2013年9月定例会 9月30日  小林 伸陽

自然災害による農業被害の救済策の創設を求める意見書案

 議第13号、自然災害よる農業被害の救済策の創設を求める意見書の提案説明を行います。

長野県の田園風景とその後方に映える山岳風景は、長野県の観光産業にとっても大きな宝。又、安心・安全な食を守る上でも農林業の振興は喫緊の課題です。

しかし、その大切な資源を維持している農山村の人口は年々高齢化と後継者不足に陥り、その維持さえますます困難になりつつあります。

くわえて近年、凍霜害・雹害・ゲリラ豪雨・竜巻、そして台風の上陸による大雨、突風など異常気象が全国各地で頻繁に発生し、農林業に甚大な被害をもたらしています。この春県下を襲った凍霜害の被害額は35億6000万円にも及ぶ甚大な被害、その後も降雹被害、台風被害が全県を襲いました。

度重なる自然災害は被災農家の意欲を削ぎとり、切り捨てられる果樹園、荒廃する農地が増加するなど深刻です。

これらの被災者救済に農業共済制度がありますが、保証の中身は被害額のほんの一部にしかなりません。小規模農家の多くが未加入、大規模農家も掛け金の負担が重く未加入も多いと言います。我が党県議団も多くの被災地の現地調査を各地で行い、被災者の悲痛な声を知事や農水省に伝え、これまでの前例にこだわらない抜本的支援を要望してまいりました。  

知事も従来の支援にとらわれない支援を表明。我が党県議団は6月7日には農水省に出向き、園芸作物課の宮本氏、災害総合対策室の大井氏らに、被害の実態と被害者の声、要望を伝え抜本的支援を訴えてまいりました。

農水省では、現在の農業共済制度が複雑で現実と乖離している。全ての農家が喜んで加入できる共済制度を作りたい等、災害被災者支援の抜本的改善の検討が課題となっているとの話がされました。

今定例議会にも、長野県市長会から「果樹共済作物の適用拡大を求める」陳情、「果樹共済制度における共済掛け金の県の補助制度の創設もとめる」陳情、「農作物等災害緊急対策事業として果樹緊急生産維持対策事業の創設を求める」陳情、下伊那北部5町村議会から「農業共済制度の強化・充実を求める」陳情、安曇野市からも、農作物等災害緊急対策事業の充実と果樹共済制度加入促進事業の創設」を求める多くの陳情が提出されています。知事も国が新たな交付金のしくみ等の制度を検討していると、永井議員の質問に答弁されました。国の動きに大きく期待するものです。

長野県農業を守り発展させる上で、今後も頻繁に発生が予想される、避けがたい自然災害の減災対策と同時に、被災者救済の抜本的制度の創設を求めるものであります。

しかし、聞くところによるとこの意見書に賛同する議員が少ないとの情報に接し、何かの間違いと思わずにはいられません。農業県、長野県議会から全国に、自然災害にもまけず、歯を食いしばってがんばっている農家の皆さんや、それを支援しようと頑張る県下の市町村の理事者、議会の皆さんの声に応えて、全会一致で採択いただけるものと確信しています。国に対して自然災害時の救済策の創設を強く求めることを、こころより訴えて提案説明と致します。