴う本県の厳しい財政状況に対応して行われるものと思慮されておりまして、臨時特例的なものである事などを考慮すると、やむを得ないものと考えたところであります。
 次に、人事院会勧告制度を尊重するよう、国に働きかけたらどうかとのお尋ねでございますが、人事委員会としては、民間給与実態調査などにもとずきまして議会および知事に対して、必要な勧告や勧告を行うことが、地方公務員法が求める当委員会の重要な責務   と認識しておりますので、今のところは国への働きかけは考えておりません。

<石坂議員>
 人事委員会の勧告制度そのものが踏みにじられかねない、今回のようなやり方に対して、国への意思表示がされないということは、私としては非常に残念に思いますけれども、いずれにしても今回の異例・特例のやり方に対しては、ある意味アベノミクスの成長戦略にも反することだと思います。こういうやり方はもう二度と繰り返してほしくないということで、納得することはできないわけですが、同僚議員の皆様とともに、議会としても国への意見を上げていきたいと思っております。

2、浅川の内水対策について

1、 5月に発表した排水ポンプの増強などの内水対策案で、浅川の内水被害はどの程度緩和されるのか。
2、 住民からの要望が強い遊水地の設置を検討するべきではないか。
3、 浅川への流出抑制対策は、県も踏み込んで検討し、市町村と一緒に積極的に取り組むべきではないか。
4、 流出抑制対策の具体策として、住宅戸数も増えている中、補助金を復活するなどして各戸貯留を推進することが効果的であると考えるが、どうか。
5、 住民合意が得られていない商業施設周辺の二線堤や堤防の嵩上げの見直しを含めて、浅川の内水対策の重点を流出抑制対策の強化、遊水地の設置に移すべきではないか。

<石坂議員>
 浅川の内水対策についてお伺いします。
 県は今年の5月、新たに浅川左岸に毎秒14tの排水ポンプを増設することを中心とし、雨水調整池の整備やソフト対策を組み合わせた浅川総合内水対策計画案を発表し、浅川流域協議会、豊野、長沼の住民説明会で説明しました。今回の内水対策案で、浅川の内水被害はどの程度緩和されるのでしょうか。

 また、かねてから、浅川流域の住民からは、ダム建設の賛否を超えて、毎年のように見舞われる内水被害の緩和のために、遊水地を設置してほしいと言う根強い要望があります。今回の内水対策案の検討にあたって、県は、排水ポンプの増強の方が費用対効果が大きいと言う理由で、遊水地の設置を見送ったとのことですが、排水ポンプか遊水地かと言う二者択一ではなく、効果的な遊水地の設置について、是非、様々な角度から検討していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

 今回の内水対策計画案では、浅川への流出抑制対策は主に長野市が担当し、新たに北堀、中の池、長沼への雨水調整池の設置、豊野地区の支所、小学校校庭への地下貯留施設などが計画されています。人口密集地となっている浅川流域の都市型水害対策でもある流出抑制対策は、長野市任せにするのではなく、県も踏み込んで検討し、長野市と一緒にいっそう積極的に取り組むべきではないでしょうか。建設部長にお伺いします。

<建設部長>
 浅川内水対策について順次お答えします。
 先ず、浅川の内水被害の緩和についてのお尋ねでございます。浅川の総合内水対策につきましては、昨年9月、河川管理者である長野県と関係機関で構成する「浅川総合内水対策協議会」を設立し、具体的な対策案の検討を進めるとともに、パブリックコメントや住民説明会でご意見を伺い、本年5月に計画を策定いたしました。
 この計画は、排水機場の増設や流域の貯留施設の設置などのハード対策と内水想定区域図の作成や、避難体制の確立などのソフト対策を推進する、そうしたものであり、概ね5年間で実施する短期整備と、中長期に実施するもので構成するものでございます。計画に位置付けたすべての対策を実施することにより、既往最大の被害となりました、昭和58年9月の台風10号と同規模の洪水に対して、住宅部での床上浸水被害をなくすことができると考えております。
 この内、当面行う短期整備では、豊野地区における災害時の拠点施設である豊野支所や、避難所である豊野中学校、災害時要援護者施設である豊野病院などの浸水被害が防止されると共に、赤沼地区や豊野地区などの住宅密集地区については、浸水範囲や浸水深の減少を図ることとしており、床上浸水被害が想定される家屋を277棟から181棟に減少することができると見込んでおります。この効果が早期に発現できるよう、計画的に事業を進めて参りたいと考えております。
 次に遊水地の設置についてでございます。浅川の内水対策につきましては、これまで遊水地を含む様々な対策の組み合わせにより検討をして参りました。検討の結果、排水機場の増設、堤防の嵩上げ、及び二線堤による対策が、実現性や経済性等の観点から最適であることから、今回の浅川総合内水対策計画には、遊水地を位置付けておりません。
 遊水地につきましては、千曲川合流点或いは中流域での設置の検討をいたしましたが、その候補地が地元の大切な優良農地であることに加え、遊水地への導水方法や千曲川堤防への影響の技術的な問題や用地取得、工事に要する費用の問題など、現時点での解決が困難な課題が多いと考えております。
 次に浅川への流水抑制対策に積極的に取り組むべきではないかとのお尋ねでございます。
今回の内水総合計画では、各関係機関が役割分担をする中で、河川管理者である長野県と長野市などの流域関係機関が、連携して実施するハード対策とソフト対策が一体となったものでございます。これ等対策のうち、県では先ほど申し上げた排水機場の増設のほか、流域の流水抑制対策と致しまして、流域開発に伴う防災調整池設置など指導などを進めて参ります。
 又、長野市では雨水調整池や学校校庭貯留施設等の整備、雨水の各戸貯留施設への助成制度の利用促進等を行って参ります。県も長野市もこれらの対策を着実に進める共に、浅川総合内水対策協議会において、随時進捗管理を行いながら積極的に取り組んで参ります。

<石坂議員>
 流出抑制対策の具体策として、長野市では、一般住宅の貯留施設設置に助成金を交付しており、平成24年末で雨水貯留タンク3149基、浄化槽転用133基、公共施設の雨水貯留タンク156基、合計3438箇所への設置となっています。県もかつては都市型水害の流出抑制対策として各戸貯留施設に補助金を出していた時期もあったわけですから、住宅戸数も増えている中、補助金を復活するなどして各戸貯留を推進することが効果的だと思いますが、環境部長にお伺いします。

<環境部長>
 各戸貯留の推進についてのお尋ねでございます。
 議員ご指摘の通り、過去に県では浅川流域の雨水流出抑制および水資源の有効利用等を図るため、浅川流域内の世帯に限り平成16年度から3年間各戸貯留施設の設置に対する補助事業を実施しました。しかし、平成19年この補助事業につきましては浅川流域における治水や防災等の啓発に寄与したこと、また、国の補助制度もあること等から廃止をしたものであります。この各戸貯留施設につきましては、流域の流出抑制対策に一定の効果が見込まれるものとして本年5月に策定されました、浅川総合内水対策計画に位置づけられたところでありますけれども、計画ではこの各戸貯留施設の事業主体は長野市とされているところでございます。現在長野市では、国の補助制度を活用し、各戸貯留施設の設置推進に取り組んでおりますので、県としてましてはこの制度が十分活用できますよう所用額の確保等について国に働きかけて参りたいと考えております。

<石坂議員>
 ご答弁にありましたように、今回の内水対策計画案は、主に短期的整備の計画が中心的に説明されていますが、今後の中長期的整備の計画案では、毎秒65tまでの残り7tの排水ポンプの増強、商業施設周辺の二線堤、下流から1.5km区間の堤防の嵩上げなどが検討されています。しかし、建設部長のご答弁にありました、いろんな点で遊水地が効果的でないという中身の検討については、住民からはいまひとつ見えない状況になっています。
 さらに、住民合意が得られていない商業施設周辺の二線堤や堤防の嵩上げは、大いに疑問です。ぜひこの際、ダムは100年に一度の洪水に対して建設していただいているわけですが、内水被害はほとんど毎年のように起こっているわけですので、二線堤、堤防の嵩上げを先送りしても、それらにかける費用で、浅川の内水対策の重点を流出抑制対策の強化や、遊水地の設置に積極的に移すべきではないかと思います。建設部長の見解を改めて伺いします。

<建設部長>
 二線堤や堤防の嵩上げの見直しを含めた流出抑制対策の強化、遊水地の設置についてのお尋ねでございます。
 浅川総合内水対策計画では、先ほど申し上げました様に、浅川総合内水対策協議会で十分検討をすると共に、パブリックコメントや住民説明会でのご意見を伺い策定したものでございます。しかしながら、ニ線堤や堤防の嵩上げについては様々なご意見もあると認識しておるところでありますが、先ずは短期整備に位置付けた排水機場の増設を進めるとともに、計画に位置付けた雨水調整池の整備などを着実に実施していくことが重要と考えております。
 実施に当っては、浅川総合内水対策協議会において、この計画に位置付けた対策の進捗管理を行い、効果的かつ実現可能な浸水被害の軽減に努めてまいります。

<石坂議員>
 排水ポンプの増強はぜひやっていただきたいわけですけれども、それも含めた総合的な対策をぜひ積極的に検討してほしいというのが住民の願いです。
 浅川の堤防は千曲川の堤防より約7メートル低く、千曲川の水位が上昇すれば逆流して浸水被害を起こすため、千曲川の水位が330.1メートルまで上昇すると水門を閉め、現在は毎秒44tの排水ポンプが稼動します。しかし、千曲川の水位がハイ・ウォーター・レベルの335.93メートルになると排水ポンプは停止するため、浅川上流から流れて来た水は行き場を失って下流からあふれる内水被害を起こします。つまり、どんなに排水ポンプを増強しても、千曲川の水位がハイ・ウォーター・レベルになるまでの間排水できるだけで、雨の降り方にもよりますが、下流域住民の皆さんは経験則で大体2時間から3時間降り続いている間と言っている間に排水できるだけで、ポンプが止まれば為すすべも無く、内水被害に甘んじるしかありません。排水ポンプが稼動できなくなった時、上流からの水をとどめておく遊水地があったら、と下流域住民は願っているのです。
 日本共産党県議団は、先日、平成16年7月13日の水害で堤防決壊などの大きな被害を出した新潟県刈谷田川でその後設置された大規模な遊水地、同じく新潟県見附市の田んぼダム事業を視察しました。通常は耕作できる水田に地役権を設定し34億円の事業費で実現した刈谷田川の遊水地はA、B、C、D、E、F池まで6つ、912000平方メートルの土地に234万7000立方メートルの貯水が可能で、事業完成直後の平成23年の大雨では大きな効果を発揮したということです。見附市の田んぼダム事業は簡易なパイプを田んぼに設置し、大雨が降った時の河川への流出抑制で洪水被害を軽減する事業で、新潟大学の研究チームと連携し、事業費1500万円、1200ヘクタールの田んぼに3000本のパイプを設置するものです。新潟県と長野県、刈谷田川と浅川では、もちろん地形も条件も違いますが、学ぶべき点、活かすべき点は大いにあると思います。遊水地は費用対効果が薄い、と切り捨てるのではなく、排水ポンプが止まってからの為す術もない内水被害のできる限りの緩和のために、是非とも本格的な検討をお願いしたいと思います。建設部長、いかがでしょうか。

<建設部長>
 千曲川の水位が計画水位を超えた場合のポンプの停止と遊水地について等々の問題、質問でございます。
 現在国が進めております千曲川の信濃川水系河川整備計画で、県の内水対策計画で同じ昭和58年9月洪水と同規模の流量を安全に流下することを目標にしておりますので、今回の内水対策における検討というものは、千曲川は計画洪水を越えない前提で解析を行なっているものであります。しかし、計画規模を越える洪水の発生によりまして、千曲川の水位が計画洪水に達した場合、その対応については、今回計画しましたハード対策のみで対応することは困難であると考えております。
 このために減災や早期避難に役立つように、雨量あるいは水位情報の発信或いは避難体制の確立等によりますソフト対策を合わせて行ない、流域の皆さまの被害が軽減できますよう努めているところでございます。また、流域抑制対策としての補助等の利用、こうゆうものについては、更に他の地区の事例を見ながら研究検討してまいりたいと思います。

<石坂議員>
 流出抑制では、先ほど環境部長から国の補助を取り込めるよう長野市を支援していくというご答弁ではありましたが、さらに踏み込んで部局横断的な検討もお願いできないでしょうか。環境部長に伺います。

<環境部長>
 議員お話のとおり各戸貯留につきましては、流域の抑制対策に一定の効果があるということで、長野市におきましても国の補助制度を利用して積極的に取り組んでいるところ   でございます。県としましては、その取り組みが支障が生じないように、不足が生じないように、国に対して十分支援をするなど支援して参りたいと考えております。

<石坂議員>
 昨日も「お役所仕事」というようなご質問がありましたけれども、ぜひ柔軟な発想で踏み込んだ積極的な支援をお願いしておきたいと思います。

3、県立四年制大学について

1、 現時点で私学関係者から管理栄養士養成課程の設置について反対意見がある。しかしながら、食の専門性を持つ卒業生の就職先や活躍分野で、新たな可能性を県としても開拓していくことが求められると考えるが、いかがか。
2、 卒業生の卒業後の進路の選択肢を広げる上で、総合マネジメント学部で育成していく人材像について、より具体的なイメージを明確にしていく必要があると考えるが、いかがか。
3、 全寮制、海外留学の実施については、その目的、効果、経済的負担の軽減策などを含め、いっそうの検討が必要であると思うが、今後、どのように検討していくのか。
4、 開学までの、今後のスケジュールについて伺いたい。

<石坂議員>
 県立四年制大学についてお伺いします。
 個別の課題で質問するに先立ち、長野県短期大学を4年制に、との請願が県議会で全会一致で採択されてから21年、バブル経済がはじけるなかで長野オリンピックの大事業を成功させる一方で、他県の県立短大が次々に四年制大学に改組されていく中で具体化は進まず、村井知事時代には県の包括外部監査から、時代の変化の中で存在意義をもつためには「管理栄養士養成過程を軸とする4年制大学への改組が必要」との指摘を受け、検討委員会での繰り返しの議論の中で4年制大学への発展的改組が必要とされ、その後の設立準備委員会の議論を経て昨年9月の基本構想素案の公表、県議会の議論や大量のパブリックコメント、私学関係者との話し合いなどの過程を経て基本構想がまとめられ、ここに、新4年制大学設立に向けて具体的な一歩を踏み出すに至ったことを、心から歓迎したいと思います。まだまだ、解決しなければならない課題も残されており、紆余曲折はあるでしょうが、ここに至るまでの知事はじめ関係者の皆様のご尽力に、感謝と敬意を申し上げ、私も、県民に歓迎される大学実現のための建設的な意見を述べていきたいと思います。

1、現時点で残念ながら私学関係者から管理栄養士養成課程の設置について反対意見があるとお聞きしています。しかしながら、県立大学に管理栄養士の受験資格が得られる教育課程を盛り込むことは、県栄養士会などからの要望書も出ているように時代と社会の要請であり、県短大が果たしてきた人材育成の役割、歴史からも、県短大を四年制大学に発展的改組する必要に迫られた経過からも重要な要素であり、決して私学の経営を圧迫する目的ではないことをご理解いただく努力が必要です。そのため、長寿日本一となった長野県で、食の専門性を持つ卒業生の就職先や活躍分野で、新たな可能性を県としても開拓していくことが求められると考えますが、知事の見解をお伺いします。
 
2、また、新県立大学基本構想では、大学の構成上定員240名中大半ともいえる160名の総合マネジメント学部の具体的なイメージが今ひとつわかりません。この学部は、構成上も大学の理念や教育目標からも、ある意味で目玉となる学部であるだけに、卒業生の卒業後の進路の選択肢を広げる上で、総合マネジメント学部で育成していく人材像について、より具体的なイメージを明確にしていく必要があると考えますが、知事の見解をお伺いします。

<阿部知事>
 県立4年制大学についてのお尋ねに順次お答えしてまいります。
1、いわゆる食品健康コースという形で構想に盛り込ませていただきました課程についての、就職先活動分野の選択という事でのお話でございます。
 基本的な県としての方向性として、「しあわせ信州創造プラン」の中でも健康長寿世の長野県を目指そうという事を打ち出させていただいている訳であります。健康長寿社会を実現していく上では、当然のことながら健康な体と心が大切な訳でありまして、その意味で様々な年代の皆さまに対する食育あるいは食に関連した健康づくり、地域全体で取り組んでいくという事が大変重要だと思っております。
 地域の農産物、長野県は農業県である訳でもありまして、地域のみなさんと様々に特産物のお話をすると必ず食に関連した話になってまいります。そうした中で健康長寿の長野県を活かしていく上ではやはり健康志向に応えていく食品の開発、或いは地域の魅力を活かしていく食の提供と、こうした観点での食ビジネスという事は、産業振興の観点からも重要だと思っております。
 今回、基本構想で食育構想を示している訳でありますが、食・健康に関する専門性に加えて、こうした地域の食育のリーダーでありますとか或いは食や健康の観点からグローバルな視野を持って産業展開ができる人材の育成を目指そうという風に考えております。 こうした事から、単なる管理栄養士課程を充足すればいいという事だけではなく、英語やマネジメント関係の科目、ビジネス関連の科目等を教えていくという事を考えております。
 就職先については、食関連の企業、栄養士は給食施設が中心になっておりますけれども、そうして分野だけではなくて食に関連する企業等、食品産業等も含めてですね、広く対象になり得るものと考えております。
 健康な社会づくりの観点からも広く人材のニーズの広がるような取り組み、県の大学とは別の観点として政策としても進めていかなければいけない、というふうに考えています。例えば栄養教諭の配置等も進めていきたい、そうした観点で県としても、食や健康の分の取り組み進めてまいります。食育の選択等につきましては、新しい県立大学、これは県内のほかの大学とも一緒になって取り組んで参りたいと考えております。

2、それからもう一点、総合マネジメント学部の人材のイメージの明確化というご質問でございます。総合マネジメント学部はグローバルな視点でのイノベーションを興せる人材の育成という事で繰り返し申し上げてきた訳ですが、もう少し具体的に申し上げれば、グローバルビジネスコース、世界的な市場を視野に入れて新しいビジネスを生み出すなど地域の人の資源を活かして事業を展開できるビジネスリーダーを養成していきたいと考えております。卒業後長野県であれば製造業或いは観光業、これはグローバルな視点が不可欠な産業であります。そうした様々な企業に就職をしていただいて企画、プロジェクト経営、営業などの幅広い活躍をしていただくことが可能だと思いますし、またこうした分野で自ら起業するようなことも支援できる体制にしていきたいと思っております。
 また公共経営につきましては、正に地域の課題、私も知事として仕事をさせていただく中で、長野県の課題に対応する上でもグローバルな視点が必要と思っております。政策立案、あるいは地域づくりの担い手とコラボレーションするようなスキルをしっかりと身につける中で、地域社会のリーダーをしっかり育てていきたいと考えております。
 卒業後の考えられる進路としては、先ずは行政、公務員としての進路というのはあり得ると思いますし、協同組合とか学校法人とかいわゆる非営利セクター、更には公共セクターに近い介護ビジネスという様な、これはビジネスではあるけれども行政の仕組みが分からなければ対応できない分野でありますので、そうしたいわゆる公共セクターに関連する民間ビジネスに就職する、或いはこうした分野で自分でビジネスを興していく、こうゆうことが考えられます。
 学習内容につきましては、語学をはじめ幅広い教養、専門分野、体系的に学んでいただいて、グローバルビジネス創出センターにおける企業・自治体との実践的な共同プロジェクト、そうゆうことを行なう事によって即戦力、現場で役立つ力をつけてゆくような仕組みにしていきたいという風に思っております。いづれにしても県内企業、県内の自治体とも幅広く連携しながら、地域に必用な人材を育てていきたい。
 今後は具体的な教育内容、カリキュラムの編成を通じて決定をしていく訳でありますけれども、新大学全体について、人材像、教育内容等について県民、そして最も関心が高い中高生とか保護者の皆さまにも、しっかり伝わる様に努めていきたいと考えております。

<石坂議員>
1、今後具体的なカリキュラムの検討などのなかでも議論されていくことと思いますけれども、原則として1年次の全寮制、コース別の海外留学の実施については、グローバル人材の育成のための必要性は理解できるものの、特に全寮制については、せっかく自宅から通学可能な県内に大学ができるのに、同じ建物に閉じ込めなければ留学生との交流もできないと言う考え方にも疑問もあり、その目的、効果、経済的負担の軽減策などを含め、いっそうの検討が必要であると思います。今後、どのように検討していくのでしょうか。

2、また、知事は、2月県議会で私の質問への答弁で、新大学の開学は5か年計画の計画年度内と答弁されましたが、開学までの、今後のスケジュールについて、以上を高田総務参事にお伺いします。

<総務参事>
 2点についてお尋ねをいただきました。
1、最初に寮、海外留学の今後の検討についてでございます。一年次の原則全寮制につきましては教育機能を持った寮として、主体性、社会性、或いは人間関係を形成をしていく力を涵養するとともに、留学生との異文化交流等によりましてグローバルな人材育成に貢献すると認識しております。海外体験につきましては、一律のものとするのではなく、学部学科の教育目的にあった海外プログラムを全学生が履修することによりまして、実践的な会話力、自らの課題に立ち向かうたくましさ等を養うために大変有効と考えております。
 それぞれの経済的負担に関しまして、寮につきましては一般的には経済的負担の軽減に役立つものと考えておりますけれども、一年次の全学生が入寮することを基本に、経済的事情により入寮が困難な場合の授業料の免除、寮費の減免等、負担軽減について検討していく必要があると認識しております。
 海外プログラムにつきましては、基本構想にもございますように奨学制度等による支援を検討してまいりたいと考えています。今後基本構想に基づきカリキュラムの編成など具体的な検討に入りますが、海外プログラムや寮につきましても、教育効果が充分発揮されるものとなります様具体的な内容を詰め、開学に向けしっかりと準備してまいります。

2、次に、開学までのスケジュールでございますが、開学の時期につきましては基本構想におきまして、平成29年4月を目標としておりますが、施設整備計画等を作成していく中で決定していくとしているところでございます。今後はハード面での施設整備を進める中、速やかに学長を選任し、学長や新しい大学の中核になっていただく教員を中心にカリキュラムの編成等をしていく必要があります。又、合わせて教員選考を行い、入学者選択方法についても決定してまいる予定でございます。現行制度では、開学一年前には認可の届け出を提出をすることになっておりますので、文部科学省共十分連絡をとりながら、精力的に設立にむけて準備を進めて参りたいと考えております。

<石坂議員>
 平成25年3月実施の管理栄養士国家試験の結果を見ると、全国で20455名が受験して合格者7885名、合格率38.5%となっていますが、管理栄養士養成過程の新卒者の合格率が82.7%、既卒者の合格率が7.9%、栄養士養成過程の既卒者の合格率10,1%となっています。
 長野県では松本大学の新卒者33名、既卒者1名、県短期大学の既卒者14名、合計48名が合格しています。
 ところが、お隣の新潟県では、新潟県立大学をはじめ管理栄養士養成過程のある大学が4校あり、新卒だけで111名が合格、岐阜県でも2つの大学で103名が合格しており、長野県は4年制大学の受け皿が少ないだけではなく、管理栄養士養成過程も他県に比べてかなり少ないことがわかります。
 長野県の優れた食文化、豊かな自然、園芸作物をはじめとする多面的な農業や多彩なものづくりや製造業の技術との連携で、限りない可能性が開けてくるのではないでしょうか。これら長野県の有利な条件をくみ尽くし、私学関係者の理解や協力も得ながら長野県の高等教育のレベルアップを図ることを目指していただきたいと思います。
 改めてその辺を踏まえて、知事のご決意を伺いたいと思います。

<阿部知事>
 県立4年制大学につきましては、基本構想という段階まで非常に長い道のりでありましたけれどもたどり着いたわけであります。
 ただ、先ほど申しあげましたように、これからカリキュラムの具体化でありますとか施設整備の話でありますとか、さまざま乗り越えていかなければいけないハードルがあるわけでありますが、私としてはこれからの将来の長野県を考えたときにやはり人材育成ということがきわめて重要だと思っております。
 これから長い将来見渡したときに、あの時こうした形で県立大学が出来てよかったというふうに大勢の県民の皆様方に思っていただけるような大学を目指して全力で取り組んでいきたいと思っておりますし、また県内の他の大学ともしっかり連携・協力しながら県内の高等教育全体の振興のための努力も行っていきたいと思っております。

<石坂議員>
 今後の検討のなかでお願いしておきたいことではありますけれども、先ほど知事からそれぞれ経営マネジメント学部での育成できる人材なども縷々(るる)お話しいただきましたが、全体として全学生が学ぶ、例えば英語集中プログラム、それから基本構想には確かに入っていたと思いますけど信州学、幅広い教養、これをベースにして今まだカリキュラムの具体的な検討、詳しい授業の検討や教授陣の配置などが明らかにならないなかで見えてこない部分ではありますけれども、それらをベースにして例えば教員資格取得に必要な単位を取れば栄養教諭に留まらず教員資格もとれると思いますし、さまざまな新しい分野での免許・資格の取得も十分可能であると思います。それは、いろんな意味で卒業生の今後の開拓分野や就職を有利にしていく側面でもあると思いますので、準備委員会の議論のなかで免許資格取得にやや否定的なご意見もありましたけれども、私は門戸を大きく広げるという点でぜひ可能性を汲み尽した免許・資格の取得も積極的に検討してほしい。これは要望ですがお願いしておきたいと思います。

3、生活困窮者支援について

1、 パーソナル・サポート事業について、本県では、県が主導して事業を行なってきた経緯があり、国に対しても要望しながら本県の方式による支援を継続して進めてほしいが、どうか。
2、 「絆」再生事業については、細やかな対応によって効果をあげている。本県の現在の方式により今後も継続し発展させてほしいが、どうか。

<石坂議員>
 生活困窮者支援についてお伺いします。
 失業や病気などで仕事を失い、経済的困難や社会的孤立に陥っている人の自立支援のためのパーソナルサポート事業は3年目を迎え、寄り添い型の粘り強い支援で、通算相談者数1602人、相談者は40代の25%が最も多く、30代から50代で3分の2を占めており、就労に結びついた人は449人となっています。長野県では、長野市の本部と松本、上田、飯田のサテライトセンターが配置され、県が主導して事業を行なってきたことが、地域の実情に合わせた支援に効果をあげてきています。しかし今年度の国による生活困窮者自立促進支援モデル事業のイメージでは、実施主体は原則として指定都市、中核し、市区町村、都道府県については福祉事務所設置市区町村と連携して取り組むとされており、せっかく成果をあげてきているこの事業が継続できるかどうか心配です。長野県のとりくみの成果を発信し、国に対しても要望しながら、長野県方式による支援が継続できるようにしていただきたいと思いますが、商工労働部長にお伺いします。

<商工労働部長>
 パーソナルサポート事業についてのご質問でございます。
 長野県におけるパーソナルサポートモデル事業につきましては、平成23年度から内閣府のモデル事業として、長野県労働者福祉協議会の協力を得ながら全県対象に実施したところでございます。ご質問にもございましたが、長野、松本、上田、飯田に相談拠点におきまして様々な課題を抱える方々に対し、制度横断的な寄り添い型の支援を実施しております。
 2年間で1,600人を越える方々の利用がございまして、これら一人一人のニーズに対して官民の枠を越えた連携により、約450人の就労が決まったほか、社会や地域とのつながりを再構築するなど、多くの成果があげられたと考えております。今年度からは厚生労働省に移しまして「生活困窮者支援事業」の一つとして実施するとなっておりまして、更に平成27年からは福祉事務所を設置する自治体、市と県でございますが、中心となって推進することが検討されていると聞いております。
 しかし、小規模自治体が多く、しかも面積が広い長野県におきましては、県が主体となって広域的に取り組むことが効果的であると考えています。先月には知事が厚生労働省に赴きまして、本県の取り組みを説明し理解を求めてきたところでございます。
 今後とも国の動向を注視しつつ市町村とも連携しながら本県の取り組みを進めてまいりたいと考えております。

<石坂議員>
 生活困窮者の「絆」再生事業については、平成23年12月から民間支援団体が行なう相談支援事業、社会的居場所作り事業、生活困窮者の子供の学習支援事業などに補助金が交付され、当初は年末年始の緊急避難的な支援だったとりくみが、日常的な細やかな対応によって効果をあげています。雇用、経済情勢の大きな好転が見られず、メンタル的な支援の重要性も増している現状の中で、「絆」再生事業は、長野県の現在の方式により今後も継続し充実、発展させてほしいと思いますが、いかがでしょうか。健康福祉部長にお伺いします。

<健康福祉部長>
 生活困窮者の絆再生事業についてお答え申しあげます。
 この事業ですが、県内各地の民間支援団体が実施主体となりまして、生活困窮者を対象に就労や健康、生活などの相談事業、生活困窮者が交流する居場所づくりなどを行うものでありまして、県では平成23年12月から、緊急雇用創出基金を活用して支援団体に対する助成を実施しているところでございます。
 実績を申しあげます。昨年度は8つの団体が取り組みをされ、補助金額は734万1千円というところです。相談会を257回開催し、延べ1469件の相談があり、居場所づくりの交流会は165回を開催し、延べ1979人が参加されるなど、多くの方の支援につながっていると承知しております。
 実施にあたりましては、民間団体のネットワークやノウハウを活かして、行政だけでは担う事のできないきめ細かな支援が行なわれておりまして、生活困窮者が社会的なつながりを回復し、生活の自立や就労にも結びついていると承知しております。
 この事業の実施期間でございますが、国の措置によりまして、一応今年度末までと延長されているところでございます。県では今年度も事業費1000万を計上しているところであります。来年度以降、具体的な事業にくる予算措置につきましては現在のところ明確ではございませんが、国におきましては生活困窮者の就労、自立支援対策に、総合的・積極的に取り組む方針を今打ち出すところと承知をしております。県としましては、引き続き各団体・関係機関と連携を図りまして、国の事業を活用しながら生活困窮者の支援に取り組んでまいりたいと思っております。

<石坂議員>
 ただいまお尋ねしましたパーソナルサポート事業や絆再生事業に留まらず、それ以前から取り組まれておりますジョブカフェ信州などの取り組みを含めて、本来国の基金やモデル事業ということで始まった事業ではありますが、私はこれらの事業は長野県的な発想と地域の実情にあったかなりきめ細かな、良い事業として取り組まれてきたと思っております。
 そういう点でぜひ、最初に職員給与の引下げの問題で、国から地方交付税の一方的な削減ということで始まる事態は非常に残念であるという点をお話ししたんですが、逆に地方自治体からの発信が今やっぱりより良い方向に社会や政治を向けていく大きな原動力にもなると思いますので、ぜひその点を踏まえていただきまして、それぞれの事業の継続と地方からの発信で、いっそう長野県らしく頑張っていただきたいし、また私たちもそのために県民ニーズに答えられるような仕事をしていきたいと決意を申しあげまして、以上で私の質問の全てを終わらせていただきます。